扉を開けると、奴等が立っていた。何も言わずにただそこに武器を構えて。
瞬間、命の危険を感じたリクはサイドバックれ入れてある銃を握ろうとした。至近距離で既に相手が構えている絶体絶命の瞬間でもリクには、恐怖が沸いてこなかった。
『きっとお前は、俺を越えて強くなる。』
コーヘイは、常々リクにそう言っていた。
自分に無いものをリクは持っていると。
何の戸惑いも無く奴等は、攻撃を開始する。殺戮が始まった。
「危ない!!」
背中からカナの声が響く。別に危なくなんか無い。リクは、余裕で少しだけ笑った。
小柄な子供だからこそ出来る戦法がある。相手を足払いしバランスの崩れたところを思いっきりタックルしてやる。そうすれば、大概の相手は倒れる。そうしてすぐさま追い討ちで射殺する。普通は、恐怖で動けないがリクは慣れてしまっていた故に、平然とこなした。三人リクは殺した。
「もう追っ手が来てるね。どうしようか?」
扉と鍵を閉めてリクは、カナに訊いてみた。
「多分、囲まれてるから逃げられないし兄ちゃん達が帰ってくる迄籠城も厳しいと思う。」
続けた言葉は、決して嘘じゃない想像の現実。
弾薬もある程度は、持ち合わせているが最後まで足りるかは絶望的で、カナは風邪を引いて満足に動けない。
多分リク一人なら逃げ切れるが、男としてそれだけはしないと決めている。
「別れて逃げてみようか。」
カナは、小さな声でリクに提案した。自分を見捨てろと言った様にリクは感じた。
「勝算が無い訳じゃないよ。リク一人なら多分ここから逃げれるかも知れないし、私も数が減っていれば逃げるくらい簡単だしね。」
多分、こんな所で籠城なんかしたら二人とも間違いなく死んでしまう。それより少しでも希望のある逃走をやった方がまだマシに思える。
リクは納得したわけでは無いが、渋々その意見に乗った。それに自分が頑張ればカナは助かる確率は、ぐんと増す。
妹に自分が出て暫くしたら裏口から逃げるよう指示してリクは部屋を後にした。
最後に生きてまた会おうと約束して。
リクが出ていった後、カナはこれから起こるであろう自分の運命に心が押し潰されそうになっていた。
(大丈夫…。お兄ちゃんならきっと逃げ切れる。)
自分は、多分ここで終わる。なんとなくそんな予感がこの病院に来たときからあった。
風邪を引いて、病室のベットの上で一人で殺された。何度も何度も繰り返した。
(お兄ちゃんが騎士なら、ちゃんとお姫様を助けてみせてよ。)
「そして、絶対に生き残ってね…。 」
自分の命に諦めを着けてカナは、部屋から出た。