運命ってとにかく残酷な物語だよね   作:カナリア姫

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始まった侵略
世界は動いてく


当たり前の事だか、作戦会議と言っても何をすれば良いのかなんてまだ誰にも解ってはいない。

今までどんな事をしようが悉く失敗に終わり、死んでしまう事を彼等は繰り返してきたのだ。

 

「今まで、ウチらが失敗し続けた主な原因は一人で何とかしようとした結果だと思う。」

 

ヤヨイがまず口にしたのは、今までのおさらいみたいな事だった。

 

「トーマ、今回は上手くいったがあんたの行動は、褒められるものじゃない。それを理解しときなさい。 」

 

「ごめん…。」

 

トーマが素直に謝ると、ヤヨイは一瞬挙動がおかしくなっていたが、すぐに表情を戻しコーヘイの方を見た。

コーヘイは、腕を組んで目をつぶった状態から全く動かない。

まさかと思いながら、ヤヨイはおもいっきりコーヘイの座っている椅子を蹴飛ばした。すると人間をやめたような運動神経をしているコーヘイが、反応することなく床に落ちた。

 

「痛っ、」

 

「やっぱり、あんた寝てたのね…。」

 

話が全然進まない。これは、とてもまずい状況だ。

こうしている間にも侵略者達は迫って来ているのに。

トーマの中の不安がどんどん膨らんでいく。早く何とかしないと取り返しのつかない状態になってしまう。不安ばかりが先走り冷静に考えることすら出来なくなっていく。トーマ自身は気付いていなかったが、実はこの時全員が似た心理状態にあった。何とかしてこの不安を消してしまいたかった。

 

「少し揺れた?」

 

今まで、黙っていたリクが不思議そうに呟く。それを聞いた全員は神経を集中させリクが言ったことが本当か確かめる。

確かにほんの少し揺れている。しかも、段々と近付いてきている様にすら感じた。

 

《この世界は、同じ結末を迎えることで安定している。例え過程が違っていようが結果が同じなら、関係ない。》

 

食堂中に放送が流れる。この内容を分かりやすくかつ簡潔に言えば、『何をしても無駄だから大人しく殺されなさい』といった内容だ。トーマ達にとっては、従いたくもないが…。

 

「とにかく、全員でまとまって行動する。絶対に一人になっちゃダメ!!わかった!!」

 

ヤヨイが、放送が流れた瞬間声を大にしてその場に居た全員に言う。無論全員が頷いた。その後で、四回前に見つけた隠し通路から全員で施設を脱出する。

一番先頭は、現時点で唯一武器を持っているトーマ、その後ろに一番小さなカナ、リク、ミウ、ヤヨイ、そして殿にコーヘイが就いていた。

 

 

通路の出口の扉をおもいっきり蹴飛ばし外で待ち伏せしていた侵略者を気絶させ、その後でしっかりと射殺する。死んだ事を確認して装備を奪う。今度はコーヘイが武器を手に入れた。

ゲリラ的なやり方だが、戦う術をほとんど持たない彼等は、こうするほか生き残る事が出来ない。それを知っている。

隊列を崩さないように、そして出来るだけ戦闘にならないルートを模索しながらの逃走は、体力をかなり消耗する。カナとミウが、そろそろ限界になりかけていたところで休める場所が見つかった。

 

「まず、俺とトーマがあの中を調べてくる。お前達は、ヤヨイの指示に従いながら此処で待機だ。」

 

コーヘイがそう言ってトーマを連れて行き安全を確認出来たのか、一時間後トーマが待機していたミウ達を呼びに来た。

コーヘイが居ない事に不安を感じたが、中でくつろぐコーヘイを見てただの取り越し苦労だと全員で思った。

 

 

 

 

(悪いな、お前ら…。先に逝くぜ…。)

 

 

 

全員が、寝静まった後ゆっくり弟や妹達の寝顔を幸せそうに見つめながら偉大な兄貴分は、静かに息を止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

犠牲者

コーヘイ…死因、毒による心停止

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