ガールズ&ガンダム   作:プラウドクラッド

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色々書きたい事書いていましたら凄く長くなってしまい結局また前編後編分ける事になってしまいました申し訳ございません

今回ロックオンが主役だったりオリキャラ(?)がまた一人登場致します

今回もよろしくお願いします


9話 ネティクス(前)

地表よりそびえ立つ三本の軌道エレベーター……はるか昔地球上のエネルギー資源をほぼ使い果たした人類は、この危機に対して一丸となり総力を上げて軌道エレベーターと太陽光発電衛星を開発。これらを静止軌道上でオービタルリングと連結させて太陽光エネルギーを供給、人類は永久的に持続可能なエネルギーを獲得する事に成功した。その後エネルギー問題を解決した人類は互いに手を取り合い新たな生活圏を求めて宇宙へ進出し月面都市や居住コロニーの開発を進めて行った。

 

 

しかし世界から紛争が消え平和な時代がやって来ても人々は同じ種でありながら己の欲望を満たす為、己が存在を示す為に競い、妬み、憎んで、その身を食い合い……己より弱き存在の声を聞こうとせず知ろうともせず全ての人々が幸せに生きていけるとは限らなかった。

 

大切な家族が傷つけられた時少女は考えた。どうすれば皆がもっと優しくなれるのか。どうすれば皆がもっと仲良くなれるのか。どうすれば全ての人々から闘争心が消え誰も傷つかない世界になるのかを。正しく導かなければ···············人類を··········私達ニュータイプが··········。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在、月面都市フォン・ブラウン 島田家別邸にて

 

 

「····················チッ!また外しちまった·····。」

 

以前大洗女子と聖グロリアーナの練習試合を監視していた青年、レビンは自室で一人ギターの練習をしていたが思う様に弾けずに苦い顔を浮かべていた。レビンの部屋は彼が腰掛けていたベットとドラムセット以外は必要最低限の家具しか置かれていない簡素なものであった。

 

 

「····················レビン、もう終わった?」

 

「ん?ぬわあぁ大隊長!?いつの間に帰ってきやがった!」

 

 

気がつくと隣に愛里寿がちょこんと座っていた

 

 

「録画したボコ見たかったからおじさんより先に帰ってきた。レビンも一緒に見ようと思って部屋に来たのに無視するんだもん。」

 

「なんで俺となんだよ··········ナオとさらはいないのか?」

 

「二人とも出かけてる。今家にいるのは私とレビンだけ。」

 

「マジかよ···············仕方ねぇ、見てやるけど俺は一緒に騒いだりしないからな。」

 

 

レビンはテレビを点け愛里寿が録画したボコを再生しようとした

 

 

「ねぇレビン。この本ってレビンの?」

 

「あ?···················どわあぁぁあぁぁあぁあ!!!コラァ!人の隠しもん勝手に見つけてんじゃねぇ!!」

 

 

めちゃくちゃに焦りながらレビンは愛里寿から持っていたちょっぴりHな本を取り上げた

 

 

「お姉ちゃんが年頃の男の子はベットの下にそういう物を隠してるって言ってたけど·········本当だったなんて。」

 

「そんな目でこっち見ないでくれ·········それにこの本は全然そういうのじゃないから··········本当だよ?」

 

「本当に?··········じゃあこの女の人は何してるの?」

 

「こ、この人はな··········ソーセージを食べてるんですよ。」

 

「······························。」

 

 

愛里寿から冷ややかな目で睨まれレビンは滝のように汗を流した

 

 

「····················すまん嘘だ。頼むからこの事は黙っててくれ!大隊長に見つかったなんて皆に知られたら俺ァもうお終いだ!」

 

「どうしようかな。レビンはあまりボコが好きじゃないみたいだし、いつまでも大隊長って呼んでくるから私の事家族だと思ってないんだろうな。」

 

「いやいやそんな事ないであります!実は以前からもっとボコの事を知りたいと思ってたので今回大隊ちょ…愛里寿様に誘って貰えて大変嬉しゅうございました!」

 

「そうなの!?···············じゃあ皆には秘密にしといてあげる。今日からレビンもボコ仲間だね。」

 

「ハッ!ありがとうございます!」

 

 

レビンは何とか交渉が成功したようで胸をなでおろした。この時は愛里寿に本の事を黙っていて貰えるなら少しくらいボコを見るのに付き合ってもいいと思っていた

 

 

「レビンも私と同じくらい立派なボコーディネイターにしてあげる。」

 

「な、なんだボコーディネイターって··········?」

 

「ボコを愛しボコを極めるよう遺伝子操作された人··········後天的なものになるけどきちんと改造してあげる··········。」

 

「おいおいなんだよそれ··········エロ本隠してたくらいで改造されなきゃなんねぇのか··········。」

 

「嘘。やっぱりえっちな本だったんだね。早くテレビつけてよ。」

 

(こんのクソガキが···············!)

 

 

ブチ切れそうになるのを何とか抑えて落ち着き愛里寿とボコを観ることにしてリモコンを操作した

 

 

『やいオメーら!今オイラの名前を馬鹿にしただろ!ボコがクマの名前で何が悪い!修正してやる!』

 

「頑張れー!ボコー!」

 

(相変わらずクソつまんねぇアニメだな··········。)

 

「ねぇ、レビンもちゃんと応援してよ。」

 

「あ、ああ··········ボコー、ガンバレー、マケナイデー。」

 

「もっと真面目にやって。皆に本の事話しちゃおうかな。」

 

「うおおおおお!頑張れボコー!やっちまえー!今のお前は阿修羅すら凌駕する存在だー!」

 

 

こうしてレビンは半分泣きそうになりながらも全力で番組が終わるまで愛里寿と応援し続ける事となってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

低軌道ステーション・ムンゾ 重力ブロック

 

 

みほ達大洗女子学園一向はステーション内の宿泊施設の中でも昔ながらの和風な旅館に泊まっていた。あまりお金はかけれなかった為大広間の一室を貸し切りにし全員でその部屋で過ごす事となっていた

 

 

「ごめんね華さん·····私の残した分も食べてくれて·····」

 

「いえいえ。むしろとてもお腹が空いていたので嬉しかったです!」

 

「なんで電車でいっぱい食べてたのにお腹空いてんの····ていうかみぽりんさ、あまり食べてなかった気がするけど大丈夫なの?」

 

「うん。ちょっとトレインの中でお菓子食べ過ぎちゃったせいだから大丈夫だよ。」

 

 

沙織は先程の出来事の後、みほと優花里の呼び方を改め二人を『みぽりん』と『ゆかりん』と呼ぶ事にすると宣言していた

 

 

「私あだ名とか付けてもらうの初めてなのでとても嬉しいです·····!」

 

「そうすると私の呼び方は、はなりんになるのでしょうか?」

 

「私はまこりんか·····なんか変だけど我慢するか。」

 

「いやいや今更二人の呼び方変えろってのはちょっと違う気がする!」

 

 

そんな話をしていると大広間にロックオンと無精髭の男がダンボールと紙袋をいくつか抱えながら入ってきた

 

 

「随分安っぽい所に泊まってんだな。せっかく初めての宇宙なんだからもっといい所に泊めてやんなよ。」

 

「仕方ないだろ俺のお小遣いだってそんな多い訳じゃないんだから········。」

 

「店長じゃないですか!なんでここにいるんですか!?」

 

「おお優花里ちゃん久しぶり!今日はこの兄ちゃんに頼まれてたパイロットスーツを届けに来たのさ!」

 

 

学園艦上にて営業しているがんだむ倶楽部in大洗の店長アリー・アル・サーシェス。彼とロックオンが持ってきたダンボールと紙袋には薄紅色を基調としたパイロットスーツとバイザー付きのヘルメット、ピンクやイエロー、アメジストカラーのジャケットと制服一式が入っていた

 

 

「パイロットスーツのおまけで全員分のジャケットスーツも買ってきてやったぜ!これで他校の連中から舐められる事はねぇはずだ。」

 

「確かにそうかもな··········今度からMSのパイロットは安全のためにこのスーツを着て乗ってもらう事になる。それとクルーの皆にもモビル道用の制服を用意したから皆取りに来てくれ。」

 

 

ロックオンはそう言って生徒それぞれにパイロットスーツと制服を渡し始めた

 

 

「わぁ!何これ結構かっこいい!」

 

「これ着てMSに乗るんだよね?私似合うかな〜?」

 

「赤ではあるが··········もうちょっと赤いのがよかったな·····。」

 

「これ··········私が着ても似合うのか·····?」

 

「二人とも心配し過ぎぜよ。こういう衣装は誰でも似合う様に作られているもんぜよ。」

 

「わあぁかっこいいなあ……これを着れば宇宙でもバレーボールできるんだろうなあ…。」

 

「そうですね·····(キャプテンのパイロットスーツ小さくて凄く可愛い·····)」

 

(早く着てくれないかな··········撮りたい·····)

 

「はぁ〜·····とりあえず気に入ってくれてるみたいでよかったぜ。」

 

 

ロックオンは喜んでる皆の様子を見て安心した様に座り込んだ

 

 

「カタログ見てた時も思ったけどパイロットスーツって色んなデザインがあるもんなんだね。結構可愛いやつとかかっこいいやつがあったりしてびっくりしたよ。」

 

「確かに昔は地球連邦軍とジオン軍の2つしか無かったがそれだけじゃちょっと味気なかったんだろ。今じゃ色んなブランドや企業がどんどん新しいモデルを発売してくもんだからちょっとしたファッションみたいになってきてんだ。戦争すんのに格好なんて関係ねぇと思うけどなぁ·····。」

 

「おっさんにはわかんねぇかもしんないけど若い子はそういう時もオシャレしたいもんなんだよ。てか角谷のパイロットスーツ他の皆となんか違くないか?」

 

 

ロックオンは杏が持っていたパイロットスーツとヘルメットのカラーが他の生徒と違って薄紅色ではなくホワイトであった

 

 

「にひひ〜かっこいいでしょ〜。生徒会長だから皆のとは違うのにしようと思って店長さんに渡した生徒データんとこにこっそり書いといたんだよね〜。」

 

「いつの間にそんな事を·····別にいいけどおまえだけってのはちょっとずるい気がするな··········」

 

「あの、教官さん·····私達のスーツも皆と違う色なんですが··········」

 

 

それを聞いてロックオンはみほ達の方を見ると彼女達もまた杏と同じ様に周りとは異なるカラーのパイロットスーツが渡されていた。ちなみにみほのスーツが青色で優花里がオレンジ、華が緑色で麻子のは紫色であった

 

 

「なんで西住達まで··········これもおまえの仕業か?」

 

「うん!西住ちゃんはうちの隊長でエースだからやっぱそれに相応しい格好をして欲しいからね。でも流石に西住ちゃんだけってのはどうかと思ったからついでに仲のいい秋山ちゃん達のスーツも別の色にしちゃったって訳。」

 

「おまえなぁ··········まぁ俺もちゃんと確認して注文しなかったから文句は言えないな。四人共今更だけどもし気に入らないなら取り替える事もできるからこの合宿が終わったら言ってくれ。」

 

「は、はい!でも私はこの色でも別にいいかな。」

 

「みほさんがそう言うなら私もこのスーツを使わせていただきます。」

 

「いいんでしょうか…他の皆さんと違う色を着てても··········」

 

「こんなに色んな色のパイロットスーツがいると誰がエースなのかもどうでもよくなるだろう。あとあの色は私には似合わなそうだからこれでいかせてもらう。」

 

「なんだか私達戦隊ヒーローみたいじゃない?ちなみに私がピンクね!」

 

沙織はいつの間にか受け取ったピンクの制服に身を包んでいた

 

「おまえいつの間に着替えたんだ。それにこの後お風呂なんだからさっさと脱げ。」

 

「わー!ちょっと辞めてよ麻子!まだ教官さんと店長さんがいるんだから!」

 

「·····武部のヤツいつの間に着替えたんだろう…?」

 

「あれが魔法少女ってやつか……ガキの頃はよく見てたなぁ··········」

 

「俺も毎朝早起きして見てたっけな……ってそんな事よりまだやる事あるし俺達は艦に戻るとしようぜ。」

 

「あ、あの教官さん!私達の新しいMSってもう届いてるんですか?」

 

ロックオンとサーシェスは広間から出ていこうとしたら典子によって呼び止められた

 

 

「そういえばもう置いてあった気がするな。よかったら見に来るか?」

 

「是非!やったな河西!」

 

「ハイ!一体どんな機体が待ってるか楽しみです!」

 

(おいあの子達めちゃくちゃ楽しみにしてるぞ……そんな大層なもんじゃないのに大丈夫なのかよ?)

 

(いや、きっと大丈夫だ··········多分··········)

 

「あぁそうだ!優花里ちゃんも来てくれないか?優花里ちゃんにも新しいMSがあるんだよ!」

 

「そうなんですか!?でもどうしましょう··········」

 

優花里はそう言ってみほ達の方へ目をやった

 

 

「んじゃ私達もついて行こっか!ゆかりんの機体も気になるしリュウセイくんの事も心配だしね。」

 

「皆さん··········ありがとうございます!」

 

「そんじゃ決まりだな。港までちょっと距離があるからしっかり着いてこいよ。」

 

こうしてみほ達はロックオンとサーシェスと共に港へ向かうため旅館を出発した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

港に到着するとスペースシャトル等の貨物船、モビル道用の艦が数多く停泊しており出港や入港が盛んに行われているのが見受けられた。多くの人で慌しい港の中を歩いて行くと停めらていたホワイトベースとビーハイヴが見え、ロックオンに先導されみほ達はホワイトベースのMSデッキの中へ入って行った

 

MSデッキに入ると中では作業着を着たガラの悪そうな男達と、赤ハロとその兄弟のハロ達が整備ロボ『カレル』を操作し機体整備を行っていた

 

 

「おいおまえらー!戻ってきたぞー!」

 

「隊長おかえりなせェ!もしかして大洗の女の子も連れてきたんですかい?」

 

「やっぱ皆べっぴんさんですね!学園艦に住んでる隊長が羨ましいですわ!」

 

 

サーシェスの姿を見て何人かが作業を中断してこちらに駆け寄ってきた

 

 

「教官さん·····なんか知らないおじさんがいっぱいいるんだけど誰ですか·····?」

 

「なんかサーシェス····店長がプロだった頃のチームメイトの人達らしい。今日は俺達の手伝いの為に連れて来たと言ってたが·····。」

 

 

「いいかオメェら!あの子達に話しかけたりジロジロ見たりするんじゃねぇぞ。特に優花里ちゃんにちょっとでも近づいてみろ··········グツグツのシチューにしてやるからな··········」

 

「り、了解しやした!オイおめーらも聞いてたか!視界に入れていいのは隊長かそこにいる兄ちゃんだけだからな!」

 

 

そう言いながらサーシェスの部下達は作業に戻って行った

 

「なんかちょっと怖いと思ったけど悪い人達じゃなさそうですね。」

 

「まぁ無料(タダ)で働いてくれるらしいし西住の言う通りなのかもな。」

 

「教官さん!もしかしてあれが私達のMSですか!?」

 

 

典子の声がした方を見ると何かボールの様な形をした異形が2つ置かれていた

 

 

「何これ妖怪?ボールみたいなのに手と大砲が付いてるけど·····」

 

「妖怪なんかじゃないぞ!これはボールっていうれっきとしたMSだ!いやMAだっけ?」

 

「名前も見た目そのままなんですね。可愛らしいけど本当にモビル道で使えるんですか?」

 

「こう見えて搭載しているキャノン砲は180mmなので火力は高いと思います。丸い棺桶とも呼ばれていますが··········。」

 

「棺桶··········それってかなり最悪な意味なんじゃないのか·····?」

 

「そ、そんな事言うなって!これでも一年戦争の終盤で結構使われてたんだぞ!それにめちゃくちゃ安く買えたし··········」

 

ロックオンは苦い顔を浮かべる沙織達に何とか弁明しようとしたがボールは見た目からして頼りなくロックオン自身もボールの性能がMSと比べて著しく低い事はわかっていたので中々いい言葉が思い浮かばなかった

 

(やべぇな··········これじゃ磯辺と河西もがっかりしてるよな··········)

 

「コクピットはアッガイたんとは随分違うんですね。上手く使えるかなぁ··········」

 

「そこは根性でなんとかするんだ!神様だってそれを望んでるはずだ!」

 

しかしどういう訳か典子と忍の二人はテンションを上げながらボールのコクピットの中に入っていた

 

 

「あれ?なんでおまえらそんな喜んでんの··········?」

 

「そりゃボールの神様に乗って戦えるんですから嬉しいに決まってるじゃないですか!ありがとうございます教官!」

 

「神様って··········これがか?こんなめちゃくちゃ弱そうな奴がだぞ?」

 

「そんな事ないですよ!こんなに大きなバレーボール今まで見た事ありません!絶対バレーボールの神様に違いありませんって!」

 

典子と忍が目を輝かせながらそう言ってきた為ロックオンは少し顔を引きつり若干引いていた

 

「ははは、そうかそうか喜んでくれて嬉しいよ·····(こいつらひょっとして結構ヤバい奴なんじゃ··········)」

 

「でもあれみたいな作業用ポッドで試合に出てる選手もいるらしいから戦力としては十分なんじゃないかな。」

 

「その通り!結局の所MSの性能差が戦力の決定的差じゃないってこった!さぁ優花里ちゃん!あれが新しくなった優花里ちゃんのザクだぜ!」

 

 

サーシェスがそう言うとMSハンガーの一つがライトアップされオレンジ色のザクIIが照らし出された

 

 

「わあぁ··········かっこいいです··········」

 

「MS-06R-1A高機動型ザクII……俺の知り合いの所で強化しといてやったぜ。」

 

「あ!私この機体見た事あるかも!確かシャアって人が乗ってるのと同じやつじゃない?」

 

「確かに似てはいるがよく見るとランドセルが一新されてたり脚にスラスターが増設されてるんだ。だから普通のザクよりも性能は格段に上がってるぜ。」

 

 

MS-06R-1A高機動型ザク

通常のザクIIをより機動力を上げるためバックパックを一新し脚部にスラスターを増設、加えて機体のジェネレーターも大幅に強化された為も推進力も大きく向上していた

 

優花里の新しいザクは頭部ににブレードアンテナが備えられ、機体カラーも元の緑色かれオレンジを基調に塗り替えられ見違える姿となっていた

 

 

「いいなぁーゆかりん!自分専用のMS用意してもらって!」

 

「おまえはパイロットじゃないから別に構わんだろ。それにしても凄い存在感だな。」

 

「店長本当にありがとうございます!とっても嬉しいです!」

 

「へへっ、常連の優花里ちゃんがモビル道やるってんだから協力しない訳にはいかねぇよ。その代わりこれからもいっぱい活躍してくれよな!」

 

「ハイ!あ·····そういえば教官殿·····今日の朝はすみませんでした。私なんも知らずに教官殿を責めてしまって··········」

 

優花里は学校を出発した時ホワイトベースに自分のザクが積まれていなかった事でロックオンを責めてしまった事を謝罪した

 

「いやいや気にすんなよそんな事。それにしてもめちゃくちゃかっこいいなこれ··········見直したぜおっさん。」

 

「おっさん言うんじゃねぇ。これで兄ちゃんも車の事は許してくれるかい?」

 

「仕方ねぇな··········後20機くらいプレゼントしてくれたら許してやるよ。」

 

「調子乗んな!やっぱてめぇはダメだ!俺が教官になる!」

 

「公務員でもなきゃ連盟の職員でもねぇあんたがなれる訳ないだろ!現実見ろ!」

 

 

ロックオンとサーシェスは互いに額を擦りつけ睨み合ったかと思えばたちまち年甲斐もなく取っ組み合いを始めた

 

 

「二人とも喧嘩はダメだよ!私のために争わないで!」

 

「己の意地とプライドを賭けた仁義なき戦い·····でしょうか?」

 

「ははは··········どっちも違うと思うな··········」

 

「教官さーん!機体の調整終わりましたー!」

 

「ロックオン!ロックオン!」

 

 

すると他のMSハンガーの方からリュウセイお赤ハロがこちらへ向かってきた

 

 

「まぁリュウセイさん!お疲れ様です!」

 

「い゙っ!い、五十鈴さん!?どうしてここに!?」

 

「イテテ··········おっ、リュウセイお疲れさん!悪いな初日なのにいっぱい働いてもらって。」

 

「いえいえそんな事ないですよ。僕も久しぶりに沢山のMSが触れてとても楽しかったです!」

 

「リュウセイさんずっとここで作業していたんですか?ちゃんとお夕ご飯も食べたんですか?」

 

「あわわわっ!た、食べました!だ、だから大丈夫ですよっ!」

 

華が近づこうとするとリュウセイは何故か距離を取ろうと後ろへ下がった

 

 

「どうしたのですかリュウセイさん·····?何か気に障るようなことをしてしまったでしょうか·····?」

 

「いやいやそんなんじゃないですよ!·····ただ今の僕かなり汗臭いと思うのであまり近寄らない方がいいと思います!」

 

「····?本当ですか?くんくん·····」

 

「キャーーー!嗅がないでくださいよー!!!」

 

「やっぱ案外女々しいよねリュウセイくんって。」

 

「ああいうのは紳士って言うんじゃないのか?」

 

「うーん·····よし、リュウセイはもう上がっていいぞ!旅館に個室を一部屋予約してたからそこ使ってくれ!」

 

「え、いいんですか?でもまだ結構やる事があると思うので僕も残った方が··········」

 

リュウセイは心配そうな顔を浮かべたがロックオンは相変わらず涼しい顔で首を横に振った

 

 

「後は俺とおっさん達で何とかするから気にすんな!おまえらはさっさと風呂入って明日の訓練に備えてくれ。」

 

「··········わかりました。ではお先に失礼します。」

 

「教官さん····店長さん達もあまり無理をしないでくださいね。」

 

「心配すんな!おまえらはそんな事気にせずこの合宿を楽しんでくれ!」

 

「オォーイおまえらー!皆応援してくれてっからさっさと終わらせちまうぞ!」

 

「「「ウオオオオー!ヤッテヤンヨ!!!トゥ!ヘアーーーー!!!」」」

 

この後も作業を続けると言うロックオンが少し気がかりだったがみほ達はホワイトベースを後にし旅館へ戻る事にした。こうして大洗女子学園に新たに高機動型ザクIIとボールが2機迎えられたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みほ達が旅館へ帰ってからしばらく経ち、ようやくMSの整備作業や新武装の搬入が終わりを迎えてロックオンはGブル・イージーのキャタピラに腰掛けてカップラーメンを食べながら、続々と帰宅していくサーシェスの部下達と挨拶を交わしていた

 

 

「兄ちゃんお疲れ!思ってたより根性あるじゃねぇか!こいつは俺からの選別だ!」

 

 

サーシェスの声が聞こえ下を見るとこちらに向かって缶ビールを投げてきたのでロックオンはキャッチして受け取った

 

 

「酒か、いつもは飲まねぇけどたまにはいいか。」

 

「兄ちゃんひょっとして酒は嫌いか?働いた後飲む酒はちぬ程うんめェんだぞ!」

 

そう言ってサーシェスは持っていたウィスキーボトルを開けてグビグビと喉へ流し込んだ

 

 

「はは、そうなのか·····今日は手伝いに来てくれてありがとなおっさん。秋山の機体強化してくれた上に他のMSの武器までいっぱいくれて本当有難いぜ。」

 

「ヘッ、別に兄ちゃんのためじゃなくて優花里ちゃんとあの子の大事な友達のためだからここまでやってんのさ。それより兄ちゃんこそ随分頑張るじゃねぇか········この後もまだここにいるつもりなんだろ?」

 

「まぁな··········まだ艦内の掃除とか訓練のメニュー考えなきゃなんねぇからもうちょい気張らねぇとな。」

 

 

ロックオンは頂いた缶ビールを開けようとしたら中から勢いよくビールか噴出し顔全体にモロに被ってしまった

 

 

「ブベッ!·····オイコラアリー・アル・サーシェス!よくもこんな真似してくれたな!」

 

「バカがァ!この俺がテメェにタダ酒奢るとでも思ったか!」

 

 

サーシェスは爆笑しながらMSデッキの出口へ走って行った

 

 

「あ!てめぇ待ちやがれ!ぜってー覚えてろよな!」

 

「ケッ!兄ちゃんこそ覚えておきな!··········若ぇからって働きすぎてるといつかぶっ壊れちまうからな。あんま無理すんなよ。」

 

 

サーシェスはそう言い残してその場から去って行った

 

 

「ぶっ壊れるか·····そう言われてもな··········」

 

 

ロックオンは缶の中に半分程残ってたビールを一気に飲んで立ち上がると、キャタピラから飛び降りて地面へ着地した

 

 

「よーしハロ!メシも食ったしまだ掃除してない区画とエアコンの取り付け頑張ろうぜ!」

 

「リョーカイ、リョーカイ!」

 

「ふーん、オンちゃんまだここに残ってたんだ。」

 

 

すると突然Gブルの影から杏が現れこちらへ歩み寄ってきた

 

 

「角谷!?なんでここにいるんだよ!?今何時だと思ってんだ!」

 

「そりゃこっちのセリフだよ〜。オンちゃんがいつまで経っても帰ってこないから迎えに来てあげたのに。」

 

「俺は艦の中の適当な所で寝るから大丈夫だ。だからおまえはさっさと旅館に戻ってくれ。俺ももうちょいやる事やったら休むからよ。」

 

「オンちゃんってさぁ··········前から気になってたけどどうしてそんなに熱心なの?他の学校の教官さんはここまでやってくれないと思うよ。」

 

 

杏から思わぬ言葉が出てロックオンはギョッとした

 

 

「·····そ、そうか?普通教官なんてこんなもんだって…ハハハ··········」

 

「いやいや異常だって。もしかしてうちの先生に弱味でも握られたとか?それとも好きな子がいるとか!?」

 

「そんなんじゃねーよ!大体握られるような弱みなんて持っとらんわ!」

 

「えー··········じゃあどうしてなの?お給料が上がる訳でもないのになんでそんなに頑張るの?」

 

 

いつも悪戯っ子の様な顔で話しかけてきた杏が本気で心配しているような顔を浮かべていた

 

 

「はぁ··········そんなに気になるか?俺が教官やってる理由。」

 

「うん。よかったら教えてよ。」

 

 

ロックオンはGブルに寄りかかるように座り込み杏も同じ様に隣へ座り込んだ

 

 

「··········俺もな、昔はおまえらと同じ様にモビル道をやってたんだよ。高校の頃は継続高校っていうすっげぇ貧乏なトコにいてな。昔からモビル道があるくせに受講者も少ないしMSや艦の数も今の俺達と同じぐらいで、連盟から来た教官も超やる気のない人でよ·····色々と大変だったんだよなぁ··········」

 

「やっぱオンちゃんもモビル道やってたんだ。てか私らと同じくらい厳しい学校ってあるもんなのね··········」

 

「あの頃は皆酷かったんだぜ?おまえらみたいな弱小が全国大会に出るなとか宇宙をおまえらのポンコツ機体で汚すなとか言ってきやがってな··········。

それでも夜遅くまで仲間と特訓したりMSいじったりしてよ··········そしたら最後の全国大会で何とか優勝できたんだ。あん時はめちゃくちゃ嬉しかったし何よりここまでめげずに続けてきてよかったって心の底から思えたよ。」

 

「えー!オンちゃんって全国大会で優勝した事あるんだ!それ超すごいじゃん!プロからスカウトとか来なかったの?」

 

杏がそう聞くとロックオンは少し険しい顔になって俯いた

 

 

「··········そりゃ優勝した試合にも出てたんだ。色んなプロチームからスカウトが来て俺自身もプロに上がるつもりだった。··········けど運が悪かったのか利き目が病気になってよ。すぐにでも手術しないと失明するって言われたんだ。」

 

「え··········でもちゃんと手術したんだよね!?」

 

「··········あの頃は本当に運が悪くてな。妹が一人いんだけどそいつがとんでもねぇ難病にかかっちまって……兄妹揃って手術代は馬鹿みてぇに高いし、何より妹のそばに居てやりたかったからよ……俺の手術は後回しにする事にしたのさ。」

 

「後回しって···············じゃあ…·····」

 

「もちろん間に合わなかったよ。けれどおかげで妹を手術する事ができたしこれでよかったんだ。あいつも今じゃ元気になって大学でモビル道やってるしよ。」

 

「それでオンちゃんの目はどうなったの·····?」

 

「気づかなかったと思うけどこう見えてこれ義眼なんだぜ?今じゃ視力は昔の半分程度だけど日常生活に支障はでない位には回復したよ。

けどあの頃プロの皆さんが欲しかったのはエーススナイパーとしてのロックオン・ストラトスだったみたいでな··········スカウトの話も全部無かったことにされちまったよ。」

 

「そんな!そんなのいくら何でも可哀想だよ··········」

 

「まぁ当たり前っちゃ当たり前だけどな!スナイパーにとって目は命の様なモンだし、利き目が見えてないヤツが戦場に出てきたってどうしようもないからな·····仕方なかったんだよ··········」

 

 

ロックオンは寂しそうな顔でそう言いながらも笑みを浮かべた

 

 

「だから俺は自分がプロに行けない代わりに教官になる事にしたんだ。そうすれば好きなモビル道と関わってられるし俺の代わりにプロに行くって言う夢を叶えてくれる子がいるかもしれないからな!だからその為にできる事があるならなんでもやってやるさ··········」

 

「そっか··········凄いねオンちゃんは···············」

「······························ニール・ディランディだ。」

 

「え·····?」

 

「俺の本名だよ。そのオンちゃんって呼び方が嫌な訳じゃないが今までそんなあだ名で呼ばれた事なんてなかっから未だにムズムズしてな。これからはニールちゃんとでも呼んでくれや。」

 

「·····ちょっと待って。オンちゃんの名前ってロックオン・ストラトスじゃないの?確か連盟から届いた個人データの名前もロックオン・ストラトスだったはずだけど··········」

 

杏は豆鉄砲を食らったかのように呆然とした

 

 

「いやあれは教導隊の計らいでな、俺の名前は現役だった頃のあだ名を使わしてくれるっていうからこの名前で登録したのさ!これでロックオン・ストラトスという名は未来永劫刻まれ続けるはず··········」

 

「ちょっと何それ〜!自分のあだ名で教官やる人なんて普通いないでしょ〜!アハハハハハ!」

 

「おいおい何で笑うんだよ!いいじゃねぇかこの名前気に入ってんだしかっこいいだろ··········フッ··········ハハハハハハハ!」

 

杏とロックオンの二人の笑い声がデッキに響き渡っていった

 

 

「ふぃー··········ありがとねニールちゃん。ニールちゃんの昔話が聞けてよかったよ。でもだからって働きすぎちゃダメだよ。今日は一緒に旅館に帰って休も?」

 

「そうは言ってもなぁ··········節約がてらに俺は艦の中で寝泊まり済ませるつもりだっから部屋なんて予約してないぞ?」

 

「んもーなんでそんな事勝手に決めちゃうかなー。今日の所は私の布団半分貸してあげるけど明日はちゃんと自分の部屋借りてね!」

 

「おまえはそれでいいのかよ··········まぁわかったよ。今日の所はもう終わりにするよ。待たせちまって悪かったなハロ。俺達も行くとしようぜ。」

 

「カエローゼ!カエローゼ!」

 

 

こうしてロックオンは杏に説得され共に旅館へ向かうためホワイトベースを後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、大洗女子学園一向は宇宙空間での総合訓練を行う為連盟が保有している訓練用の宙域へ出航して行った

 

 

「あー、あー、ビーハイヴの皆聞こえるかー?俺はそっちに行けないから変な事しないで常に俺の指示に従ってくれよ!」

 

『了解でーす!』

 

『我々は後をついて行けばいいのだろう?しかし地上で飛ばしていた時よりも動き安いな··········』

 

「ビーハイヴは元々宇宙艦だからなぁ··········この前の練習試合みたいに地上で使うのはあんまよくないし新しい艦も買うべきなんかなぁ··········」

 

「ハイハイニールちゃん元気出して!私ら始めての宇宙なんだから今日は教官としての腕の見せ所たっぷりだよ!」

 

「何だか会長と教官さん最近仲良いよね··········もしかして二人は··········!」

 

「沙織さん··········いくら何でも判断が早すぎる気が··········」

 

「それよりも早く到着しませんかね!私早くあのザクに乗りたくてもう待ちきれません!」

 

「確かにそろそろ着きそうだな··········よし!MSのパイロットはコクピットで待機してくれ!いよいよお楽しみの訓練の時間だぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

νA-LAWS所有強襲揚陸艦『スパルタン』MSデッキにて··········ダークグリーンとブラックを基調としたパイロットスーツに身を包んでいたナオとレビンは共にMSデッキで待機していた

 

 

「チッ··········アイツらいつまでノタクタ着替えてやがる·····!」

 

「レビレビ落ち着いてください。短気は損気ですよ。それにまだ愛里寿も来てないんですし。」

 

「大体なんでトレノの野郎も連れてくんだよ!あんなサイボーグ連れてった所で何の役にも立たねぇだろ·····」

 

「そんな事言っちゃダメですよ·····それに決めたのは愛里寿ですし·····」

 

「おおーい!ナオっち〜レビっち〜!遅れて本当に申し訳ないっス!」

 

 

ナオとレビンの元に同じダークグリーンのパイロットスーツを着た金髪ストレートヘアの青年とさらが駆け寄ってきた

 

 

「お、噂をすれば来ましたよ!トレの〜ん!超久しぶりに一緒に出撃できて嬉しいです!スーツはちゃんと着れましたか?」

 

「そりゃさらっちが手伝ってくれたからバッチリっスよ!改めてさらっちありがとうっス!」

 

「気にしないでください。私もトレノさんと出撃するのは久しぶりなのでとても嬉しいです。」

 

「オイオイ出撃つってもそいつはスナイパーだろ?後ろでコソコソ毒ヘビで遊んでる奴と一緒にされたかないね。」

 

 

突如レビンが挑発するかのようにトレノに向かって言い放った

 

 

「レビっち?何で怒ってんスか?嫌な事でもあったなら相談に乗るッスよ。」

 

「ああ今正に嫌な事の真っ只中だよ。何でこの俺がテメェみたいなサイボーグに背中預けなきゃなんねぇんだよ。足引っ張られるどころかもがれちまわねぇか心配だぜ」

 

「ちょっとレビレビ!」

 

「試験管出身はホント口が悪くて尚且つ情緒不安定ッスよね〜··········グロリアーナの隊長さんもそうやって(たぶら)かしてたんスか?」

 

「··········(コロ)ス」

 

 

レビンは目を剥いて拳を握りながらトレノに迫ろうとしトレノはそれを不敵に笑みを浮かべながら迎え撃とうとした。··········が二人の間にナオが割り込んできた

 

「ちょっとストーップ!!!レビレビもトレのんも何やってんですか!二人ともお互い言い過ぎですよ!」

 

「退けよナオ··········コイツだけは一発殴らなきゃ気がすまねぇ··········!」

 

「ガキっスね〜レビっちは。てかさっき俺の事サイボーグとか言ってたよな·····?母さんがくれた手足を馬鹿にしたんならタダじゃおかねぇッスよ··········!」

 

 

互いに獣の様な眼光で睨み合い今にも爆発しそうな二人を、ナオは間に入った物の自分じゃ止められないと確信しさらはどうしたらいいかわからずおどおどしていた

 

 

「レビン、トレノ。何をしているの?」

 

 

すると四人のもとにライトグリーンのパイロットスーツを来て同じカラーのヘルメットを抱えた愛里寿がやって来た

 

 

「愛里寿っち·····」

 

「大隊長··········」

 

「二人ともどうして喧嘩してたの?この前仲直りしたばっかりなのに。」

 

「悪いっスけど愛里寿っちは引っ込んでてくれっス。今日ばかりは黙ったままじゃいられねぇんスわ。」

 

「気が合うじゃねぇか。俺もテメェをぶちのめすまで何にもしたくねぇ気分だよ。」

 

「二人とも毎回同じ事言ってる··········どうして同じ様な本を隠してるくせに喧嘩するの?」

 

 

愛里寿がそう言った瞬間レビンとトレノは落雷に撃たれたかのように体が動かなくなり、二人の間で渦巻いていた険悪な雰囲気が一気に凍り付いていった

 

「··········あの、愛里寿っち?俺達本当は仲良しだからこんな風にじゃれ合ってるんスよ。ねぇレビっち·····」

 

「あ、ああそうだな···············ほら喧嘩する程仲がいいって言うだろ·····?」

 

「え!?なになに!?なんなのその本って!」

 

「ダメだよお姉ちゃん。絶対ロクでもない物だと思うから···············二人とも家に帰ってたら覚悟しておいてくださいね。」

 

 

レビンとトレノは後悔した。もっと見つかりにくい場所に隠すべきだったか·····それとも愛里寿が部屋に入らないよう警戒するべきだったか·····それとも最初から喧嘩せず静かに愛里寿が来るまで待っているべきだったか·····

 

どんなに後悔しようとも一番バレてはいけなかった人物さらへ愛里寿の口からバラされてしまった為二人はこの後受ける仕打ちを想像し恐怖で涙を流しながら抱き合った

 

 

「うわ゙ああああん!レビっぢ〜〜〜〜!」

 

「な゙、泣ぐんじゃねぇ、ゔお゙おおおおお!」

 

「凄いよ愛里寿〜さら〜!二人を仲直りさせるなんて流石だね〜!スリスリ〜」

 

「や、辞めてよお姉ちゃん·····」

 

「当然の事···············おふざけはここまでだ。今日の作戦を再確認する。」

 

 

突如スイッチが切り替わったかのように愛里寿がそう言うと他の四人も真剣になり愛里寿に注目した

 

 

「今回の目標は西住みほの身柄確保と10年近く前に脱走したカテゴリーS『マコ』のこちら側への誘引。西住みほは私が確保に当たり、トレノはスパルタンから支援攻撃、レビンは西住みほと他戦力との分断及び拘束、ナオとさらは『マコ』の誘引及び敵MSを西住みほに近づけさせるな。以上。総員出撃準備に入れ。」

 

 

愛里寿の指示と同時に四人は各々のMSのもとへ向かった

 

 

「レビっちさっきはすんませんっス!奢るんで夜は美味いもん食いにいきましょーよ!」

 

「バッキャロー!今日の朝飯が俺達の最後の晩餐になるかもしんねーんだぞ!··········ってあれは·····」

 

 

レビンが後方のMSハンガーを見ると大型のスラスターの様な物をバックパックに2基背負ったガンダムの姿が見えた

 

(あの機体·····()()()もくるのか!)

 

レビンはコクピットに乗り込み発進するため機体をカタパルトの上に移動させた

 

 

『進路オールグリーン。発進しろ。』

 

「島田レビン!フルアーマーガンダム行くぞォ!」

 

レビンの駆るMS『フルアーマーガンダム』は勢いよくスパルタンのハッチから宇宙へ放たれた

 

「島田ナオ、G05(ジー・ゼロファイブ)!いってきまーす!」

 

「島田さら、G04(ジー・ゼロフォー)。出撃します。」

 

 

続いてナオとさらのMSも発進して行った

 

 

「····················行こう···············お姉ちゃん·····」

 

『お嬢様。発進お願いします。』

 

「了解。島田愛里寿、ガンダムNT-X(ネティクス)。行くぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございました

前半で大洗女子の皆に渡されていたパイロットスーツや制服は、全てガンダムoo2nd seasonのソレスタルビーイングのデザインと同じだと思ってもらえると幸いです。

ざっくり言うとみほが刹那、優花里がアレルヤ、華がロックオン(ライル)、麻子がティエリアの着ていたスーツを着ているもんだと思って欲しいです。それとみほ達4人と杏以外のパイロットが着ているスーツはマリー・パーファシーが着ていたスーツです

0083までの機体しか登場しないのにパイロットスーツがアナザーのとかどうなんだって迷ったのですが、色々なガンダムキャラを登場させる上でやっぱ学園別でパイロットスーツにも個性(?)を出したいと思ったのでこういう感じで行く事にしました。νALAWSの皆が着てるスーツはガンダムooのALAWSと同じデザインだと思ってください。特に愛里寿が着てるスーツはリボンズ・アルマークが着てたヤツだと思ってください。思ってくださいばかり書いてごめんなさい

優花里の高機動型ザクがオレンジ色だとありましたがイメージとしてはハイネ専用グフイグナイテッドやハイネ専用ザクウォーリアのカラーリングだと思って欲しいです

あとネティクスはナラティブの影響で出したいと思ったので出しました。これからも映像化がされてない機体が多く登場すると思います




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