恐れを知るものは、無限の空を目指す   作:めんつゆ

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  第6話 「ハル、二人と話す」

 

 

◆                 ◆

 

 SHRのあと、すぐに一限目の授業が始まった。一限目の教科はIS基礎理論概要。ISとはどんなものか、ISに使われている技術はどんなものが使用されているのかそんな技術的な面から見たISに関する授業だった。基礎なんていうものはもうフレーバー程度でやっていることはかなり専門的な内容だ。

 

(山田先生には、後でまた礼を言っとかないとな・・・)

【彼女のおかげであなたの頭はかなり賢くなりましたからね・・・実際、先生はすごい】

 

このIS学園に入学することが決まって自宅に帰されたことまではよかったが…実際は護衛という名前の監視が常に周りを囲んでいて、大っぴらな行動はとれなかった。

そのため有り余る時間を使って勉強をした。

IS学園についていける自信がないから、と頼んで先生を家庭教師として送ってもらったこともいいアイディアだった。

アイディアを提供してくれたスプーと、おバカな俺に優しく教えてくれた山田先生には感謝の一言しかない。

スプーがいきゃ二十年近くほとんど勉強していない残念な頭の俺は、IS学園でのみ学ぶIS関連の専門授業どころか普通の高校の授業にすらついていけなかっただろう。

ほんとに、いつもはリング様様なんだが……

 

しかし―――一夏(仮称)は大丈夫だろうか?後ろの俺から見ても、顔は真っ青だし…なんだか脂汗も流していないか?

ま…もし、わからないようだったらあとで教えてあげないとな…

そんなことを考えているとチャイムが鳴り、一時間目が終わった。

 

◆                 ◆

 

 さて、せっかくのチャンスだ。二人に接触しないと

そんな心持で目の前の織斑一夏に話しかける。

 

「織斑くん、ちょっといいかな?少し話があるんだ」

「ん…なんだ?」

 

 一夏はなんだかすでに授業や周りの状況についていけなくなって、いっぱいいっぱいといった表情を浮かべていたが、それでも真剣に俺の話に耳を傾けていることが見て取れた。

よし―――話し始めよう。

 

「なあ・・・織斑くん。いきなりで悪いんだが、織斑くん10年ほど前にあそこの篠ノ之さんと一緒にキャンプに来てなかったか?」

「ああ、箒とはそれ以来の付き合いなんだ・・・ん?―――ハル?って、まさか!!」

 

 一夏の奴が頭に手を置いて思考にふけり・・・ひらめいたかのように俺の名前を出す。

これは―――間違いがないかな?

 

「……やっぱり、か。なんだかすごい偶然だな。俺のこと覚えてるか?」

「ああ!久しぶり!!ハル!」

「おう、久しぶりだな―――一夏!」

 

 そうやって、軽く右手を挙げたあいつに合わせてハイタッチを仕掛ける。

頭の中で俺の相棒が

 

【キンボシ・オオイキイ!!これで初めての友達ゲットですね】

(大金星のことを言っているのか…?まあどうでもいいが)

 

「なあハル…あの後、「ストップ!ここで話すようなことじゃないし…どうせ話すならまとめて一気に話すからちょっと待っててもらっていいか?」…わかった」

 

 一気に顔を曇らせ、暗い表情をする一夏に

 

「そんな顔すんなよ。一夏…もう十年も前のことだし、それに…俺はもう受け入れたことだから」

「っ…!そう、か…」

 

 まだうつむいている一夏を残して席を立つ。さすがに俺と一夏がしている話が真面目そうだったのに怖気づいてか、女子たちは遠巻きにこっちを見て、ひそひそと小さい声で話しているだけだ。

 

「きいた!加藤君の 俺はもう受け入れた、ですって!!」

「キマシタワーーーーー!!」

「織×加?それとも…加×織…あ~ん!どっちもイケる!!」

 

……俺は何も聞いていない

 

【実際、ヤバイ、ヤオイ的アトモスフィアにハルはしめやかに失禁!!】

(しないからな!!そんなこと絶対しないからな!!)

 

 内心、また怖いことを言っている相棒に突っ込みを入れつつ、さっきから俺たちのほうへチラチラと視線を向けて、気にしていた“彼女”の席に足を向ける。同姓同名の別人って可能性もあるが…まあ篠ノ之箒なんて難しい名前の別人だったら、土下座してでも誤ればいいさ。

 

「久しぶり、箒ちゃん…俺のこと覚えているかい?」

「……」

 

(まさかの無言!もしかして…俺、またやらかした?)

【ハルはあからさまにチャラ男=ニンジャなのだ】

(俺はチャラ男でもニンジャでもない!!)

 

 そんな脳内漫才をよそに目の前の彼女は、何か“決意”を目に込めた様子で話し始めた。

 

「あ、ああ久しぶりだな。ハル…元気そうで何よりだ」

 

なんだか声に元気がないな?―――はっは~ん、そういうことか。こっちを気にしていたのは一夏がいたからか…あの時の箒ちゃんもアイツ(一夏)のことを意識しまくりだったもんな―――いいこと思いついた。

 

「いや~美人になったねぇ…こんな美人さんを彼女に持ててアイツも幸せだな」

 

 俺が囁くように言った言葉に箒ちゃんはまるでゆでダコみたく真っ赤になって、口をパクパクさせて「ちっ、違う!!」と大声で叫んだ。

 

「うぉ!?」

 

 いきなり、箒ちゃんが大声を上げたので、一夏を遠巻きに見ていたギャラリーはギョッとした表情でこっちに顔を向けた。それを横目に

…また注目されてるよ。こういうの慣れてないんだけどなぁ―――それよりも箒ちゃんだ。どうやら俺の勘違いだったらしい…ないと!

 

キーンコーン カーンコーン

 

しかし、そんな俺の思いとは、裏腹に二時限目の開始を告げる予鈴が鳴り渡った。

早く席に着いとかないと、織斑先生に怒らる、と―――店主チョップの悪夢が……

 

「ごめん!とりあえず二限終わったらちゃんと謝るから!」

 

 それだけ言い残して、まだ顔が真っ赤で何か、ブツブツ言っている箒ちゃんを尻目に俺は席に着いた。すると、一夏が首だけ振り返らせて

 

「箒と何を話してたんだ?」

「…個人のプライバシーに抵触するからノーコメントで」

「なんだ、余計気になってくるじゃん」

「そんなことより…」

 

 そこで、言葉を切る。ドアを開けて担任の二人が入ってきたからだ。

しかし、それに気が付かなかった一夏は話をつづけ…

 

「そんなことより、なんだよ?俺に何か言いたいことあるのか?」

「ああ、織斑…一言、いいことを教えてやろう」

 

 室内に入ってから音もなく教壇に上っていた、織斑先生の氷のような声に一夏がギギギとまるでさびて動きの悪くなった機械の様に前を向く―――おお、一夏、気が付かなかった己の身をのろうがいい

 

「IS学園に予鈴はない。あるのは本鈴だけだ…これが、どういうだかわかるな?」

「……はい」

「ならば、次は気をつけろ。いいな?」

「はい!」

 

 織斑先生の言葉に心底救われた表情を浮かべた一夏は、大きな声で返事をした。

 

(よかったな!一夏!)

 

だが、彼はこの後の授業で山田先生に吐いたセリフのおかげで、きっつい一撃をもらうことになることなど知る由もなかった。

 

 

 




 ドーモ、読者=サン。めんつゆデス。

いかがだったでしょう?おそスト第6話は、今回はほとんど話が動いてませんね…まあ、会話シーンがほとんどを占めていますので仕方がないのですが…

それはそうと、昨日はたくさんの人に読んでいただきありがとうございました。まだまだ、つたない作品ですが、完結目指して頑張りますので読んでいただければ幸いです。

話は変わりますが、タグについてです。この作品が処女作兼ハメ初投稿ですのでイマイチ使いこなせていない感じが……アンチ・ヘイトとして書いたつもりはなかったんですが、kbwさんから指摘されましてアンチ・ヘイトを警告タグとして追加しましたし…今回話の中で出てきたヤオイネタも警告に入るんですかね?
現在アンケートを実施しておりますのでふるってご参加ください。

今回はネタがほとんどないのでネタ紹介は割愛させていただきます。

ではこれから感想への返信を行いますので、今日はこの辺で失礼します。

おやすみなさい
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