翌朝。
束の秘密ラボでの一夜漬け。というか軽い勉強。
というのも、参考書類は一度見れば覚えられたからだ。
どうやら記憶力がすごい事になっているようだ。
そして両目のアレはやっぱりナノマシンだった。
ただし、ラウラのものとは違い、超視力が良くなるだけのもののようだ。
が、幾たびの実験の後、脳の処理能力が上昇、視界内ならハイパーセンサー並の反応が出来る様になった。
具体的には引き金を引く瞬間とか。
さすがに引かれたら時間遡行反撃が発動するが。
「いやぁ、さすが私と同じ容姿なだけあるね!」
ちなみに、束と私は血液型から誕生日、果ては静脈や網膜、指紋まで完全に一致した。
遺伝子はさすがに一致しなかったが、私の記憶力と処理能力、あと外見、というか身体の構成に大いに興味を引かれたらしい束は私の事を身内判定してくれた。
天才の考える事はよく分からんな。
「じゃあ後はお風呂だね!しーちゃんも女の子なんだからキレイキレイしないとねー?」
「その手の動きをやめたまえ束。なんだかふしだひゃああ!?」
お風呂に連れ込まれて丹念に洗われた。
具体的には手揉み洗い。文字通りに。
身内判定出た瞬間に距離縮まりすぎじゃないだろうか。
「よし、後は沢山寝て、専用機持って入試にゴー!」
間違いなく貴方のテンションは寝に入るものではありません。
あぁ、寝てても実験やら理論実践してるんだっけ。
なら仕方ないね。
二人で寝ることになったので大人しく抱き枕にされて寝た。
束からは規則正しく寝息が聞こえるが、なんとも私は反応しない。
女だからか?
「ふむ。やはり大きいーー」
しばらく堪能させて頂いた。
☆
朝。
束はすでにベッドにはおらず、そばで黒いISをいじくっていた。
「束? それは?」
「しーちゃん専用機だよー。名前付けてあげて?」
「ユグドラシル」
「……何の関連もないね……まぁいいけど」
はいフィッティングとかやるよー、と引き摺られてユグドラシルに押し込まれる。
「ふむ。結構色々積み過ぎじゃないだろうか」
「まぁ実験機あげるだけだからねぇ」
なるほど。
「第三世代ISユグドラシル。フィッティング、パーソナライズ完了、と」
待機状態はカソックだった。
束曰く、待機状態も実験、だそうで。服になるかどうかなど色々試したら戻らなくなったそうだ。
神を信仰しない私が修道服、ね。
ナイフでも量子化したのを仕込んで戦闘シスターにでもなろうか。
そうしよう。
ナイフが無かったので諦めた。
学園に着いたらやってみよう。
「では、いってくるよ、束」
「うん、またね、しーちゃん」
私は束謹製の転送装置ーー本当になんでもありだなこの人ーーを使って直接試験会場に飛んだ。
女同士揉むくらいならスキンシップさ。