IS-転生性転物語-   作:ケヴィス

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 ようやく更新出来ました。皆さんが楽しんで読んでいただければ幸いです。


第十一話 【学年別タッグトーナメント】 Cパート

「ワイヤーブレードも全部使用不能で大口径リボルバーカノンも大破……まだ続ける?」

 

「無論だ!!」

 

 俺の問い掛けに怒鳴り気味に両腕のプラズマ刃を出して構えるラウラ。

 

 俺はファングをバインダーに戻して、バスターソードを両手で持って正面に構える。

 

「「………!!」」

 

 

 ガギンッ!

 

 

 俺とラウラはほぼ同時に動いて鍔ぜり合いになり、互いにISの推進力を最大にして押し合う。

 

 しかし、俺とラウラの押し合いでは俺の『スローネ』の方が上だ。少しずつ俺が押していく。

 

「………ッ!!」

 

 ラウラは俺のバスターソードを流して横に逃げて距離を取る。

 

 さすが軍人なだけあって判断が早い。

 

「スローネ、トランザム」

 

 

 ――TRANS-AM――。

 

 

 トランザムの発動によりスローネが赤く発光する。ラウラは一度見ていたから気を引き締める。

 

 

 ガギィインッ!!

 

 

 俺が正面からバスターソードで切り掛かったら、ラウラはプラズマ刃で受け止めるが出力が圧倒的に違うため、ラウラは俺にあっさり押され、ラウラをアリーナの壁にたたき付ける。

 

 

     ◇

 

 

(……私は、またしても……)

 

 あいつのトランザムとかいうので壁にたたき付けられた。あいつは距離を取ってあの大剣を構える。

 

(……またしても、負けるのか……?)

 

 こんなところで負けるわけにはいかない。

 

 教官の前で無様な姿をさらすわけにはいかない。

 

(敗北させると決めたのだ。あれを、あの男を、邪魔をしたあの女を、私の力で、完膚無きまでに叩き伏せると!)

 

 そうだ。動かなくなるまで、徹底的に壊さなくてはならない。そうだ。そのためには――

 

(力が、欲しい)

 

 ドクン……と、私の奥底で何かがうごめく。

 

『――願うか……?』

 

 そして、そいつは言ってきた。

 

『汝、自らの変革を望むか……? より強い力を欲するか……?』

 

 言うまでもない。力があるのなら、それを得られるのなら、私など――空っぽの私など、何から何までくれてやる!

 

(だから、力を……比類無き最強を、唯一無二の絶対を――私によこせ!)

 

 

 Mind Condition …… Uplift.

 

 Certification …… Clear.

 

 

 

《Valkrie Trace System》 …… boot.

 

 

     ◇

 

 

「ああああああっ!!!」

 

 ラウラが身を裂かんばかりの絶叫を発する。それと同時にシュヴァルツェア・レーゲンから激しい電撃が放たれる。

 

「くっ! 一体何が……。――!?」

 

「えっ!?」

 

 戦っていた箒と簪は突然の絶叫と電撃で驚く。

 

「…………」

 

 俺はトランザムを解除して見る。その視線の先では、ラウラのISが姿を変えている。装甲をかたどっていた線はすべてぐにゃりと溶け、どろどろのものになって、ラウラの全身を包み込んでいく。

 

 黒い、深く濁った闇がラウラを飲み込んでいった。

 

「なんなのだ、あれは……」

 

 箒がそうつぶやいたのが聞こえた。おそらく、それを見ている俺以外の全ての人がそう思っただろう。

 

 ISはその原則として、変形をしない。厳密には、できないと言った方が正しい。

 

 ISがその形状を変えるのは『初期操縦者適応(スタートアップ・フィッティング)』と『形態移行(フォーム・シフト)』の二つだけだ。

 

 だからそれ以外で変化することはあり得ないのだ。

 

 しかし――そのあり得ないことが、いま目の前で起こっていた。

 

 しかもそれは変形などというものではなく、一度ぐちゃぐちゃに溶かしてから再度作り直す粘土人形の様に見える。

 

 シュヴァルツェア・レーゲンだったものはラウラの全身を完全に包み込んだら、全身を変化、成形させていく。

 

 そしてそこに立っていたのは、黒い全身装甲(フル・スキン)のISに似た『何か』。

 

 いや、何かとは違う。あれは専用機『暮桜』を纏った千冬さんの姿だ。

 

「………」

 

「な……何、あれ……?」

 

 箒は何が起きたのか全くついていけず唖然し、簪はおそらく無意識につぶやいた。

 

「VTシステムだよ」

 

 俺は簪のつぶやきに答えた。

 

「VT……。まさか、ヴァルキリー・トレース・システム……なのか……?」

 

 俺は箒の問いに黙って頷いた。

 

 過去のモンド・グロッソの部門受賞者(ヴァルキリー)の動きをトレースするシステム。それがヴァルキリー・トレース・システムだ。

 

「で、でもそれって……」

 

「そうだよ。IS条約で現在どの国家・組織・企業においても研究・開発・使用すべてが禁止されてる」

 

 簪が何が言いたいのか解ったから俺は答えた。

 

 VTシステムの暮桜が俺たち三人を捉え、ラインアイ・センサーが赤い光を漏らす。

 

「ッ!!」

 

 

 ガギィインッ!!

 

 

 VTシステムが切り掛かってきた。俺はバスターソードで受け止めた。

 

 原作だと一夏が攻撃して反撃した。俺はそのプログラムは防衛プログラムだと思っていたが、どうやら違うようだ。

 

「くっ!」

 

 さすが千冬さんをトレースしているだけあって、斬撃がかなり鋭く早い。

 

 その剣を降るスピードは俺ですら辛うじて見える。今は互角に戦っているが、それは時間の問題だ。

 

 VTシステムは刀の雪片、対して俺は大剣のバスターソード、大剣では降るスピードは刀に劣る。

 

 

 ガギンッ!!

 

 

 右手に持っていたバスターソードが弾かれた。

 

「しまっ――」

 

 VTシステムはそのまま上段の構えへと変え、縦一直線に落とすように鋭い斬撃が襲い掛かる。

 

 

 ガギィインッ!!

 

 

 俺は右手に持っていたバスターソードを収納(クローズ)してから左手にバスターソードを展開(オープン)して斬撃を受け止めた。

 

 鍔ぜり合いとなって俺は、弾くのと同時に後方へ飛び退く。

 

(……本当にむかつくな。ドイツは……)

 

 俺はVTシステムと戦っていることよりもドイツのやり方に頭にきている。

 

(……本当にむかつくな)

 

 自分たちの都合でラウラを生み、使えなければ捨てる。(あまつさ)え、禁止されているVTシステムの搭載でラウラを兵器のように扱う。

 

「人を……ラウラをなんだと思ってやがんだ!」

 

 そう言った瞬間、俺の中で何か弾けるような感覚があった。

 

 ――唯一仕様の特殊才能(ワンオフ・アビリティー)、発動条件クリア……リミッター解除――

 

 ディスプレイに文字が表示される。

 

 

 ――TRANS-AM BURST――

 

 

 スローネが勝手にドライへと変わり、背中の固定部位(ロック・ユニット)の装甲が開き、そこから大量のGN粒子が放出され、アリーナのフィールドに充満する。

 

 その時の粒子は赤ではなく、オリジナルの緑だった。

 

 

 

 STORY 11 END

 




 やっちゃいました。トランザムバースト。
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