INFINITE・JUSTIRISER   作:加古川託麻

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あけましておめでとうございます。
今年も拙いですがよろしくお願いいたします。


砂漠の旅人、太陽の旅人

4月。検査の日───から半月後。

 

IS学園、1年1組。SHR中。ISの名が指す通り9割を女子が占めるクラスの中に二人の()()がいた。

 

「えー、えっと....織斑 一夏です。 よろしくお願いします。........................以上です!」

 

一人は今、自己紹介を行って教師───織斑 千冬に出席簿で殴られた千冬の弟、世界で()()()の男性IS操縦者、織斑 一夏。もう一人はそれを幼さを残した顔つきで見つめる世界で()()()の男性IS操縦者、篠ノ之 剣。

 

「げぇっ!? 関羽!?」

 

「誰が三國志の英雄か、馬鹿者」

 

「千冬姉!?」

 

スパン!

 

「織斑先生と呼べ」

 

「は、はいぃ...」

 

キャーーーーーーー!と響き渡る女子の黄色い爆音にも顔色一つ変えず正面を向いていた。 その後も自己紹介は続き、ついに剣の番となった。

 

「では、篠ノ之 剣くん」

 

「はい」

 

剣の名前を呼ぶ副担任───山田 真耶(逆から読んでもやまだまや)の声に従い起立し、全体を向いた。女子の視線が突き刺さる。

 

「篠ノ之 剣です。よろしくお願いします」

 

そこまでいうと口をつぐみ、また正面を向く。 教室全体を静寂が包み、次は何を発するかを期待しているようだった。

 

「以上で───」

 

すを言い終わるタイミングで出席簿が飛んできた。そのまま頭に直撃し投げた千冬の元にブーメランのように戻る。あちこちから息を呑む音が聞こえた。

 

「......っ」

 

「自己紹介もまともに出来んのか馬鹿者」

 

「............」

 

表情を変えずに直撃した部位を少し撫でたがそのまま席に座った。

千冬はため息をついたが山田先生に次を促した。

 

 

 

 

 

 

 

一時間目の授業が終わり、休み時間に入る。

すると、女子の興味の雨の中、一夏が剣の席にやって来た。

 

「よお、剣じゃないか! 久しぶりだな~!」

 

すっと周囲の女子たちが散らばり、辿り着いた一夏は先程から女子に囲まれていたせいか砂漠のオアシスにたどり着いた旅人のような笑顔を浮かべていた。

 

「...久しぶり」

 

一方の剣は、太陽に照らされた旅人のような顔をしていた。

 

「おう6年ぶりだな。いやぁ驚いたぜ、まさか剣もここにいるなんてなぁ...」

 

「そうだね、僕も驚いた。()()()一夏だったなんてね」

 

うんうんと二人で頷き会う。

しばらく互いに6年間の出来事について当たり障りなく話した。

 

 

 

「一夏」

 

「......でさ、そこで!拳王流と鳳龍院心拳の火蓋が切って落とされ──」

 

「一夏」

 

「? なんだ?」

 

「時間、もうすぐ二時間目が始まる」

 

剣が指した時計が休み時間の終わりを告げる時刻に着こうとしていた。

 

「おっととやべぇ遅れたりしたら千冬姉にやられちまう! じゃまた!」

 

「.........」

 

手を振りながら自分の席に戻る一夏に軽く手を振り返す剣だった。そんな二人を席から篠ノ之 箒ともう一つの視線が見つめていた。

 

 

 

「───であるからして、ISの基本的な運用は現時点で国家の認証が必要であり、枠内を逸脱したIS運用をした場合は──」

 

 

山田先生がすらすらと教科書を読む中、2時間目の授業は進んでいく。

 

 

(やべぇ........全然わかんねぇ......)

 

一夏はうろうろと周りを見渡すが皆、ノートを一生懸命取っていた。

 

(もしかして...わからないの俺だけ......?)

 

(...ハッ........剣........!)

 

仲間を探すかのように剣の方を向くが剣はノートもださずただ話を聞いているだけだった。

 

「織斑くん、篠ノ之くん、何かわからないところはありませんか?」

 

「え、えっと──」

 

「ないです」

 

(剣ぃぃぃいぃぃいいい!! 嘘だろ!? こうなったら仕方ねぇ!!)

 

「先生ッ!」

 

「はい、織斑くん!」

 

「まったく全部わかりません!」

 

 

 

 

 

 

 

「痛てててて......くっそぉ千冬姉...一切容赦がねぇ...」

 

2時間目が終わりまた剣の元に出席簿ではれた頭を押さえながら一夏がやってきた。

 

「仕方ないよ、先生のいっていた通りISは兵器だ。兵器を扱うんだから深く知ることは大事だ」

 

「まあそうかぁ....」

 

「ちょっとよろしくて?」

 

突如呼ばれた声に同時に振り向く。

いかにも高貴そうな金髪ロールの女子が声をあげていた。

 

 

 




もっと、地の文を削ってテンポよくしたいですね......
感想、アドバイスお待ちしております。

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