羽黒黒子、ヒールレスラーを親に持つ彼女が人知れず日本の危機を救う。

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はい、とある場所での悪乗りです。


羽黒伝説

 一人の少女がとある場所を目指している。

 

 「しゃあああああらあああああ! まってやがれよおおお!!」

 

 ……、一匹の野獣が周りの迷惑も考えずに吠えながらとある場所を目指している。

 この野獣、羽黒 黒子というヒールレスラーを親に持つ女子高生だ。

 名は体を表すというものなのか、時代なのか、その外見は見事なヤマンバギャルである。

 この野獣が向かっている場所と言うのは、とある病院である。

 と、言うのも、別に体調が悪いわけでも、両親が運ばれたわけでも、友人が入院しているわけでもない。

 この日の昼に放送されたとある番組が原因である。

 

 「うっし、うっし! 準備は万端! アタイの舌技舐めんなよ!」

 

 どうやら何かしたが関係したことをするらしい。

 

 

 

 

 

 ――――

 

 

 

 

 「ふう、九鬼め調子に乗りやがって。この俺に手を出すとどうなるのか、思い知らせてやる」

 

 都内、とある病院の個室、まさに満身創痍と言った具合の怪我人。

 この男こそ石油王であり格闘技の世界チャンピオンであるミスマである。

 彼がこんな有様になっているのは、その日の昼に起こったとある出来事が原因だ。

 彼がこの国、日本のとあるTVの生放送番組にゲストとして出演しているときに事件は起こった。

 

 ――化け物、まさにそう言うのにふさわしい実力だった。

 九鬼が長女はその放送を寂したと言い放ち、格闘技チャンピオンであるミスマに挑んだのだ。

 その結果が今の彼である。

 

 「あれに力で勝つのは……無理だ。財力も及ばないだろう。だが、俺が持つのは石油、これの流通はいくらく気でも無視はできないはずだ」

 

 彼は高慢であったが馬鹿ではない、自分の持てる武器をうまく使った報復の方法に頭を巡らせていた。

 そんな風に彼にしては静かな療養をしていると

 

 ――バタン!!

 

 「オラー!! たのもう!!」

 

 彼の心に最後の人たちを食え湧得るべく、勢いよく扉が開いた。

 そこにいたのは先ほどまで息巻いていた野獣である。

 

 「な、なんだ貴様は? 俺を誰だと思っている? お前のような愚民が気安く入ってくるな」

 

 ミスマは入ってきた女性の非常に個性的な容貌、ぶっちゃけ正気じゃないそのメイクにひきながら訪ねる。

 

 「ああん? 忘れたとは言わせねーぞ? アタイはわざわざあの放送見て一億貰いに来たんだからな!」

 

 そう、ミスマは放送中にある条件を達成すれば一億をやると豪語していた。

 しかし

 

 (こいつと戦う? 冗談じゃない!! く! この怪我のせいで抵抗できないだと? やめろ! 近付くな!!)

 

 ミスマは心の底から助けを求めていた。

 しかし怪我のせいで逃れることはできない。

 

 「しゃあ、早く準備しろよ! それともアタイに準備してほしいのか!!」

 

 迫る野獣、その時ミスマに天啓が下りる。

 

 (いや、こんな奴に俺が準備させられるはずがない! そうだ、こいつも無駄だとわかれば諦めるに違いない!)

 

 「ふん、よかろう。やれるものならやってみるがいい、雌豚」

 

 「ちょ、雌豚とか失礼すぎるんですけど! けど一億掛かってるから頑張るんですけど!」

 

 そう言って、優位性を取り戻したミスマだったが、次の瞬間、驚愕に目を見開くこととなった。

  

 「うおりゃあああ!!」

 

 初っ端、なんの戸惑いもなく彼女は彼の急所を攻めたててきたのだ。

 

 (な、こ、この女下品にもほどがあるだろう!)

 

 そして、次の瞬間、彼は絶望の淵へと叩き落される。

 

 「な! こ、この俺が戦闘態勢になるだと!?」

 

 「ふぐ、あふぁいのぢづふぉふひははふぇふぁ」

 

 「っく、戦いながらしゃべるな! クソ! こんなはずでは、こんなはずでは!」

 

 余裕が消え失せ、只管必死に耐えるミスマ、しかし、ミスマの予想とは裏腹に、羽黒と言う女性は修羅場をくぐってきていたようだ。

 逃げようにも怪我のせいで逃げられず、組み付く女になすすべがない。

 この辺は流石レスラーの娘と言うところであろう。

 

 「……ふう、あんたいうだけあってしぶといじゃないか」

 

 技を一度中断させそう言ってくる羽黒。

 その様子に諦めたかと安心するミスマ。

 

 「ふん、分かったならとっとと……」

 

 「それじゃあ、値のとっておきを見せてやるよ!!」

 

 「なん……だ……と?」

 

 戦慄した次の瞬間、ミスマの意識が白く染まる。

 

 「く、……くあああああああああ!!」

 

 百戦錬磨のミスマ、そうであったはずだが、さすがの彼も一瞬気を抜いた隙に同じ百戦錬磨の技をぶつけられてはどうしようもなかった。

 

 ――――ここに決着はついた。

 

 

 

 死にたい、心の底からミスマはそう思っていた。

 

 「ふう、ふう、大口叩くだけあってやるじゃんあんた」

 

 そう言いながら健闘をたたえるように話しかけてくる羽黒に、ミスマは心が折れていた。

 

 「ああ、うん、一億だっけ? うん、分かった、すぐ小切手で用意させるからもういいだろ?」

 

 そこにはもはや櫃の放送で魅せた高慢さなどかけらもない、一人の負け犬がいた。

 

 「おお! 真剣で!! っしゃああああああああ! 一億ゲットだぜ!!」

 

 うん、だから早く帰って。

 そう言おうとしたミスマだったが、

 

 「んー、じゃあ、おまけに天国見せてやんよ!」

 

 負け犬とかしたミスマに欠けられたのは、まさかの追い討ち宣言であった。

 

 「え? いや、もういいだろう? お前の目的は終わっただろ?」

 

 もはやミスマの目には恐怖しか浮かんでいなかった。

 

 「お前みたいな強敵めったにお目に掛かれないかんな。うっし、それじゃあ第二ラウンドだこら!」

 

 「い、いや、なんでもするからゆるし……ぐああああああ!!」

 

 怪我をしたうえでマウントを取られていて、ミスマには命乞いの言葉さえ最後まで言うことは許されなかった。

 

 

 

 

 

 この後、ミスマは日本と言う国をひどく恐れるようになった。

 計画していた石油の流通による報復も、日本とかかわりたくないという一心から行われることはついになかった。

 周りの者は、九鬼にあのような目にあわされては仕方がないと思っていたが、真の功労者は誰も知ることはない。




これ、消されるかな?w

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