コーヘイが死んでいる。そう兄弟達に伝えたのは今現在最年長のヤヨイだった。
いつも一番最初に起きている兄が、その日は起きていなかった。今後の事も話したかったヤヨイは、コーヘイを起こしに行き彼が死んでいるのを発見した。
「死んでいる…?」
全員が現実を受け入れられないといった感じになっている。一言リクが言葉を発しただけだった。
「ウチが、朝起こしに行ったらそのまま眠っていたよ…。楽しそうに笑ったままね…。」
ヤヨイの次の言葉を聴いてから、一斉に全員の涙腺が決壊してしまったかのように泣き出した。
特に、一番年少のリクとカナは大声を上げながら泣いた。リクは、誰よりもコーヘイの事を尊敬していたし、カナに至ってはまだ七歳だ。悲しいのはよく解っている。これで我慢させるのは、余りに酷だ。
それでもいつまでも悲しみに浸っている場合ではない事を全員が理解していた。
「さて、今後の方針について話し合おうか。」
流石年長者というべきかヤヨイは数分泣いた後、目は腫れていたがいつもの表情でそう言った。
その声で、一先ず全員が泣くのを止める。リクやカナはまだ泣きそうな顔をしていたし、ミウもまだ目に涙が貯まっている。それでも一応は、話せる状態にはなれた。悲しいかなこんなことにも彼等は慣れてしまっていた。
全員で絶対に生き残る。コーヘイが死んだことで叶わなくなってしまった全員の願いをどうするのかを選択しなければならない。
早い話コーヘイを残して全員で生き残るか、リセットするかのどちらを選ぶのか全員に訊いているのだ。
「そんな質問に意味は無いよ。リセット以外の選択肢は、無くなったんだから…。」
トーマがヤヨイの方を見て言う。
「兄さんだけを残していけない。だから、経験しよう…ここに居る全員で一緒にリセットするって事を。そして、次に活かそう。」
「トーマが、そう言うなら私はそれに賛成…。」
まだ言葉に力がないがミウが、賛成の意を示した。
「全員で生き残るの全員には、兄さんも入っている。」
精神的な支柱を一本失ったトーマだが、周りに気付かれない様に我慢していつもの調子で話した。
トーマの言葉に全員が納得して今後の方針と自分達の指揮をヤヨイが採ることが決まった。
軽い朝食を摂った後、各々これからの準備をしながら亡き兄への想いをそれぞれに巡らしていた。
トーマは、洗面所で一人静かに涙を流していた。トーマが此処を選んだのは、もし誰かが来ても顔を洗っていたと言い訳が出来るからだ。
「相変わらず隠すの下手だね。」
ミウが、トーマに近付いてそっと手を握った。
「大丈夫…。私は、トーマを一人になんてさせない。ずっと一緒にいるから。トーマがいれば私は、なんでも出来るよ。」
「でも、今までは先に逝ってしまった。」
ミウの言葉にトーマは、力なく答える。
「それは、今までの私が駄目だっただけ。今の私は、あなたとずっと一緒にいる。」
そう言ってミウは、トーマの手を離した。
「早く皆の所行こ。」
何でもない笑顔でそう言った。