転生っ娘にツイてしまった転世した俺の話。   作:高ノ宮 伏魔殿

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天使族の王との激戦に終止符をうったルベルア。

かっこ良く決めた(つもりの)ルベルアであったが、自身の持つ最強魔法の一つを解除したところ、体に思わぬ異変が起きていたのだった。



(*´罒`*)
何度も言いますが(言ってない)コントは通常運行ですw


#17 今度こそ寝 ムリたい。

エランゲル北東のとある場所、

そこに存在するは、天使族の住む島“浮遊城”

 

その浮遊城から少し離れた地上に寝転がる11人の天使の姿があり、その脇には小さな星降りでもあったかのように小さなクレーターができていた。

 

クレーターを覗くと“うんせこらせ”と動く女の子の姿があり、

 

 

『おいっちょ!おいっちょ!』

 

 

「プハハッ!ルアさん、その声やめて!!」

 

 

戦いの衝撃により、瓦礫に埋まった天使族の王をほじくり出そうとしていた。

 

 

なぜメルが笑っているのかと言うと、戦いが終わり魔法を解いたルベルアは、魔力を使いすぎたらしく仔猫程の大きさになってしまい、

 

そこから更にドラゴン化が解けていなかった天使を元に戻す為に“魔法解除(ディスペルマジック)”を使ったルベルアは、その所為で消しゴムのカス位の大きさまで縮まった。

 

 

この状態のルベルアが声を出すと“とんでもなく高い声”であり、

メルはその声が笑いのツボに入るようだ。

 

 

俺の声はメルだけに聞こえる思念みたいなモノなのに、何故そうなるのかは分からん。まぁ、どうでも良いか!

 

 

『むむむー!どんだけ埋まってんだコイチュ!!』

 

ルベルアは豆粒みたいな小石をひとつ持ち上げると、ふわふわ飛び、30センチ程離れたところに小石を置く。

 

 

『ハァ、ハァ』

 

 

もう20回は()を退かしてるのに、王の野郎全然出てこねぇぞ。

 

 

「プハハハッ!!ルアさん本当意味無いよね、それ。沢山空気吸ってみても元に戻れないの?」

 

すっかり元気を取り戻したメルは笑いながらも黙々と瓦礫を退かす。

 

 

『そうなんだよ!空気を吸っても魔力にならないってことは、あの魔法を使うときにこの辺りのエレメントとマナも根こそぎ吸収しちゃったんだろうな!』

 

 

何度も試しているんだが、スゥゥー!………やはり変わらないか。

 

 

「あっ!王様の足が出てきた!今“ピクッ”って動いたから生きてるよね!?良かったー!」

 

 

『それは良かったけど、また暴れたりしないよな……』

 

この状態の俺じゃあ、もし暴れられたら王の鼻息だけで完敗する事間違い無しだろう。

 

 

 

少しビクビクしながらもメルと俺は王を掘り出した!

(掘り出したのは殆どメルだが)

 

 

ピクリと動いた王は細く眼を開きジッとメルを見つめる。

 

「む…ぅ。人族の少女…、…う…余は生きていたか……」

 

 

ゲッ!意識あるんじゃん!空気読んで気絶しとけよ!!

 

 

「はい、他の皆さんも無事……えっと、生きています」

 

 

「そうか…。すまなかったな……」

 

 

「……はい!」

王の言葉に何を感じたのか、メルはギュッと唇を噛み締め俯いた。

 

 

さすがの俺も今のメルの顔を見ようなどと野暮な事はすまい、

 

『良かったなー、暴れなくて!後はどうやって上に戻るかだな』

 

スッと一度だけ目を拭ったメルは、腕を組み足をトントンしながら考える。

 

「うーん、今のルアさんじゃあ完全無理だし。とりあえずテスタントさんを回復して連れてってもらうとか?」

 

 

『なるほど、それが一番可能性あるか。テチュタントなら起こしても戦闘にならないだろ』

 

 

テスタントの方へ歩いていくメル、小さすぎるルベルアはメルの肩に埃のようにくっ付いている。

 

 

テスタント(こいつ)等はいつまで気絶してるんだか。確かにアレは咆哮と言うよりは“魔力を乗せた衝撃波”と言った方が正しいが、そろそろ起きても良いだろ。

 

 

 

「テスタントさん、今 回復させるからね!癒しの女神よ、我に奇跡の力を授けたまえ……、ヒィーッ!!」

 

詠唱の途中に突然肩をビクッとさせるメル。

 

 

メルの肩にくっ付いていたルベルアはその反動で悲しいくらいぶっ飛んだ!

 

 

『うわーっメル!どうちたー!?』

綿毛のように飛ぶルベルアが緩やかな風に乗りフワフワと漂う。

 

 

 

ポヨン、ポヨン――

 

 

 

「モ、モモ、モンスター!ルアさ、あれ?ルアさん何処っ!?」

 

謎の生物に狼狽えるメル、気付くと目の前に大きなジェル状のモンスターが居たのだ。

 

 

 

これは……、スライム!

 

 

 

テスタントが少しスライムと重なっており、上半身の服がシュワシュワと溶けている。

 

 

 

……え?溶けるの?これ。

 

スライムと言えば服が溶けるのは定番かもしれないが、

なぜ男の服を溶かすんだ!この無能モンスターが!!

 

しかし、ここにはグラマラス美女が居ない!

まぁまぁのデカさだけど、一匹持って帰ってミルザにでもぶつけてみるか。

 

 

綿毛のように飛んでいるルベルアが、不埒な事を考えている間にもスライムはシュワシュワしている。

 

 

「あっ……あついっ……あっ!」変態みたいな声を出すテスタント。

 

 

てか、お前もう気絶から目覚めてねぇ?

 

 

「嫌ー!!私が溶かされるのもヤダけど、皆の裸を見るのも嫌だー!!」

 

メルがテスタントを凝視しながら叫び、モルドーから貰ったショートソードをグッと握りしめた。

 

 

ポポヨン!ポポヨン!ポヨッン!!

殺気に反応したのか、突然にスライムがメルを目標にして突進。

 

 

「キャッ!!ホント、なんなの!」

メルは文句を言いつつも上に跳びスライムの突進を避け、跳び越えた際にスライムの上部を斬りつけた――

 

 

タンッ!――シュッッ!! スタッ…!

 

 

攻撃を受けたスライムは見る間に動きが鈍くなり、やがて動きを止めた。

 

 

ポヨ……シュワァァ……。

スライムは形を崩し、水溜まりのように地面に広がる。

 

 

「えっ?これで倒したの!?……弱いっ!」

 

生まれて初めてのモンスターであるスライムを倒したメルだが、喜びよりも驚きの方が大きそうだ。

 

 

 

ポヨヨ!!ポヨン!ポヨッ!ポヨヨン!

 

 

 

―――!

 

 

 

「えー!一匹じゃなかったの!?」

メルを挑発するように四体のスライムが自由に動き回り、

 

何故かスライムが群がっているテスタントは上着が溶け、褐色の肌と乳首が露になっている。

 

 

「もうっ!!」

――ヒュッ!

 

「なんで!」

――ッスパッ!

 

「こんなこと!」

――シュッッ!

 

「しなきゃなんないの!!」

――シュパパッンッ!

 

 

スライムの間を縫うように駆け抜けたメルは、瞬く間に四体を仕留めると、

 

―――ピチャッ

綿毛のような悪魔がスライムの残骸の上に ふわりと落ちた。

 

 

『しゅげーなー!メル!カッコ良かったジョ!!』

 

 

 

ん?俺の下半身が、

 

スゥゥー!

 

大きくなっていく!!

あっ、決して下ネタでは無い!俺が保証する!

 

 

スライムの残骸に接触した部分が大きくなっていき、それと同時に残骸が消えてゆく。

 

 

『こ、これは。もしかして……』

 

何かを思い付いたルベルアは、思い切り空気を吸い込み始める。

 

スウウゥゥゥゥウウー!!

――!ズッズズズッルッ!!

 

『うおっぷ!』

息を思い切り吸うルベルアはスライムの残骸をも強引に吸いこむ。

 

 

うーん、無味無臭だが、テスタントの乳首をシュワシュワしていたスライムだと思うとやるせない気持ちになるな。

 

 

グググッ……、ポンッ!

 

『うおー、戻ったぁ!助かったぞ、メル!』

 

 

「わぁ!良かったぁー!これで安心だね!」

 

 

俺とメルは手を取り合って喜んだ。

 

魔力の蓄積量はまだ全然足りない気がするが、皆を連れて浮遊城へ行くくらいなら余裕だろう。

 

 

「じゃあ、お願い!」キラキラした眼で言うメル、

 

 

『よしっ!任せとけ!』

それに応え王とテスタント、10人の天使兵に実体化した影を絡ませてゆく。

 

『準備オーケーだ!行くぞメル!』

 

「うんっ!」

 

 

ルベルアは体をバネのように変え、地面に踏ん張り力を溜めると――

グググ……ググ…!――ダァッッアン!!

 

上空へ向かって一気に飛び上がった!

 

 

上空に……上く…。

 

 

メルが氷のような眼で俺を見る、

 

『ス、スマン!重くて無理だった!』

 

魔力が全快じゃない俺はなんて不甲斐ない悪魔なんだ。

 

 

 

そのまま30分ほど時間をかけて俺達は浮遊城へと戻ってきた。

 

 

 

グッタリした王、気絶している兵士達。

 

そんな彼らをふわふわと宙に浮かせながら飛んできた小さな女の子。

 

浮遊城の住人達にはルベルアの姿が見え無い分、余計に不気味な光景であっただろう。

 

「すいませーん!だれか、王様達に治療をしてあげて下さい!」

メルがそう叫ぶと、沢山の天使が集まって来て王様達を医務室へと運んでいった。

 

 

俺達はくたくたに疲れていたので、浮遊城・城下町の食事所 兼 宿屋の“ラミス亭”で一泊することにした。

 

『はぁー、たった一日で色々ありすぎて、すっかり疲れちまったなー!』

 

風呂上がりで髪を乾かしながらルベルアの愚痴を受けているメル。

 

「そうだねぇー、今日はもう寝よう……」

 

俺は普段なら眠らなくても問題ないんだが……今日は……。

 

―――眠……い。

 

 

 

―――翌朝、

 

 

「メル様、起きてください!どうか城へお越し下さい!」

 

 

むにゃ、この特徴的な声は……、テスタントか?

おっ、テスタントか!無事で何よりだ。

 

 

「ふぁ…ぁ。テスタントさん、おはようございます」

 

半ば強引に起こされた宇宙の戦闘民族みたいな寝癖がついたメル、そのままテスタントに城へと引っ張って行かれた。

 

 

「メルさんをお連れしました!」

テスタントの声に“謁見の間”の扉が開かれる。

 

 

――ギィィィ…。

 

 

謁見の間の扉は王の所為で壊れたはずだが、元通りに直っており、部屋の中の兵士達、そして王、皆初め見たときと変わらぬ様子である。

 

 

「ふむ…。昨晩はよく眠れたか?メルよ」

 

 

「は、はい!とてもゆっ良くゆっくりと眠られまました!」

 

相変わらず緊張しているメル、

 

一体何と言ったのだろう。

 

 

「であるか…。それは良かった」

 

王は納得したように頷き、さらに言葉を続けた――

 

「して、お主は一体何者なのだ?」

 

 

あー、やっぱり聞かれるよな……

姿見られちゃったし。

 

しかし、姿を見せれる程の魔力はまだ無いしなぁ、

仕方ないからメルに答えてもらうか。

 

今さら隠すよりはその方が良いだろ!

 

 

『メル、悪いけど俺の代わりに説明してもらっても良いか?』

こういう時、普通に会話できないというのはかなり不便である。

 

 

小さく頷くメルの拳には、ギュッと力が入る。

「わた」

 

「主よ!私はテスタントです!」

テスタントがキリッとした表情で言い放った。

 

 

「おお、テスタントか………………ハァ」

 

 

俺とメルは長い悪夢でも見ているのだろうか……。

 

って、いいかげんにしろ!!




転ツイpoint⑰
【スライム】スライム種のモンスターの中で一番基本であり、弱い種類。
溶解液を体に備えているが、大した溶解力は無いために服の繊維くらいしか溶かすことができない。

時と場合が合致すれば素晴らしく有能なモンスターである!!
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