返事はなんというか、是非お願いします的な感じだった。
アリーナで集合。
参加者は一夏と愉快な仲間達だ。
「まずは、感謝する。詩織。お前の齎した戦争で、多少だが女尊男卑の風潮が緩くなった」
「なんの話かわからんね。千冬」
「なら、そういうことにしておくさ」
なにこの人超凛々しい。
「で、まずは千冬からかね?私は全員でも構わないのだが」
「ふ、馬鹿者。私はーー囮だ」
「ブルーティアーズ!フルティング!」
どこからか聞こえた声と共に、私を取り囲むようにブルーティアーズとフルティングが舞う。
監獄射撃、とでも言うのだろうか。
「なるほど、確かにブリュンヒルデが現れては意識はそちらに向かざるを得ない」
しかし、甘い。
「・ーー全ては一瞬で真逆となる」
私と千冬が交換される。
「ユグドラシルの単一仕様能力『立場転換』残念ながら、それも既に対策済みだ」
「む!?」
「捕らえた!」
腕が掴まれた様に動かない。
「雪片ぁああああ!」
避ける暇もなく、私は雪片に切られた。
さらにそこに衝撃砲、弾丸、ビーム、ミサイルが殺到する。
「束かね」
「あったりぃー!」
おそらく、全員そこにいるのだろう。
束の超技術により、見えなくなっているか認識出来なくなっているか、だ。
「ふふふ、これでは為す術がないではないか」
ここまで台本通り。
実は、私を概念兵器でズタボロにやっつけることで、ISより誰にも使えてかつ、汎用性が高く、比較的安価な概念兵器を提供し、ISを元の宇宙開発用に戻そう、という計画だったのだ。
「ふふふー、しーちゃん。私の新しく作製した概念兵器、そのお味は如何?」
「極上だ。これはISでは手も足も出ないね」
そして、決戦の承諾は束が概念抽出に成功し、確立した合図。
全世界にこの決戦を配信し、概念兵器を周知させる。
全世界襲った際には概念兵器は使用しなかった為、私が概念兵器の第一人者である事は誰も知らない。
全てIS技術の応用と全世界には言ってある。
「まだまだ驚くのは早いよ!」
全ての飛び交う弾丸が私に軌道を変える。
「当たり、もう一発」
「なんと……概念兵器とはここまでーーッ!」
なんという茶番。
ぶっちゃけ私が反撃に転じたら全滅必至なので、ボロ雑巾の様に扱われるしか選択肢がない。
「詩織ィ!」
「一夏か!」
仲良くお話する時間もない。
斬りかかる一夏を何とか捌くが、その背後から鋭い突きが来る。
正確に喉の中心を穿つそれは正しく突き。
ISの絶対防御を紙の様に貫き、私の喉を打ち抜く。
「かっ……ッ!」
呼吸が出来ない。
リンチが始まる。
いや、ちょ、待て、貴様ら遠慮なさすぎじゃないか!?
ラウラなんて歪んだ笑みを浮かべているではないか!
本気か!?本気でぶっ殺しにかかっているのか!?
「しーちゃん。残念だよ。仲良く私と共同研究してれば良かったのに。力に溺れるのは、一番ダメなんだよ?」
この束、ノリノリである。
確かに、束との共同研究をした事、研究の最中、驕り高ぶって世界征服を企んだ事などは私が与えた設定ではあるが……。
「か、ぁ、ぐふ……」
いや、本当……酷いでごさるよ。
優しい皆はたまに気遣うみたいな顔になるが。
しかし攻撃は緩まない。
「く、くふ、やはり私は研究者、という事かね……。こうもあっさり死にかけるとは……」
予定調和だがね。
いや死にかけたのは予想外だが。
「しかし、捕まるわけにはいかん。さらばだ諸君」
カチリ、と奥歯で音が鳴る。
アリーナが爆音と閃光でいっぱいになった。
#
後日談というか、その後。
世界はゆっくりと、ではあるが男女平等に戻りつつある。
そしてISは宇宙開発技術として使われ、新しく世界に登場したのは概念兵器。
束は概念技術提供の条件としてISを宇宙開発で使うことを盛り込んだ為だ。
そして公には死んだ私は悠々自適に成層圏の向こう側で暮らしている。
いやほんと、未だにあの決戦という名のリンチが映像として流れることがあるが、酷い。
容赦無く友人を無言でリンチする外道達も酷いが、私が一撃も攻撃しないというのも。
まぁ、口を開くな、と言ったのは私だが。
いつかバレるぞこれ。
世界は好意的に、概念兵器はISより強く、攻撃の隙も与えなかった、と解釈してくれてはいるが。
何回かキレかけて武装を呼んだのが良かった。
あれがなかったら完全に八百長がバレた。
「どうしようかね」
そして、私の目の前には手紙がある。
七海詩織殿、と書かれたそれには覚えがある。
問題児が異世界からくるそうですよ?に出てきた手紙だ。
どうする。
開けば行けるが。
……まぁ、連絡取れなくなるわけではないし、開くか。
私は手紙を手に取った。
という事で、次回は問題児世界にまいります。
とりあえず、別にブックを作るつもりなので、よろしくお願いします。
反省点
・もっと丁寧になりましょう。