出会いはとても不思議なものであった。彼女は高校生活の初日を欠席したのだ。私が興味を惹かれたのは初日に会うことがなかったからではないか。いや、仮に会っていたとしても私は彼女の雰囲気や容姿に心を奪われていただろう。
初めはメールアドレス(LINE)を求めコミュニケーションを積極的に図っていた。目的が達成されたあとも関わり続け、ひょんなことから同じバンドに所属することになった。
いつからだろう、相手自身に心を惹かれたのは。メールは大抵私からであった。時には満月の話題もあった。話をしている時も彼女はスマートフォンなるもののスクリーンを見つめていることが多かった。そして彼女からは他校の男子の話をときどきされるようになっていた。私は分かっていた、彼女の心は既に満たされていたことに。
ある夏の暑い日にとうとう私は愛を伝え、パートナーになって欲しいと願ったのだ。地下の街はいつもの様に多数のライトが私たちを照らしていたが、外は曇っていた。私のメンタルはそれほどまでに強靭ではないが窓ガラスに映る私は元気であった。
それからは何事もない日々が続いた。変わったとするならば夏休みに入りかけた頃であり、一緒に出かけることを執拗に誘っていたことか。毎日続けていたメールのやり取りの中でも誘ってはいたが、それでも出かけることはなかった。共通点を求め、私は彼女と同じゲームを始めた。些細なことでも話がしたかったのだ。
ある日私は新しく始めたゲームのコラボイベントに応募した。当たるとは思ってはいなかったが。私は彼女を誘い、そして一緒に行くことが決定された。
台風が接近し、どんよりとしていたがそれどころではなかった。そのシチュエーションで満足していた。傍目にはカップルに見えるような時間であったろう。例によって一瞬で幸せは終わってしまった。
私はまた渇き、思い出として、自慢として、デートとしてTwitterにツイートした。ただの言葉遊びであったがそれで傷つき、欠けていた心も満たされる気がしたのだ。そうして私は仮初の光を使い、欠けた心を埋めた。
10月にライブを行ったが、その一週間後に私は彼女に呼び出された。私はその時初めて絶望を味わったのだ。それからは上手くコミュニケーションを取れず、メールも全てに怯えながらする日々が始まった。
他者からの非難が飛び交い、居場所を失った気がした。同じ空間にいることが苦痛であり、また安らぎを求めたがゆったりとしたペースでの返信であった。
今更誰を恨む訳でもないが恨むとしても自分自身の傲慢さを恨むべきであろう。今では以前のように戻ったように見えているが、以前のように他愛のない話はしなくなった。彼女からの私の認識であり続けようと振る舞い、騙している。
今も私は空を見上げ、ただただ綺麗な三日月を眺めている。