朝倉 陸
呼び名:リク
好きな物:特撮番組『爆裂戦記ドンシャイン』
嫌いな物:英語
駒王町にある小さなアパート『星雲荘』に相棒の黒歌と一緒に住む、ごく普通の高校一年。星雲荘の一階にある駄菓子屋『銀河マーケット』でバイトをしながら生活している。
兵藤 一誠とは幼馴染み。
赤ん坊の頃に捨てられていたため、両親のことは一切知らない。
黒歌
皆さん御存知、あの黒歌。
怪我をして、空腹で倒れそうになっていたとき、小学生の陸と出会い、その時から一緒に暮らしている。
普段は猫の姿で、陸の鞄の中に入っているが、星雲荘では人の姿になる。
プロローグ
ウルトラ戦士。それは宇宙の平和を守る、正義の
しかし、そんな戦士たちの中に、唯一闇に染まった者がいた。その者こそ、最凶最悪の戦士『ウルトラマンベリアル』。
一度はウルトラマンの一人、『ウルトラマンゼロ』に敗れ、消滅したが、時を経て復活。再び、ウルトラ戦士たちとベリアルとの激しい戦いが始まった。
その戦いの舞台となったとある宇宙は狂乱の渦中に巻き込まれてしまった。
そんな中、科学者でもある『ウルトラマンヒカリ』は、この戦いに終止符を打つべく、ウルトラマンの力を宿した『ウルトラカプセル』を開発する。その掌サイズの小さなカプセルはたった一個で戦況を覆す程の可能性を秘めていた。
しかし───
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その
建物のほとんどが燃え、崩壊し、コンクリートの地面の殆どがひび割れ、午前中でありながら空は黒く染まっている。
そんな中、日本のとある町で光を纏った巨人たち『宇宙警備隊』と闇を纏った巨人『ウルトラマンベリアル』が戦っていた。
「ベリアルッ! これ以上、てめえの好きにはさせねえッ!」
ウルトラ戦士の一人、所々がひび割れた白銀の鎧を纏った、青と赤の体を持った双角の戦士『ウルトラマンゼロ』がベリアルを指差して叫ぶ。
互いにボロボロ。しかし、数では此方が有利。
だがしかし、ベリアルは突然笑い出した。
「フハハハッ! 俺を追い詰めたつもりだろうが、それは違うな」
「なんだと・・・ッ!?」
「今からその意味を教えてやる───超時空消滅爆弾、起動ッ!」
ベリアルが、手に持っていた両端に金砕棒がついた棍棒状の武器『ギガバトルナイザー』を天に掲げる。すると、ギガバトルナイザーの両端から紫電がほとばしり、上空の空間に次元の穴を開ける。
「せいぜい足掻くがいいッ! フハハハハハハ───
その言葉を残し、ベリアルは炎の中に消えていった。
その時、次元の穴から落ちてきたのは、ウルトラマンたちの2~3倍はありそうな金属の塊。
それを見た瞬間、ウルトラ兄弟やゼロ、レオ等の歴戦の戦士たちは理解した。
『あれ』はヤバい。この宇宙が終わると・・・。
その戦いを見ていた『ウルトラマンキング』は即座にウルトラ戦士たちをその星から離脱させた。
唯一、ゼロが星を守るために飛び込もうとしたが、それを彼の父親『ウルトラセブン』が止める。
「離せ、親父ッ! このままじゃ、あの星が・・・ッ!」
「行くな、ゼロッ! この宇宙はもう・・・」
「そんな・・・」
目の前で地球が爆発し、崩壊していく。それによって出来た次元の断層はその宇宙全体に広がり、周りの星々を消滅させた・・・
───かに思われた。
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201X年4月中旬。日本の駒王町にある小さなアパート『星雲荘』の一階にある駄菓子屋『銀河マーケット』では、店長兼アパートの家主『久米
『深読みサイエンスの時間です。今日はあの未曾有の大災害「クライシス・インパクト」を徹底解析していく為、宇宙学者の
本日はよろしくお願いします』
『よろしくお願いします』
『早速ですが宇佐波教授。あなたは一般的に知られているクライシス・インパクトの原因は間違っていると主張されていますが、それはどういうことでしょうか?』
『ええ。クライシス・インパクトは一般に巨大隕石が原因とされていますが、違います。この写真を見てください』
そう言って、宇佐波教授は一枚の写真をカメラに向けた。そこには炎に包まれ、崩壊した町、そして、つり上がった赤い瞳の黒い人影が写っていた。
『当時のデータは全て無くなったとされていますが、これはクライシス・インパクトが起こった当時の写真です。この中心の人影を見てください。
彼の名はウルトラマンベリアル。私はこの彼こそがクライシス・インパクトの原因ではないかと考えています』
「ウルトラマンベリアルねぇ・・・」
モシャモシャとふ菓子を食べる晴雄。
そんなとき、鞄を片手に持った学生たちが四人、店にやって来た。
そのうちの一人、星雲荘に住む黒髪の青年『朝倉 陸』が挨拶する。
「ただいま、店長」
「お帰り、リク。なんだ? 今日はイッセーたちも一緒か?」
「うん。実は───」
「「聞いてくださいよ、ハルヲ店長ッ!」」
陸が何かを言おうとしたとき、彼の後ろから坊主頭の青年『松田』と眼鏡の青年『元浜』が涙を流しながら晴雄に詰め寄った。
「ど、どうしたんだよ? そんなに涙を流して・・・」
「これが泣かずにいられますかッ!」
「あのイッセーに・・・ッ! あのイッセーに・・・ッ!」
「おいおい。イッセー、何かしたのか・・・て、なんだ、その顔は?」
晴雄の視線の先、先ほどから『イッセー』と呼ばれている茶髪の青年『兵藤 一誠』の顔は誰が見ても『キモい』と言いそうなほどニヤけていた。
「フフフ・・・実はですね。俺、ついに彼女が出来ましたッ!」
「ふーん、彼女がねえ・・・て、え? ええええええええッ!?」
晴雄が驚くのも無理はない。何せ、彼らが通う学園『駒王学園』では変態のレッテルを張られているのだ。そんな彼に彼女が出来るなど誰が考えられるだろうか?
一誠の言葉が信じられず、晴雄は陸に本当かどうかを問う。
「イッセーの彼女本人から挨拶してきたんで、間違いじゃないです。それで、今日はイッセーのお祝い+置いてかれた松田先輩と元浜先輩の慰め会をここでしようってことになって・・・」
「そうか・・・よしッ! 今日は俺の奢りだッ! 好きなジュースとお菓子かアイスを一つずつ持ってけッ!」
「「「「ゴチになりますッ!」」」」
陸と一誠は笑顔で、松田と元浜は涙を流しながらお礼を言う。その時、陸の鞄から『ニャ~』と鳴き声が聞こえ、僅かに開けた鞄の口の中から一匹の黒猫が頭を出した。
「お? 黒歌じゃないか。またリクの鞄に潜り込んで、学園に行ってたのか?」
「ニャッ」
「よし。お前には昨日の夕飯の刺身の残りをやるぞ」
「ニャア~♪」
彼らはそれぞれジュースとお菓子、もしくはアイスを奢ってもらい、店の裏で一誠を祝い、また松田と元浜は互いを慰めあった。
夕方。一誠たちと別れた陸は星雲荘の二階にある自分の部屋に帰った。扉を開け、中に入り、肩に下げていた鞄を下ろす。
すると、黒歌が鞄の中から這い出てきた。次の瞬間、黒歌の体が光に包まれ、猫耳と尻尾が生えた扇情的な和服姿の女性になった。
そう。黒歌は普通の猫ではない。この猫・・・いや。彼女は猫又、その中でもとりわけ力の強い『
「うーん・・・やっぱり家が一番だニャ」
「ちょッ!? 急に戻るなよ。誰かに見られてたらどうするんだ?」
「大丈夫。人避けの結界を張ってるから。あ、今日はカレーだったよね? 中辛でお願い」
「猫って、刺激物いけたっけ?」
「猫じゃないもん。猫又だもん」
「とりあえず、作ってるからテレビでも見ててよ」
「はーい」
そう言って、黒歌はテレビをつける。
『───であるからして、クライシス・インパクトはベリアルが引き起こしたと言えるのです』
『確かに、当時は謎の巨人が多数いたと噂がありますが・・・』
『はい。ですが、偶然見つけたこの写真以外、何もデータが残ってないとは奇妙なんですよ。まるで誰かが隠したみたいに───』
「うわぁ・・・まだやってるニャ」
テレビの音声は台所に立つ陸にも聞こえていた。
「・・・ねぇ、黒歌。本当にいるの、ウルトラマン?」
「うーん・・・私も直接見たわけじゃないけど、確かに存在していたとしか言えないニャ。けど、あのクライシス・インパクトからは一切確認されてない」
「そうなんだ・・・あ、黒歌。今日はチキンカレーでいい?」
「オッケー」
これが彼、朝倉 陸のごく普通(端から見れば、少し変わっている)日常。
だがしかし、この時の彼は思いもしなかっただろう。
これから起こる、逃れることの出来ない自分自身の運命に・・・
重要単語
【クライシス・インパクト】
二十年前に地球規模で起きた未曾有の大災害。一般的に『巨大隕石の落下』が原因とされているが、その時のデータが何故か残っていないため、調べることが出来ずにいる。
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はい。今回はここまで。
『ハイスクールGEED』改めて、『ハイスクールG×D』の始動です。
『戦士開眼シンフォギアゴースト』も同時に頑張っていくので、応援をよろしくお願いします。