あのあと、僕は健康保持のための毎日の往診の手続きを済ませ、ハルを連れて家に帰った。
嘔吐を防ぐため、アイマスクをつけたハルを先に車に乗せ、ハルが使っていた少ない私物を車に積んでいると、あの時の医者がやってきた。
「・・・何の御用ですか?」
言葉の棘を隠そうともせず、そういうと
「陽くんのことです。実はどうしても、話しておかければいけないことがまだありまして・・・」
「なんですか?ハルを待たせているので、手短にお願いします」
「・・・では本題だけ・・・」
「ハルくんは、あなたのゆうことしか従わないようです」
「・・・どういうことですか?」
「我々は、陽くんにたいしてカウンセリング中や、往診の最中に、何度も話しかけたのですが・・・あの子が私たちに返した反応は・・・無視です」
「それで?」
「陽くんが事故にあってからもう一週間が経っています。その間彼は一切言葉を口にしませんでした。おそらく・・・彼はあなたにしか心を開こうとしないでしょう・・・だから・・・」
医者の顔を眺めるとそこには深い苦悩の色と目の下の濃い隈が目に付いた。
そうか・・・この人も・・・
「・・・そのさきは言わなくても、大丈夫です。」
「加藤さん・・・」
「先ほどは、あんな対応をしてしまい済みませんでした。こちらも冷静ではなかったようです・・・それと、ありがとうございます」
「いいえ、お礼なんて!自分はあの子をよくすることすらできませんでしたし・・・」
「それでも、あなたが頑張ってくれたことには違いがないでしょう?だから、お礼を言ったんです」
「・・・月並みなセリフで済みませんが、頑張ってください。陽くんが良くなるためにはあなたの力が必要不可欠です」
「はい、それではまた、おやすみなさい」
そう医者に行って、僕は車に乗り込んだ。
・・・さぁ、これからが正念場だ。
◆ ◆
正直、それまでは何とかなるだろうと思っていた。
だが僕の考えは甘かった。
一カ月たっても状況は好転せず、僕はじりじりとした焦燥にかられていた。
もともと仕事柄、海外を飛び回ることが多かった僕には、突然遠くに行ってしまったように変わってしまった息子にどう接すればいいのか、それすら僕は分からなかった。
だが、あきらめることだけはしなかった。
これは聞いた話だが、“強い意志こそが道を切り開く、あきらめずに挑み続けることで解決、への糸口が顔を見せる”と、この話をしんじて、毎日くじけず、めげす、あきらめずにハルに話し続けた。
自分が旅先で聞いた話、今取り組んでいる研究の話、そして、僕と晴香の話だ。
晴香の名前がでると、ハルは少しだけ反応を示した・・・相変わらずの敬語だったけれど。
そんなある日、僕は晴香の夢を見た。
◆ ◆
目を開けると―――そこは満天の星空だった。
その星空に圧倒されていると・・・ふと声が聞こえた気がした。懐かしい声が・・・
ふと振り向くと、そこには死んだはずの晴香が緑の光を纏ってたっていた。
「晴香・・・?晴香か!」
気が付くと僕は彼女を腕に抱きとめていた。
しかし・・・彼女は何も語らず、ただむっとした表情で僕を見つめていた。それに気付いた僕は
「なんで何も話さないんだい?何か、言ってくれよ・・・」
しかし晴香は何も話さず、今度は悲しそうな表情を浮かべ僕の顔にこぶしを押し付けてくる。
この時僕は、やっとあの時のことを思い出した。
『それよりも・・・ハルをお願い・・・たんすをみて・・・』
「そうか・・・たんす・・・箪笥だ!」
晴香の最期の言葉を思い出すと、晴香はこわばっていた表情を和らげて、笑みを浮かべ手を振り、緑の光に包まれて・・・消えた。
◆ ◆
そこで僕は目を覚ました。
そして、家にある箪笥をひっくり返して・・・見つけた!
□ □
―――どうやら、眠っていたようだ。
カレンダーを見るとあれからもう四十九日が経ったのが見て取れた。
時計を一瞥し、もうすぐ賢が俺の部屋に来るくらいの時間だということがわかる。
動くのもおっくうだが、アイマスクをつける。
そういえば、最近話したのは何時だっただろうか?
考えたところで、話す気もないのだが。
扉は開く。賢がやってきのだ。
そして、彼は重々しく口を開いた
「君は、何者だ?」
・・・ついにこのときが来たか。そう思いつつおれは賢のほうをむいた。
今日も少なめです。
ですがモチベーション保持的な意味でがんばって毎日、1話は投稿していこうと思います。
それはそうと今日はたまたま書店でジャスティスリーグ 魔性の旅路とアイアンマン・ホーンテッドを見つけたので購入してきました。
JLは結成の方が見つからなかったのでこれだけですがアートがすごいです。それにストーリーも王道で、でも超人を頼る世界と、怖がる政治家と・・・っていう感じが印象に残りました。
ホーンテッドの方は最後の短編が傑作です。やっぱろアイアンマンは面白いですね
~
では今日はこの辺で・・・おやすみなさい