【アメリカ・・・ですか?】
「そう、アメリカだ!今までおれは・・・“この世界”が“俺がもといた世界”とほとんど変わらない世界だと思っていた・・・でも、この世界はにきて、お前やハルさんと出会って・・・思ったことがある」
【どんなことですか?】
「この世界がDCマルチバース・・・つまり、お前が元いた世界の平行世界なのかもしれない、っていう可能性だ」
アメリカン・ヒーロー・コミックスの特徴の一つに、出版社すべてのキャラクターが一つの世界に属している、というものがある・・・
簡単にまとめると、
もし、この世界がスプーが元来た世界から枝分かれた平行世界の一つだとしたなら・・・
俺の希望的観測も含まれるかもしれないが、ほかのスーパーヒーローも存在してもおかしくないはずだ。
つまり、俺がさっきあげた・・・ハルさんの仲間たちが、この世界にも存在している可能性がある・・・情報が足りない現状で取れる手として、協力者を得るのはかなりいい手段だといえるだろう・・・
そして、もし力を貸してくれるなら・・・いずれ来る戦いのときに大きな戦力となってくれるだろう・・・
できることならバットマンとスーパーマンの協力は何としても取り付けたいな
【なるほど・・・たしかにその可能性も存在していますね】
「だろう!われながらいい手だと思うんだ!」
そういって誇らしげに胸を張り、悦に入る俺・・・そんな俺にスプーは淡々と
【では、調べますので少々お待ちください】
「へっ?・・・何を?」
【終了―――無論、
おい、まさかこいつあの一瞬で―――調べたのか?
【地球上のあらゆるデータベースを調べましたが、この世界のアメリカに
俺は、最近まるで使用することのなかった携帯を開いて、インターネットにつなごうと試みる―――だが、つながらない・・・やっぱり、な。
「ハッキングしたのか?」
【はい、それが何か?・・・】
「そうか。お前の処理能力がすごいのはわかった・・・でも、もうハッキング禁止!!」
【どうしてですか?】
「お前のおかげでインターネットがダウンしたみたいだからだ!!」
【・・・この地球の情報ネットワークは脆弱ですね】
きりきりと痛む胃を抱えつつ、スケールの違うことを言う相棒に俺は頼んだ。
「責任転嫁するな!・・・もう、やっちゃったものはしようがないけど・・・今度やるときは、バレないようにやってくれ、頼むから・・・」
【わかりました。それよりも当初の予定どおりアメリカに向かいますか?もう”いない”可能性のほうが高いですが】
たしかに、スプーの処理能力からみて・・・スーパーヒーローがいない可能性のほうが高い
・・・でも、アメリカに行かなかった場合、俺は一人で奴と戦うことになる。
しかも―――負けることが許されない戦いだ。
もしもの時のために・・・いる可能性があるのなら・・・それにかけてみたい
データベースにないのなら・・・彼らはその存在を隠している可能性が高い―――となると、当てになりそうなのは噂とかだな・・・問題は俺の記憶に残っている情報で手がかりになる場所がかなり少ないっていうことだ。
でも、やるしかない!
「いや、行くぞ。アメリカへ」
【わかりました・・・それよりもハル・・・】
【子供の一人旅は・・・擬態機能でごまかすとして・・・旅費の問題はどうするんですか?】
「ふぇ?りょ、ひ?」
旅費?・・・money、お金ともいう・・・資本主義社会では非常に重要な価値観となる物体・・・これがないと、社会の中でなにもできない。
食事をするのも、遠くに移動するためにも、それどころか生きているだけで必要になってくるもの・・・それが、お金である・・・
でも、問題ないよね!スプーがいるから!
【念のために言っておきますが・・・グリーンランタンとして現地法を犯すのはNGですよ?それに、ソリッドリングでお金を創っても、集中を乱せばすぐに光に戻ってしまいますから、ね・・・】
・・・ですよねー
「なぁ、スプー・・・お願い!」
【なんでしょう?先に、言っておきますが、犯罪を見逃しはしませんよ?】
「お前は俺を一体、なんだと思っているんだ・・・違うよ!そんなんじゃない!」
【あなたは、優柔不断で、日本に多く生息しているという・・・へタレ、という人種では?】
・・・なんぞ、これ・・・
・・・ハルです・・・なんだか、相棒のスプーからの言葉が冷たいとです・・・
しかも、犯罪に手を染めるような人間だと思われてたみたいとです・・・
ハルです・・・はっ!俺は何を!?・・・ショックで一瞬変なことを考えてたな・・・
そ れ よ り も !
「へタレ=犯罪者の図式はどう見てもおかしいだろう!」
【へタレ=優柔不断、そして優柔不断の人間は選択肢を逃しがちです・・・決断が遅いものは勝機を見逃します・・・そうして人生の負け犬になっていくのです】
「・・・おれがへタレのというのはまあ見逃すとして・・・その言い分は全国のへタレの皆さんに失礼だろう!全部がそんな人間ばかりじゃあない!」
【ならば、あなた“が”私に証明してください】
こ の 野 郎・・・
俺は内心、この小さな相棒に対して反骨心を覚える・・・
おちつけ・・・くーるになるんだ!加藤陽!今はこの話をする時間じゃない・・・本題に立ち返るんだ。
「・・・話を戻すが、賢いスプーさんはどんな名案をおもちなんでしょうかねぇ?・・・まさか、さんざん俺を批判しておいて、代案なしとか・・・」
【そんなことですか?簡単です、擬態機能を使って働いてください、日雇いで】
「・・・」
【生命体であるあなたはこれから生きていくのにどうしても食事や睡眠が必要になります・・・両親の遺産に手を付ける気がないのなら、働いてください】
その発想になかった・・・たしかに、擬態機能で体格や肌の色をごまかして・・・それにリングの翻訳機能を使えば、まったくわからない言葉でも理解できるし・・・リングの力を使えば、作業効率もすばらしくいいだろう・・・
でも、なんか・・・どうなんだこんなリングの使い方・・・
「ってきり、悪人の隠し預金を使おうとか・・・そんなロマンあふれる言葉を期待してたんだが・・・」
【そんなことをして、足が付いたらどうするんですか?】
「ぐっ・・・!」
【そんな、頭の悪い思考はドブにでも捨ててください】
的確な正論をどーも・・・
【それに、あなたも悩んでいたでしょう?リングの使い方について・・・】
「っ!」
そうだな・・・たしかに、俺みたいな半人前にはこんな使い方をしていくのが性に合っている。
自分で言うのもなんだが・・・やっぱり俺って、へタレ・・・いや
かるくイメージ・・・実際にランタンになって気が付いたことがある。正式に隊員にならずにリングを使うのと、隊員になってから使うようになるとじゃ、体に与える疲労感が、まるで違う・・・それに、イメージの伝達速度も・・・俺が早く隊員になっていたら・・・
―――やめよう。ifの話はもういい、それより今は!
【・・・お見事です】
鏡がないのでどんな風に変わったかはわからないが・・・高くなった視点から間違いなく擬態には成功できた、と実感を得た。
どんな風になっているのか知るために、鏡がほしいな・・・そんなことを軽くイメージすると
目の前に俺の身長と同サイズの大きな鏡が・・・やっぱり、リングって、すごい!
その鏡を覗き込むとそこには・・・
「なんか、まるで今の俺をそのまま大きくした、みたいだな・・・」
【あなたのイメージですから・・・なんならスカートでも履きますか?】
鏡に映った俺は、全体的によく鍛えられた肉体と、ママ譲り癖のない素直な黒髪、そして・・・
「これ・・・父さんの・・・」
俺が着ていた上着は父さんが好んできていた、濃い緑色のジャケットだった。
しかも、かなりくたびれている感じで、そんなところがさらに父さんのお気に入りみたいだ。
【そんな服装なら、土木作業は避けたほうがいいですね】
「えっ?」
【その服装を変える気はないのでしょう?】
まあ・・・できることなら、な。
【まずは
「ああ・・・ちょっと、待ってもらっていいか?」
【もちろんです】
おれは今まで背を向けていたと場所にくるっと一回転。
「ママ、父さん・・・たぶんあんまり会いにこれなくなるけど、また来るよ・・・“いってきます”!」
【もう、いいのですか?】
「ああ、じゃあ、一丁行くか!!」
そういって俺はあの時と同じように意志をスプーに流し込み一瞬で
【監視カメラや人目に付く可能性も考慮して、擬態を使ってください。私もジャミングを張ります】
「頼むぞ!
そして、俺は今まで世界のすべてだった“この国”からもっと広い世界に飛び出した。
書き溜めでやっと一章の終わりまで書き終わっためんつゆです
はー疲れたー・・・なんだかだんだん文字数が多くなってく気がする・・・
それはそうと、おそスト21話いかがだったでしょうか?
もうオリジンはほとんど終わり、やっとIS本編に行けます。
期待していてくれる方には申し訳ありませんが、アメリカ編はほとんど尺を取ってません・・・
実は一人ずつ、1話をかける、という案もあったのですが、グダりそうで・・・思い切ってほとんどカットしました。
まあでもちょっとした外伝のほうも用意するつもりですのでご勘弁を・・・
では今日はこの辺で失礼します
おやすみなさい