戦術人形用の作戦報告書を仕上げたカリーナが本部への報告用の書類を手伝ってくれるようになったおかげで、漸く仕事は楽になりつつあった。データルームの設備を更新した甲斐はあり、終わりは見え始めたが、まだ終わらない。
鉄血の襲撃もひと段落した事だ。今のうちに休むだけ休んでおこう。疲れた体で部屋に戻る。そして、扉を開けるとそこには、ベッドの上に座って待つUMP姉妹の姿があった。
「お帰り、指揮官!」
「少し遅いんじゃない? しきか〜ん」
ここで何をしている? そう疑問を口にする間も無く、立ち上がった2人に手を引かれ、貴方はベッドに寝転がされる。仰向けの状態の貴方の視界を、何やら笑顔のUMP姉妹が埋め尽くしている。
「カリーナさんから聞いたよ? 過労で倒れたって」
「そんなんじゃ早死にするわよ。だから……」
——今日は、私たちが癒してあげる
耳元で甘く、蕩かせるように囁かれ、貴方は思わず身を震わせる。歓喜に似た、くすぐったいような感覚だ。
「指揮官、可愛いね♪ ね、45姉」
「そうね……ちょっと味見したくなるけど、それはまた今度」
そう言いつつ、2人がポケットから取り出したのは耳かき棒。木製で白い梵天のついた姉妹お揃いの耳かき棒を目の前にチラつかせ、優しい笑みを見せてくれる。
「私と45姉の耳かきだよ〜」
「最近耳かきしてないでしょ? 無線の聞き逃し多いよ?」
そういえば最近耳掃除をしていない。聞こえが悪くなったのは確かだし、やることも多く、過労のおかげで耳の痒さに気が向いていなかったのだ。
仰向けで寝る貴方の左に45が、右に9が寝転ぶ。どうやら、この状態で左右同時に耳かきをしてくれるようだ。それはそれで、贅沢な気がする。
「動かないでね?」
「ふふ、まずはここからね」
2人はまるで示し合わせたように、同時に耳たぶを摘み、溝をカリカリと耳かき棒で掻いてくれる。カリカリ、と聞こえて来る小気味の良い音と、擽ったさと痛みの中間にあるような気持ち良さが、脳に伝わって来る。
「意外とここも溜まるのよね……45姉、そっちは?」
「すごく取れるわよ。ここまで溜まるなんてね」
継続して聞こえるカリカリという音と同時に快楽が脳に流れ込んで来る。人の欲は尽きないもので、耳たぶでこれだけ気持ちいいのならば中はどうなるのだろう。中を掻いて欲しいと思ってしまう。
そして、意識すれば痒みが出て来る。そんなもどかしさが顔に出てしまったか、2人はくすりと笑った。その吐息が耳にあたり、気持ち良さとむず痒さが同時に脳を犯す。
「もう我慢できない、って顔ね……♪」
45はまるで焦らすように耳孔近くをヘラ先で刺激する。それを9も真似しだして、もどかしくてたまらない。どんどん痒みが増していくような感覚がする。
「可愛いなぁ……ほら、指揮官……♪」
「お楽しみの時間よ……♪」
漸く2人が耳かき棒を耳孔に入れ、浅いところからヘラで掻き始める。ちょうどいい力加減で擦られ、快楽が増す。耳掃除というよりマッサージのようだ。
「うわあ、まだ手前なのに凄く出てくる……もう、サボりすぎだよ?」
「それとも、耳かきできないほど忙しかったの?」
9は取れたものをティッシュに乗せ、さらに耳孔を程良い力加減で掻いてくれる。45も、細かい垢を一箇所にかき集めて、それをまとめて取り出すかのような動きで耳かき棒を動かす。巧みな腕前だ。
「ちょっと奥をやるからね」
「動いちゃダメよ、しきか〜ん?」
耳元で囁かれ、吐息が耳にあたってくすぐったい。2人の耳かき棒はさらに奥へと入り、へばりつく耳垢を剥がそうと掻き始める。待望の瞬間に、快楽が洪水のように襲ってくる。
カリ、カリ、そんな音が鼓膜へ響き、2人に与えられる気持ち良さが体を震わせる。左右からの同時攻撃。耐えられるわけがない。
密着する2人の温もりが、吐息が伝わる。心地よさも加わり、自分のために一生懸命になってくれる2人に愛おしさがこみ上げる。
カリッ、そんな音がする。どうやら2人とも同時に耳垢を捉えたらしい。ヘラ先を巧みに操り、痛くないように耳垢を剥がすその作業は、痒いところを掻くかのようだ。待っていた待望の瞬間に、快楽がまた溢れる。
へばりついていた耳垢が剥がれるような感触。2人の慎重な手つきが伝わってきて、次の瞬間歓声が上がった。
「取れたよ!」
「もう、大物残していたのね。これでよく聞こえる?」
2人の声がよく聞こえる。やりきった2人は最後にふー、と吐息を耳に吹きかけてきた。くすぐったさに貴方が体を震わせると、2人はニコリと笑っていた。
「ふふ、気持ちいい?」
「可愛いんだから……9、もう一度やるわよ」
ふー、2人の吐息が掛かり、また体が震える。そんな気持ち良さそうな貴方を、姉妹はそっと抱きしめた。
「いい機会だし、このまま寝ちゃおうよ」
「そうね、そうしましょう。ほら、UMPサンドよ、しきか〜ん?」
優しい2人に挟まれ、あなたは眠りに落ちてしまう。暖かな2人に抱きしめられ、いつもよりゆっくり、安らかに眠れた気がする。