恐れを知るものは、無限の空を目指す   作:めんつゆ

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 すいません零時投稿の予定だったんですが、お腹痛くなってきたんではやめます
あとがきは書いてる余裕ないので明日にでも更新します


  第14話 「ハル、いきなりビビる」

 

 

さっきすごく感動にまみれた感じで、漫画とかならお涙ちょうだい。って感じになるであろう、感謝の言葉を一夏に言ったが……

正直、既にさっきの言葉を撤回したい気持ちでいっぱいだ。

 

理由……?

 

簡単だ―――俺の親友って名乗ったはずの男と十年来の相棒、今日知り合った仲間が

 

俺そっちのけで、話が盛り上がっているからだ。

 

 

「それでスプーさん、ハルのヤツなんでこんなにマッチョなんですか?」

【宇宙にいるとどうしても重力がないので筋肉が衰えてしまいます。ですからリングの機能には重力制御の機能もありまして、その機能の応用で体を鍛えさせたのですよ】

『∑q|゚Д゚|pワオォ

スプー!貴様そんな機能まであったのか!』

 

どうしよう…話に割って入って行けないよ…ママ、父さんこんな時俺はどうしたらいいんだろう?……だめだ、ママは素直に喜んで、父さんはからかい交じりに笑っているところしか想像できん。

 

【あなたにはこの程度の機能もないのですか?それでよく宇宙探査用のマルチフォームスーツ(笑)だなんていえたものですね】

『ムキィィィィイ━━━━━(#`Д´)凸

貴様、まだファースト・シフト(一次変異)しか済んでいない拙者を、見くびるなよ!』

 

ああ…噛み付いちゃダメだ、打鉄。基本スプーは理詰めだからまた論破されるぞ。

 

【現状で、その程度なのでしょう?一次移行でその程度だといのなら、セカンド・シフト(第二次移行)してもたかが知れます。それに―――自分の機能なのに漢字を間違えるなんてw笑えますねw】

『間違っていない!…気が、するのだ』

【気wがwすwるw】

 

これはひどい…とりあえず打鉄に助け舟を出そう。そう思って俺は口を開いた。

開いた、が…

 

「ス…」

「スプーさん、打鉄を笑い者にするなんて大人げないぞ!」

【私が大人げない、と?一夏さん…具体的に根拠の提示をお願いします】

 

一夏ぁ…なんで俺が話に入るタイミングを奪ったー!!

ここは俺がかっこよく二人の間に入って仲裁するタイミングだろ!

なんで、俺の出番を奪った!言え!!

そんな思いを込めて一夏にジト目を送るが…あの野郎、まるで気づきもしない。

 

「だって、そうだろうスプーはお兄さんなんだから、弟をいじめちゃだめだろ!」

 

…おっと、予想の斜め上の発言ですね。さすが、IKEMEN一夏さんまじぱねぇですわ…

それはそうと、確かに稼働時間のことを考えると圧倒的に打鉄のほうが新しいんだよな…スプー、もう億年単位で代々グリーンランタンに使われてきたらしいし。

 

【こんな小生意気な弟など持った覚えがありません】

 

よし!スプーが一夏の話の真意に気づいていない今、会話に参加する絶好の機―――

 

「だって、打鉄が打鉄として意識を持てたのってハルが触れてからなんだろ?」

『その通りでござる…ということは人間の感覚に当てはめると、拙者は生後三カ月ということになりまするな』

 

―――会だったんだけどな……

 

【なるほど…確かに私は、ハルのものになってから十年…打鉄よりも長い間稼働しています。

私たちの間柄を、人間の感覚で表現していいのかはわかりかねますが…確かに年下、と言っていいのかもしれませんね】

「だろ!だからさ、スプーさんは打鉄のことを気遣ってやってもいいんじゃないか?」

【いいでしょう……】

『( ̄ー ̄)ニヤ...

ほう…お主がそんな殊勝なことを言うのならば拙者の兄者として認め、桃園の誓いをしやってもいいぞ』

 

あーあ…そんなこと言っちゃって…スプーが善意からそんなこと言う玉かよ。まぁ、あってからまだ一日も立ってないんだからしょうがないけどな―――

 

【あなたが弟になるということは、兄に絶対服従の立場になるということ…すなわち私の下僕の誕生です―――|誕生日おめでとうございます、我が親愛なる弟よ《ハッピーバースデー!マイサーヴァント》】

 

―――やっぱりな……

 

『ありがとうございます兄者、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げる』

 

おっ?……予想外の反応だな?たぶん噛み付いてまた喧嘩になると思ったのに…

 

【私はこれからあなたをこき使う、と言っているのですよ?それでもいいのですか?】

 

スプーも予想外だったようで、わざわざ聞き返している。

 

『(^―^) ニコリ

応!望むとこでござい!兄者が無学な拙者に教えられている間は尊敬の念と共にお仕えいたす所存!』

【いいでしょう…それならさんざん使い倒してぼろ雑巾になるまで使ってあげます…別にあなたが、どうなろうと関係ありませんけどね!】

 

この様子を見て一夏はうんうんとうなずいているが…なんだろう?心のどこかで違和感を感じてる気がする。

うーん…はっ!打鉄の言葉を思い返せ…教えられている“間”は、って言わなかったか?

つまり…教えられなくなったら……いや、せっかくうまく話が収まりそうなんだし、邪推をするのはよそう!

とりあえず…いい感じに話も切れたし、俺も話に参加するチャン―――

 

「頑張れよ、打鉄!スプーもあんまりいじわるしてると打鉄がグレるぞ?」

 

―――スだったんだけどなー?

 

『(^―^) ニコリ

はい一夏殿!これより、拙者一所懸命を信条とし研鑽を続けるでござる!“いつか来たるべきその日まで”!』

【はい、ありがとうございます一夏さん…やはり、あのボッチよりは人生経験豊かの様ですね】

「それはそうと…」

 

プッチン

 

我慢するなって言ったよね?助けてくれるっていたよね?だったらこの俺の胸に渦巻く解どす黒い感覚をぶつけても構わないっていうわけだ!!

 

「お前ら、俺をほっとくなよ!!なんで、俺を……」

 

しかし、その突込みは…相棒の呆れたような批判で尻すぼみになってしまった。

 

【チッ…五分も話に参加できないなんて…相変わらずあなたはダルですね…】

 

「……話にまぜて、くれないのかなぁ……」

 

ぐすん…まさか自分のコミュ力を試されていただなんて気づきもしなかった……

 

『(´・ω・`)

主…それほど会話に混ざるのに気おくれする必要など、無いかと存じますが』

「そうだぞ!もっと話には積極的に参加しないと!」

 

ちくしょー!三人で楽しそうに話しているもんだから、なんか話に入りづらかったんだよ!!

知らぬうちに、試されていたっていう嫌な気分と、生温かい感じを受けるを受けるアドバイスについばつが悪くなってしまい

 

「うっせー!しょうがないだろ!ずっとボッチだったんだから!!」

 

一夏は笑って

「わかってるって!からかって悪かったな」

『主、すべての発端は骨董…』

 

打鉄がそこまで文字を表示したとこですぐにディスプレイごと消し、また新しいディスプレイを表示して

 

『主、すべての発端は兄者の主への思いからの行動ですので罰はご勘弁を』

【打鉄…今一瞬、何か変なものが見えた気がしたのですが?】

 

うん。俺にも見えた…けど、これ以上グダグダ話を続けるのも何だ…助け舟としてごまかしてやろう…そんなことを考えつつ口を開く

 

「気がした、だけだろ?それよりも一夏…いろいろスプーから聞いたって言ってけど…俺個人に聞きたいことは、無いのか?」

 

一夏は笑っていた表情をハッとした感じへと変え、真剣な表情でこっちに向き合う。

 

「ハル…あの、なんだ…」

「なんだ?聞きづらいことか?特に知られたいことは相棒に大暴露をくらった後だから、今ならなんで教えてやるぞ」

 

そう聞きづらそうに言いもどった一夏に言葉をかけると一夏はおずおずと話し始めた。

 

「その…ハルは…親父さんことで…その、“箒を怨んでないのか”?」

 

ッ…!そうかあの時、教室で久しぶりに会ったとき箒ちゃんの目に込められた“決意”は…そういうことだったのか

俺が父さんを失った原因は白騎士の弾道ミサイル迎撃にあるから、それの生みの親である自分のお姉さんを…いや、篠ノ之という存在そのものを憎んでいるのか。

それを聞くための決意だったのか……

 

「ああ、怨んでない」

「でも…」

「一夏、もし父さんの死だけが俺をスーパーヒーローとして戦う道に走らせた、とでも思っているのなら大きな間違いだ」

「それでも!」

「父さんの死んだことは、原因の一つではある―――それは認める、でも……」

 

あの時自分の右手にはすでに白騎士事件を止められるだけの力があった

そして、その力から逃げたのが俺だ

その結果があれだ―――単なる不幸で父さんは死んだ、むしろあの時点で白騎士が迎撃をしなければもっとたくさんの人が亡くなっていたことだろう

 

だから、篠ノ之博士にも白騎士を操縦していた人も怨む気なんて毛頭無い

 

ただ…俺が果たすべき責任から逃げていただけだから

 

 

義を見てせざるは勇無きなり

 

俺は初めて先輩に会ったときその行動に―――正義を感じた

 

だが、自分には資格がないと怖がって―――勇気がなくて力から逃げ出した

 

このまま放っておけばどうなるか知っていて“見なかったことにした”

 

自分の心から目を背けて“気が使なったふりをした”

 

その結果があれだ

 

「俺がスーパーヒーローとしてなった理由は、ただ…自分の心に素直になっただけなんだ」

 

「わかった。じゃあ……」

 

そういって一夏はポケットから携帯を取り出す

 

「箒にもそう言ってやってくれ」

「わかった」

「箒か?さっきはメールでわるかったな…それよりも、ハルがお前に話したいことがあるんだって!代わるぞ!」

 

それだけ言って一夏は携帯をこちらに突き出す

 

「サンキュ」

 

一夏にそう一言礼を言って携帯を耳に当てる

 

「おい!一夏!そこにハルもいるのか!」

「おう、いるぞ」

「あっ…その…織斑先生と……」

「箒ちゃん、久しぶりに教室で会った時からずっと、俺に聞きたいことがあったんだろ?」

 

受話器の先ではっと息をのむ音が聞こえる。

 

「一夏か?」

「あの時すでに気が付いていた…とカッコつけたいところだけど、その通りだ」

「あのおせっかいめ……」

「でも、俺は神様じゃないからね…言わなきゃわからないのさ」

「……そうだ、ずっとこのことを聞きたかった…ニュースでお前の名前を聞いた時からずっと…お前は!…お前も…私を怨んで、いや…憎んでいるのではないのか!だとしたら私は―――」

 

ああやっぱり、あのときの箒ちゃんと変わってない

素直で…恥ずかしがり屋で…真っ直ぐだ!

だからこそ俺は―――

 

「そんなわけないじゃないか」

「だが…」

「だって、君は俺の数少ない友達なんだよ?それに…世の中は偶然で満ちている。父さんの死だってその偶然の一つなんだ」

 

電話口に聞こえる声が涙声に変わり…それでも箒ちゃんは自分を責める

 

「でも!もし私の姉がISを開発しなければ……」

「その時はミサイルで日本が滅んでいただけさ…箒ちゃん、もう自分を責めるのはやめたほうがいい。過ぎたことに責任を求めるのはおかしいし…それに」

 

一度そこで言葉を切る

 

「グスッ、それに…なんだ?」

「箒ちゃん、世の中にifはないんだよ。だから、“でも”とか、“だけど”だとか“もしも”のことに恐がるのはやめるんだ…ifについては、受け入れしかないんだよ―――俺の大切な人の言葉だ…だから、ifのことで自分を責めちゃダメだ!」

「だけど!…」

「だけど禁止!俺にできたことが…箒ちゃんにはできないのかい?」

「ッ!―――わかった…ハル」

「それでいい…そうだ!言い忘れてた。箒ちゃん…キミは…」

 

「俺と友達になってくれるか?」

 

受話器の奥から何かをぬぐうような音がするそして彼女が言って言葉は俺の予想道理で

 

「もちろんだ!」

 

俺の心にしみわたった。

 

「じゃあ切るね…また、明日学校で!」

 

ここで終わればいい話だった…だったんだ。

 

「いや、まて!そこに一夏もいるんだろう?」

「うん、そうだけどそれが…何か?」

 

いい話だったんだよ!

 

「二人とも織斑先生が大怒りで探しているぞ!消灯過ぎてるから早く帰ってこい!」

 

・ ・ ・ ・ ・ 消灯?

 

「箒ちゃん、消灯って何時だったけ?」

「十時半だ!私はこれから織斑先生に報告に行くからきるぞ!じゃあな!」

「あ・・・ちょ、箒ちゃん?―――切れた」

 

そうして通話の終わった携帯を確認すると…大きな数字で23時の文字が

 

「ヤバイ!一夏これサンキュ!」

 

そういって携帯を投げ渡し、アリーナを出てからそのままだったISスーツの上から制服を着始める。

 

一夏は真っ青になって携帯を受け取りその場に立ち尽くす

その様子に疑問を感じつつも門限を過ぎていることにやばさを感じている俺は着替える手を止めずに一夏に

 

「おい一夏、俺に付き合うことはねぇ!先に寮に行っててくれ、俺も着替えたら…」

「べ、別に無理なんてしてないぞ!だから一緒に寮に戻ろう、そうしよう!」

「あ、ああ…わかった、もう終わるから待っててくれっ、と」

 

言い終わると同時に着替え終わった俺はなんか、いまだに顔が真っ青な一夏に

 

「ほれ!行くぞ!」

 

と一声かけて寮に向かって走り出した。

 

 

◆                 ◆

 

「……ほう、それで二人で門限を破った、と?」

 

頭がずきずきと痛む…なるほど、だから一夏が真っ青だったんだな。

そんなことをのんきに考えてつつ正座をしている俺の前には織斑先生―――

現在の状況は簡単だ、絶賛説教をくらっている。

いや…初めての出席簿アタックは痛かったな、まだずきずきするわ…

とりあえず…

 

「はい、僕が誘ったことです。一夏には何の非もありません」

 

俺の発言に隣の一夏が驚いたようにこっちに顔を向ける。

 

「違うんだ!千冬ねぇおヴぇ!」

「一夏!大丈夫か?」

 

また、出席簿アタックをくらった一夏が痛みに悶絶する様を見てつい声をかける。

 

「織斑先生、全面的に僕が悪いんです!」

「加藤、いま私は織斑に教師として公私の区別をつけさせるための一括だ。お前が気に病む必要はない」

 

そういってほほ笑む織斑先生…隣で実の弟が悶絶してるんですが……

 

「それはそうと、もう今日は遅い!罰則はまた明日くれてやるから…今日は部屋に戻ってよし!加藤、お前の部屋は2025室だほかの一年と階が違うから注意しろ。それと…」

 

そういってポケットから取り出した鍵をこちらに投げる織斑先生。

 

「おっと!」

正直、ぎりぎりでキャッチできた。落としたら、カッコ悪い、よな?

 

「じゃあな…さっさと寝ろよ二人とも」

 

それだけ言い残して去っていく織斑先生の後ろ姿を眺めながら…つぶやく

 

「なんだか、男気あふれる人だな一夏」

「そうだろう、うちの姉は世界一なんだ!」

 

いつ間にか復活していた一夏もそんなシスコン魂あふれるセリフに突っ込む気も失せた俺は明日学校で、と一言告げて一夏と別れた。

 

◆                 ◆

 

「はぁ…なんだかいろいろあって疲れたなぁ…もうさっさと寝よ」

【お疲れ様ですハル…今日は色々ありましから、監視者の件などはまた明日考えましょう】

 

そう傍から見たらむなしい独り言にしか聞こえないものを上げ、割り当てられた部屋のカギを開けドアを開ける

すると…見覚えのある青い髪、これまた見覚えのある紅玉のような瞳、アリーナで見た時とは違う蠱惑的な表情の顔、そしてなぜかエプロン一枚の服装

 

「お帰りなさい。ご飯にします?お風呂にします?それともわ・た・し?」

「すみません部屋間違えました」

 

―――なんだか漫画みたいにバタンという音をさせて部屋が閉まる。

 

なんぞ…これ?

 




1月19日 あとがき追加

ドーモ、読者=サン。めんつゆ=デス。

まずは明日にでもあとがきと言いつつ、大変あとがきが遅れてしましました。
ここにお詫びします。申し訳ありません!!

何やら、お腹の風邪にかかってしまいまして未だに本調子とは言い難く…次の更新はもう少しお待ちいただくことになるやもしれません…
ハラァ・・・痛いや・・・

では、ネタはこの辺して今回の本編についてです!
今回はIKEMEN主人公、一夏さんとスプー&打鉄の無機物コンビによるハルいじり(笑)と、箒ちゃんのもやもやの解決…寮への移動だったのですが…相変わらずのろいですねw
こんなんじゃどっかかの駆逐艦さんに「おそ~~い!!」って言われてしまいそうです。

しかも、ここまでやってまだ次はセシリア戦まで行かないという恐怖!テンポ悪いな…

それはそうと、まだまだ完結目指して頑張るつもりですので応援いただければ幸いです。

今回もネタがありませんでした。
次は、次こそ必ず!!

では遅くなりましたがこれで失礼します。

おやすみなさい
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