「で!お前ら―――反省したか?」
【ハル…あの、すみません…今確認すると、大人げなかったです】
『(_ _|||)
申し訳ありません主よ…こちらも、熱くなりすぎました』
「わかったならいい」
まったく、俺をそっちのけでケンカなんてしてるんじゃないよ、もう…
二人の説教で大分時間を無駄にしちゃったし…ととっと着替えるか。
そう思って織斑先生にもらった紙袋を開いて中に入っていたISスーツを纏う。
『主、よくお似合いです』
「そうか?」
なんか落ち着かない…とりあえず山田先生に補修をしてもらって教えてもらった時に、ISスーツ…無論女性用の奴だ―――それを見たときは新体操のレオタードか、競泳用の水着にしか見えなかったから紙袋を開けてちゃんとズボンが出てきたときにはホッと安心した。
だが…このへそ出しのスーツっていうのも落ち着かないな…
「なんだかスースーするなぁ」
【ランタンの
『(´・ω・`;)
大丈夫です。主が希望するならどこかの企業が肌の露出が少ないISスーツを作ってくれるでしょう!!』
【結局…他人頼みなのですね…】
『貴様!!』
「これ!!喧嘩しない!!」
【『 ……はい…… 』】
まったくちょっとしたことでもすぐに喧嘩しようとするんだから―――さて、着替えも終わったことだし……
「さて、じゃあ…俺が打鉄のフッィティングを済ませているうちにスプーが打鉄のコアを調べてくれ」
【はい、わかりました】
『御意!さあ主!私に背中に預けて腰かけるようにしてください』
「わかった…ごめんな、打鉄。自分の一番大切なところを探られるなんていい気分じゃないだろう」
『(゜-Å) ホロリ
主…その様に気にかけてくれるだけで拙者は感無量にございます。しばしお待ちを、拙者もフィッティングの作業に集中いたしますゆえ』
なんだか変な感じだな…以前展開した時はもっと違う感じだったんだが……
「こんなにフィッティングって時間がかかるのか?何もせずにぼーっと座っているも暇なんだが」
【……】
『……』
わかっていたけどむなしい…早くどっちか終わってくれねーかな?
そういえば…こんな風に暇を持て余すっていうのは珍しいな。月にいたときは寝る以外はずっと創造物を作ったり、高速で移動したりしていたし…
ふいに一夏と箒ちゃんそして…ママと父さんの顔が頭によぎる。
「そっか…あれ以来なんだな…こんな気分に浸るのも」
あの十年前のあの日…俺を取り巻く世界は色を変えた―――いや…世界に色なんて無い。正確にいうなら…俺の視点が変わった、っていう感じか?
視点が変わった俺は、戦うために
これは後悔していない。だが―――この胸にあふれる言い様の表せない感覚はなんだ?
嬉しさのような高揚感もある…だが、何か寂しさのような感じもする……
わからない、な……気にするだけ無駄か。
ン…さっきの回想…誰か忘れているような…?
そんな、思い出せない誰かについて考えていると―――スプーがどこか驚いたような口調で言った。
【ハル!!コアの解析が終わりました!!】
……っと、やっとか。ここまで長かったな。
そんな気持ちでスプーに先を促す。
「じゃあ―――教えてくれ。ISのコアは何処の宇宙人が携わっているもの―――いや、ISコアって一体なんなんだ?」
【落ち着いてきいくださいね…ISコアとは―――】
◆ ◆
「なんだか、ブルーな気持ちが漂白されていくような感じを受けるな…」
【見え見えの嘘、つかないでください…精神リンクでわかるんですから】
今、俺は打鉄に乗って…第1アリーナの上空を飛んでいる。ISで空を飛べばこの“怒り”も少しは薄れるかと思ったが―――そうはならなかったようだ。
これが…ISか。
実際に飛んでみるとタイツ着て飛んでるときと変わらない。
いや…変わらないことのほうがすごいのか?
だが―――“このことを知っている”のなら……
「なあ、打鉄…お前このままでいいのか?」
『(・・?)
主、このままでいいとは一体どのようなにゅあんすでおっしゃっているのでしょう?』
「このまま、俺に“使われていていいのか?”っていうことだ」
【ハル…そんなことを聞いて、いったいどうしようというのです】
スプーが呆れたような口調で俺に突っ込む
「確かに聞いたってどうしようもないけど…もし、打鉄が
【ハル!そんなことすれば更に注目を……】
「わかってる!!でも、やりたくないことを打鉄に強制するなんて、俺にはできない!」
打鉄は何かを考え込むかのように…ディスプレイを表示させずに俺の操作に身をまかせている―――これで、いい。打鉄だって自分のことを自分で決める権利がある。
状況に流されて…俺みたいなのついて、わざと自身の身を危険にさらすこともないだろう。
ディスプレイが表示される。
考えが固まったのか?そんな思いで動きまわっていた機体を空中で制止させ…ディスプレイを注視する。
そこには……
『主、ただの“打鉄”であったはずの…
「ただの偶然だ…あの時はたまたま……」
俺の話をさえぎって映像が投影される。
『主と離れてから3か月間…ずっと拙者は考えておりました…“自分が”誰に使われるべきなのか、を…そうして出した考えが主に仕えることなのです』
【打鉄…では、あなたはすでに覚悟を固めているのですね?】
俺と一緒に行くっていうことは―――最後は必ず
今…俺の相棒は、それを―――“覚悟”を問いている、それを察した。
『応!!』
表示されたディスプレイに大きく表示されたその一言を見て、確信する。
コイツはバカだ―――俺と、いや俺達と同じ
同じバカなら踊らにゃ損、か……
「改めて、よろしくな!俺の新しい
バカはバカらしく、躍るとしますか!この大空を!!
そんな気持ちで静止した状態から急発進。体に満ちる喜びを全身で表現するように俺たちは大空を翔る。
□ □
大空を自在に駆ける打鉄。錐もみ回転、急上昇、急降下で地上に降りて、地上スレスレでホバー機動に移行。そのまま滑るようなホバー機動からまた上空へ一気に加速。今の急加速は
そう、部分展開し頭にだけ出現したバイザーがハイパーセンサーで教えてくれた。
「あれが…ISに今日初めて乗った人間の機動ねぇ…これじゃあ自信なくしちゃうなぁ…」
ハイパーセンサーで拡張された視界のおかげで、高速で楽しそうに飛び回る彼の顔まではっきりと確認できる。無論―――“独り言とは思えないほど”よく動く口も確認できた。
「まったく、女の子との待ち合わせをすっぽかす何て…織斑先生が伝え忘れたのかしら?」
それはない、瞬時に頭の中で否定した。あの仕事に厳しい織斑先生が伝え忘れるなんてことは考えづらい…なら、彼が間違えたのか?それともブラフでわざとここで飛んでいるのか?いくつもの回答が頭に浮かぶ。
だが、正解を知りたいというのなら―――とるべき選択肢は一つだ。
「さてっと!」
会長権限で入った実況用放送席の長時間座っていても楽な実況者用のイスから立ち上がる。
まずは実際にあってみないと。
今のところは“ただ、巻き込まれた男の子”か“どこぞの諜報機関が送り込んだエージェント”か…そのどちらとも判断できない。
だが、先日の織斑先生の話に合った通り…怪しい。
家の追認操作で彼の経歴を追ってもらったが、非常に怪しいことに彼の両親の死後、引き取られた養父母もその子共も間もなく死亡している。
彼らの足取りを追ってはみたが…驚くほど彼らの目撃証言は少なかった。ほとんどゼロと言ってもいい。それ以外にも彼の養父は10年ほど前にOS業界に革命をもたらした、“ストーン”と呼ばれるという新機軸OSそれを開発した小さな会社の経営者だった。
現在では、かなり解析を進められてもう過去の遺物と言ってもいいが…このOSが発売されてから5年間は、バージョンアップもなしに世界のOS市場を席巻した。
それだけの技術力を持つ会社が次の製品を発売せずに、シェアを奪われるままでしておくだろうか?
その会社の得た利潤は何処へ行った―――経営者の懐へ、ではないのだろうか?
それに、彼の写真を見たとき“何か”が引っ掛かった。
何か…その“何か”がなんなのか、はわからない。
だが、暴かれない秘密は無い。必ず暴いて見せる。
そんな思いで、私は実況席の扉を開き外へと歩き出した。
ドーモ、読者=サン。めんつゆ=デス。
いかがだったでしょう?おそスト第10話は?やっと彼女を出すことができました。
今回はハルがISの本質について知るときでした。読者=サン達はもう少々…福音事件が終わるまでお待ちください。
それはそうとついにUA2万まじかです!皆様のご愛顧のおかげです。これからもよろしくお願いします。
本日のネタ
”ストーン”
スプーが資金調達を目的として開発した革新的OS。一応地球人の技術レベルで解析可能なものとして作られているため、のちに技術革新についていけず消えて行った。元ネタは、DCコミックスのヒーロー、サイボーグことビクター・”ストーン”
では今日は短いですがこの辺で失礼します。
おやすみなさい