ちなみに筆者、本日誕生日なんですがやったことといえばしこしこキーボードを叩いていたことくらいです。ウーン、孤独!
「……くっ! また見失った! SOPMODⅡ、そっちは!?」
「ダメ! 全然分かんないよ!?」
「足も速ぇが、視線誘導の技術と裏のかき方が尋常じゃないな……。気を付けろよ、案外近くに居るかも知れん。警戒は怠るな」
「ええ、このタイミングで逆に飛び出してくる、何てことも十分有り得ます。皆、気を付けて」
畜生、M16A1とM4A1が鋭い。サクっと撒いた後に一当てして頭数を減らしておこうかと思ったが、このタイミングで仕掛けるのは得策じゃなくなったな。虚を突くつもりがしっかり警戒され始めたんじゃリスクがでかすぎる。近場で様子を伺い相手の動き出しを待つか、距離を取るか。悩ましい選択だな。
追跡戦訓練が始まってから幾ばくかの時間が流れた頃合。今は2度目のエンカウントをどうにか凌いだ直後といったところだ。最初は俺の読み通り追いかけっこになったわけだが、流石の4人もその段階でむやみやたらに発砲するような愚は犯さなかった。お互いが走りながらの状態ではまともに照準が合わせられるわけがないし、頭部や胸部に当たってしまっては即ゲームオーバーだからな。それに今回は弾数制限もある、開幕での浪費は避けたいところだろう。
そうして手頃なビル街に突っ込み、幸先よく4人の視線を切れたわけだが、ここからちょっと俺の想定外の事態になってしまった。というのも、てっきり人数差を活かした積極策を取ってくるものと思っていたのだが、どうやら基本をツーマンセルで固めて適度な距離を保ちつつ、じわじわと索敵網を広げて炙り出していく作戦を採用したらしい。あいつらの視線を切ってからというもの、捕捉こそされていなかったが、そのせいで逆にこちらからの捕捉も難を要した。ただでさえ人数差がある状況で、相手を見失ってしまうのはあまりにもマズい。そして、相手を見つけようとして音や足跡などの情報を必要以上に漏らしてしまうのはもっとマズい。
結果、双方が頓着状態に陥った。基本的に人数差というのは余程の実力差か、環境に大幅な優劣がついていない限りは覆せない。彼女たちは既に俺一人で無双できるようなヒヨっ子ではなくなっているし、環境については現状五分である。お互いがお互いの位置を把握出来ていないという情報の差も五分。こうなってしまってはシンプルに人数差がキツい。そして俺は人間である以上、戦術人形である彼女らと違って疲労がある。制限時間切れを狙った逃げ切りもあるにはあるが、まだ序盤も序盤、そっちに舵を切るには相手の位置と動向を把握出来ているという前提条件が必須だ。このままではジリ貧まっしぐらである。
と、いうことで。多少攻めすぎている感はあったが、こっちから積極的に動いてカウンター的に相手の動向を探る方針で行くことにした。こういう時は思い切りが肝要だ。下手にびびってジリジリと動いていては相手にも時間と余裕を与える結果になる。考えた結果、いくつか射程範囲内にある建物の窓ガラスを指切り射撃で割りながら、音という情報を一時的に飽和させて全力でダッシュする作戦を敢行した。これで一瞬でも戸惑ってくれたり浮き足立ってくれれば御の字。最悪のパターンは俺の予想以上に実は近場でニアミスしてたって事態。
で、その最悪を見事に引き当てて必死に隠れたのがついさっきの出来事である。いやー焦った。あの瞬間ばかりはポーカーフェイスを貫けていた自信がない。対面した時多分5メートルも離れてなかったんじゃないかな。
幸運だったのはAR小隊の方も塀を盾にしながらじりじりと進んでいたことで、突如死角から飛び出してきた俺を発見した時の初動が僅かばかり遅れたこと、そして俺は既にトップスピードに近かったことだ。誰かの銃口が何度か火を噴いたが、幸いにも被弾を免れ、しばらくの追いかけっこを経て今こうして隠れているわけであった。
しかし逃げ切ってから思うが、あの至近距離で俺に動向を探らせなかったのは流石の一言だな。行軍の音も聞こえなかったし、多分言葉も交わしてない。もしかしてあいつら、俺の知らない間にハンドサインかジェスチャーでも学んだのか? 座学の時にちょろっとそういうのもあった方が便利だぞ、みたいな話に少しだけ触れた記憶があるが、これがマジなら非常に厄介だ。
こういう場合において、一番の情報源は目ではなく耳になる。つまり、歩いている音や交わしている会話などから状況や位置取りを推察することが非常に重要だ。勿論直接目で見ることが出来ればそれが手っ取り早いんだが、こちらから目視出来る状態というのは、即ち相手からもこちらを視認出来る状態だということ。無闇に頭を覗かせるのは危険極まる。
ここでのベストは、4人に気取られないように、かつ見失わないよう距離を取り、一方的に観測出来る場所を確保し、常に相手の動向を確認しながら後の先を打つ、ってところなんだが、そも最初の条件からしてほぼ無理である。あいつら電脳のスペックはさることながら、当然のように義体のスペックもいい。よくよく考えなくても、遭遇戦訓練でアレだけ動き回りながら精度の低下が見られないんだしな。更に動体視力や聴力といった部分も非常にデキが良く、今は一時的に情報差を作れているもののこの状態を維持したまま距離を離すのは不可能に近い。まず気取られる。
うーむ。もしかしてこれ、ほぼ詰みでは? 少なくともローリスクで乗り切れるシチュエーションではなくなっている。今仕掛ければ何人かは食えるだろうが、リロード動作を挟まずワンマガジンで4人全員を沈められる可能性は低い。どれだけ動き回ろうが相手もこっちを捉えられるわけだから、間違いなく被弾はする。頭部や胸部は多分狙わないだろうから、撃たれるとしたら足だ。機動力を失えばほぼ負けである。腕が無事なら応戦は出来るが、それでも大幅に不利なことに変わりはない。
そもそもが、この訓練を開始してから4人のうち1人もキル判定を取れていないことが想定外であった。無駄撃ちもほとんどされておらず、まだまだ弾薬の余分はあるだろう。どれだけ少なく見積もっても、全員ワンマガジン分はフルに残っているはずだ。
俺は今まで彼女たちに射撃のことや戦術に関して教えてはきたが、追跡技能や隠密行動について教えたことは一度もない。今回が初めてだ。これは人間でもそうだが、初めての経験だったとしても「多分こんな感じだろうな」みたいな予想と見様見真似でそれらしい動きは出来るだろう。だからこそ俺は、その程度を想定していた。スタートから早々に姿を眩ませて、ドヤ顔で一人ずつダウンさせて行く算段を立てていたくらいである。ちょっと前の自分をぶん殴りたい。
この追跡戦訓練、実を言えば逃げる側の俺が相当有利な条件で始まっている。いくつか設けた条件の中でも、その難易度を大きく跳ね上げているのはターゲットである俺の生死判定が勝敗に結びついていることだ。これがデッドオアアライブであれば、彼女たちの動き方も大きく変わってくるだろう。それくらい「対象を殺してはいけない」縛りは戦場に於いてキツい。敵を殺すのは状況次第で素人でも可能だが、敵を殺さず無力化し、捕縛するのは素人では絶対に出来ない。相手が現役の軍人となれば尚更である。
そのはずなのに、始まって早々、俺の方が追い詰められている。今の状況だけで見れば五分だが、ここから巻き返すプランが浮かんでこない。正確には幾つか候補はあるが、そのどれもがリスクを伴うものだ。せめて何か突破口となるイベントでも起こればいいんだが、そんな奇跡が期待出来るほど甘い相手じゃない。うーん、どうしたもんか。
ズバンッ!!!
今後の作戦を色々と練っていると、銃弾の発砲音とは些か趣の異なる、それも桁違いの大音量が突如鳴り響く。続いて文字通り目も眩むような閃光が視界一帯を覆い尽くした。
向こうも俺の位置を精確には分かっていないのか、直撃はしなかったがそれでも有効範囲内に投げ入れてきたのは流石としか言い様がない。俺はと言えばこんな隠し球があるとは露程も思っていなかったもので、モロにその爆音と閃光を防護動作無しに浴びてしまった。
ヤバい、平衡感覚が無くなっている。視界も聴覚も効かねえ、クソ、何秒経った。
想定外の焦りが全身を襲うが、向こうは俺の位置までは詳細に把握出来ていないはずだ、今動くのは自殺行為。とにかく動かず、音を立てず、異常が収まるのを待つしかない。が、時が経つのがメチャクチャ遅く感じる。耳鳴りがうるさい。後何秒で復帰できる?
ドォンッ!!!
ようやっと視覚と聴覚が収まりかけた頃、直ぐ近くから先程とはまた違う爆発音が鳴り響いた。
おいおいおいおい今度は何だ。反射的に音がした方角に視線を投げると、ビル街に榴弾でもぶち込まれたのか、派手な音とともに大いなる質量を伴った瓦礫が辺り一面に降り注がんとしていた。
マジかよ畜生! やべえ!
余程打ち所が悪くない限り流石に死にはしないだろうが、それでも直撃すれば確実にどこかしらにダメージが入るであろうサイズのコンクリート塊がどぼどぼと落ちてくる。隠密行動とか悠長なことを言っている暇はない、とにかく今はこの場から一刻も早く、全力で離れないとマズい。考えるよりも先に俺の手足は動いていた。まだ耳鳴りは収まりきっていないが、平衡感覚は戻っている。ただ只管に走る分には問題ないだろう。
たまらず飛び出すと、そう遠くない位置に索敵を続けている4人の姿が視界に捉えられた。やはり閃光弾と榴弾を打ち込んだ方角を中心に見てはいたものの、若干の距離はある。これなら逃げ切れる距離だ、見事に一杯食わされたが折角方向を絞って虎の子の投擲武器を使ったんだから、間髪いれず距離を詰めるべきだったな。この状況から少しでも好転させておきたい、貴重な弾薬ではあるがあいつらに向けてある程度ばら撒いてその出足を止めておく。とりあえずばら撒くってのが出来るのもサブマシンガンの優位点だな、取り回しが軽い。
「おおっと、何処へ行くつもりかな教官? チェックメイトだ」
飛び出した先、挨拶代わりのバレットシャワーを浴びせた後に一つ角を曲がって走り出せば、目の前には一体の戦術人形。ちょっと手を伸ばせば触れ合えそうな距離で、彼女は悠々とその愛器を構え、寸分違わずその銃口を俺の中心へと定めていた。
んんん? あれれぇ? M16A1がどうしてここに居るのかな?
流石の俺もこの事態には理解が及ばなかった。だってさっき見たとき4人揃ってたじゃん。もしかして戦術人形って極まれば瞬間移動も出来るの? ちょっと未来に生きすぎじゃない?
思わぬ事態に固まっていると、直ぐ後ろから聞こえる複数人の走る音。いやーこれは詰んだ。完全に走ることに意識を割いていたから、俺の右腕は前に向いていない。今から構えて撃ち始めるには些か分が悪すぎた。多分1ミリでも右手を前に動かしたら撃たれる。そこに甘さを期待出来るレベルの相手では最早なくなっていた。
「あいつらと一緒に動いてるのはダミーだよ。訓練の説明を受けてから使えるかもと思って呼び出したんだが、いやぁ間に合ってよかった。まさか卑怯とは言うまいよ?」
ずっりぃ! いやずりぃよそれ! どっからどう見ても卑怯じゃん! ていうかダミーって何さ! おじさんそんなの初めて聞きましたー!
なんて、個人的には大いに感じるものはあるものの、それを卑怯などという小賢しい一言で済ませていたら今俺はここに立っていない。ずっと昔にどこかの戦場で人知れず屍になっていただろう。
「やったー! 教官捕まえたー!」
どすん、と、後ろから誰かに抱きつかれる音と衝撃を感じる。振り向かなくても分かる、SOPMODⅡだろう。じゃれついているようにも思えるが、しっかり俺の両腕を巻き込んでホールドしてきてやがる。振り解こうにも直ぐには無理だな、周囲も固められてるし。これで武器も扱えなくなったし完全に終わったなあ。
完敗、というやつだ。まさか初戦で負けるとは思ってもいなかったし、しかも負けるにしても両手足を捥がれた芋虫コースではなく、接近してのホールドアップで決着など想定外にも程がある。さらには俺は誰もキル出来ていないし、俺も含めて誰も被弾していない。正しく100点満点の追跡戦における戦果だった。内心ドヤりながら訓練の説明をしていたちょっと前では想像も及ばなかった事態である。何らかの辱めを受けてもおかしくないくらいに恥ずかしい。
オーケー、降参だ。両手は拘束されていて動かせないので口から俺の負けを告げる。
確かに俺は、訓練開始前に「投擲武器や補助兵装を使ってはいけない」なんて縛りを設けていなかったし、「ダミー人形を使ってはいけない」なんてことも一言も言っていない。つまり、禁止していない。ということは、やってもいいのである。訓練とは言え戦場ってのはそういうものだ。
俺の落ち度は、彼女たちがプライマリアームしか使わないと勝手に思い込んでいたことと、戦術人形そのものに対する理解度の低さだ。別に彼女たちは外道卑劣な手段を用いたわけではない。文字通り使えるものは何でも使おうとしただけである。褒められこそすれども叱責を受けるようなことは何一つしていない。何せ俺自らがサイドアームの訓練をしていたくらいだ、逆に考えが及んでいなかった己の失態を責めるばかりである。
「はっは! やったぜ! やっと教官に一泡吹かせられたな!」
そう言って喜びを表現するM16A1は、本当に嬉しそうだった。遭遇戦訓練でも確かに黒星は付けられたが、今回の勝利はまた違った意味を持つのだろう。正しくやり込められた俺には、素直に賞賛の言葉を紡ぐしか残されていなかった。ついでに拘束の解かれた両手を動かして、M16A1とSOPMODⅡの頭を乱暴に撫でてやる。せめてもの仕返しである、冴えないおじさんに頭を撫でられるという屈辱を味わうがいい。
「えへへ……えへへへへぇ……」
あれぇ、何か俺の期待していたリアクションと違うぞ。何故ちょっと嬉しそうなんだ。いやまぁ、SOPMODⅡは分からんでもない、普段から犬みたいな感じだし。でもM16の姉貴は違うでしょ。ちょっと顔を伏せながらドギマギするのをやめなさい。君そんなキャラじゃないでしょう。調子狂うわ。
しかし、戦術人形にダミーなんていうクッソ便利なものがあるなんて知らなかった。というか、そんなものがあるなら何故最初から出さなかったんだろうか。その疑問を素直に口に出せば、今までは出せない理由があったという。
彼女たち戦術人形は先般述べた通り、電脳が持つ銃器の情報と義体の情報をリンクさせ、動きを最適化していく必要がある。いくら優秀なスペックを積んでいても、実戦における最適化が行われていない状態では銃一つまともに扱えないのは初日に判明したとおりだ。
で、ダミー人形を操るにはその最適化がある程度進んでいないと難しいらしい。言われて見ればその通りで、自分の身体すら正しく動かせない状態で、更に遠隔で人の形を模した塊を動かすなんて無理にも程がある。だから彼女たちは最初の顔合わせの時に一人で現れた。ダミーを操れるレベルにまで習熟していなかったから。
そしてその最適化の度合いは、専門のチェックを通すことでパーセンテージという形で可視化されるらしく。彼女たちが初めて俺と出会った当初は全員が1%だったらしいのだが、今では4人全員が70%を越えているとのこと。そのレベルまでいけば、数体のダミーを動かせるらしい。
じゃあ全員ダミー連れてくればよかったんじゃないのとも思うが、そこら辺は別に考えるところがあったようだ。
ダミー人形は何も完全な自律行動が出来るわけではなく、あまり複雑な命令もこなせないようだ。隠密行動なども多少出来なくはないが所詮は真似事レベルの出来らしく、そうなると容易に俺に見つかってしまうだろうと予測。それで明らかに頭数が増えれば俺を警戒させる可能性が高く、上手くことが運べなくなる事態を危惧したそうだ。まぁ確かに、俺からしても明らかに同じ顔した奴が増えれば疑問視もする。ダミー人形の存在自体は今初めて知ったが、事前にそれを目にしていれば対応も変わってきたかもしれない。
そうならない為に、彼女たちは現場に合流させるダミー人形の数を最低限まで減らし、ここぞというタイミングで入れ替わって見事俺の目を欺いたというわけだ。そしてなんと、この計画の大半を考案したのはM4A1らしい。慎重策を得意とするM4らしい、だが確かに攻めの意志が一筋光る妙案だった。
「教官っ」
説明を受けながら俺が感心していると、後ろからM4A1の引き締まった声。振り向けば、いつもの弱気な彼女とはまた違う強い表情が見て取れる。
「わ、私も、頑張りましたのでっ」
お、おう。そりゃそうだろう。作戦の考案から実行まで、多少他のメンバーのフォローもあっただろうが見事なものだった。それは言われなくても十分に通じたし、俺も十二分に理解している。
が。どーもそういうことを言いたいって感じの顔じゃないな、これは。俺みたいな冴えないオッサン相手に何張り切ってるんだか、理解に苦しむ。ただまあ、折角よくやった教え子が望んでいるんだ、無碍にするのも大人気ないってところかな。
M4A1と、ついでにAR-15も呼び寄せて乱暴に頭を撫でてやる。優しさなんてのは申し訳ないがどっかに落っことしてしまったようなので、これで勘弁して欲しい。
うーむ。しかしこれはまた随分と懐かれてしまったものである。ま、要は親の刷り込みみたいなものなんだろう。恐らく彼女たちは、戦術人形として生を受けてからここまで、特定の異性と長期に渡って触れ合ったことがないと見える。この訓練期間を長期と捉えるのには些か疑問も残るが、もしも製造したてってことならその理屈も通るだろうな。単純に俺より前に、となればクルーガーなんかも当て嵌まるはずだが、あいつはあくまで受け入れ先の責任者であって直接面倒見る立場じゃなさそうだからなあ、挨拶程度にしか関わりがなかったのかもしれん。
さて、頭を撫で繰り回すのも程ほどに、これからどうするかなと思考を巡らせる。
正直ここまでのレベルを見せ付けてくれるとは思いもしなかったもので、こいつらの教導を始めてからというものいい意味で裏切られてばっかりだ。身体能力、銃器の扱い、個人戦術、連携、隠密行動、咄嗟の判断力、どれを取っても一級品に近い。特にろくに教えてもいなかった追跡技能と隠密に関しては天晴れだ。よくぞここまで勝手に仕上がったものだと感動すら覚える。ただまぁ、手本がないなりにこなしたところもあって所々に細かい粗は見られるから、残りの時間はこの立地も活かして様々なパターンの追跡術、隠形術なんかを仕込んでいくとするか。こいつらなら今日一日でしっかりモノにするだろ。帰ったら今日の訓練内容を元にして作戦報告書の書き方もレクチャーしよう。その上で、どう動けばより効率的に追い詰めることが出来たかなんて戦術論を交わすのもいいな。
やはりこいつらと一緒だと俺もワクワクする。そして今日の訓練でも、しっかりと俺にその真価を示してくれた。俺が教えてやれることはもうあまり残ってはいないが、俺の持つすべてが、少しでもこいつらの輝きの足しになってくれればと思う。
願わくば、このまま力を付け続けてどうかこのご時世を無事に生き抜いてもらいたいものだ。戦術人形に対しては過分な望みかもしれないが、ただのアンドロイドだと切り捨てられないくらいには俺も愛着が湧いてしまっている。そして、もし許されるのであれば、彼女たちには是非真っ当なパートナーとともにその人生を謳歌して欲しい。いくら人形だとは言え、自我を持つ見目麗しい少女たちが戦場でその一生を終えるのは余りにも忍びない。というか、今更だが何でこんなビジュアルにしたんだ。メカでよかったんじゃないのか。
「……ふふっ。教官、次は何を教えてくれるのかしら?」
AR-15の瞳が、柔らかな光を伴って真っ直ぐに俺を射抜く。綺麗に整えられていたはずの桃色の調べは、今やくちゃくちゃだ。
……うむ、前言撤回。ビジュアルがいい方が俺のテンションがぶち上がる。この綺麗な人形たちが出来る限り傷を負わずに済むように、俺も頑張らなきゃな。
この小説では、ゲームシステムを現実的に落とし込めないかなーってのを考えながらやってます。
Lv1の人形を新規で育てようと思った場合、作戦報告書をたらふく食わせて4-3eぶん回せば1週間で4Linkくらいいけるじゃろ? 俺はイケる。
そろそろ巻きに入る頃合なので、どうか最後までお付き合い頂ければ幸いです。
すっかり過去作になりましたが
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最近新しく読み始めたぜ!
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定期的に読み返してるぜ!
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AR小隊はいいぞ