変身した福井=仮面ライダーザウラーハドロサウルスメイルは眼の前にいる半魚人、インスマースたちから龍太たち学生を守るようにファイティングポーズを取る。
「三笠君、行くんだ。」
「は、はい。」
龍太は動ける学生たちに指示を出して、その場から離れる。
「お前ら、やれ!!」
ホオジロザメに似た半魚人、シャークインスマースは他のインスマースたちにザウラーを攻撃するよう命令を下した。
インスマースたちはザウラーの元へ殺到、爪や牙で切り裂こうとする。
向かってくるインスマースたちに対してザウラーは必要最小限の動きでインスマースたちの攻撃を見切り、カウンターの連撃で次々とインスマースたちを地に伏せさせた。
倒れたインスマースたちは急所を的確に破壊されており、倒れた直後からドロドロに溶けてその肉体を残すことなく、その生命を終えていた。
「さあ、来い。」
ザウラーは腰を落とし、拳を構える。
同胞を倒されたインスマースたちは逆上し、ザウラーに襲いかかる。だが、本能のままに、怒りのままに攻撃するインスマースたちではザウラーの敵ではなかった。
ザウラーと同胞たちの戦いを見ていたシャークインスマース。同胞たちが為すすべなく倒される現状を見て、しびれを切らす。
「情けねえな、お前ら。俺が出て、一気に潰してやるよ!!」
シャークインスマースはその場で大きく飛び上がり、ザウラーの眼の前に着地する。
「よう、龍の戦士。このまま死ね!!」
大きく発達した右手をおおきく振りかぶってザウラーに目掛けて勢いよく振り下ろした。
シャークインスマースの剛腕が地面をえぐり、爆発音を響かせた。それと同時に土煙で周囲が見えなくなる。
「ふん、木っ端微塵だな。」
自身の攻撃でザウラーが死んだ、そうシャークインスマースは考えていた。だが、土煙から赤い眼光が見えると強烈な一撃がシャークインスマースの鳩尾に決まった。
「ぐぉっ!?」
シャークインスマースは体をくの字に折り、地面に膝をつく。
土煙が収まってくるとそこにはザウラーが万全の状態で立っていた。
ザウラーはそのままザウラードライバーを操作、右手にエネルギーを貯める。
シャークインスマースはうずくまりながら、相手が必殺の一撃を放とうとしていることを察知する。人間よりも優れている種族の一員である自分がこのまま為すすべなく倒されるという現実に、シャークインスマースは怒りの感情を爆発させた。
「ふざけるな!!」
そのまま強靭な顎でザウラーを噛み砕こうとする。シャークインスマースが顎を大きく開き、飛びかかったその瞬間の刹那。ザウラーはエネルギーを貯めた右手を握りしめ、シャークインスマースの頭部に強烈なアッパーカットを浴びせた。
強化された腕力により強靭な顎は砕け、右手に集まっていたエネルギーが体内に流し込まれる。
「ば、ばかな。」
自身が人間に倒された。そのことを理解できないままシャークインスマースはその身をゲル状の液体へ変えて、その生命を終わらせた。
シャークインスマースが倒されたのを見て、他のインスマースたちは一斉に逃げ始めた。
残っているインスマースたちが姿を完全に消したのを確認して、ザウラーはバックルにはまっていた結晶を外す。すると、ザウラーの全身が石化してひび割れが走り出す。ひびが全身に走るとそのまま崩れて、中から福井が姿を見せた。
変身を解いた福井は苦悶の表情を浮かべ、その場に膝をついた。荒く呼吸し、顔には大量の汗を浮かべていた。
「はあ、はあ、撃退できたか。」
福井はなんとかその場を立ち上がり、龍太たちが逃げた方向へ歩き出す。
「ここ最近は、特にひどいな。いつまで戦えるか。奴らの言っていた原初の解放器、まさかあの石器のことか。」
福井の脳裏にとあるものが浮かんだ。いざという時に使えるかも知れないと持ち歩いている謎の石器、それが今後の鍵を握ると福井は予感していた。
インスマースたちの襲撃から数時間後、龍太と福井の姿は武川穂別町の病院にあった。
「ありがとう、三笠くん。」
「いえ。とりあえず、半分のメンバーは少し休んだら回復したんで。ただ、意識を失って目が覚めないメンバーが心配ですけど。」
「目を覚めないメンバーは奴らの精神波の影響を強く受けてしまった。自然に目覚めるのを待つ以外に方法はない。」
病院には今回の発掘調査に同行した学生3名と博物館の館長が入院していた。インスマースの襲来で特に発狂していた彼らは未だに目覚めなかった。
「半魚人程度なら数日もあれば回復する。三笠くんも先に宿に戻っているアルバータさんたちのところへ戻って休みなさい。」
「あの、先生。待ってください、教えてください。あの怪物のことを、先生のあの姿のことを。」
龍太は福井に日中に見たことを聞く。
「さっきも言ったが詳しいことを知れば、君にも危害が及ぶ可能性がある。それが君の家族や大切な人たちに及ぶ可能性がある。」
「だけど、何も知らないわけにはいかないです。どうしても、だめですか。」
龍太の問いに福井は首を横に振った。
「すまない。だけど、三笠くんを巻き込むわけにはいかないんだ。彼らの精神波の影響が少ない理由は分からないが、奴らにとって君は排除するべき人間として認識される可能性が高い。だからこそだ。」
結局、龍太は福井からインスマースたちのことと福井が変身した姿のことを詳しく聞くことができなかった。結局、龍太は病院から宿へ向かうことにした。だが、龍太は自分が福井が関わってきたインスマースとの戦いに自分が深くまで関わることになるとは思いもしなかった。そして、その時が間近に迫っていることも。
武川穂別町の沖合、その海底にインスマースたちが集まっていた。
「それで逃げ帰ってきたというわけか。」
その中心には巻き貝のような鎧を纏った騎士、インスマースたちの主の一人である。漆黒の刀身を持つ禍々しい剣にはこの騎士の顔に似通った紋章が浮かんだ結晶がはまっていた。
騎士の言葉は淡々としていた。だが、周りに集まっているインスマースたちは落ち着かないようであった。
インスマースたちは原初の開放器と呼ばれるものと龍の魂が封じられた結晶を探し出して破壊することが目的だった。その目的はこの騎士の指示だった。
彼ら、インスマースが畏怖するこの騎士。インスマースたちの主である邪神たちの一柱、暗黒の力を司る邪神だった。
名をガタノゾーア、インスマースたちが信奉する邪神クトゥルフの息子である。
「我々の目的の障害になっている龍の戦士、仮面ライダーザウラー。やつとの長い因縁もここで断ち切るべきだな。」
そう言うとガタノゾーアが海上へ浮上した。それにインスマースたちも続く。
「今度は俺も出る。原初の解放器と龍の魂が封じられたダイノクォーツを破壊する。現代の龍の戦士、仮面ライダーザウラーを倒す。」
龍太が宿に向かう道中、夜の町に異変が生じた。
「ん?どうしたんだ?」
先程からパトカーや消防署、救急車が矢継ぎ早に海岸方面へ走り去っていくのを見た。
龍太はパトカーらが走り去っていく方向を見た。夜の街明かりだけが灯っているはずだが何やらやけに明るくなっていた。さらに、町中で警報が鳴り響く。
「...。」
龍太は胸騒ぎを覚えると同時にズボンの右ポケットから何か鼓動のようなものを感じた。
龍太はズボンの右ポケットに仕舞っているものを取り出した。
「そういえば、これを持ったままだった。」
それは昼間の発掘現場で見つけた結晶だった。結晶から伝わってくる鼓動は徐々に強くなっていく。
龍太は結晶から伝わる鼓動が海岸方面で起きているであろうことと関係があることは容易にうかがい知ることができた。
龍太は海岸方面へ走り出した。
病院に居た福井は龍太よりもいち早く海岸方面で起きたことを察知して現場へ来ていた。
「まさか、昼間の半魚人たちの生き残りがまた来たのか。」
福井がその場に着くと至るところで火の手が上がり始めていた。そこには昼間に襲撃してきたインスマースたちが居た。
「変身!!」
福井は仮面ライダーザウラーへと変身、町を襲撃するインスマースたちと戦闘を開始しようとする。そこに割って入るように何者かがザウラーの頭上から襲撃してきた。
ザウラーは咄嗟に踏みとどまり、襲撃者に備えた。
襲撃者は手に持っている剣を振るい、道路に巨大な斬撃の跡を残した。
ザウラーは襲撃してきた相手がインスマースたちの主であるガタノゾーアであることを確認する。
「ガタノゾーア。今回の半魚人たちの襲撃はお前の指示だったんだな。」
「久しぶりだな、ザウラー。原初の解放器はお前が持っているんだろ。」
「あの石器のことなら、的が外れたな。」
ガタノゾーアは剣、帰神魔剣バルザイブレードの切っ先をザウラーへ向ける。
ザウラーはファイティングポーズを取り、ガタノゾーアの出方を伺う。
「お前たちは解放器とダイノクォーツを探し出せ。俺はこいつをやる。」
ガタノゾーアがインスマースたちに指示を出す。
その場に居たインスマースたちが目的のものを探すために町の破壊活動を始めだした。
「待て!!」
「お前の相手は俺だ。」
インスマースたちを止めようとザウラーが行こうとするがそれをガタノゾーアが阻む。
「どけろ!」
「いや。先へ行きたいなら、俺を倒すべきだ。」
ザウラーは眼の前の相手を倒せないと先へ行けないことを理解する。だが、自身の肉体が昼間の戦いから限界が近いことも分かっていた。
(よりによってガタノゾーアが来ていたとは。体、保ってくれ。)
ザウラーはガタノゾーアとの戦いを始める。だが、今日に至るまで長い間戦い続けていた彼の肉体も限界が近かった。
「はあ、はあ、どうなっているんだ。」
遅れて龍太が現場へ来た。至る所で火の手が上がっていた。
「大丈夫ですか!?」
龍太は逃げ遅れた人々の避難を手伝う。逃げ遅れた人々を安全な場所へ避難させる中でインスマースたちが破壊活動をしているのを見る。
「あいつら、昼間の。」
龍太がインスマースたちを認識すると同時にズボンのポケットにしまっていた結晶の鼓動がかなり強くなったのを感じた。
「っ、まさか、あいつらに反応しているのか。」
龍太は結晶を取り出すと結晶がまるで生きているように鼓動していることに気付いた。それを察知してなのか、インスマースたちが一斉に龍太の方を見る。
「ミツケタ。」
どのインスマースが言ったのか分からない。だが、龍太は奴らの目的が自分になったことを理解した。そして、龍太はその場から勢いよく駆け出した。
走り出した龍太を見たインスマースたちは龍太を追いかけ始めた。
「うおおお!」
ザウラーはガタノゾーアに向かってジャンプパンチを放つ。
ガタノゾーアはザウラーの攻撃を最小限の動きで躱す。
ザウラーはそのまま連続で攻撃を繰り出す。だが、全ての攻撃をガタノゾーアは躱してしまう。
「どうした。随分と動きが鈍いな。」
「これならどうだ!!」
ザウラーはベルトを操作、右腕にエネルギーを集めてガタノゾーアに強化されたパンチを放つ。確実に決まるであろうと思われた必殺の一撃は突如として地面から現れた巨大なハサミに防がれるのだった。
「くっ!」
「終わりか。次は俺の番だな。」
ハサミが消えると同時にガタノゾーアがバルザイブレードを袈裟懸けに振るう。
バルザイブレードの刃はザウラーの装甲を容易く切り裂き、その下にある変身者の福井まで傷つけた。
ザウラーは切られた部分をかばう。
「カリバーサウルス!!」
ザウラーはカリバーサウルスを呼ぶ。カリバーサウルスはどこから飛び出し、ザウラーの元へ駆け出すがガタノゾーアが地面が召喚したハサミによって弾き飛ばされてしまう。
「さて、これで終わりにしよう。」
そう言ってガタノゾーアがザウラーに近づいていく。だが、何かを察知したのかガタノゾーアが自身の右横を見た。そこには大量のインスマースに追われながら、自転車で逃げる龍太が居た。
「なるほど、インスマースたちが追っているあいつがそうか。」
「何。」
ガタノゾーアはインスマースたちに追われている龍太が目的のものの一つ、ダイノクォーツを持っていることに気付いた。
ザウラーはインスマースたちが龍太を追っていることになぜかは即座に理解できなかった。だが、龍太がインスマースたちの影響を受けていなかったことに、その理由が分かった。
ザウラーは即座にガタノゾーアから龍太を守るように立つ。
「彼のところへ行かせない。」
「長年の戦いの限界が近いお前が俺を止められるとでも?」
ザウラーは傷をかばいながらも構える。それを見て、ガタノゾーアは顔を歪めた。ガタノゾーアの歪めたその顔は獲物を見つけたと言わんばかりの笑顔だった。
「良いだろ、俺がお前を終わらせてやる。」
ザウラーとガタノゾーアの戦い、否ガタノゾーアの一方的な蹂躙が始まるのだった。
一方、龍太は眼の前でザウラーとガタノゾーアが戦っているのを見て、どこからか拾った自転車を漕ぐ足をより早くする。だが、横からインスマースたちが飛び出し、自転車から放り出されてしまう。
「やばっ!!」
空中に放り出された龍太は咄嗟に頭を守り、地面を転がる。そこにインスマースたちの魔の手が伸びてくる。
逃げ切れないと思った龍太は目を固く閉じる。その瞬間、龍太が持っていた結晶、ダイノクォーツが鼓動と共に光り輝く。
ダイノクォーツの光を浴びて、インスマースたちはその身をゲル状にして息絶えていく。それをザウラーとガタノゾーアが見る。
「何。」
「ダイノクォーツから、光が。」
龍太は目を開け、周囲の状況を見る。そこにはゲル状に溶けたインスマースたちの亡骸だけが残っていた。だが、ダイノクォーツの光は収まるどころかさらに強くなっていく。
ガタノゾーアは気付かなかったがザウラーは自身が隠し持つ石器、ガタノゾーアたちの目的の解放器と呼ばれるものが熱を持ち出したことに気付いた。
「あれは、放って置くわけには行かないな。」
そう言うとガタノゾーアは巨大なハサミをまたも召喚、龍太へと差し向ける。
龍太は新たに巨大なハサミが自身を狙うことにその場から逃げようとする。だが、ザウラーがその場でそのハサミを受け止める。
「先生!!」
「三笠くん、逃げろ!!」
ザウラーが龍太に逃げるよう言う。だが、龍太はどうしてもザウラーを、福井を置いていけなかった。
「こんな形で邪魔をするなら、お前から片付けようか。」
そう言うとガタノゾーアはバルザイブレードの柄にあるボタンを押した。
《ガタノゾーア・イビルブレイク》
バルザイブレードからくぐもった音声が鳴った。
バルザイブレードの刀身が漆黒の闇が溢れ出した。
ガタノゾーアはバルザイブレードを振るい、漆黒の斬撃波をザウラーに向かって放つ。
ザウラーはガタノゾーアが召喚したハサミを受け止めており、放たれた斬撃を躱すことができなかった。
斬撃はそのままハサミごとザウラーのベルトとダイノクォーツを破壊する。
ザウラーの変身が解け、福井が満身創痍となって膝をついた。
「ここまでか。」
「先生、逃げましょう!」
福井に肩を貸してその場で逃げようとする龍太。だが、福井は懐から手のひら大の光を放つ石器、原初の解放器を取り出す。
「いや、逃げるのは難しい。俺もこの状態だ。だが...。」
福井が取り出した解放器は龍太が持っているダイノクォーツの光に呼応するように強く輝き出した。そして、石からベルトが伸びて、福井の手を離れて龍太の腰に止まる。
光り輝く石は一際強く輝くとその姿を変えていた。
《ダイノドライバーREX!!》
その瞬間、龍太の脳裏にはある戦士のビジョンが走った。戦士はダイノドライバーREXとダイノクォーツを使い、変身して戦っていた。ビジョンが消えると龍太は福井を見る。
龍太の表情を見た福井は頷いた。
「長年、それはただの石器だった。だけど、三笠くんが持っているダイノクォーツと共鳴していた。君を巻き込むわけにはいかなかった。だけど、それは君を選んだ。生き残るためにこの場を君自身の力で切り抜くんだ。」
福井の言葉に龍太は何が起きているのか分からないながらも自分が何をするべきなのか理解していた。
龍太は福井を建物の影で座らせるとガタノゾーアと対峙する。
「まさか、現代でそれを見ることになるとは。だが、使えるかどうかは別だ。お前に俺達神々と戦う覚悟はあるのか。」
ガタノゾーアの問いに龍太は手にするダイノクォーツを見る。
「さあ。まだ、完全に覚悟は決まりきっていないかも知れない。だけど、こんなことをするお前達に負けるわけにはいかない!!」
龍太はダイノドライバーREXを操作、ダイノドライバーREXにダイノクォーツをセットする。
《カムイサウルス!》
ダイノドライバーREXがダイノクォーツを認証、軽快なロックサウンドが響き龍太の闘志を鼓舞する。
「変身!!」
龍太はビジョンで見た戦士が使ったようにダイノドライバーREXを操作した。
《バイトアウト!ダイノジーン、リボーン!仮面ライダーDREX!カムイサウルスメイル!》
ダイノドライバーREXからエネルギーが放出され、龍太を包み込む。エネルギーはそのまま生体装甲となり、龍太の肉体を強化する。
龍太の変身を見るガタノゾーアは忌々しげにその名を呼ぶのだった。
「ディレックス。まさか、この時代に復活するとは。」
龍太の変身が完了、龍太は人類を守る戦士である仮面ライダーになったのだ。DREX、龍の王という名を持つ最強の仮面ライダーである。
「さあ、行くぞ。」
龍太=ディレックスはその場から駆け出し、ガタノゾーアに向けて拳を突き出す。
ディレックスのパンチを受け止めたガタノゾーアはその威力に驚く。
「初めて変身したとは思えないパワーだ。やはり、量産特化型のドライバーで変身した龍の戦士とは違うな。」
そこからディレックスはなんとパンチを受け止められたまま、勢いでガタノゾーアの頭部にハイキックを放つ。
ガタノゾーアはハイキックを防御することができずにそのまま蹴り飛ばされる。
それを見たディレックスは驚いていた。
「まさか、これを僕が。」
ガタノゾーアを蹴り飛ばしたとはいえ、建物数件の壁を一気にぶち抜いたことに驚きを隠せなかった。だが、そこにガタノゾーアのハサミがディレックスに襲いかかる。ディレックスはハサミによって両腕の自由を奪われてしまう。
ガタノゾーアは召喚したハサミでディレックスを拘束すると闇の斬撃を、ザウラーのベルトとダイノクォーツを破壊した一撃を放つ。
「お前はこの場で確実に殺す。そのまま何もできずに死ね!!」
身動きの取れないディレックスにガタノゾーアの闇の斬撃が迫る。だが、ディレックスは自由になっている両足に力を込めて、地面を強く蹴った。
ハサミごと宙高く上がったディレックス。ガタノゾーアの斬撃はそのままハサミだけを切り裂く結果になった。
拘束から自由になったディレックスはそのままガタノゾーアに急降下、アームハンマーでガタノゾーアを叩き潰そうとする。
ガタノゾーアは再度ハサミを召喚、ディレックスの攻撃を防御する。
ハサミに攻撃を阻まれたディレックス。ガタノゾーアのハサミには自身の攻撃の効果が薄いことを理解する。そこでディレックスはダイノドライバーREXを操作する。
《ダイノフィニッシュ!カムイサウルス!》
ディレックスの前方にカムイサウルスのオーラが出現、ガタノゾーアに突進する。
ガタノゾーアは再度ハサミで防御、カムイサウルスの突進を受け止める。
ディレックスはその場から走り出し、エネルギーを貯めた右足でジャンプキックを放った。
カムイサウルスを受け止めていたハサミは砕かれ、ガタノゾーアに届く。
ガタノゾーアはバルザイブレードでディレックスの攻撃を受け流そうとした。
ディレックスのカムイスマッシュがガタノゾーアのバルザイブレードが激突、爆発が起きる。
爆発が収まり、ディレックスとガタノゾーアの姿が見える。全身に微細な傷を負っているディレックス。一方、ガタノゾーアはディレックスの一撃で上半身の鎧の左半分が破損した。
「未熟だが、力はあるようだ。今回は撤退させてもらおう。」
そう言うとガタノゾーアは海へ飛び込み、姿を消した。
戦いが終わり、朝日が昇ってくる。
朝焼けの光を浴びて、ディレックスはダイノドライバーREXにセットしたダイノクォーツを取り外す。
ディレックスの生体装甲は瞬時に石化、風化するように消えて変身が解除された。
「やったのか。僕は守れたのか。」
龍太は自身の手のひらにあるカムイサウルスダイノクォーツを見る。ダイノクォーツから鼓動はもう感じられなかった。