ガールズ&ガンダム   作:プラウドクラッド

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遅れましたが華さん誕生日おめでとうございます!ガルパンの中で一番かっこいいキャラだと思うので最終章がかなり楽しみです

今回もよろしくお願いします


2話 探し物

みほはプロトタイプガンダムを皆の近くで止めた。起動は問題なくできてモニターも正常に映り、歩行も順調に行えたのでみほは他のシステムに問題がないか確かめた。マニュピレーターの動きやバーニアとスラスターに異常は無かったがかなり致命的な欠陥を見つけてしまった

 

「皆さん!機体を座らせるのでちょっと離れてください!」

 

みほは皆が離れてから機体を停止させ、コクピットを開いた。ハッチを開きガンダムの掌に乗り、皆のもとへ降りた

 

「お疲れ西住ちゃん。それでガンダムはどうだった?」

 

「それが…射撃プログラムが全てダメになっていて…武装を持つ事すらできないみたいです…」

 

「…つまりこのガンダムはビームライフル等の射撃武装が使えないということか?」

 

桃は少しがっかりしてるような様子だった

 

「はい…でも頭のバルカンは大丈夫そうでした」

 

「ガンダムが凄く強い機体って聞いてたから期待してたのに……」

 

「へー、やるじゃん小山。座布団1枚!」

 

「さしずめ砲塔を奪われたティーガーと言ったところか」

 

「この時代で刀にこだわるとは薩摩隼人に違いないぜよ」

 

「刀こそ武士の必需品…これぞ武士為に用意されたガンダム…!」

 

「いや、周りは遠慮なく飛び道具を使ってくるからこれは敗者のための機体だろう」

 

「「「それだ!!!!」」」

 

「ていうかこれ一つしかMSいないじゃん?」

 

沙織の言う通り確かに他の格納庫にMSはいなかった

 

「えっと…この人数なら…」

 

「船のクルーも確保したいので最低でも10機は必要です」

 

「ん〜〜〜じゃあ皆でMS探そっか」

 

会長の言葉に皆ざわついた

 

「探すって…」

 

「どういうことですかぁ?」

 

「我が校において何十年も前にモビル道は廃止になっている。だが当時使われていた機体がまだどこかにあるはすだ。明後日モビル道の教官がお見えになるのでそれまでに可能な限り機体を見つけ出すのだ」

 

「…して一体どこに?」

 

「いやーそれがわかんないから探すんだよねー」

 

「手掛かりとかないんですか?」

 

「無い!」

 

「では捜索開始!」

 

 

なんと無茶な注文なんだ……そう思いつつ皆しぶしぶ歩き始めた

 

「なんか聞いてたのと話が違う……モビル道やればモテるんじゃ…」

 

「かっこいい教官来るから。もしかしたらワンチャンあるかもよ?」

 

「ホントですか!?いってきまーす!」

 

会長にそそのかされ沙織は元気に走り出していった。チョロい……

 

「よーし!かーしま!小山!私達は戦艦取りに行こっか!」

 

そして生徒会の3人は学園艦の地下を目指し歩いていった

 

 

 

 

 

 

 

「とは言ったものの……どこにあるって言うのよー!!」

 

みほと沙織と華は学校の駐車場へ来ていた

 

「駐車場にMSは停まってないかと…」

 

「だって一応乗り物じゃない…誰かがそれに乗って学校に来てるかもしれないじゃん…」

 

「泥棒はよくないと思うな…」

 

駐車場には車しか停まっておらずモビル道に使えそうな物は何も無かった

「じゃあ裏の山林にいこ!何とかを隠すには林の中って言うしね!」

 

「それは森です…」

 

 

3人が移動しようとした時、みほは近くの木に誰か隠れていた事に気づいた。その子は先程校庭で見たモビル道の生徒であり、みほ達と一定の距離を保ってついてきた

 

「…あの!よかったら一緒に探さない?」

 

「えっ!いいんですかぁ!」

 

みほは勇気を出してその子に声をかけた。彼女はとても嬉しそうな様子だった

 

「あの、私は普通II科2年3組の秋山優花里といいます…不束者ですがよろしくお願いします!」

 

「こちらこそよろしくお願いします。五十鈴華です」

 

「私武部沙織!」

 

「あっ私は…」

 

「存じ上げております!西住みほ殿ですよね!」

 

なんと彼女はなぜか自分の名前を知っていた

 

「それではよろしくお願いします!」

 

こうして優花里が加わり4人で捜索へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

学園艦には基本的に人工の山に木を植えた森林が存在する。これは海に出ると同時に山等の自然も大切にしようという文科省の思想の元造られていた。裏山へついた3人は手掛かりもないので迷わないよう適当に進んでいた。すると華が突然止まり何かのにおいわ嗅いでいた

 

「どうかした?」

 

「スンスン……あちらの方から花に混じって金属のにおいが」

 

「においだけでわかるんですか!?」

 

「華の家五十鈴流っていう華道の家元なんだよね。とはいえここまでにおい敏感になるんだね…」

 

「では!任務了解、出撃します!」

 

「何それなんかかっこいい!」

 

 

 

 

華が先導し3人はその後ろをついて行った。しばらく歩くと花畑が現れさらに進むと森を抜けた。大きく開けた場所に出ると湖に座り込むように力尽きている3機のMSがあった。

 

「やったぁ!あったあ!」

 

「ザクIIに量産型ガンキャノン……あれはジムスナイパーカスタムかな?」

 

「なんかさっきのやつと違って目が2つないね…こっちのやつはタコみたいな顔してるし…」

 

「ザクはジオン公国軍の主力量産MSでその高い汎用性と量産性で一年戦争を終戦まで戦い抜いた機体なんですよ!その性能で一年戦争初期にMSを持たない連邦艦隊に大打撃を与えMSの有用性を認めさせたのであります!連邦軍がガンダムを開発できたのもこのザクを鹵獲できたからでありとにかく機動戦士ガンダムの世界で最も活躍した機体は間違いなくザクなんですよ!……あっ」

 

「凄い生き生きしてたよ……そんなに凄いんだこれ…」

 

「すみません…」

 

優花里の機体解説に沙織は圧倒されていた。

 

「でも見つけたはいいけどどうやって運べばいいんだろう…」

 

「とりあえず生徒会の方々に連絡してみますね」

 

華が機体を見つけたと報告すると桃からすぐに回収へ向かうと返事が返ってきた。みほはMSを3機も運べるのかと考えていたら突如周りが大きな影に覆われた

 

「何!?なんか暗くなってきたよ!?」

 

「!皆さん上を見てください!戦艦でありますよ!」

 

4人が見上げるとそこには巨大な戦艦……ペガサス級強襲揚陸艦《ホワイトベース》が飛んでいた

 

「これがこの学校の戦艦なんだ…」

 

「すっごい大きい…見てるだけで首痛くなってきちゃうよ…」

 

「凄い迫力ですね…花を生けてみたいです…」

 

「凄いです!感動です!生きてて良かったです!まさかあのホワイトベースに乗れるなんて…」

 

ホワイトベースは空いているスペースに着陸すると両舷のハッチが開き中から運搬用のモビルワーカーが出てきた

 

『皆聞こえるー?迎えに来たから乗って乗ってー』

 

杏の放送が響き、4人は船へ続く階段を登った。その間モビルワーカーが見つけた3機のMSを収容しているのが見えた

 

 

 

 

「ご苦労であった。お前達の発見報告が一番早かったぞ」

 

船に乗ると4人は生徒会のいるブリッジまで案内された。船の操縦は柚子が行っており他の生徒達と機体の回収へ向かっていた

 

「やればできるもんだね。まさか3機もみつけちゃうなんて」

 

「私もあんな所に機体が放置されててびっくりしました」

 

「ねえねえ私達今空飛んでるんだよね…私こんな風に空飛ぶの始めてだから告白された時と同じくらいドキドキしてる…!」

 

「告白……された事あるんですか?」

 

「ホワイトベースはV作戦においてガンダムと共に造られた母艦でホワイトベース隊の大活躍があったから連邦軍はジオンに勝利できたんですよ!そんなホワイトベースのクルーになれるなんて…この上ない幸せであります…」

 

「秋山ちゃん見てるとこれを学園艦の底から引っ張り出して来て良かったと思うよ。なんか中にも戦車みたいなのとか旧型だけどまだ動けるモビルワーカーが置いてあったんだよね。あとこの子もか」

 

艦長席に座っていた杏は側に置いてた鞄から赤くて丸い何かを取り出した。するとポヨンと杏の手から跳ねてみほはキャッチした

 

「コンニチハ!コンニチハ!」

 

「会長これって…」

 

「それは独立型マルチAIのハロ。この前自動車部と船の中整理してたら見つけたんだよねー」

 

「ヨロシクナ!ヨロシクナ!」

 

「えー!何コレ可愛い〜♡」

 

「耳がパタパタして可愛らしいですね」

 

「宇宙世紀のハロより一回り小さいみたいです!」

 

「あんな物がモビル道の役に立つのか…?」

 

「桃ちゃんそろそろ運転替わって〜!」

 

それから捜索へ行った他の生徒と機体を回収し今日の活動は終わった…

 

 

 

 

 

翌日、グラウンドに発見されたMS達が並んでいた。

 

「アッガイが2機、Gブルイージーが1機、ザクIスナイパータイプとザクⅠs型が1機ずつ、ジム・ライトアーマーが3機、ザクⅡと量産型ガンキャノンとジムスナイパーカスタムとプロトタイプガンダムが1機ずつか…」

 

昨日の捜索でMSを多く発見する事ができた。アッガイは歴女チームが水遁の術で湖の底へ沈んでいたのを発見し、ザクⅠ達はバレー部が崖の中腹にあった洞窟で発見された。ジム・ライトアーマーは一年生チームがウサギ小屋の隣にあった用具入れに3機まとめて放置されているのを発見された

 

「どう振り分けますか?」

 

「見つけた人が見つけた機体に乗ればいんじゃない?このGブルは私が乗ってみるよ」

 

「わかりました。西住、ガンダムはおまえ達に任せる」

 

「わ、わかりました…」

 

「ではガンダムとお前達の見つけてきた3機がAチーム、アッガイとザクⅠがBチーム、Gブルイージーとライトアーマー3機がCチームだ。人数が余るチームは誰が乗るか決めておくように」

 

Aチームだけ比較的高性能な機体で編成されてる気がしたが杏が何かを企んでいる顔をしていたので敢えて何も言わなかった

 

「明日はいよいよモビル道の教官がお見えになるので各自機体の外装やコクピット内を綺麗にするんだぞ」

 

「教官…どんな人が来るのかな〜♡」

 

「やっぱり大きいなMSって…こんな身長の子がバレー部に来てくれたら…」

 

「でもキャプテン!あっちの熊さんみたいな方が可愛いですよ!」

 

「む…そちらさえ良ければ乗る機体を交換しないか?アッガイも悪くはないのだがどちらかと言うと旧ザクの方が我々の好みでな…」

 

「いいんですか!?ありがとうございます!」

 

バレー部キャプテンの磯部典子と歴女チームのカエサルが握手を交わし機体の交換が成立した

 

「私とおりょうは戦艦の方に乗りたいからカエサル、門佐。MSにはお前達が乗ってくれ」

 

「頼んだぜよ」

 

「応…まかせておけ」

 

「フッ…久しぶりの戦場に心が踊るな」

 

「とりあえず明日は私と河西がMSを操縦するから佐々木と近藤は一緒に乗って見学しててくれ!ということでバレー部ファイトーーーーッ!」

 

「「「おーーーーーーーーっ!!!」」」

 

 

「ちょっと細い気がするけどオレンジ色で可愛いね」

 

「なんとなく忍者みたいで強そう」

 

「私船のオペレーターさんになりたいな〜」

 

「私も戦艦の砲台使ってみたいなあ」

 

「え?紗希ちゃんもMSに乗りたいの?」

 

「……」

 

1年生チームもそれぞれの担当を決めていた

 

「しかし会長にはやはり船の艦長をやってもらいたいのですが…」

 

「そうですよ。それに1人だけそんな戦車みたいのに乗るなんて危ないかと…」

 

「小山もかーしまも心配しすぎだって。それに私が出るのはいざって時だけだと思うし、明日はハロも一緒に乗ってくれるからね〜」

 

「リョウカイ!リョウカイ!」

 

「こんなオモチャが役に立つとは思えませんが…」

 

「カーシマ、ウッセーゾ。カーシマ、ウッセーゾ」

 

「……このサッカーボールめ!」

 

そう言って桃はハロを蹴り飛ばしたが、Gブルの装甲に跳ね返ってきて顔面に直撃した

 

「うえぇぇぇぇん痛いよ柚子ちゃーん!」

「桃ちゃんはしゃぎ過ぎだよ……」

「ナクナカーシマ、ナクナカーシマ」

 

 

 

 

 

 

「わっ!なんかベトベトする!」

 

「コクピットの中も結構匂いますね…」

 

「所々塗装が剥げてるのも何とかしたいです…」

 

「とりあえず1機ずつ掃除していこっか……」

 

 

 

全員体操着に着替えてからMSの清掃作業が始まった。作業は一日かけて行われ、夕方になりなんとか全てのMSが綺麗にされた。

 

「よし、いいだろう。あとの整備は自動車部の部員に今晩中にやらせる。それでは解散!」

 

「あーもう、体中ベトベト〜早くシャワー浴びたい!」

 

「明日からいよいよMSに乗れるんですね」

 

「うん……」

 

華の言葉にみほは少しだけ表情が暗くなった。ついに皆とMSに乗る時が来てしまうのだ

「あの…よかったら帰りちょっと寄り道していきませんか!?皆さんと行きたい所がありまして…」

 

「へぇ〜面白そう!行こう行こう!」

 

4人は着替えた後、校門を出て優花里の言う目的地を目指した

 

 

 

 

 

 

《がんだむ倶楽部in大洗》

 

商店街の外れにあるビルの1階にその店は営業していた

 

「へぇ〜こんなお店あったんだ」

 

沙織と華はこのお店の存在を知らなかったらしく4人は優花里を先頭にお店へ入っていった。

店の中にはパイロットスーツや軍服が展示されていたり、ガンプラやガンダムに関する雑誌等が販売されていた。すると奥の方から店主と思われる赤髪の男性が出てきた

 

「優花里今日もちゃんいらっしゃい。今日は学校の友達も一緒とは珍しいねぇ」

 

「わわわ…こんにちは!私武部沙織です!」

 

「いらっしゃい。俺の名はゲイリー・ビアッジ。昔はモビル道をやってたんだがやらかしちゃってね…今は改心して学園艦でこの店をやってんだ…」

 

「何この人…!ワイルドな感じがたまんないかも…!」

 

「店長はやめておいた方がいいでありますよ。あの人現役時代は三度の飯より戦闘が好きだったらしく、それが原因でプロの世界を追われたらしいです」

 

「あの日酔っ払って市街地にMSで出てちょっと暴れてな…牢屋に入るわ賠償金は取られるわプロをクビになるわ散々だったぜ……」

 

「まぁ!刑務所帰りの人だなんて凄いです!」

 

「ハハハ…」

 

4人はそれぞれお店を見て周った。その後優花里はお店に置いてあるMSの操縦を体感できるシュミレーションゲームをやっていた。沙織と華は傍で見ていたがみほは少し離れた所から見ていた

 

『次はモビル道の話題です。昨年全国大会で優勝し冬の大会で優勝を決めたプラウダ高校の隊長と副隊長、通称バルバトスのカチューシャさんとグシオンのノンナさんにインタビューしてきました』

 

…聞きたくないニュースが始まってしまった。向こうはもう忘れているだろうけど、あのカチューシャという高校3年生とは思えない少女に言われた言葉が忘れられなかった…テレビには女性リポーターとノンナに肩車されているカチューシャが映っていた

 

『モビル道で勝利するための秘訣とはなんですか?』

 

『あまり教えたくない質問ね。まぁこのカチューシャは寛大だから答えてあげるわ!』

 

カチューシャは少しだけ考えてから口を開いた

 

『何よりも一番大切なのは自分の家族と思える人を大切にする事よ!』

 

『家族…ですか…?』

 

リポーターは意外な答えに驚いていた

 

『別に肉親じゃなくてもいいけど、とりあえず家族と同じくらい大切な何かのために頑張れる人こそ最後に成功するって私は信じてるわ!』

 

『お二人もご自身の両親を大切になさっているのですか?』

 

リポーターの質問にカチューシャは少し固まったが代わりにノンナが答えた

 

『…私とカチューシャは幼い頃から同じ孤児院で育ちました』

 

『…えっ!?ごめんなさい!私なんて事を…』

 

『いいんです。それに今の私達にはチームメイトや私達を家族として向かい入れてくれたとても素晴らしい人達がいます。私達は彼らに恩返しをする為に、いつの日か追いつく為にこれからも進み続けていくつもりです』

 

クールな印象のノンナだが、その目と言葉からは熱意が感じられた。彼女達が強いのは進み続けるために自分の道、自分のモビル道を見つけたからだろう。

『ちょっとノンナ。これアイツらに見られたら絶対に笑われちゃうじゃない』

 

『そうですねカチューシャ。許してください』

 

『……まぁ別にいいけど!あんたもいい加減泣くのやめなさい!』

 

リポーターは号泣してノンナがハンカチを渡していた。今思えば大洗に来る時も両親と全く会話をしてなかった。父は昔からほとんど家におらず、母も家へ帰ってくる事は少なかったが私がモビル道を辞めると言ってから更に帰ってくる日が少なくなった。最後に家族らしい会話をした日も覚えておらず、そう考えると悲しくなってきた。

 

他の3人もニュースを見て色々思う所があったようだ。みほの顔が暗くなっている事に沙織は気づいた

 

「そうだ!これからみほの部屋遊び行ってもいい?」

 

「え?」

 

沙織の言葉にみほは驚いた。今までそのような事を言われた事が無かったからである

 

「私もお邪魔したいです」

 

「…うん!」

 

「あのー…」

 

「秋山さんもよかったらいかがですか?」

 

「え!ありがとうございます!」

 

こうして4人は店長に挨拶してから店を出た。途中スーパーに寄って皆で夕飯の食材を買ってみほの部屋へ向かった

 

「散らかってるけどどうぞ〜」

 

みほは自室の明かりを点け3人を部屋に入れた

 

「可愛い〜!」

 

「みほさんらしい部屋ですね」

 

友達が部屋へ遊びに来たのは初めてだから少し緊張した

 

「じゃあ夕飯作ろっか!華はじゃがいもの皮剥いてね」

 

「私お米炊きます!」

 

しかし、優花里は炊飯器ではなく飯盒で米を炊こうとし、華は野菜の皮を剥こうとして指を切り、みほはそもそもいつもコンビニ弁当で済ませていたから料理ができないという事で沙織が全員分の夕飯を作ってしまった。凄い!

 

「「「「いただきまーす!!!!」」」」

 

「わぁ…美味しい!」

 

「やっぱ男子を落とすには肉じゃがだね!」

 

「落とした事…あるんですか?」

 

「それに男子って肉じゃが好きなんですかね」

 

「雑誌のアンケートに書いてあったもん!モビル道やってる男の子は皆肉が好きだって!」

 

 

 

楽しく食事を終えた後、華と優花里は洗い物をし、みほと沙織は部屋を少し整理していた

 

「あれ?このネックレスってみほのだよね?綺麗〜♡」

 

沙織は机の上に飾ってあった翼のネックレスを見つけた

 

「それお母さんが小さい頃、クリスマスプレゼントにくれたんだよね…」

 

「へぇそうなんだ!大切にしてるんだね」

 

昔MSに乗る時はお守り替わりにいつも付けていたがここに来てからはまだ付けていなかった

 

「みほのお母さんってどんな人なの?」

 

「凄く厳しい人…私なんかよりも家の方が大切で…本当に優しかったのなんて小さい頃だけだったな…」

 

「…きっと素直じゃないだけなんだよ。もしかしたらお母さん後悔してるかもよ」

 

母は西住流の家元だから私がいなくなったくらいで動じることはないだろう。だから自分は前の学園を出て大洗に来た事を後悔してないし、これから先新しい友達と新しい道を探せる思うと楽しみだった。

 

 

 

 

 

「それじゃまた明日〜!」

 

「おやすみなさーい!」

 

3人を寮の入口までみほは見送った

 

「やっぱ転校してよかった!」

 

みほはスキップしながら自分の部屋へ戻った。戻る途中とても綺麗に輝く星が見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、黒森峰女学園の女子寮にて…逸見エリカは部屋の窓から空を見ていた。同じルームメイトだったみほが黒森峰を去ってから1週間近く経っていた

 

(みほは…副隊長はもう戻ってこない…)

 

エリカは後悔していた。去年の全国大会の決勝戦以来モビル道の訓練に来なくなった彼女を励ます事ができなかった。当時、体調の西住まほは修行に出ると言うことで一時的にエリカに隊長を任せていた。エリカはまほが帰還するまで黒森峰の名に恥じぬ隊長になる事ができていたが、その間みほに構ってあげる事ができなかった。西住の子だからその内復活するだろうと思い、戻ってこいと言う事も無かった

 

 

そうして月日は流れてみほはとうとうモビル道の無い大洗女子へ転校してしまった。後悔という波が今更押し寄せてきた

 

(副隊長を超えるためにモビル道をやっていた様なもんなのに……どうすればいいのよ…)

 

一晩中考えても自分の事や選んだ道がこれでよかったのかわからなかった…ふとまどから夜空を見るととても綺麗に輝く星が見えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ついにMSに乗る時が来た。そして杏の計画によりみほの実力が試される

次回 ガールズ&ガンダム『RESTART』

物語は動き始める

 

 

 




読んでいただきありがとうございました
店の店長は戦争を起こすために暗躍してるわけではなくただのおじさんである事をご了承ください()
次回からようやくモビル道の試合を書きます

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