お恥ずかしながら、全く知りませんでした。(汗)
ですので、修正させていただきました。
1925年6月
アメリカ合衆国 ワシントンDC
ホワイトハウス、大統領執務室
「海軍長官、本当によかったのかな?」
海軍長官であるカーティス・ウィルバーに向かってそう言ったのは、合衆国第30代大統領であるカルビン・クーリッジであった。
「何がです?」
「日本が軍縮条約を蹴ったことだ。おかげで我が国はダニエルズ・プランを推進するしかなくなった。
ただでさえ健全とは言えない財政状況の中、膨大な数の海軍艦艇を整備するのは、いくら豊かな我が国でも至難と言わざるをえん。」
「おっしゃることはよく分かりますが、仮に軍縮条約が結ばれていたとしても、結局は建艦競争は終わらなかったでしょう。
軍縮条約の内容は、主力たる戦艦の建造は制限するものの、巡洋艦の建造制限に関する部分はほぼ手つかずでした。
今頃は巡洋艦の建艦競争が起こっていたでしょう。」
「だとしても今の海軍は金食い虫だ。君たち海軍が要求した予算はここ7、8年で莫大な額に上る。
戦艦10隻に巡洋戦艦6隻、そしてこれを補助する空母や巡洋艦等の補助艦艇多数の建造予算、既存戦艦の改装予算、そして航空隊の整備予算だ。
これに海軍軍人の給料や手当等の人件費が加わったら、もういくらになるか見当もつかん。
海軍は国を破産に追い込むつもりかね?」
「いいえ、決してそのようなつもりはありません。
しかし、日本が『八八艦隊計画』なる大規模な艦隊整備計画を推進している以上、対抗してこちらも戦力の増強をしなければなりません。
万が一の事態は、常に念頭に置かなくては。」
「君のような政治家上がりはともかく、軍人は敵と戦うことしか考えんでもよいが、私はそうはいかん。
現に議会からは、非難の声が上がっている。
『大事な国民の税金を、敵対する可能性の低い極東の国家に対抗するために使うのか!』
等が、その筆頭だ。」
「はぁ…」
「日本は極東における大事なパートナーだ。現に満洲や朝鮮半島の共同開発事業や鉄道経営では大きな成果を上げているし、外交関係だって平穏そのものだ。
なぜ日本は、国が破産しかねん軍備拡大を続けるのだろうか……
まるで、何かに憑かれているかのようだ。」
「そのことですが大統領、我々が独自に情報を探ってみたところ、日本の政府や軍内部に
は、ある秘密があるようです。
彼らは厳重な箝口令を敷いており、詳細な情報は得られませんでしたが、彼らはある『存在』から方針を提示されて動いているらしいのです。」
「ある『存在』だと?それは何なのだ?」
「いえ、全く分かりません。」
「分からないんじゃ、どうしようもないな。
ともあれ、このままでは国家財政は悪化する一方だ。
現にイギリスは建艦競争から脱落しかかっている。
日本にある程度譲歩しても良いから、軍縮条約を結ぶように働きかけてみようか…」
「それがベストだと思います。」
この一年後、世界各国は二度目の軍縮会議を開催し、条約が結ばれることになる……。
ダニエルズ・プラン
・コロラド級戦艦
同型艦:コロラド、メリーランド、ワシントン、ウェストバージニア
具体的な諸元は、史実と同じ。
前級のテネシー級の改良型として、1917年に建造が開始された戦艦。
元々は14インチ砲搭載艦として設計されていたが、日本海軍の「長門型」が16インチ砲を搭載することが建造途中で判明したため、急遽新開発の16インチ砲を搭載して完成した。
しかし防御力に関しては、対14インチ砲弾防御のままで手が加えられておらず、それについては不安の残る艦でもある。
・サウスダコタ級戦艦
同型艦:サウスダコタ、インディアナ、モンタナ、ノースカロライナ、アイオワ、マサチューセッツ
基準排水量:4万3200トン(竣工時)
全長:208m
全幅:32m
兵装:50口径16インチ(40.6㎝)三連装砲4基12門
53口径6インチ(15.2㎝)単装副砲16基16門
50口径3インチ(7.62㎝)単装高角砲8基8門
速度:23ノット
機関出力:6万馬力
コロラド級に引き続いて建造が開始され、1924年から26年にかけて完成した戦艦。
主砲は前級よりも新しく、また機関出力や装甲も強化された、まさに「決定版」であった。
・レキシントン巡洋戦艦
同型艦:レキシントン、コンステレーション、サラトガ、レンジャー、コンスティテューション、ユナイテッド・ステーツ
基準排水量:4万3500トン(竣工時)
全長:266.5m
全幅:32.2m
兵装:50口径16インチ連装砲4基8門
53口径6インチ単装砲16基16門
50口径3インチ単装高角砲6基6門
速度:33.3ノット
機関出力:18万馬力
ダニエルズ・プランに基づいて建造された巡洋戦艦。1925年から1927年にかけて就役。
当初は7本煙突(?!)の艦容を持つ戦艦として計画されたが、技術の進歩に伴い、二本煙突に変更されて完成した。
駆逐艦並みの速力を生かして、敵艦隊をかく乱することが任務である。
いかがだったでしょうか?
早く本編に入りたい……