転生して原作キャラと仲良くなりたい!   作:冬月雪乃

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束襲来

さて、箒がすごいはしゃぐ前に釘を刺しておくか。

 

「箒。強さとは、なんだと思う」

「なんだ突然。ーーしかし、強さか……お前はどうなんだ、詩織」

 

ふむ。

では正直にいこう。

 

「私はね、自分で言うのはなんだが、無敵だと自負している」

 

何せ、

 

機竜 

Sesaph型:121 

Cherubim型:408 

Gaigalim型:640

武神 

Lords型:301 

Virtues型:814 

Powers型:1201

自動人形 

Prince型:98000 

Arch型:10001 

Angelus型:189000

 

プラス全竜のパワーインフレだからね。

 

「……自信があるんだな、詩織は」

「自分に自信を持てず、しかして強大な力を振るうなど、狂気の沙汰だよ。ーー根暗な子供が核兵器のボタンを持つようなものだ」

「……なるほどな。確かにその通りかもしれんな」

 

あ、だめだこれ。

自分はそうじゃない、とか思ってそうな顔だ。

まぁ、仕方あるまい。

失敗したなら私が全竜体当たりで沈めてしまえば良いだけだ。

銀の福音。シルバ……なんだったか。

ーーシルバニアゴスペル?

……何か惜しい感じがするね。

ともあれ、ギリギリまで様子見と行こう。

耳に聞こえる何かが大気を切り裂いて墜落する音を聴きながら、私は箒から離れて入水する。

ーーおぉ、久しぶりの海水浴。

ふふ、楽しくなって来たね。

 

「あ、あの服で自在に泳いでる……!」

 

そんなに難しい事かね。

おっと、そろそろか。

……おや、少し離れた所に墜落するのだね。

 

「おい貴様……何を勝手に入水している……?」

 

あぁ、今日も修羅には勝てなかったよ。

 

 

 

 

 

 

#

 

 

 

 

 

 

アイアンクローで握られ、ぞんざいに投げられた私がビクンビクンしていると、私の隣に滑り込む人影があった。

 

「やほ、しーちゃん」

 

それは私と瓜二つの顔を持つ女性で、千冬のアイアンクローを受けた後だというのにピンピンしている。

ーー慣れているというのかね……。

 

「やぁ、久しぶりだね束。今日も可愛らしいね」

「あはは、ありがとしーちゃん」

「すまないが手を貸してもらえるだろうか。アイアンクローで足腰立たなくてね」

 

痛いよねー、などと言われながら引っ張り上げられた。

 

「本当に似てる……」

「胸以外はな」

 

よし、そこのドイツ軍人はそこに直れ。

 

「ひぃ!」

「待て待て詩織、そんな笑顔で寄るなやめろ剣を構えるなうわぁああああ!」

「騒ぐなバカ者!」

 

アイアンクローが入りました。

 

 

 

 

 

 

#

 

 

 

 

 

 

紅椿をフィッティングしている束と箒を尻目に私は再びビクンビクンしている事になった。

なんだあのアイアンクロー。

頭蓋骨が割れ砕けるかと……。

 

「んでね、しーちゃん。しーちゃんの謎技術をなんとか再現したよ!」

「……なんと」

「見ててね!」

 

束が取り出したのは巨大な剣だ。

 

「特性上、私は布都御魂って呼んでる」

 

興味深そうに箒が剣を見ている。

……いや、箒だけではない。クラス全員が注目している。

 

「拝見しよう」

「えいっ」

 

・ーー

 

束が布都御魂を海に向かって振るう寸前、概念条文が聞こえた気がした。

いや、概念に至るギリギリ手前か。

ともあれ、結果としては海が割れた。

 

「概念っていうのは物事の究極の理由。切れるから切れるし、切れないから切れない。なら、それを集めればいい」

 

束は唖然とする面々を置いて、ポツリと確認を求めるような声で私に話しかける。

 

「なかなか突飛な発想だね」

「私でもそう思うよ。布都には切断を意味するありとあらゆるものを量子化したりくっつけたりして搭載してる」

 

ふむ。

塵も積もれば山となる。

切断の概念を集めれば、概念条文程度にはなるだろう。

 

「どう、あってる?」

「概ね正解だ」

「やったね!」

「私も布都御魂に似た剣を作っていてね。それをお見せしよう」

 

量子化を解いて出したのは黒い大剣だ。

 

「次の課題は、これを再現するレベルに技術を上げる事、だね」

「うそ……なに、それ……」

 

・ーー刃に触れたものは断てる。

 

刃先に触れた太陽光が切れた。

軽く振れば大気が切り裂かれ、海が断ち割れる。

 

「うむ。切断の意味を持つ概念を数千、布都御魂そのものが概念として機能出来る様に名前の意味が力を持つ概念で底上げ。これが君への課題だ」

「ふふ……解析したと思ったらこれだもんなぁ」

「サンプルとしてこのソードビットを渡そう」

 

束は素直にソードビットを受け取ると、笑った。

 

「しーちゃん。認めるよ。貴女は私と並び立てる」

「光栄だよ、束。ようやく認めてくれた様だね」

 

束と真の意味で友達になれたようだ。

ふふ。

今なら全力で暴れられる……!

 

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