これからはこういったミスにも気を付けて書いて行こうと思います
今回僕の大好きなガンダムキャラが登場しますのでご了承いただけると幸いです
bgmはガンダムooより『oo-RAISER』でよろしくお願いします
突如訓練中のみほ達の元に襲来した【島田ファミリー】。彼女達の作戦によりみほは孤立させられ愛里寿の乗るネティクスはみほを連れ去ろうと攻撃を開始、他の生徒達も反撃を試みようと立ち向かって行った。しかし島田レビンのフルアーマーガンダムとビッグガンで長距離狙撃を仕掛ける島田トレノにより次々と無力化されてしまい更なる窮地へ追い込まれていった
「はあぁぁぁぁ!」
「チッ!ちょこまか動きやがって!」
優花里の高機動型ザクは機動力を生かしてフルアーマーガンダムからのビームライフルを回避しながらマシンガンで応戦していた。そして優花里の後方からカエサルの右脚を失ったザクIs型がフルアーマーガンダムの射線上に入らないように動きつつ隙を見てラケーテン・バズを撃ち込んでいた
「くそっ当たらない!秋山さん!無茶な頼みだが少しでもいいからヤツの動きを止めて欲しい!」
「了解しました!やってみます!」
優花里はマシンガンを撃ちながら右手にヒートホークを装備しフルアーマーガンダムに接近しようとした
「白兵だと?ザクがガンダムに勝てるとでも思ってんのかよ!」
それに対してレビンも左手でビームサーベルを抜くとサブアームのシールドを前面に構えながら優花里のザクへ吶喊していった。2機は互いに斬りかかり数回斬撃を打ち込みあった後鍔迫り合いになったが、レビンはガンダムの馬力を生かして右足で優花里のザクを蹴り飛ばすと、ビームライフルのビームをサーベル状に収束させてそのまま優花里のザクをなぎ払おうとした
「うわあっ!やられる!」
「買ったばかりの新車みてぇだが··········悪いがいただくぜ!」
「今!落ちろガンダム!」
レビンが優花里のザクを行動不能にしようとトドメを刺そうとした瞬間、真下に潜りこんだカエサルのザクIs型はフルアーマーガンダムに向けラケーテン・バズを撃ち込んだ
「なっ!」
反応が遅れたレビンは回避しようと飛び上がったがロケット弾は命中しフルアーマーガンダムは巨大な爆煙に包まれた
「お見事ですカエサル殿!」
「やったのか!?··········いやまだだ!」
すると爆煙の中からバックパックをパージしたフルアーマーガンダムが現れた。どうやらラケーテン・バズは背後に命中していたようで、多くの火器とシールド2枚を搭載していたバックパックを失った為先程よりもスリムな見た目に変貌していた
「···············やってくれんじゃねぇか。正直初心者だと思って舐めてたが·········反省しなきゃなんねぇみたいだな」
「·····ッ!来るぞ秋山さん!」
「たかがモビル道でこんなに熱くなるのは久しぶりだぜ··········覚悟しな!」
レビンのフルアーマーガンダムは右手のビームライフルと左手のロケットランチャーを乱射しながら再び優花里とカエサルの機体の方へ迫って行った
「先輩達凄い··········」
一方撃破されてしまった梓はコクピットから謎のガンダムと激戦を繰り広げる先輩達の姿を呆然と眺めていた
「ねぇ梓、紗希ちゃん···············私達いつまでこのままなのかな··········」
「あや!だ、大丈夫だよ!きっと教官さんが助けに来てくれるから!」
「でも船の方も襲われてるし··········私達本当に帰れるのかな·········」
「····················」
「嘘···············そんな事あるの··········?」
あやの言葉を聞き梓は自分達の置かれてる状況を再認識した。
通信はできるものの機体を動かす事はできなくなってしまった為宇宙空間を漂っている形となっていた。さらに救援が本当に来るのかも定かではなく謎のガンダム達がいつまで暴れ続けているのかもわからなかったので、もしかしたらこのまま艦も動けない程に破壊され皆帰れなくなるのではないかという不安が募ってきた
「皆さん大丈夫ですか!?ケガ人はいませんか!」
すると作業用のプチモビに乗ったリュウセイがホワイトベースのMSデッキからクレーン付きのワイヤーを何本か持ってこちらへ向かってきた
「り、リュウセイ先輩!?私達は全員無事です!ケガ人もいません!」
「·····良かったぁ···············もう駄目だと思った··········」
「お待たせしてすみません!バレー部の皆さんを先に回収していたので遅れてしまいました!今ワイヤーでホワイトベースの方まで引っ張るので待っててください!」
リュウセイが回収に来てくれたので梓はほっと胸を撫で下ろし、あやは目に涙を浮かべていた。リュウセイは持ってきたワイヤーを梓達のライトアーマーに固定するとホワイトベースに連絡してワイヤーを巻き取って貰おうとした
(どうか撃たれませんように···········)
(あのちっさいの··········撃破された機体を回収しようとしてんのか··········)
遠く離れた位置で待機していた愛里寿達の母艦【スパルタン】、ザクIIに乗ったトレノは甲板上に設置されたビッグガンの銃口を梓達を回収しようとしていたリュウセイの乗るプチモビに向けその姿を射撃用スコープで覗いていた
(ああいうのも撃った方がいいスよね········でもプチモビなんかにモビル道のビーム撃つとパイロットの人絶対無事じゃ済まないッスよね········怖いし辞めとこ·······)
トレノはリュウセイ達を注視しつつ戦闘中の愛里寿達のバックアップに努めようとした
しかし突然コクピット内にアラートが鳴り響いた
「···!しまった!」
トレノのザクは咄嗟にビッグガンから退避するとホワイトベースの方からビームが飛んできて設置されていたビッグガンを破壊した
『どうしたトレノ?何があった?』
するとスパルタンから白髪で感情を持っていなさそうな表情の男がトレノに通信を送ってきた
「エトっちごめんなさい!ビッグガンが狙撃されて壊れちゃったっス!」
『何をやっている··········狙撃だと?』
「そうなんスよ!スナイパーの機体は確かにぜんぶ排除したはずなのに··········あ、そういえばあの子達の教官って!」
『···············ロックオン・ストラトスか。目を患っていたはずだがまさかこの距離を撃ってくるとはな』
「マズいっスよ!このままじゃ愛里寿っちが邪魔されちゃうっス!俺も今から援護に行って来るっス!」
『トレノおまえはもう帰投しろ。それに心配する必要はない。作戦は必ず成功するはずだ』
トレノは少し不安に思いながらも彼の言う事に従いスパルタンのMSデッキへ帰って行った
(ついにこの時が来たのだ···············西住みほ··········貴様の体さえあれば彼女を取り戻せる···············)
トレノとの通信を終えた白髪の青年は心の中で熱くそう呟いた
「メイチュウ!テキホウダイ、チンモク!」
「よし··········!敵スナイパーが移動してなくてラッキーだったな」
Gブルイージーで出撃したロックオンはビッグガンへの狙撃を成功させ再びホワイトベースの陰に隠れた
「リュウセイ!やられた皆の回収は終わったか!?」
『完了しました!皆さん無事です!』
「わかった!武部!五十鈴達にもうちょっと気を引くよう伝えてくれ!俺はあの羽付きを撃ち落とす!」
『了解です!』
ロックオンは射撃用スコープを覗きみほのガンダムに襲いかかっていたネティクスの背後を狙った
「これ以上好き勝手させるかよ··········狙い撃つ!」
ロックオンみほのガンダムを追うのに夢中なネティクスに照準を合わせトリガーに指を掛けた。敵はこちらの存在にまだ気づいてないようだったのでロックオンは確実に命中するよう狙いを定めビーム砲を最大まで充填させてトリガーを引いた
その時、誰かの声が宇宙に響いた
(······························愛里寿。後ろだよ)
ロックオンはトリガーを引いた時敵はセンサーによるアラームを聞いたとしても回避し切れない·····そう確信していた
しかしGブルのビーム砲からビームが発射される瞬間、ネティクスは撃たれるのがわかっていたかのようにビームの射線上から飛翔した。
「外れた··········いや避けたのかよ!?」
確実に狙いを定めて最大出力のビームがいとも簡単に避けられロックオンは驚愕してスコープを退けて再びみほを追い始めたネティクスに目を剥いた
「··········お姉ちゃん。私一人で大丈夫なんだから余計な事言わないで」
(そうかい?それよりもさっきからちょっと怖い顔になってるよ。せっかく遊びに来たんだからもっとのんびり行こうじゃないか)
「···············わかった」
愛里寿は少し間を空けてから突如語り掛けてきた謎の声に返事をした
(誰··········?今の声··········)
同じ時ネティクスに追われていたみほの頭の中に少女の声が聞こえていた。その声が誰の物なのか全くわからなかったが遠い昔··········どこかで聞いた事のあるような懐かしさを感じた
「····················何?今の·····」
そしてその声は何故かホワイトベースにいる沙織にも届いていた
「武部ちゃん?どうかしたの?」
「え···············いや、なんでもないです!」
「ぼさっとしてるんじゃない!非常事態だぞ!」
桃に怒鳴られた沙織であったが今起きた不可解な現象が理解できず耳に入ってこなかった。
一体誰の声だったのか、何故頭の中に直接響いてきたのか··········今まで体験する事が無かった為頭がいっぱいになってしまった
だがそんな事を考えている暇もなくレーダーにおびただしい数の機影が映り沙織は驚愕した
「わあっ!後方より所属不明のMS多数接近!凄い数です!」
「何だと!?もしかして救助隊が来てくれたのか!?」
「暗号通信も届きました。確か解析する時って·············ええっと··········」
「早く解析しろ!何やってんだ!」
「暗号通信··········?なんでそんなの送ってくるんだろ?」
「解析できました!··········『我々は知波単学園モビル道チーム。貴艦の救難信号承りましたので援護します』·····あれ?連盟の人達じゃないのかな?」
ホワイトベースのクルー達が困惑する中、おびただしい数のMSで構成された大部隊が接近しつつあった
「まさか我々と同じ様に野良試合を申し込む同士がいたとは思いもしなかったでありますな!」
「西絹代··········あれは本当に野良試合を申し込まれた者達なのか?大洗女子学園なんて聞いた事もないぞ·····」
「そうに決まってるじゃないですかマシュマーさん!とはいえ申し出を拒まれたからと八つ当たりをするなど不埒千万!よって我らキヌヨ・フリートが懲らしめてやりますよ!行くぞお前達!」
知波単学園モビル道部隊隊長西絹代··········彼女の乗る指揮官用ゲルググMを筆頭に大量の旧ザクやザクF2型が後に続きみほ達が戦っている舞台へ突撃して行った
「はぁ··········なんで偶然通りかかっただけなのにこんな面倒事に付き合わなくてはならないのだ··········」
「いいではないですかマシュマー様。普段から突然野良試合を申し込んでは爆散するせいで悪評ばかりだった知波単女子もこれで少しは株が上がると思います!」
「ええいゴットン!貴様がいつも奴らを甘やかしてるから女子の方はあまり強くないと嘗められるのだぞ!これ以上あの女にデカい胸·····じゃなくてデカい顔されてたまるか!我々も行くぞ!」
絹代達に置いてかれたザクII改は隣を随伴していたザクF2型にゲンコツを食らわせると絹代達の後を追ってスラスターを吹かして行った
一方麻子はナオの乗るガンダム5号機と一対一で相対していた
「おとうとおかあの事を知っているだと?なんで二人の事を·······?」
「麻子さんの事は色々と調べさせてもらいましたので。いやぁ〜凄いですねぇ〜。小学校の頃から今まで遅刻し放題で授業もロクに聞いてないはずなのに成績は常に学年トップで去年の全国統一模試も堂々の1位だったとか!」
「調べた·····?」
「それにスポーツも昔から何でもできちゃうらしいですね!モビル道も始めたばかりというのにあの聖グロリアーナ女学院のMSを一人で撃破するなんて!」
「ちょっと待ってくれ!私とあなたは昨日会ったばかりじゃないか!それなのに一体誰から私の情報を聞き出したんだ!?」
麻子は何故か自分の事を多く知っているナオに少し怯えつつもその真意を確かめるために迫った。何か嫌な予感を感じながらも··········
「·········何も覚えていないと思いますが今から10年前、麻子さんはご両親と一緒に月の研究所から地球へ逃亡しました」
「··········は?」
「研究所は脱走したあなたが何か行動を起こすのではと警戒しつい最近まであなたの監視を続けていました。なので研究所にはあなたのこれまでのデータが全て記録されていましま」
「ちょっと待ってくれ··········研究所?何だそれは·····そんな場所の事私は何も······うっ!」
突然凄まじい頭痛が襲いかかり麻子はヘルメット越しに頭を抑えた
「うあっ·······!何だ··········頭が··········!」
「麻子さん··········ご両親はあなたを思って過去の記憶を全て消してしまったようですね。」
「··········うるさい!私は冷泉麻子だ!それ以外の何者でもない!だからそんな研究所なんかと何の関係もあるはずがないだろ!」
麻子は大いに取り乱しながら操縦桿を握り、ガンダム5号機にマニュピレーターで殴り掛かろうとした。しかしナオはガンダム5号機のマニュピレーターでこれを受け止めそのまま力を加えて握り潰した
「なっ··········クソ!」
マニュピレーターを潰され焦った麻子はスラスターで後方へ移動し両肩のキャノン砲を放とうとした。しかしあまりに見え透いていたためナオはバックパックのビームサーベルを2本、ブーメランのように投擲し両肩のキャノン砲を破壊した
「クソっクソっ!何なんだ·····何なんだあんた達は!」
「麻子さん。あなたはお父さんとお母さんの事をちゃんと覚えていますか?亡くなる以前ののお二人を··········ちゃんと覚えていますか?」
「うるさい!そんなの覚えてるに決まってるだろ!二人とは一緒に水族館にも行ったし海にも行った!それに················あ··········あれ··········?」
大切な父親と母親との思い出があまり浮かんで来なかった。というよりも今口にした事以外を思い出そうとすると再び頭痛が襲ってきた。
絶対に答えなければならない··········これだけしか思い出せない等と納得する訳にはいかない··········そう思ったが二人と過ごしていたシーンがそれ以外頭に浮かんでこなかった
「なんで··········どうして·····どうして思い出せないんだ·········」
「··········あまり思い出すべき事ではないのかもしれません。全ては悪い大人達のせいで」
「この世界を··········裁く·····?」
「麻子さん、私達と一緒に来てください。そうすればあなたはご自身の全てを思い出す事ができます」
ナオは真剣な口調で麻子に語り掛けた。麻子は完全に意気消沈してしまい頭を抱えて震えていた
「お姉ちゃん。かなりの数のMSが近づいてくる。全部向こうの援軍みたい」
既に華と左衛門佐の機体を無力化していたさらは接近してくる絹代達の存在に気づきナオに伝えに来た
「ほぇー。凄い数だねぇ〜··········ちょっとあの人達の相手をしてきます。なので終わるまで麻子さんはどうするか考えておいてください」
「····················。」
麻子から返事は無かったがナオのガンダム5号機はさらのガンダム4号機と共に絹代達を迎え撃ちにいった
「西隊長!向こうからガンダムタイプが2機接近してきます!」
「よし!全機突撃!我ら知波単の伝統的突撃を見せつける時ぞ!」
絹代のゲルググMがナオ達の方に向かって指を指すと40機近くの旧ザクやF2型が一斉に突撃した
「ブーッ!オイオイオイオイ!なんだよありゃ!」
その様子を見てレビンは驚き思わず吹き出してしまった。彼は既にカエサルと優花里の機体を行動不能にしており左手で高機動型ザクの全身を頭部から掴みぶら下げていた
「ううう·········早く西住殿の援護を··········」
「オイオイあれの事は諦めろって。それに西住みほって根暗なヤツなんだろ?別に居なくなってもいいじゃねぇか」
「··········あなたに西住殿の何がわかるって言うんですか!西住殿はとっても優しくて··········私の大切な御友人なんです!あなたの思ってる様な人ではありません!」
「··········確かに何もわかっちゃいねぇし知る気もねぇな。てかオールドタイプ如きがニュータイプと友達になんてなれる訳ねぇだろ··········」
レビンのフルアーマーガンダムは持っていた優花里の高機動型ザクを放り投げると再びビームライフルからサーベルを展開させなぎ払おうとした
「秋山さん!」
「気に入らねぇな··········見逃してやろうと思ったがやっぱ高い修理代払わせたくなったぜ!」
フルアーマーガンダムの斬撃が迫り優花里は恐怖で目を瞑った···············しかし斬撃は優花里のザクには届かず突如現れたザクII改がヒートホークでフルアーマーガンダムのサーベルを受け止めていた
「えっ·····誰?」
「あぁ!?誰だテメェ!」
「ゴットン!今のうちに彼女達をザンジバルまで連れて行け!コイツは私が引き受ける!」
赤い薔薇のエンブレムを右肩のシールドに装飾したザクII改に乗っていた男がそう言うと後方からザクF2型が現れ優花里とカエサルの機体を掴んで飛び去っていった
「あ、あの!貴方達は一体··········」
「我々は救難信号を受諾した知波単学園であります!私は知波単学園3年、男子モビル道副隊長のゴットン・ゴーであります!」
「知波単学園·····?貴方達もこの宙域で訓練を?」
「いえいえ!うちのお姫様のご要望で宇宙で訓練してる学校にドッグファイトを挑もうとうろついていました!そして今あそこに居残ったのが男子の隊長マシュマー・セロ様です!」
ゴットンの言う事に優花里とカエサルはポカンとなってしまったがとにかく味方が来てくれた事を知りホッと胸をなでおろした
「テメェよくも邪魔してくれたな······」
「行動不能のMSに追い打ちをかけるとは騎士道精神の欠片もない奴の様だな。貴様の様な野蛮な者にはこのマシュマーが正義の鉄槌を下してやる!覚悟ォ!」
「俺とガンダムに喧嘩売ったんだ··········後悔させてやるよ!」
マシュマーは雄叫びを上げながらヒートホークで斬りかかりレビンのフルアーマーガンダムもビームライフルを展開し2機の斬撃が切り結ばれ激しい鍔迫り合いに発展して行った
「援軍?もう到着したのか··········」
愛里寿は救援に駆けつけた知波単の大部隊をの方を見て呟いた。しかしロックオンからの狙撃は悠々と回避しながらみほへの追撃の手を緩めることはなかった
「くっ···············」
みほのプロトタイプガンダムは回避に専念する事で何とかネティクスのビット攻撃を回避し続けていたがホワイトベースが見えなくなる程距離が離れてしまい隕石群の中に追いやられていた
『西住!やっと救援が来てくれたからホワイトベースと一緒に今すぐそっちに向かう!もう少しだけ耐えてくれ!』
「わかりました!」
(へぇ、あれがあの西住みほちゃんなのか。随分実力のあるパイロットに育ったみたいだね。それとも愛里寿がまだ私のネティクスに慣れてないだけかな?)
「お姉ちゃん静かにして··········私だってやれるんだから··········」
(ははは、ごめんごめん。やっぱり楽しいね。みんなと一緒に宇宙で遊ぶのは··········)
「·····誰なんですか?その中にいるんですよね?一体誰なんですか!?」
また頭の中に先程の少女の声が響いてきたのでみほはネティクスに通信を送り声の主を尋ねた。するとネティクスは動きを止めビットを自機のサイドに停滞させた
「··········何だと?」
(おや?もしかして私の声が聞こえてるのかい?)
「はい··········どこかで聞いた事のある声なのですごく気になって··········」
(へぇ··········まだ少しだけ眠ってない力があったんだね。それにしても初めてだよ。この姿になってから愛里寿以外の誰かと話したのは)
謎の少女はとても喜んでいる様であった。とても優しそうで心落ち着くような声が頭に響いていたのでみほは思わず展開していたビームサーベルを収めていた
「あなたは誰なんですか?どこかで会った事とかありましたっけ··········?」
(そうか、こうしてちゃんと話すのは初めてだったね。私達は今から11年前くらいにこの宇宙で出会ったんだよ、西住みほちゃん··········いや、もう高校生だしみほさんだね)
「11年前···············」
11年前といえばクリスマスに母と姉と一緒に初めて宇宙へ来た年であった。
みほは当時の事を思い出した··········お母さんからプレゼントを貰いお姉ちゃんとホテルでいっぱい遊んだり二人と遊園地へ行った事··········すると今まで忘れかけていたがあの時自分に未知の力を与えた少女がいた事を思い出した
「まさかあなたは···············」
「··········黙れ···············それ以上何も言うな··········」
すると怒りに満ちた声が頭の中ではなくコクピットのスピーカーから聞こえてきた。愛里寿の声であった
(愛里寿?どうしたんだい?)
「私とお姉ちゃんの中に··········家族でもないくせに土足で入ってくるなんて···············恥を知れ!」
すると愛里寿の身体の内側から燃え上がる炎の様な赤いオーラが湧き上がり愛里寿自身とネティクスの全身を包み込んだ
(愛里寿!いきなり何をしているんだ!)
「お姉ちゃんは黙ってて·····もう終わらせるから·····!」
赤いオーラを纏ったネティクスから体を凍り付かせてしまうような凄まじいプレッシャーを感じみほはすぐさま距離を取ろうと移動しようとした
しかしネティクスから放たれた2基のビットは先程とは比べ物にならない程の挙動で動き始め、みほのガンダムの周りを囲む様な軌道を描きながらビームを発射した
「きゃあああ!」
みほは回避しようと試みたもののビットによって四方八方から放たれるビームに頭部と右腕、そして残っていた右脚を撃ち抜かれ完全に身動きが取れなくなってしまった
「やっと終わったよお姉ちゃん···············」
(愛里寿、心を落ち着かせるんだ。今のおまえは少し危険だよ)
「もう大丈夫··········さぁお姉ちゃん。
(···············本当にこうする以外ないのかい?)
「お姉ちゃんだってわかってるでしょ。お姉ちゃんと同じ位のニュータイプがいなければ私達の願いは叶えられない。そのために私じゃなくて西住みほの体を乗っ取るって決めたんでしょ?」
(····················わかったよ·····)
ネティクスは展開していたビットを回収するとボロボロになったみほのガンダムへ近づいていき、互いのコクピットハッチをくっつけるように抱き寄せてきた
(ごめんねみほさん。君を連れていくと言っていたがそうじゃないんだ)
「え·····?な、何をするんですか?」
(私達がこの世界の大人達を··········人類を正しくさせる為にはどうしても本物のニュータイプの力が必要なんだ。全てが終わるまで·····君の体を貸して欲しい)
みほは何を言われているのか全く理解できなかった。だがそれを考える暇もなく誰かが自分の中に入ってこようとしている感覚がした。
それが誰なのかはともかく、みほはとても心地よく優しい腕の中で抱きしめられているかのような感覚に陥り、その心地良さに段々と眠くなっていき意識が遠のいて行った
『···············りん!···············みぽりん··········!みぽりん返事して!』
意識が遠のいて行く中、自分を呼んでいる沙織の声に気づきみほは一瞬だけ意識を取り戻した
(·····何?誰かが私達の間に干渉しているのか···········?)
突如コクピット内にアラームが鳴り響いた。頭上の方からミサイルが数発ネティクスに向けて発射され、それに気づいた愛里寿は回避するためみほのガンダムから離れた
上を見上げるとそこには身の丈以上の大剣を持ったリック・ドム
「······貴様·········何者だ。」
邪魔をされた愛里寿は苛立ちながら突然現れたMSに通信を送った。マントを纏っていたMSはマントを投げ捨てる様に引き剥がすと···············純白のジムに似た姿が顕となり、急降下するとみほのガンダムを庇うようにネティクスに立ち塞がった
「あ、あの貴方は·····」
意識を完全に取り戻したみほは純白のMSのパイロットに通信を送った
「
純白のMS··········【RX-80PR ペイルライダー】のパイロットの男はリック・ドムIIのパイロットに指示を出した
「その声は確かチョコレートさん··········じゃなくてマクギリスさん·····ですか!?」
以前の聖グロリアーナ女学院との練習試合にてグロリアーナ側にメカニックとして参加していたマクギリス・ファリド。みほは彼がこんな所に突然現れた事に驚愕した
「覚えていてくれたとは嬉しいよ。西住みほさん」
「どうしてここに·····?」
「驚かせようと思って君達の訓練に混ぜてもらおうと思ったが··········まさかこんな事になっているとはね」
「准将。我々はここから彼女達の母艦まで退避します」
石動のリック・ドムIIは大破したみほのガンダムを抱え離脱しようとした。しかし愛里寿のネティクスがビットを飛ばしこれを制した
「逃がさない··········絶対逃がさないんだから·······」
愛里寿は激昴しながらもビームサーベルを展開した。マクギリスのペイルライダーもそれに対して両腰からビームナギナタを一本ずつ両手に持ちネティクスの方へ構えた
「凄まじいプレッシャーだな···············だが敢えて言わせてもらう。··········
守りたかった、ずっと傍に居て欲しかった、それでも自身の弱さ故にその願いは叶わず大切な物を傷つけさせてしまった。失念の果て、後悔の先に彼女達が選んだ道とは··········
次回 ガールズ&ガンダム『お姉ちゃん』
進まなければ··········誰よりも前へ
読んでいただきありがとうございました
西隊長の機体がマリーネライターなのはもう西隊長がシーマ様に似てるからです!ごめんなさい··········
当ssでは知波単学園は共学になっております。理由は僕が昔から大好きなマシュマーとゴットンのコンビをどうしてもねじ込みたかったからです。
それとマシュマーというキャラがあまりにも可哀想な奴なので幸せになって欲しいなぁという欲から出す事に至りました。ごめんなさい·····
ちなみにマクギリスが乗っていたペイルライダーはヴィンセント・グライスナー機です。理由はただの声優繋がりです()
ちなみにめちゃくちゃどうでもよいのですが僕の好きなガンダムの女性キャラクターはプルとキャラ様とリリーナ様とフレイとマリナ姫です!
でもどう考えてもいい感じに出させる方法が思いつかないので出さないと思います··········