運命ってとにかく残酷な物語だよね   作:カナリア姫

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終わりはいつも突然に

いつものとは言ってももうすぐ終わるであろう平和な時間を過ごす施設の子供たちは、各々好き勝手にやりたい事をやっていた。

例えば、コーヘイは施設で一番大きなテレビで特撮もののDVDを視ているし、リクは朝の続きに行くと言って外に出た。女子が何をしているのかは、トーマは把握していないがおそらく全員自分の部屋に居る。

そんな中トーマ自身は、何もしないでただ部屋の中に居た。その顔は、嬉しそうだけれどどこか悲しそうな複雑な表情を作っていた。

今朝、全員と挨拶を交わしまだ全員の中に自身の存在を見つける事が出来た。それは、トーマにとって至上の喜びだった。だけれどその喜びを感じたということは、あの絶望が再び起こること。それを理解すると素直に喜ぶ事が出来なかった。

 

(意識が、深く…暗い所へ…墜ちていく。目を開けているのも…疲れて…辛くて…。)

 

最悪なあの日の昼は、いつでもこんな感じになる。

薄れていく意識の中で、トーマはカレンダーを見た。

 

(そうか…今日は、あの日…なんだ…。)

 

 

 

 

 

楽しい時間は瞬く間に過ぎていくのに、嫌な時間は途方も無いほどに永くゆっくりと進んでいく。

この計画がスタートした瞬間から、彼らは瞬く平和と永遠の絶望をずっと繰り返している。

 

人は、解らないことが一番怖い。誰でもそうだ。でも解っていることには、とことん強い。どんなに大きな事でも、小さな事でも結局この結論に行き着く。

世界がどうなっていくか解らない。ならば繰り返せば解らない事なんて無い。このループは、そんな単純かつ身勝手な考えから始まった。

人が神のように振る舞い時間を好き勝手に支配する。その手段が、少々複雑にしろシステムとしてこの世界には存在していた。

 

『これで、この世界から解らない事なんて無くなる!!当然だ!!体験したことだけしか残らないんだから!!』

 

システムを発見した人物は、声高にそう言った。これを聴いた人間は、その人物を『進むことを諦めた愚かな奴』と評した。

しかし、ある事件が発見者の評価を一変させた。

この世界に存在しないはずの惑星外生命体の侵攻。自分たちに姿形は似通っているのに、圧倒的な化学力を持ったもの達との戦争。初めての経験に全人類が恐怖した。

そしてこぞってシステムの発見者に頼み込んだ。

発見者もシステムを起動させることには、異論はなかった。なんの迷いも無く起動スイッチを押す。

 

《汝、我等を使い永遠を望むか。》

 

突然システムから声がする。全人類代表たるシステムの発見者は、大声で肯定した。その瞬間五つの光がバラバラに飛び、一つの光が発見者の目の前に落ちる。

身体をバラバラに崩しながら泣く人類。

 

《約束しよう…。この世界が永遠に続く事を。》

 

その言葉を聴いて人類達は、崩れていった。

 

《だから、これからよろしくね…。》

 

そして、その場が光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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