恐れを知るものは、無限の空を目指す   作:めんつゆ

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 皆様長らくお待たせしました。ついに本編、再開です


フルスロットル・スクールライフ~全速力の学園生活~
  第1話 「ハル、月の影で」


 目の前に広がるのは宝石のように輝く星々たち・・・背中には灰色の大地、音もない宇宙を緑の光を纏って突き進むように駆ける。

誰かに見られる心配があるときはこんなに光を出して飛ぶことはできないが・・・こうやって光を纏って飛んでいるほうがスピードが出る、気がする。

 

【実際、早い。グリーンランタンの力は意志に強さが変わるからだ】

 

 最近、なんだかスプー(相棒)がおかしい気がする・・・それはそうと眼下の月を眺めながら俺は、ソリッド・ライトで俺に並走して飛ぶ鳥を創り出す。一羽、二羽、三羽・・・と創った鳥は俺の周りを旋回しつつ俺と一緒に飛ぶ。

俺が創った鳥たちが十羽になったところで眼下の月に切れ目が見える。月の影になっている部分の縁に到達したのだ。スピードと旋回をやめずに飛行を続ける。

そして、俺と鳥たちが月の影から出そうになった瞬間、俺は影から出ないように急停止。

鳥たちはターン(反転)させて月の影から出ないように気を付けつつ編隊飛行を続けさせる。

 

十羽の鳥たちは俺のイメージ通りに一糸乱れぬバレルロールを披露し、五羽ずつに分かれクロスするように飛行を続ける。

そんなときまた、相棒が口を開いた。

 

【10年も努力をつづけたかいがありましたね・・・今の精密動作は現役のランタンであったとしても相当難しいはずです】

 

 そんなスプーの言葉がお世辞だと分かっていてもなんとなくうれしくなってしまう。

あのアメリカを旅立った夜からもう・・・十年はたった。

その間、俺は地球に降りてはいない。当初は定期的に地上に降りて休息を取る予定だったが・・・グリーンランタンとなった俺の体にはリングにバッテリーチャージは必要でも・・・休息は特に必要ないようだ。

 

【そんなことはありませんよ!ただ行動できるのだけです。いいですか!・・・】

 

 そんなスプーのお小言を無視しつつ、編隊飛行を続ける鳥たちのことをイメージしつつ、マルチタスク(同時進行)で今までにあったことを思いかえす。

 

 たしか、宇宙に出て初めにやろうとしてことは・・・“グリーンランタンコァ”の拠点、“惑星オア”が存在しているかの確認だったよな―――

 

まあ、存在を確認するどころ太陽系から出ることもできなかったけど・・・

 

原因は太陽系外縁部を覆うように発生していた“黄色がかったフォースフィールド”だ。

サイズは太陽系が丸ごと収まってしまうほど、というのだからとんでもない話だ。

うちの賢い相棒の解析によるとかなり強固な物らしくリングの機能を使っても突破は不可能、との見解だ。

 

だが―――収穫はあった。

 

スプーの話によると、これだけ強力なフォースフィールドを常時展開し続けるには、色々制約があるらしく・・・このタイプのフォースフィールドは“何かを隔離する檻”として使われることが多い、だがワームホールを作っても越えられないほど強固なものは、エネルギーを伝達する端末を内部におかなければ“遠隔では作れない”とのことだ。

 

そして俺が調査した結果、太陽系外縁部にエネルギーを中継する端末・・・のようなものは確認できなかった―――つまりこれを作った奴は“太陽系の中にいる”

 

“黄色いフォースフィールド”

 

“何かを隔離する檻”

 

これを作った奴は“太陽系の中にいる”

 

導きだされる結論は

 

パララックス(ヤツ)は太陽系、いや地球のどこかにいる―――しかも、自分で動かない理由はわからないが・・・すでに封印されているランタンから出ているか・・・まだ封印されているとしても、自分の力を使って“何か”をしていることは確かだ。

 

 これは俺の想像だが、このフォースフィールドは“何かを隔離する檻”ではなく・・・この中にいるものを逃さないようにするための

 

いうなれば―――“料理にかけられたクロッシュ()”なのではないのか?

だとしたら・・・パララックスは何を考えているんだ?

どちらにしろ・・・備えておくに越したことはない。

一応、既に調べられる範囲で、地球以外の星を調べたが―――奴の痕跡はなかった。

残るは地球だけだ。

 

【・・・聞いているのですか!ハル、まったくあなたという人は!】

 

 おお、そうだこのあいだスプーに頼んでいた調査の結果を聞いとかなきゃな・・・

真空の宇宙空間では当然声を出しても空気が震えないから音は聞こえない。

もう習慣になってしまった精神リンク機能を利用するテレパシーでスプーに話かける。

 

(なあ、スプー・・・このあいだ頼んでおいたアレの報告を頼む)

【いやです】

(いやって・・・子供じゃあるまいし・・・)

【ハルがきちんと私の話を聞いて、地球に降りてくれるなら話しましょう】

(こいつ、最近地球に降りてないからってむくれてやがる)

【違いますよ!あなたみたいなマダオじゃあるまいし!】

(マダオってなんだ?)

【マるでダめな童貞オトコのことです!それはそうと最後に地球に降りたのはもう“4か月も前”じゃないですか!!】

 

 だって、グリーンランタンのユニフォーム着てたら・・・お腹もすかないし、眠くならないし、別に地上に降りたって二人の墓に行く以外は宇宙でもできることばっかだし。

 

【その通りですが・・・それでもあなたの心が心配なのです】

(悪い・・・いつも、心配かけるな)

【わかって・・・(わかった!そろそろ地球に降りて現実に向き合うことにする)ならばお話ししましょう】

 

 まあ・・・この話が終わったらおれから切り出す予定だったんだけどな

それよりも、スプーに今回調査を頼んでいたのは“この世界にマーベルヒーローの存在の有無”だ。以前、DCヒーローの有無は調べたが・・・この世界に彼らが存在しないっていう確証もない―――まあ、いたとしても手を貸してもらえるかはわからないし・・・何より、今の俺から見て役に立つかは・・・

 

 そ、そんなことよりスプーの話に集中しよう、そうしよう

 

【調査の結果、やはり・・・彼らはいませんでした】

(そうか・・・彼らの関連情報は調べてみたか?)

【アイアンマンの“スタークインダストリーズ”やファンタスティックフォーの“バクスタービルディングス”など、ですね?・・・そちらのほうも当ってみましたが、そちらもなしのつぶてでした】

(ほかにメタヒューマンの報道は?)

【いまだ、ありません・・・私がハッキングできる領域にもないのですから、後考えられるのは“まだ見つかっていない”か、“機密情報として完全に隔離されている”か、“そもそも存在していない”か、のどれかでしょう】

 

 そうか・・・この世界が“プライム・アース”に近い平行世界なら、この世界にコミックとしてあるマーベルのヒーローたちがいるかもしれない、と考えていたんだけどな・・・

まあ、先のことなんてわからないし・・・別にいないと決まったわけじゃない。

 

 俺は俺のできることをやるだけだ

 

(スプー・・・俺は強くなれたかな?)

【はい、あなたはもうベテランのランタンレベルに強いでしょう】

(そうかな・・・?)

【そうです!あなたがどれだけの努力をしてきたかは私が一番よく知っています】

(イマイチ実感がないんだよ)

【相棒の言葉を信じてはくれないのですか?】

 

 スプーの声色に悲しみの色が混ざる

思わず、ここは宇宙で音が聞こえないことはわかっていた。でも・・・

 

「いや、信じるさ!はげましてくれてありがとうな!」

 

 そう、俺を励ましてくれた相棒に声をかけた。

 

【まあ、実戦経験がないのは不安要素ですがね・・・】

(何とかするしかないだろ、それに・・・前にも言ったが、お前の機能どうにかならないのか?)

 

 現在俺の使用しているパワーバッテリー(ランタン)は、俺の先輩であるカイルさんのものだ。“スプーの話”では彼のランタンは特別性でグリーンランタンの弱点だった、“黄色いものに効果がないこと”そして・・・“24時間でパワーが切れる”という二つの点が改善されていた。

だが、リングがこの世界に来た時の衝撃のせいか、はたまたこの世界に来る前のランタンの故障のせいか・・・

“俺の構造物は黄色いフォースフィールドを破壊できなかった”

 

 つまり、今現在進行形で俺のランタンは故障している。

 

一応、スプーの話ではほかの機能はまったく問題ない、そうだが・・・

ハルさんが使っていたころのリングは持久力がない代わりに出力があった。

 

カイルさんのリングはその逆だ。バッテリー切れの心配がない(持久力がある)代わりに、ハルさんのものに比べると出力が弱い。

 

で、肝心のおれのリングは・・・持久力もなければ出力も弱いと、正直いいとこなし状態だったんで・・・スプーに修理できないかきいていたんだが・・・

 

【無理でした。というかなぜランタンに不備が生じているのか、私にも解析不能です】

(まじか・・・?)

【マジです】

 

 まあスプーがそういうならしょうがないか・・・

そんなことを考えながら、“今までずっと編隊飛行を続けていた”鳥たちを消しつつ相棒に声をかける。

 

(さて、久々に地球に降りるとしますか!)

【すでに準備万端です。いつも通り、デブリに紛れて地表に降りましょう】

 

 その言葉と一緒に俺たちは地球に向かって降りて行った。

 

 

 




 皆様、こんばんわいかがだったでしょう?おそスト第二部一話は?
10年の時間を経てハルは初めの卵やろーからやっと戦士になることができました。
しかし、彼にはまだまだ経験が足りません・・・そんな彼の成長をほほえましく見つめていただけたなら幸いです。

それと・・・空豆様、せっかくご指摘いただいた点ですが・・・すみません、結論をあさっての方向にブン投げました!!
このことについて考えていたら知らないうちに一日が過ぎて行ってて・・・

 せっかくいただいたご指摘だったのに・・・すみません

話は変わって、本日のネタ・用語紹介です。

”スタークインダストリーズ”

 みんな大好き、アル中社長ことアイアンマン、トニー・スタークの会社。映画ではインダストリーズだったが、原作アメコミではスターク・インターナショナルと社名が変わっている。

”バクスタービルディングス”

 マーベルの人気火付け役となったヒーローチーム、ファンタスティク・フォーの拠点。簡単にいうと頭のいいルフィ、透明&バリアが張れる女性、空飛ぶ人間松明、岩男のヒーローチーム。頭のいいルフィこと、リードさんは天災。

”グリーンランタンコァ”

 グリーンランタンとは、個人の名前でない。宇宙の安定と平和を守る警備組織グリーンランタンコァの隊員の総称なのだ!!
というのはさておき、宇宙創世から生きているガーディアンズっていう宇宙人が宇宙の秩序と平和を守るために設立した警備隊。宇宙を3600の区画にわけ、一つの区画に二人の隊員を置きその区間の平和と安定を守っている。
詳しくはググってみてね!

”~現実にむきあう”

 アイアンマン・エクストリミスで会ったセリフ、ちなみに社長はスーツいじりに夢中になるあまり、約2ケ月自分のガレージに引きこもってました。


”導き出される結論は・・・”

 好きだったんです・・・期待していたんです・・・なのに

”クロッシュ”

 よくテレビとか出てくる銀色の半球型の蓋。なんかあれを開けるときワクワクしませんか?

”実際”

 ・・・アイエエー!!ニンジャ、ニンジャナンデーー!!

 それで今日はこの辺で失礼します。
おやすみなさい
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