恐れを知るものは、無限の空を目指す   作:めんつゆ

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 第12話  「ハル、大学にて」

 

 なーちゃんと別れてから俺は父の大学に向かった。一応昼食は自前でとるとメールはしたが、駅で到着時間を調べるとだいたい三時に近くなってしまうことがわかった。

急がないとな・・・父さんも心配しているだろうし・・・

そんなことを思いながら俺は父さんの研究室がある大学への道を急いだ。

 

        ◆                    ◆

 

 「父さん!ごめん!心配した?」

 

 そういって研究室の扉を開けると・・・目の前に現れた、幻想的な緑色の結晶体に俺は目を奪われた。

ふと声がかかる、父の声だ。

 

「やぁ、ハルいらっしゃい。おそかったね・・・心配したよ?」

「う、うん。これが朝に言っていた・・隕石?」

「ああ・・・そうだよ。専門家の話によると・・・どうやらダイヤモンドよりも固い未知の物質でできているらしい」

「それは・・・とんでもないね・・・ウォーターカッターとかで削ることもできないの?」

「うん、すでに試した後らしくて、これが解明できれば学会に、一大センセーションを巻き起こせるって言っていたよ」

「ふぅん・・・見れば見るほどなんというか緑色の水晶に見たいな感じだね」

「ああ不思議だろう・・・それよりも、なんでここまで遅くなったかお父さんに教えてもらえないかな?」

 

そういうと父は口笛を吹き始めるとか、鼻歌を歌いだすとかしそうなイイ笑顔をして言った 

 

「病院から出た後、どこに寄り道したんだ?」

「えっ・・・普通にリハビリが長引いただけど・・・そうメールで連絡したでしょ?」

「はい!ダウトー!実はハルには言ってなかったけど一人で病院に行った後、ちゃんと僕の携帯に一報を送ってもらうように先生に頼んでてね・・・で、どこに行ってたんだい?」

 

やばい・・・これは怒られてるとか、そういうのじゃなくて・・・俺を全力でからかっている、そんな感じの笑顔だ・・・どうする?ごまかすか?いや病院を出てから3時間は経っている・・・友達がいない4歳児の俺が一人で時間をつぶすには、長すぎる時間だ・・・ごまかすのは・・・無理か・・・しょうがない、話そう・・・

 

「実は・・・」

 

そういって俺はこれまでの経緯を父に説明した。

 

         ▽         ▽

 

「うんうん、つまりハルに早すぎる春が来たっていうことだね!」

 

 そうおっしゃって俺に最高の笑顔とサムズ・アップを返してくれる、俺の父・・・

やっぱり・・・こうなったか

 

「だから、そんなもんじゃないって!大体迷子の子供を助けることが何で、俺の春につながるんだよ!?」

「でもかわいい子だったんだろう?」

「う、うん、まそりゃぁ・・・ね」

 

確かに、なーちゃんは可愛かった、まるで妖精みたいに・・・って違う!俺はそんなよこしまな気持ちで人助けしたわけじゃないぞ!・・・絶対だぞ!

 

「ふふふ、じゃあそういうことしておこうかな」

「そういうことにしておく、じゃなくてそういうことなの!信じてくれ父さん!」

「はいはい」

 

 そんな、明らかに俺を信じていないような口調で流した父さんは、話を一度切り今度は真剣な表情で話しだした。

 

「それで・・・話は変わるけど、ハルこの隕石について思うことはあるかい?」

「っ!俺を呼んだのは、やっぱりこの話のため?」

「ああ・・・もともとこの隕石はほかの誰でもない、僕がもらったものだったんだ。」

「えっ?どういうこと?」

「僕が前回、モンゴルに行ったのは知っているよね?」

「うん、確か今回のテーマは古代モンゴル人のことについて調べていたんだよね?」

「その時に・・・」

          □             □

 

「いらっしゃい!先生、ここにくるまでで大変だっただろう?」

「いえ、お招きいただきありがとうございます」

「まずは、おやじに会ってくれ!おやじが一番この中で物知りだし、星読みも持っているからな!」

 

 ぼくはそのとき、とあるモンゴルの遊牧民に話や言い伝えを聞きに行っている時だったんだ。彼らはよそ者のぼくを温かく迎えてくれ、研究にも快く手を貸してくれた。

 

        ◆              ◆

 

「よく、こんな辺鄙なところまでいらっしゃいました・・・馬乳酒ぐらいしかありませんが、ゆっくりしていって・・・」

 

そう言ってかなり年かさのいったおじいさんが、僕を見てひどく驚いたように顔を強張らせたんだ・・・そして・・・

 

「テムジン!直ぐ、あれをお持ちしろ!」

「っ・・・わかったぜ!おやじ!」

「えっと?何か失礼をいたしましたか?」

 

 ぼくは急にあわただしくなった空気に驚いて、自分が何か失礼なことをしてしまったのかと思ったんだ。

それで、こう聞くと、おじいさんが表情を和らげてこういったんだ。

 

「いえ、先生・・・我々は長い間あなたを待っていました」

「僕を・・・ですか?失礼ですが・・・私がここを訪れたのはこれが初めてのはずですが?」

「その通りです。ですがわしは先生に渡すべきものをお預かりしているのです」

 

 その時テムジンと呼ばれた男がこの隕石を持ってきたんだ。

そして、この隕石ははるか昔に一族の下に落ちてきたものらしくて、代々の族長は“星読み”という不思議な力をこの隕石から授かって、一族以外の人間がこの“星読み”で見えたときに、その人物に対してこれを渡すように頼まれてたということを教えてくれた。

その時僕は、この話をただの言い伝えだと思っていてね・・・でも折角の好意だし、むげに断るのも悪いと思って、もらったんだ。

 で、近場にいた友達に調べてもらうとこれは地球上の物質じゃないことがわかって大騒ぎになって・・・

 

           □           □

 

「・・・で、これがここにあるってわけ」

「へ~・・・そんなことがあったんだ・・・」

「そうなんだ。で・・・改めて聞くけど・・・これと今朝の話との関係性はあると思う?」

 

そういって父は俺に問いかけた。おそらく父も“俺が普通の子どもだったら”気にも留めずに、ただの研究素材としてこれを見るだけだっただろう。

 

 だがあいにく俺は普通じゃない・・・

 

「・・・わからない。現時点では判断できるほどの情報もないし、これがランタンに関係するものだったとしても、俺がどうこうできるものじゃないと思う」

「どうして、そう思うんだい?」

「グリーン・ランタンの武器であるパワーリングは強い意志を持つ、“恐れを知らないもの”

にしか扱えないからだよ。俺は臆病者だし・・・意志も弱いから」

「そんなことは・・・無いと思うけどなぁ・・・?」

「いや、ないよ・・・たぶんね」

 

 そうだ、俺はママに問われた時も、死んだときも逃げ出した臆病者だ・・・だから、もし俺に関係していたとしても俺に使う資格はないし、俺よりも相応しいものがこの世界にいるはずだ・・・そう思っていた。

 

「せっかくだし触ってもいい?」

「うん、もちろんだよ。あっ・・・そうだ!今のうちに仕事の書類を学長に渡してくるから、ちょっとここで待ってくれないかい?研究室の中は自由に見ていいから!」

「わかった!いってらっしゃい!」

「うん!じゃあ、待っててね」

 

そういうと父は封筒を持って部屋を出て行った。

 

「じゃぁ・・・せっかくこんなに綺麗なんだし、太陽の光でも透かして見てみるか・・・」

 

俺が隕石に触れた瞬間、部屋が緑の光に包まれ意識が暗転した

 

 

 




うーん、筆が乗らない・・・現在15話を執筆中なのですが、箒ちゃんが・・・ツンデレが・・・頑張ります・・・

それはそうとまだ設定資料集は掲載しませんが、何か疑問などがあったら感想の欄にコメください。
プロットや設定と相談して、明かせそうな質問にはバンバン答えていくつもりですので。

では、おやすみなさい
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