◆ ◆
気付くと俺は・・・あの時の様に宇宙に浮かんでいた。
またこの展開かよ!心の中でそんなふうに、再び訪れた謎の浮遊感に対してツッコミを入れると
「俺は、ハル・ジョーダン・・・。こことは違う、宇宙・・・こことは違う地球を守っていた・・・戦士だ。君は選ばれた・・・」
突然、俺の背後から男の声がした。俺が振り返ろうとすると、目の前に・・・俺がよく知る・・・アメリカン・コミックスのスーパーヒーローが浮かんでいた・・・
緑と黒のタイツを纏った身体。
目元を隠す緑色のアイマスク。
そして右手には・・・宇宙最強の武器、“パワーリング”・・・間違いない。
彼が、“グリーン・ランタン”だ。
なんだこの感覚・・・?”夢の”はずなのに、心のどこかに”これは現実だ”という実感がある―――まさか・・・・
「まさか・・・本物なのか?」
俺の口からそんな驚きが言葉となって、勝手に飛び出した。
彼はそんな、グリーン・ランタンのことを知っているかのような口調をいぶかしんだのか
「この世界に、ランタンは俺以外いないはずだが・・・君は俺のことを知っているのか?」
と素人目に見ても警戒心を抱いたよう表情を強張らせつつ俺に疑問を投げかけた。
・・・間違いない・・・彼は俺の夢でも、妄想でもなく、現実の存在、本物のグリーン・ランタンだ・・・!
俺の身に起こった転生現象、その原因に迫ることのできる手がかりをつかんだことに気付いた俺は、彼にすべてを話すことを決意して重い口を開いた。
「なぁ・・・あんたは、スーパーマン・プライムって知ってるか?」
「答えろ・・・!なぜこの世界に存在しないはずの・・・やつのことを知っている!おまえは一体何者なんだ!?」
彼は更に警戒を強め・・・敵愾心をむき出しにして、こっちをにらんだ。
その反応は織り込み済みだ・・・あんたは何度も世界を、宇宙を、そして、地球を救ってきたスーパーヒーローだからな・・・あの、仲間や子供を殺し、世界さえも滅ぼした男の名前が出てきて、警戒を抱かないはずがない。
「俺の名前は、“加藤陽”・・・そして“佐藤晴彦”でもあます」
「・・・どういうことだ?」
そして、俺は自分の話を語りだした。自分があなたの夢を見たこと、“佐藤晴彦”はスーパーマン・プライムの世界に似た、超人の存在しない世界に住んでいた、ただの人間であること。
その世界では、あなた達、超人の話が娯楽として売られていること。
自分があなたの夢を見た後、“加藤陽”として、再び人間としての生を受けたたこと、
最後に・・・晴香さんの死のことも話した。
全ての話が終わった後、彼は真剣な表情で
「じゃあ、君は俺たちのことは知っているが・・・なんの力も持たないんだな?」
「その通りです、ランタン」
「あともう一つ、これだけは聞かせてくれ・・・君から見て今の世界はどのように映る?」
「どうって・・・うまくは言えないけれど・・・前の世界と変わらないと、思う。
もう前世の記憶があいまいになってきていることもあるかもしれないけど、ママと父さんが、俺を受け入れてくれたから、俺はここに“佐藤晴彦”でも“加藤陽”でもない、“俺”として立っていられると思うし・・・これからも、そう、生きていこうと思っています」
「そうか・・・」
彼はコスチューム姿から、年季の入ったフライトジャケットにジーパンのラフな姿に変わり、強張っていた表情をほころばせ
「じゃあ、俺が少ない力を作って作り出したこの空間から追い出さずに済みそうだ」
そういってさわやかな笑顔を浮かべた。
「さて、ハル・・・あまり、時間があるわけではないからそれほど多くは答えられないが・・・聞きたいことは?」
俺はこの状況に対して感じていた憤りや、疑問をもはや抑えようともせず、おそらく原因の一端を知っているだろう男に叩きつけるように聞いた。
「ここはどこなんですか?それに俺が見た夢は現実にあったことなんですか?なんで・・・
「ストップ!・・・どうやら疑問は山のようにあるようだが、一個ずつ頼む」
わかりました・・・まずはここ、いやこの空間は一体なんなんですか?」
「ここは俺が作った人間の意識のみを呼び込む空間だ。リングの中にある」
「じゃあ、俺がふれた隕石がリングだっていうのか!?」
「そうだ。ソリッド・ライトのことは知っているな?」
「はい!確かパワーリングで発生させる光で、思うままに形を変えられるんでしたよね・・・それこそなんにでも。ただし、その強度や精度、力は使用者の意志の強さによって決まる・・・ですよね?」
ランタンは満足げにほほ笑むと、からかうような口調で
「じゃあ、ランタンの弱点はなんだ?」
「一人の例外を除いて24時間でエネルギーが切れることと黄色い物質には効果が無いこと・・・でしたよね?」
「パーフェクトだな・・・おっと、話が脱線しすぎた。次の質問は?」
聞きたいこと、はたくさんあるが・・・やっぱり、これは―――これだけは聞きいておきたい
「俺が見た夢は・・・」
いったんそこで言葉を切った。このことを彼に問うのがはばかれたからだ。
なぜなら、彼が俺に知っている世界の住人なら、地球には彼だけではなくたくさんの超人が存在していたはず、しかし夢で彼は一人きりで何かと戦っていた。
これは・・・つまり、一人で戦わなければいけない理由があったのではないか?
そしてあの黄色い男は「貴様の星も、愛するものも、友もすべてをお前は手にすることができるだろう」と言っていた。
これは彼にはもう彼しか残っていなかった、という事実を突きつけていたのではないのか?
そんなことを考えたが、この話を避けていたら俺の疑問は解決しない、だから、意を決して彼に言った。
「現実にあったことなんですか?・・・」
「ああ、そのとうりだ」
そう彼はいった。つまり・・・彼は、
「じゃあ・・・ラン、タンあなたは・・・」
「そうだ、俺はもう向こうの世界で死んでいる。ここにいる俺はリングにコピーさせた意識体だ・・・だが、世界転移のショックで意識体のデータがやられてな・・・」
「それで、こんな隕石を作ったんですか?」
「その通りだ。で、もう話の本筋は見えているな・・・?」
「は、い」俺は戸惑いを覚えつつもその言葉を絞り出した。
「加藤陽、君は選ばれた・・・
俺はハル・ジョーダン、こことは違う宇宙の、セクター2814のグリーン・ランタンにして、最後のグリーン・ランタン。
君に俺の後を任せたい、宇宙で最も栄誉と責任あるこの任を・・・受けてくれ」
◆ ◆
「ハル・・・ハル!おきて!そろそろ家に着くよ、ハル!」
父の声が・・・聞こえる
あれ、おれ研究室で・・・隕石見てて・・・あれからからどうしたんだっけ?
まだ、しばしばする目をこすると、やっと頭がさえてきた。
たしか・・・あの後、疲れたのか、急に眠気が襲ってきたんだっけ?
「父さん、おはよ~」
「はい、おはよう。よく眠っていたね・・・研究室で眠ってたからそのまま車に乗っけて帰ってきたんだよ」
父の話を聞いても、まだ頭がはっきりしない・・・
それに、何か夢を見たような気がする・・・
「どうかしたのかい?」
「いや・・・
俺はいったん話を切ってあくびをかみ殺し
なんか、夢を見た気がするんだけど、中身が思い出せないくらいよく寝てたみたいだ」
「今日はいろいろあって疲れたんだよ、きっとね。じゃあ、今日は早めに寝なきゃね」
父がそういったのと同時に、我が家が視界に入る。とりあえず・・・父さんのいったとうり、疲れたんだろ・・・今日早く寝よ・・・そんなことを考えながら、父さんの後につて、俺は家に入っていった。
書き溜めが・・・進まない・・・その上なんかパソコンがめちゃめちゃ重い・・・
それはそうとして、いかがだったでしょうか?
おそスト13話、やっと1話で戦っていた、”恐れを知らぬ者”グリーン・ランタン、ハル・ジョーダンを出すことができました。
衝撃の真実!ランタンは死んでいた!・・・糞つまらない冗談はさておき、ついにハルの前に力が現れます・・・しかし、夢から覚めたハルは夢を覚えていないご様子・・・なにがあったのか?
次回をお楽しみに・・・そして次回はついに原作ヒーロー&ヒロインが登場します。描写的にまだまださとい点もありますが、完結目指して頑張ります。
ではでは~
追記
スーパーマン・プライムとは
簡単にいうと並行世界のスーパーマンです。ただ彼の世界では、我々の世界の様に普通にスーパーマンなどのコミックブックが流通しています。
自分がただの人間だと思っていた彼はある日コスプレ(ハロウィンっだったけ?)をしたときに自分がスーパーマンと同じ能力を持っていることに気付く。
そしてとあるヴィラン(悪役)の仕業によって、自分の世界を破壊され歪んでしまった。
ですが・・・かれが作中でもあったようにあんなに警戒されてたのには理由があります。
作中で上げた分だけでなく彼、ヒーローだらけで平和だった世界と戦闘の余波でもう一個世界を壊しています。
そして彼にとっては他の世界のヒーロー達は「物語のキャラクター」でしかなかったという意識だったのでしょうが・・・それにしてもやりすぎなんじゃないでしょうか?
ちなみに彼は名前だけの出演です。翻訳本も持ってないのでうまく描写できる気がしないのが理由です。
それはそうと総UA3000件到達しました。みなさん、こんな里井作品を読んでいただきありがとうございます。感想もいつでもお待ちしております。
ではながながと失礼しました。
12月18日 追記・修正しました