「さあさあ、いっらしゃーい。IS学園漫研でしか買えない本だよー!!」
漫研の作った本とは一夏と弾(情報提供者は一年一組のH.Kさん)のBとLな本が売られていた。
ちなみにその本は僅か二十分で完売された。
ちなみに買った人たちの中には、一年生の金髪のイギリス人とポニーテールの日本人がいたとかいないとか………。
「ふう……」
訓練が終わって俺はアリーナの更衣室のベンチに座って休んでいた。更衣室には当然俺一人。箒、颯、セシリアは反対側の更衣室。
五十近くのロッカーのある更衣室を一人で使うには広すぎる。
「一夏っ!」
バシュッとスライドドアが開いて鈴が現れる。
「おつかれ。はい、タオル。飲み物はスポーツドリンクでいいよね」
「サンキュ。あー、生き返る……」
汗まみれの顔というのはそれだけ鬱陶しいものだ。それをタオルで拭けて、しかも水分補給のドリンク付きと来ている。平時に飲むには糖分が高すぎるそれも、スポーツの後の体には非常に助かる。
「……一夏さぁ、やっぱ私がいないと寂しかった?」
鈴はモジモジするような感じで訊いてきた。
「まあ、遊び相手が減るのは大なり小なり寂しいだろ」
「そうじゃなくってさぁ。一年ぶりに会うんだからさぁ」
「……あぁ、そうだ。大事なことを忘れてた」
「うんうん!」
鈴が凄い目を輝かせて俺を見る。しかも上機嫌のように見える。
「中学の友達とかには連絡したのか? お前が帰ってきたって聞いたからスゲー喜ぶぞ」
「そうじゃなくてさ!」
なんか今度は怒ってる。なんでこんなにコロコロと変わるんだ?
「そろそろ体が冷えてきたし、着替えていいか? 続きは部屋で話そうぜ」
「そ、そうね。一夏の部屋で話せばいいわね」
なんだ? さっきは怒ってたのになんか嬉しそうな顔になったぞ。
「そうだな。一年ぶりに颯と三人で話すか」
「………は? なんでそこで颯が出てくんのよ? 一夏の部屋で話すんでしょ?」
あ。そっか。言ってなかったか。
「俺、今颯と同じ部屋なんだよ」
「……は?」
「いや、俺の入学ってかなり特殊なことだったから、別の部屋を用意出来なかったんだと。だから、今は普通に二人部屋で――」
「そ、それって颯と寝食を共にしてるってこと!?」
「まあ、そうなるか。でもまあ、颯で助かったよ。見ず知らずの相手だったら緊張して寝不足になっちまうからな」
「…………」
鈴が俯いて反応がない。
「うん? どうした?」
「………ったら、いいわけね………」
「ん?」
俯き加減の鈴が何と言ったのか聞き取れず、俺は耳を傾ける。角度の関係もあって、表情が見えない。
「だから! 幼なじみならいいわけね!?」
「うおっ!?」
いきなりガバッと顔を上げられて、俺は驚いて身を引く。もうちょっと近づいていたら確実に頭突きを食らっていたな。
「解った。解ったわ。ええ、ええ、よく解りましたとも」
なぜかひとりで納得を始めた鈴は、何度も何度も頷いている。なんだなんだ? 何が解ったんだ?
「一夏っ!」
「お、おう」
「幼なじみは他にもいるってこと、覚えておきなさいよ!」
「別に言われなくても忘れてないが……」
「じゃあ、後で部屋でね!」
「おう」
鈴は更衣室から飛び出していく。なんなんだ? 忘れるなって、幼なじみは箒、颯、鈴、この三人であることを忘れたことは一度もない。
「…………あ」
俺は重要なことを思い出した。
「……鈴に部屋の番号教えてなかった……」
それと同時に鈴の部屋の番号を知らないから迎えにもいけない。……とりあえず、着替えるか。
俺は着替えて更衣室を出た。
「颯! 部屋代わりなさい!!」
「いきなりやってきて命令口調!?」
寮の部屋、時刻は八時過ぎ。夕食も終わって颯にISの基礎知識を教えてもらっていたら、いきなり鈴がやってきた。
教えてないのにどうしてこの部屋だと解ったんだ?
「いいからさっさと代わりなさいよ!!」
「そんなこと言われても私にそんな権限はない! 寮長に言って!」
「いいから代われ!」
「私が言ったことちゃんと聞いてる!? 私にそんな権限はないってば!」
なんというか、颯が正論を言っているが、鈴は我がままで話を聞いていない感じがする。
鈴はなんでそこまで必死になって代わろうとしてるんだ。
というか、目の錯覚だろうか。鈴はすでに自分の荷物を持ってきているように見えるんだが、俺の幻覚だろうか。
「鈴」
「なに?」
「それ、荷物全部か?」
「そうよ。あたしはボストンバッグ一つあればどこでも行けるからね」
「相変わらずのフットワークの軽さだね」
颯の荷物もボストンバッグ一つだったような気がするのは俺の勘違いだったか?
「とにかく、今日からあたしもここで暮らすから!」
「ちゃんと私の話聞いてよ!」
さっきから会話が進んでない。同じ所をグルグル回っている。
「「一夏、なんとか言って!!」」
二人が同じことを言って、同時に俺を見る。
「俺に振るなよ……」
「とにかく! 部屋を代わるにしても、まずは千冬さんに申請して! 話はそれから!」
「……? ちょっと待った。なんでそこで千冬さんが出てくるの」
「千冬さんが寮長だから」
鈴の疑問に颯が即答した。そしたら鈴の顔色が悪くなる。
そういえば鈴は寮長が千冬姉なのを知らなかったのか。
「とにかく千冬さんに申請してきて」
「言えるかーー!! 申請に行って理由言ったら、鉄拳かアイアンクローじゃないのよ!!」
「だったら諦めてよ!!」
「諦められるわけないでしょ!!」
「矛盾してるよ!!」
結局その後も颯と鈴の押し問答はあまりの騒がしさで注意しにきた千冬姉が来るまで続いた。その後は3人で怒られ、鈴は自分の部屋に戻った。
俺は関係ないのに………。
翌日、生徒玄関前廊下に張り出された紙があった。
表題は『クラス対抗戦日程表』。
一回戦の相手は二組――鈴だ。
◇
「よし、誰もいないね」
鈴の部屋強襲から一日経って放課後。俺は第六アリーナにいる。今日は前々から少しずつ作っていた物が完成してスローネにインストールさせたから試運転しようと思ってきた。
ちなみにアリーナには俺一人だけ、理由は一夏が第二アリーナで訓練をしているからだ。
一夏みたさに第二アリーナの人口密度はかなり凄いことになっているに違いない。
「さて、始めますか」
俺はアリーナの真ん中に行って『スローネ』を展開。
「それじゃまず始めに……スローネ! モード『アイン』!」
俺の声に反応して、スローネが光に包まれる。
光がはれれば、通常時の朱色の『ツヴァイ』から黒色を主体となり、右肩に懸架される巨大な実体剣のGNバスターソードがなくり、代わりにGNランチャーが装備されている。通常時は速射モードとなっているが、折り畳まれている砲身を展開することで長射程モードにすることで火力が上がる。
そして左肩にはGNシールドが装備されている。このシールドは改良済みで、内部にGNコンデンサーを搭載させ、ガラッゾの左肩のGNフィールド発生装置のように、GNフィールドを使うことが出来る。もちろんツヴァイでもGNバスターソードでも同様にGNフィールドを使えるように改良してある。
左腕下部に固定装備されている小型ビーム砲のGNハンドガンもなくなり、右手にはGNビームライフルを握っている。連射力はハンドガンよりやや劣るが、威力はやや高い。そして、ライフルはGNランチャー長射程モード時の砲架を兼ねている。
そしてGNファングを搭載させている両腰のバインダーもなくなっている。
「無事に成功だね。さてと……」
俺は空中ディスプレイを出して、各部をチェックする。
「GNランチャー、GNビームライフルの粒子供給率、問題無し。フェイズシフト装甲も問題無し……と」
全体のカラーが変わったのはフェイズシフト装甲を搭載させたからだ。フェイズシフトのバッテリーはGNドライブの陽電子と光子を電力に変換して起動している。
「さて、次はっと―――」
――生体反応有り。距離二十メートル、尚も接近中――。
次のモードを試そうとしたら、空中ディスプレイが表示された。
「システム起動テスト中止。外壁部迷彩被膜展開」
俺はテストを中止して、光学迷彩を展開して姿を隠した。
(……こっちに来たってことは俺と同じで誰にも見られたくないから……か。だとしたら来たのは……)
少ししたらピットからISスーツを着た女子が出てきた。その女子をズームして見る。その女子は眼鏡をかけ、髪は水色のセミロング。
そう、日本代表候補生にて四組クラス代表の『
「…………」
簪はピットからフィールドを見渡す。多分誰もいないことを確かめているんだろう。
「………」
確認し終えたようで、簪は光に包まれ、晴れたら専用機『打鉄弐式』を纏った姿となる。
(クラス対抗戦にむけてのISの稼働テスト……かな)
だけど間に合わなかったはずだ。話によれば出なかったらしいからな。
ピットから飛び立つ簪。出力が安定しないのか、少しぎこちなく、ゆっくりと飛んでいる。
(ソフトウェアが未完成だからエネルギーの巡回が悪いんだな)
簪は飛びながらもデータをチェックして調整しながら飛んでいた。
「……ん?」
見ていたら左脚部のブースターがついたり消えたりとちらついて、爆発した。
「ヤバイ! 外壁部迷彩被膜解凍!」
◇
「!?」
突然の爆発衝撃と左脚部ブースターを失ったことで姿勢崩壊をする。
「………!!」
簪はすぐに姿勢を直そうとするが、ディスプレイに浮かぶのは『エラー』の数々。さらに追い討ちをかけるようにシステムダウンを起こして打鉄弐式の制御が不能となり、落下していく。
「っ―――!!」
もうダメだと思い、反射的に目を閉じる簪。
ガンっ!!
「……?」
目を閉じてすぐに何かの音が聞こえた。地面に激突したのとは違い。また、誰かに抱えられた感覚を感じた簪は恐る恐る目を開ける。
簪を助けたのは颯で、しかもお姫様だっこで簪を持っている。
「大丈夫?」
「えっ? あ……はい……」
「そう、よかった」
颯は笑顔で答え、簪を抱えたままゆっくりと降下して着地する。そしてお姫様だっこしていた簪を卸す。
「さっきの爆発の原因はたぶん過剰なエネルギー供給による負荷が原因だと思うよ」
「たぶん……そう……」
ディスプレイを見ながら颯が言ったことに同意する簪。
「そう言えば自己紹介がまだだったね。私は一年一組の城戸 颯。あなたは?」
「……簪。更識 簪……」
簪は颯を見ること無く、名乗った
「そっか更識さんね。……ねぇ、よかったら手伝うよ。専用機完成させるの」
簪はキーボードを叩くのを止めて颯をみる。
「……どうして?」
「ひょっとしてお節介だった? たまに言われるんだよねぇ」
「そうじゃ……なくて……あなた、一組だから。敵になんだよ。どうして?」
簪が言ったことに颯は「あー」と初めて気づいた。
「人を助けるのに、理由なんていらないよ」
颯は迷いなく答えた。
「それに、仮に理由があるんだとしたら『私が手伝いたいと思ったから』だよ」
「………」
簪は颯の答えに黙った。それは簪の好きなヒーローアニメのヒーローのような言葉だったからだ。
「どうかな。お節介だったら止めるし、もちろん更識さんのISの情報は誰にも言わないことを約束するよ」
「………それじゃあ……よろしく、お願いします」
「了解、それじゃ整備室に行こっか」
二人はISを解除して制服に着替えてから整備室へと向かった。
STORY 04 END
ケヴィス「始まりました『俺の部屋』の時間です」
颯「前回の更新から1ヶ月経ってるぞ」
ケヴィス「リアルが多忙だったんだよ!! Gジェネフロンティアしたり、アニメ見たり、録ったアニメのCM消してブルーレイディスクに録画したり、ボーダーブレイ エアバーストしたり、ガンプラの改造(レイダーをベースにしてます)したり、と色々してたんだよ!!」
颯「………あー、そうかい。それじゃとりあえずコメント返しでもするか」
ケヴィス「……はい」
颯「『スローネって形態移行するんですか? それと形態移行したらやっぱりアルケーになるんでしょうか?』」
ケヴィス「ネタバレ上等で言います。その通りです!! 『
颯「『颯がやろうと思えばヤークトアルケーになるんでしょうか?』」
ケヴィス「くっ! 俺の奥の手にする予定だった攻撃パッケージ『ヤークト』がばれてしまうとは!」
颯「そりゃ前回で『アイン』や『ドライ』に出来るって言ったら容易に想像がつくだろ」
ケヴィス「致し方なし……か」
颯「『個人的に、シャルロットを颯の相手にしてほしい…。出来れば一夏ハーレムに対抗して、百合ハーレム形成希望です』」
ケヴィス「まさかの百合ハーレム希望!? 超絶予想外でビックリだよ!! そこんとこは今後にご期待と言っておきますが、過度な期待はしないでください」
颯(どっちなんだよ……)
ケヴィス「―――以上か?」
颯「まぁそうだな」
ケヴィス「それでは今回はこれにて終了です」
颯「なんともまぁグダグダだよな」
ケヴィス「『太陽光発電の基礎理論発表』、『ISの発表』、『ナーブギア発売』、『ドラえもんが未来から来る』、『プラフスキー粒子でガンプラバトル』、『鳥の人襲来』、『巨人族(ゼントラーディー)襲来』、『使徒襲来』のどれが最初にくるのか密かに楽しみにしているケヴィスでした」
颯「ちょっと待て!! 最後の三つ人類存亡の危機じゃねーか!!」