「七海? おーい七海ー? 七海さんん?」
クラス代表決定戦当日。
私はピットでのんびりしていた。
あくまで今回の主役は一夏だ。
セシリアに色々と気付かせるのも一夏だし、好かれるのも一夏だ。
美少女とはいえ外国人には興味ないし、そもそも今の私は女だ。
性別を気にしなそうな人など束くらいしか知らない。
束もどうか分からないが。
「詩織ちゃぁーぶぅあ!?」
妙な猫撫で声で声をかけてきた一夏を殴った。
我ながら腰の入った良い拳だったと判断する。
「どうした一夏。床と親交を深めているのかね」
「ぎ、疑問系ですらねぇこの鬼畜……」
悶絶する何かをーー「白ーーぶああ!」ーー思い切り震脚で踏み潰してピットを歩く。
本当にアレは一夏なのだろうか。
原作は大分前に読んだきりなので判断がつかない。
確かにハプニングエロスが多い主人公だったが、こんなにも変態だっただろうか。
「まぁ、どうでもいいね」
「詩織。どうだ?」
箒がいきなり話しかけてきた。
箒とは束の事で苦労している、という点で意気投合し、仲良くなった。
揉んだりしても怒られないぞ!
やらないが。
「仕上がりならそれなりだ。なんなら生身でセシリアと戦うが?」
「ははは、面白いことを言うな詩織は」
箒が愉快そうで何より。
一夏はーー、
『織斑君!専用機が来ました!』
おお、来たか、白式。
『七海はこれよりセシリアと対戦だ。早く行け』
「了解した、教官どの?」
ユグドラシルを展開。
そのまま飛び立つ。
大空に飛び立ち、そしてそこを自由に征く。
なるほど、これだけの爽快感と開放感は他では味わえないものがある。
「ふむ。セシリア・オルコット。悪いが。勝たせてもらうぞ」
「いきなりですわね!」
目を合わせた瞬間攻撃。
ショットガンを乱射する。
面での攻撃に、セシリアのブルーティアーズもBT兵器を出せずに苦労している。
「ショット」
セシリアは気づいていないようだが、ショットガンの攻撃は当てるつもりは一切ない。
その本質は誘導、である。
結果としてセシリアは私の弾丸をまともに食らう結果となった。
「ははは。ざまぁないね」
「く、ぅう! ブルーティアーズ!」
BT兵器が襲ってきた。
一夏との対戦もあるからある程度の無傷で倒したいんだが。
ふむ。
私はショットガンをしまい、ブルーティアーズの攻撃を受けようとした。
当然のようにチートが発動し、セシリアの背後に転移する。
「んな!?」
「歯を食いしばりたまえ」
一撃。
しかし地味な戦い方だね。
派手に行こうではないか。
「ユグドラシル。シールドエネルギー半分パージ」
エネルギーが抜ける。
セシリアが屈辱そうな顔をしているが、多分考えていることは違うと思われる。
「パージしたエネルギーと、攻撃などに使われた余分なエネルギーを、収束」
頭上に巨大なエネルギーの塊が出来上がる。
「受けてみたまえ。私の全力全開」
最高のスピードでエネルギーの塊の真上に移動し、引き上げる。
誰もが見上げるような位置に引き上げると、私が何をしているか、これから何が起きるのかをセシリアが理解したらしく、わざわざディスプレイに拡大したセシリアの表情が青褪め、絶望に広がっていく。
「なかなか良い表情をするね?」
「こ、こうさーー」
「非殺傷設定版スターライトブレイカー!」
降参とは言わせない。
言い終わらなかったらまだ降参してないからだ。
もしかしたら降参なんかしないですわ!ブルーティアーズ!と攻撃をしかけてくるかもしれない。
ぶっちゃけせっかく集めたのに勿体無い。
「きゃああああ!」
セシリアの必死で逃れようとして無理だった悲鳴が私の聴覚に届く。
うむ。
記念すべき一発目は上々の結果と言えるだろう。
非殺傷設定だし、大丈夫。
セシリアは無傷で気絶している。
ブルーティアーズも全くの破損はない。
「ははは。私の勝ちだね!」
こうして、記念すべき一戦目は私の圧勝で幕を閉じたのだった。
詩織はまともに戦闘する気がありません。