色々とすっ飛ばして、私は今教室で突っ伏して寝ている。
前方には緊張感で凍りついた織斑一夏が座っており、背後ではヒソヒソ話をしている女子の声がする。
まぁ、男性操縦者だもんなぁ。
多分私の修道服も噂の的なんだろうなぁ。
そして私は本格的に寝た。
「ーーぅ?」
うるさくて起きた。
顔は上げずに、声だけ書くと一夏が千冬に殴られた辺りであることが分かる。
「で、だ。初日からいきなり居眠りとはいい度胸だな七海!」
千冬の出席簿アタック!
私の時間遡行反撃!
「んぅ? あぁ、申し訳ない。不意打ちでつい」
あ、と思った時には既に千冬の背後に周っていた。
教室内が凍りつく。
「ね、姉さん……?」
「残念だが人違いだ。私の名前は七海詩織。最近の悩みは篠ノ之束と間違えられて誘拐されたりすることだ」
「七海。席につけ」
気を取り直した織斑先生に促され、席に戻る。
注目を浴びて恥ずかしい。
「な、なぁ」
「何かね? あぁ、その前に前をーーもう遅かったか」
一夏に出席簿アタック!
効果は抜群だ!
「七海に色々聞きたいことがあるなら休み時間にしろ。今は授業中だ」
さて、この後はどうしようか。
後に考え込んでいたせいでほとんど自己紹介を聞いてなかった為、人の名前を言えない、という真に失礼な事が起こるのだが、まぁ、それはいいだろう。
「七海、七海。良いか? 一夏もだ」
休み時間。
箒に呼ばれました。
どうやら一心不乱に黒板を眺めていたように見えていたらしく、後に山田先生が涙目になっていた事が明らかとなった。どうやら無表情が怖かったらしい。
「で、何用かね? 金なら貸さん」
「七海は本当に姉さんと関係ないのか?」
「あぁ、関係ないかどうかと聞かれれば関係ある方だが、容姿については完全に偶然だよ」
「世の中似てる人は三人いるっていうもんなぁ」
遺伝子以外一致する似てる人がこれ以上いてたまるか。
「それだけかね? では失礼」
こっそり箒に頑張れ、と言ったなら顔を赤くしながら固まった。
可愛い反応だな。
ーー教室に戻るまで、私を遠巻きに見るものは居ても話しかけてくる人は居なかった。
「なんとなくそうだろうなと思っていても、さみしいものだな」
「どーしたのななみん?」
野生の布仏さんが話しかけてきた。
どう見ても黄色い電気ネズミだ。
「いや、なんでもないよ。ところでなにか?」
「んー、なんでもないよ〜」
い、癒される!?
なんだこの圧倒的癒しパワー!
映像や本から得られる癒しからはまったく密度が違うぞ!
「そうかね」
この休み時間はのびのびと癒された。