転生っ娘にツイてしまった転世した俺の話。   作:高ノ宮 伏魔殿

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天使王・ミハエルとの戦闘に勝利したルベルア。

その翌日、城に呼ばれたメルはミハエルからの“一方的な”話し合いの末に、まさかの天使族の盟主に。

それにより、テスタントがワプル村に来訪した騒ぎの一件は一段落したのであった。


( 〃▽〃)
一章もあと僅かとなりました。
物語が大きく揺れ動く……かも?w



#19 子供の成長トハ…。

メルとルベルアが浮遊城に来てから三日目の昼下がり――

 

ここは浮遊城の図書館、

 

天使の女の子・リエルと俺の可愛いメルが楽しそうに話している。

 

「わぁ~!見たこと無い本がいっぱい!!リエルさん、これ全部読んでも良い本ですか!?」

高級と言われる本がビッシリと並ぶ光景に、メルは興奮していた。

 

「ええ、もちろんです盟主様!盟主様をよよ喜ばせるのがわたっ私のししし仕事ですので!」

リエルは、突如メルの案内役に抜擢された女の子であり突然の大役に緊張を隠せていない。

 

 

というのも、初めはメルの案内役としてテスタントがついていたのだが、テスタントがあまりにも仰々しく住人達に紹介して歩くので、メルがミハエルに言って案内役を変えてもらったのだ。

 

 

そこでミハエルが気を利かせて――

「ならば歳の近い娘の方が良かろう!リエルをメルの案内役にせよ!!」

と、即断で選出された案内役がこの娘。

 

 

リエル、22才、スリーサイズは……俺の影をこう…伸ばして巻き付ければ……分か…

 

 

「ちょっと!ルアさんの変態!!」――ギュウッ!!

こちらを鋭く睨み付けたメルは、俺の尻(的な位置)をギュッとつねった。

 

 

『いだだだ!ヒィッ!俺が悪かった!』

 

 

―――で、

 

 

話は戻るが“年の近い娘”でリエルが22才なのは、天使族は長寿であるが故なのか、あまり子供が生まれない種族らしいのだ。

 

つまり、他の地で天使族が生き延びていない限りはこの世界で一番若い天使がリエルという事になる。

 

そして22才ではあるが、天使族の寿命から言うとまだ幼児であるために、見た目はメルより少しお姉さんかな?と言ったところ。

 

 

「リエルさんっ、この大きな建物は何ですか?」

メルは扉が固く閉ざされた白い壁の大きな建物を見上げて聞いた。

 

 

 

「はいっ、盟主様!こっここは、魔法研究所です!!主に回復魔法に力を入れて研究しているらしいです!!私も入ったことがありません!」

リエルはビシッ!と“気を付け”の姿勢をして答える。

 

 

前世で俺が中学生だった時の体育教師“松本”よりも綺麗な “気を付け” だ。

 

 

「そうなんだぁ……。……あの、リエルさん?」

 

「盟主様!リエルと呼び捨てて下さい!」

メルのふんわりした呼び掛けに、兵隊のような返事を返すリエル。

 

 

なぜこの娘はこんなに肩に力が入ってるんだろう。

 

 

「そうですか…、じゃあリエルも私の事をメルと呼び捨てにしてください」

メルはニコリとして言った。いや、“ニヤリ”か?

 

「えっ!そっそそそれは、そんな事したらテスタント様に」

リエルはオモチャみたいな動きで狼狽えながら道の脇にある白い石垣の方にチラリと目をやる。

 

 

―――ヒュッ!

リエルの視線を察知した何かが素早く動き隠れた!

 

 

「はぁ~ん。ルアさん、お願い」

 

メルは俺の方を向いた後に、石垣の方へクイッと視線を送る、まるで山賊の親玉みたいな仕草だ。

 

 

『へいっ!オヤビン!任せろでヤンス!』

 

そう言うと、ルベルアは少し高く浮き上がり石垣を見下ろす。と、哀れな男が丸見えとなる。

 

はぁ……

 

ルベルアはため息を一つだけつくと、手だけを飛ばして獲物を捕らえた。

 

 

――スィーン!…ガシッ!

 

 

「あっ!くっ!これは…ルベルア様ですね!?一体何を…!あっ!や…お止め下さあっ!アッヒャヒャヒャヒャ!!」

 

石垣の影にいた男が悶える。

 

 

 

スマンな、手が勝手にくすぐっているだけだ、俺の意思ではない。

 

 

 

「もうっ!テスタントさん! リエルさ……あっ、リエルに変なこと言ったでしょ! 私はリエルさ……あっ、リエルにお友達みたいに接してもらいたいのに!!」

悶えるテスタントに言いつけるメル。

 

 

「アッヒャヒャヒャヒャハ!!」

テスタントは悶えている!!

 

 

「お、お友達……盟主様に私なんかが……」

 

リエルはモジモジしている、

モジモジしているがトイレを我慢してる訳では無いだろう。

 

 

「リエルさん……あっ、リエル!堅苦しい案内役なんかじゃなくて、私の友達になってくれませんかっ?」

 

言い慣れない言葉に少し恥ずかしそうにするメル。

 

 

「そ、それは。メ……メ……、盟主様がそう言ってくれるなら!良いですよね!?テスタント様!」

 

赤い眼をキラキラさせて伺うリエル。

 

 

「アッ!……ヒャッ!……ヒャッ!……ヒヒッ!…!」

テスタントは悶えている!!!

 

 

「ちょっとルアさん!もう良いよ!!」

 

 

『テヘッ』

 

 

「ゼハーッ…、ゼハーッ…、わ…。分かりました…!メル様がそれで良いと言うのなら…ハァ…ハァ…」

 

テスタントは息を絶え絶えにしながら承諾、これによりメルの転生後初めての友達ができた。

 

 

「じゃ、じゃあ行こっか!メル!見せたいところが沢山あるよ!」

 

「うん、宜しくねっ!リエル!」

リエルは急に可愛さを増してメルの手を引っ張ってゆく、

 

 

なんて微笑ましい光景だ……俺も混ぜてくれないかな。

 

 

「ハァ…ハァ…。ルベルア様はまだここに居ますか?」

唐突に聞いてきたテスタント、

 

 

仕方がないから俺は地面をカリカリと引っ掻いて返事をした。

 

 

そういえば、それについて気付いたことが一つ。

 

 

この世界に来て、俺もメルも言葉は皆同じように通じるから、共通の言葉しかないと思っていたんだが、それは転生者特有のスキルだったらしくて、文字は日本語と全く違うモノだった。

 

俺の姿が見えない王に“宜しく”と書いて見せたのだが――

 

「むぅ…。これは天使族の知らぬ文字だ。昔の悪魔達が使っていた文字とも違うものではないか…。」

とミハエルを不思議がらせた。

 

ってことは声を聞かせられない俺が文字で会話しようとするなら、この世界の文字の勉強をしなきゃならないという事だ。

 

なので今はメル以外の人には引っ掻いて音を出すか直接触る等の行為でしか、俺が居ると伝える事が出来ないのだ。

 

 

 

「まだ居りますね。ルベルア様、そろそろ我が主との約束の時間ですよ?」

 

 

あー、もうそんな時間かよ!

 

ミハエルと俺の模擬戦闘(デート)の時間が近いらしい。

 

 

ルベルアはもう一度カリカリと地面を引っ掻いてから城へと向かった。

 

 

約束を守るために、昨晩は少し遠くまで飛んで目一杯魔力を溜めておいたし。

きっとミハエルも喜ぶぞ!うふふふふ。

 

 

 

 

―――――2時間後、

 

 

 

バサバサとはためく茶色のマントの化物と天使王ミハエル・カーライルが浮遊城西の空でバチバチと魔力を散らしていた。

 

 

 

『ハァ、大魔法無しじゃキッツー!』

 

ルベルアはマントを羽織り、ミハエルに居場所が分かるようにして戦っている。

 

姿の見えないルベルアと戦闘訓練するためにとミハエルが考えたので、確かにこれならルベルアが居る位置は分かるだろう。

 

 

俺が正直に、体に羽織っていることが前提だがな。

 

 

「ハァーッ……!ハァーッ……!疲れたぞ!!ルベルアよ!」

呼吸を荒くして叫ぶミハエル。

 

 

そりゃ疲れるよな。

2時間ぶっ通しでやるのが間違いだろ。

 

 

ルベルアはミハエルの肩をポンポンと叩き、ミハエルはそれに答えて剣を納めた。

今日の模擬戦闘(デート)の終わりの合図だ。

 

 

王を乗せて城の一角の部屋まで戻ると、ルベルアはマントを脱いで部屋に置かれた鈴を一度だけ鳴らした。

 

 

“またな”の合図である。

 

 

「うむ!中々良い汗をかいたぞ!また頼む!」

鈴を聞いたミハエルは一言残して部屋を出て行った。

 

 

この部屋だけではなく、ミハエルは俺の為にと城のあちこちに鈴を設置、二度鳴らせば“来た”の合図で一度だけなら“またな”の合図。

 

 

なんとなく、秘密の恋人みたいな扱いだ。

さて、メルとリエルはどこに行ったかな?

俺とメルはお互いの位置を感じ取れるから探すのは簡単だ。

 

 

スィーン!――

 

 

お、居た!

 

鐘の広場のベンチに座っているメルとリエル。

 

 

『メルー!面白い事あったかー?』

 

 

「あっ、ルアさんお帰り!長かったね!」

 

メルは飴玉の様な木の実を口の中で転がしながら言い、それに合わせてリエルも挨拶をくれた。

 

「お帰りなさい、ルベルア様。お疲れ様です!」

 

 

 

俺が居る方向は全然違うが、可愛いから許す。

 

 

 

「ルアさん、私決めたことがあるんだ!」

メルは立ち上がり城下町をグルリと見渡しながら言った。

 

 

『ん?どうした?トイレの場所を増やしてもらうのか?』

 

 

「違うよ!私ね、暫くここで暮らそうと思うの!」

 

 

 

―――えっ?

 

 

 

『暫く?あんまり長すぎると村の奴らが心配するぞ』

 

俺はメルを心配して泣きじゃくるエリスの姿は見たくない。

正直、モルドーはどうでも良いけど。

 

 

「うん、ちゃんと顔は見せに行こうと思うから時間のある日は村まで連れていってね。あのね、学校に通う前までここで暮らそうと思うの」

 

 

この島で何を見たのかは分からない、けれどメルの気持ちはもう決まっているみたいだ。

 

 

 

学校に通う前まで……約3年間か。

皆、寂しがるだろうなぁ…。

 

 

『まぁ、メルが決めたことだし良いか』

 

 

「ありがとう!ここに暮らすとルアさんも毎日大変になると思うけど、宜しくね!」

 

メルは言いながら、一度リエルの方を見て“やったね”という顔を見せる。

 

 

―――ああ!メルが浮遊城で暮らすってことは、ミハエルとは遠距離恋愛じゃなく、毎日のように模擬戦闘(デート)しなきゃならないってことか……。

 

それは……、確かに大変だ!

 

 

 

『まぁ、そう決めたのなら明日には一度村へ戻るぞ。話は早い方が良いからな』

 

 

「うん!わかった!」

 

 

“初めてのおつかい”は“初めての家出娘”になってしまったようだが、果たしてエリスとモルドーはこのショックに耐えられるのだろうか。

 

 




転ツイpoint⑲
【スキル】魔法とは違い、覚えたりするのでは無く、生まれた個体が元々持っている特殊な能力の事である。

筆者が中学生の時に考えた能力は、豆粒のような小さな忍者をうじゃうじゃと出せて、それを自分の思い通りに動かせる。という能力だが、改めて想像してみると…。



多分クッソ弱いw
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