【再構成のため停止】レィル・クローターと魔法生物   作:antique

12 / 27
norikaさん tomokiさん ジャック@初心者さん 朔夜・那桐さん マッチメンさん 南部赤松さん シキ七八さん メイヨウさん うさぎSANさん Risukiさん 鷹野さん 折紙さん 凪薊さん 伍夜さん Black・wolfさん 技マシンさん 博神和人さん

お気に入り登録ありがとうございました!


任務遂行

 

ドラコの訪問と依頼、そしてドラコの態度から見てかなり面倒な部類だとレィルは憶測をつけた。ヘルミオネは何も言わず、レィルの左後ろで背筋を伸ばして立っている。

 

「ウィーズリーとポッター、そしてグレンジャーがあの森番の家に向かっていくのが見えたから防音呪文と認識阻害魔法をかけて後をつけたんだ。結果は黒、ドラゴンの卵があったんだ」

「……なるほど、確かにドラゴンキーパーでもない人間がドラゴンを所持、飼育するのは違法か。にしてもよく気づかれなかったな?」

「キミ達に勝てずとも負けたくなくてね。ダフネと一緒になって勉強してるのさ」

 

ドラコはフフンと鼻を鳴らした。しかし咳払いし、その雰囲気を元に戻した。依頼の席で話すことではないと悟ったからだ。

 

「……まぁ、無理やり取るのも億劫だな。ハグリッドには然るべき場所に行ってもらって、僕はそのドラゴンを保護しよう。卵の特徴は分かる?」

「そこまで大きくない。ちょうどボクが抱えられるぐらいだ。模様は白に灰色の斑点」

 

卵の特徴を聞いてレィルは冷や汗が出るのを感じた。ホットココアを口に含んで心を少しだけ落ち着かせる。

 

「マズいな。ノルウェー・リッジバック種だ」

「はぁ!?リッジバックといえば、炎を吐くのが一番早いドラゴンだろ?森番は本当に何を考えてるんだ!?」

「これ以降はハグリッドの意思を無視することにしよう。いくら何でも危険すぎる」

 

レィルは机から羊皮紙と羽根ペンを取り出した。ヘルミオネも同じように羊皮紙と羽根ペンを取り出して物凄い勢いで何かを書き始めた。

ドラコが困惑して数秒、レィルの部屋に次の客が現れた。ドラコの話にもでてきたハーマイオニーである。

 

「……マルフォイがここにいるのはいいとして、レィル、力を貸して欲しいのだけど」

「ノルウェー・リッジバックだろう?今対策してる」

「え、なんで知ってるの?」

「ボクがクローターに頼んだのさ。ドラゴンを保護してくれってな」

 

ハーマイオニーは現場を見られていたことに不味いことがバレたような顔をすると同時に、既に対策が取られていることに安堵していた。一緒にいた二人には悪いが、ここは身の安全を取るしかなかった。

 

「ところでレィルにヘルミオネ、貴方たち何書いてるの?」

「嘆願書。魔法生物規制管理部の部長宛にノルウェー・リッジバックの保護許可を貰うために書いてる」

「私は、ゼノにダンブルドアを黙らせて欲しいって手紙」

 

ハーマイオニーは魔法生物規制管理部に連絡するのは分かったが、ヘルミオネのいうゼノという人物に手紙を当てる意味が分からなかった。しかし以前にゼノに認識があったドラコは理解した。

 

「なるほど、確かにゼノおじ様ならあの校長を黙らせられるか」

「どういうことよマルフォイ」

「彼女の家さ。ディマイント家は代々アズカバン並びに魔法界の観測を生業としている。ゼノおじ様はアズカバン監視塔現当主なんだよ」

「ハグリッドが監獄に行くなら、ダンブルドアは絶対に噛み付いてくる。だから黙らせる」

「アズカバン……?」

 

初めて聞く単語にハーマイオニーは首を傾げる他なかった。嘆願書を書き終えたらしいレィルは椅子を百八十度回転させて教えた。

 

「アズカバン刑務所、北海に魔法で建てられた魔法使いにとって絶対に行きたくない場所。光なき監獄。まぁ、マグルの方にもあっただろう?バスティーユ牢獄とか」

「……それ、ロンやハリーも食いついてくるんじゃない?」

「罪を犯して隠す方が正しいなんて思ってる奴なんかほっとけばいいんだよ」

「グレンジャー、君は許されざる呪文を使って「使いたかったから使った」とか言って挙句の果てにその事実を隠蔽しようとするバカを擁護できるのかい?」

「ゴメンなさい、ムリだわ」

 

レィルの辛辣な言葉とドラコの正論にハーマイオニーは折れるしかなかった。ヘルミオネも書き終わったのか、ひとつの封筒に入れた。

 

「ドラコは君の父親に「上手く行けば飛ばせますよ」と伝えておいてくれ」

「それは別に構わないが、何故?」

「悪いがそれは機密事項だ。よろしく頼むよ」

 

レィルはそれだけ言ってトランクの中に入っていった。ヘルミオネは封筒のみを姿くらましで飛ばしたらしく、手には何も持っていなかった。

ドラコとハーマイオニーはひとまず寮に戻った。ハーマイオニーは以前フィリップに貰った幻の生物とその生息地でノルウェー・リッジバックの危険性を理解し、ドラコは梟に手紙を貼り付けて父親のルシウスに送った。

 

レィルはクロエに頼んで魔法生物規制管理部、ドラゴンの研究及び制御室のトップに座るメーラン・エルリックと管理局局長のフロー・ベアリングに手紙を持っていくように頼んだ。意思疎通役にネイキッドの息子であるヴェノムも連れていった。

数分後にクロエとヴェノムは二人を連れてきてくれた。やはり角水蛇は便利だと思った瞬間であった。

 

「こんばんは、メーランさん、フローさん。お忙しい中、お呼び出ししてすいません」

「いや、レィル君にはいつもお世話になってるからね。これくらいはどうということは無いよ」

「私はフロー局長と違いそこまで忙しい訳では無いですが、ノルウェー・リッジバックともなれば即座に対策することが要求されます。無駄話もなんですし、早速本題に入りましょう」

 

レィルは頷いて、魔法で紅茶を入れながら話をすることにした。メーランはやはり魔法生物管理局にいるせいか、近くを魔法生物が通るとそちらに目移りしそうになっていた。

 

「本件は、ホグワーツ魔法魔術学校の森番であるハグリッドが不法飼育をしているとの事だったが、それで違いないかね?」

「違いありません。不法飼育というより、これから産まれてくるので不法所持ですが」

 

レィルはドラコからの情報をできるだけそのまま伝えた。ハリーやロナルドのことはもちろん、ハグリッドのこともそのまま。

 

「問題は卵の大きさで、同級生のドラコ・マルフォイからの情報によれば、彼がちょうど抱えられる位の大きさらしくて。それに斑点付きということは恐らく刷り込みが必要な個体かと」

「一年生が抱えられるほど……となると、孵るのは早くて明日ですね」

「非常にまずいな。特令を出す他ないだろう。レィル君、羊皮紙とインクはあるかね?」

 

レィルは呼び寄せ呪文で羊皮紙とインクをフローの前まで来させた。フローはそれにひとつ頷いて、杖を振った。

 

『私、魔法省魔法生物規制管理部部長フロー・ベアリングの名の元に、魔法省魔法生物規制管理部ドラゴンの研究及び制御室室長メーラン・エルリック並びにホグワーツ魔法魔術学校レイブンクロー寮所属レィル・クローターにノルウェー・リッジバック種の保護、及びホグワーツ魔法魔術学校森番ルビウス・ハグリッドの確保を命ずる』

 

すると甲高い音が鳴ると同時に紙はただの羊皮紙から特令書に切り替わった。それをフローの手からメーランに渡ると同時に天井の扉、すなわちトランクがノックされた。

レィルはそれに3回ノックし入出許可の意を伝えると、1人の老人が入ってきた。

 

「ほっほっほっ、楽しそうじゃの。儂も混ぜてくれんかの?」

「これはこれは、ゼノ様。いつもアズカバンの監視、ご苦労様です」

「うむ、何やら新たに入監したい輩がおると可愛い孫娘に聞かされたのでな。監視塔から出て運動替わりに来ようと思った次第じゃ」

「久しぶり、ゼノおじさん」

「うむ、久しいなレィル。挨拶は大事だと教えたが忘れてはおらんようじゃな」

 

突如現れたゼノにフローは席を立って頭を下げた。ゼノはレィルの頭を撫でながら、空いた席に座った。

 

「さて、ルビウス・ハグリッドだったかの。巨人族とのハーフ、アルバス・ダンブルドアの懇意でホグワーツに身を置く、悪い言い方をすれば寄生虫。その投獄じゃったか」

「うん。頼める?」

「当然じゃろう。我らは自然の体現者じゃからな、ミオの願いなくとも確りと仕事を果たそう。儂よりも若いが、あんな頭も回らん老耄を黙らせるなどわけないわい」

「ダンブルドアは味方やシンパは多いが、当然アンチも多いですし、それをどれだけ使えるかですね」

「ドラコにルシウスさんへ「上手く行けば飛ばせる」と伝えるように言ったので、恐らく聖二十八一族はこちら側に着くかと」

 

レィルは新しい紅茶を淹れてゼノに出した。ゼノはその言葉と紅茶の味に頬を緩ませた。

その後はハグリッドの禁固期間、ダンブルドアの処理、ドラゴンの保護法などを考えながら終わった。ドラゴンの保護の決行は明日にも行われることになった。

 

そして翌日。レィルとフロー、メーラン、ゼノ、ヘルミオネの五人はハグリッドの小屋を尋ねていた。部屋にはハグリッドとハリー、ロナルドがいた。

一応部屋を探してもドラゴンの卵は見当たらない。どうやらハグリッドが隠したらしい。

 

「こんにちはミスターハグリッド。いい天気ですね」

「あ、あぁ。確かにそうだな」

 

メーランが当たり障りない笑顔で呼びかけると、ハグリッドは頬を少しだけ痙攣させながら対応した。何かを隠してます、と顔に書いてある程に態度に出ている。

その隙にヘルミオネが自分の気配を完全に消して小屋の中に入っていった。気付くのはレィルだけである。

ヘルミオネはひとまずありとあらゆる影になりそうな場所、引き出し、屋根裏を確認した。しかしどこを探してもドラゴンの卵は発見できなかった。

そこでハリーが透明マントを持っている可能性に気づきハリーの記憶を垣間見た。結果は黒、どうやら後ろで持っているものがそうらしい。気付かれずに卵を回収したヘルミオネは透明マントのみをハリーに返して卵をレィルに渡した。

 

「メーランさん、もういいですよ。回収完了しました」

「ご苦労様です。ヘルミオネさんもありがとうございます」

「これくらい、大丈夫」

「ん?……なっ!?それは俺のドラゴンの卵だ!なんでお前が持っちょるんだ!?」

 

ハグリッドは自分の大切な卵が奪われたと気づくや否や、取り返そうとレィルにつかみかかった。だがそれはヘルミオネの無手無言呪文に阻まれて失敗した。

 

「……確かに録音しましたよ、ルビウス・ハグリッド。自己紹介でもしましょうか。私は魔法省魔法生物規制管理部ドラゴンの研究及び制御室室長メーラン・エルリック、私の左におりますのは魔法省魔法生物規制管理部部長フロー・ベアリング、そして後ろにいるのはアズカバン監視塔の現当主、ゼノ・ディマイント様です」

「以後見知りおけ」

「こんなボンクラの自己紹介いるかのう?」

 

メーランとフローの所属を言われてもまだ冷や汗をかく程度で済んでいたが、ゼノの名前を出された瞬間に目を見開いて口を開閉させた。ボンクラなんて言っているが、ゼノの力はダンブルドアでも敵いはしない。

 

「こちらで匿名にドラゴンの卵の不法所持をしているという報告がありましたが…確認するまでもなくありましたね。アズカバン送りになって頂きますよ。一応裁判にはかけられますが、ルシウスさんを始め、ゼノ様が既に手を回しています。それに先程、年端も行かない少年少女に手を出そうとした場面もしかと見届けました。暴行未遂、そしてドラゴンの不法所持、禁固何年になるでしょうかね?」

「俺は悪くねぇ!ドラゴンと一緒に生活するのが夢だったんだ!好きなやつと一緒にいて何が悪ぃんだ!」

「許されざる呪文を使って「使いたかったから使った」なんて抜かすアホを捕えないわけがないでしょう?つまりはそういうことですよ」

 

レィルはまさかドラコがハーマイオニーに言った説得材料が現実に言われてしまうとは思わなかったので少しだけびっくりした。メーランの言葉に反応したのはやはりというかロナルドだった。

 

「だったらこいつもそうだろ!前にハーマイオニーにドラゴンを七体もトランクに入れてるって聞いたぞ!」

「お言葉を返すようですが、レィル君は魔法省の許可を持っています。彼の体質もそうですが、トランクの中という外界に被害を与えない場所なれば安全だと認可しました」

 

ロナルドは何も言えなくなり、歯を食いしばり手を握り締めるだけであった。ハリーは何が何だかわからなくなっていた。

 

「の、ノーバードはどうするんだ!まだ孵っちょらんが俺が居なけりゃ死んじまうぞ!一人ぼっちにする訳にはいかねぇ!」

「だからレィル君に依頼したのですよ。そのドラゴンの保護を。特令書も出ています」

 

メーランはフローが羊皮紙とインクで作り上げた特令書をハグリッドに見せつけた。ハグリッドは顔に絶望の色を乗せていた。

レィルは腕のあたりが揺れることに違和感を感じて卵を見てみた。すると僅かながらヒビが入り、もう一度揺れるとヒビは卵を一周した。

 

「あ、マズ」

 

レィルは今トランクを持ってきていない。さすがに早くても今晩だろうと踏んでいたからだ。それがこんなに早い時間になるとは思っていなかった。

ヒビが一周した卵は音を立てて割れ、中から出てきた小さな影がレィルの胸に張り付いた。影は素早く移動してレィルの肩にしがみついた。

即ち、ノルウェー・リッジバック種の雛。しかも最悪なことに、彼女は刷り込みが必要な個体である。

 

「……なんでさ。なんで僕に懐いたやつは皆して肩に乗りたがるのさ」

「下りれる?この子」

「筋肉がまだ未発達っぽいし、部屋まではこの状態で行くよ」

「……分かった」

 

ヘルミオネは不機嫌であった。レィルには分からないが、表情ではわからないが不機嫌な気がしたのだ。

一先ず懐いてしまったドラゴンを肩から胸の方に寄せ、指を近づけてみた。防衛本能こそあれど、まだまだ甘えたがりなのか、指をチロチロと舐めた。

ハグリッドは既にゼノが連行したらしくここにはいなかった。帰ろうという時に、ハリーがヘルミオネに問うてきた。

 

「ねぇ、ハグリッドってそんなに悪いことをしたの?特令書が出されるほどに」

 

あまりレィル以外と喋るのが好きではなかったが、皆が英雄と持上げる人間なので、仕方なしにヘルミオネは答えた。レィルと触れ合える時間が減ってしまったので少しだけ不機嫌になりながら。

 

「ドラゴンの飼育には魔法省の許可、それとドラゴンキーパーって資格がいる。レィルはいいけど、ハグリッドはどっちも持ってなかった」

「けど、危険って言ってもドラゴンだろ?ダンブルドアがいれば…」

「あの子はノルウェー・リッジバック、誰よりも火を噴くのが早いドラゴン。誰かが危険になってからじゃ遅いの」

「……でも!」

「でもも何もない。あなたは身近な人間が人殺しをして、それでも一緒にいられる?殺されたのがそこのウィーズリーとかでも」

 

ハリーは反論する気が失せたのか、俯いてしまった。ヘルミオネはアフターケアも何もせずにレィルの方に駆けて行った。

レィルはハリーとロナルドとの関係性が劣悪化したが、ロナルドは元々いい印象を持たれていなかったし、ハリーも本人がそこまで強いわけじゃない。なんならズーウーをけしかけてやれば普通に倒せる相手であったので別にどうでもよかった。

そんなことよりもレィルの意識はドラゴンに向かっていた。このドラゴン、刷り込み持ちのせいで、レィルを親と認識してしまったらしい。

ドラゴンは基本的に本能で親を認識する生物だが、ごく稀に刷り込みが必要な個体が出現する。それがこのノーバードなんてセンスのない名前で呼ばれていたドラゴンの名前らしい。

 

「翼があるのに翼無し(ノーバード)って、馬鹿なんだろうか……」

「雌だし、少しいじってノーベルタは?」

「いいねそれ、採用」

 

その後のことはゼノ、フロー、メーランに任せた。ゼノは恐らく禁固十八年になるとだけ言っていた。

レィルはひとまずノーベルタを同じノルウェー・リッジバック種であるノーバジルに任せて眠りについた。

 

 

 

 

ダンブルドアは、後悔していた。まさかレィルがハグリッドを追放するとは思わなかったからだ。

急ぎ支度をし、アズカバン監視監視塔内にある法廷に向かった。途中で大量の吸魂鬼が邪魔をしてきたが、なんとか守護霊呪文で切り抜けてきた。

しかしダンブルドアが到着した時にはもう遅かった。ハグリッドが投獄され、ダンブルドアが真ん中に経つその光景は新たな罪人が断頭台に到着したかのような雰囲気を醸し出していた。

 

「ダンブルドア、吸魂鬼による熱烈な歓迎はどうじゃった?」

 

その向かいに立っていたゼノは私はやってませんよ、的な空気でダンブルドアに話しかけた。悟られぬように閉心術を自らにかけた。

 

「こんばんはゼノ、できれば二度ともらいたくない歓迎じゃった」

「懸念しているんじゃろうが、儂は何もやっとらんよ。全ては彼らがやった事じゃ」

 

そう、今回ダンブルドアに吸魂鬼をけしかけたのはゼノではない。基本的に吸魂鬼は自らが嫌う存在を共有する。

ヘルミオネが嫌いなダンブルドアが皆の嫌悪対象となり、襲われただけなのだ。理由を聞かされても納得も理解も出来ないだろうが、ヘルミオネに嫌われていることを悔いた方がいいかもしれない。

ヘルミオネは何故か吸魂鬼に好かれやすい体質な上、確かにヘルミオネが嫌っていることを話していることは事実だが、吸魂鬼全員はもちろん、ゼノ自身もダンブルドアを嫌っていることもまた事実だ。他の吸魂鬼がダンブルドアを嫌う理由は、ここに来る用事が全て餌がここにいる期間を短くすることのみ。

 

「そして聞くがな。なぁダンブルドア、いつ貴様に()の名を呼ぶ権利を与えた?」

「これは済まぬ。老いると記憶力が無くなっていくのはどうやら本当らしいの」

「……」

 

ゼノが彼を嫌う理由は、愛する孫が彼を嫌うだけではなく、その在り方が気に食わないのだ。予言を信じ、自らが思うようにことが運ぶと本気で信じている。

その上誰にもそれを打ち明けず、ただ味方を作ろうとしているものばかり。正直に言って吐き気が止まらない。

 

「……ソリダスは勿論だが、(おれ)の前で閉心術を使うとはいい度胸だな。貴様の過去を欠片も残さずこの空間に映し出してもいいのだぞ?」

「……やめとくれ、そなた等がここを出てはどうにも出来なくなる」

「何故貴様が懇願する?(おれ)が契約を結ぶはイギリスを初めとしたヨーロッパ諸国だ。そこに貴様の署名などなかろうに図々しくも願うか?」

 

レィルから「一番相手の心に入り込めるから」と言ってゼノに貸し出したソリダスはダンブルドアの奥まで見てからずっと興味のない顔をしている。だがこれが主のためになるならば、と一先ずはゼノの肩に留まっている。

 

「まぁ、儂らにとって魔法界の未来などどうでもいいがの。ところで、何故こんな辺境の地まで来たんじゃ?まさかまた減罪交渉に来たのではあるまいて」

「……」

「沈黙は肯定と受け取るぞ?いつも儂らの餌や仕事を取りおってからに。貴様の生気など泥水の方がまだ美味しく感じるのでな、磔10分か、記憶を貰うか好きな方を選べ」

「……はり、くぅっ!?」

 

杖など不要と言わんばかりにゼノはダンブルドアに磔の呪文をかけた。ここにいる全員がダンブルドアにもつかず闇の勢力も興味が無い中立派のため、この処罰に誰も不満はない。世界最高の魔法使いだろうがなんだろうが罪を犯せば裁くのがこの場所だ。

きっちり十分間、磔の呪文を受けたダンブルドアはそのまま帰って行った。

 

「いつも本当にごめんなさいディマイントさん、今回はありがとうございます」

「うむ、感謝の言葉こそ儂の最大の癒しよ。してアメリア、禁固十五年じゃったか、儂の目論見より三年早く釈放するその意を教えてはくれんか?」

 

ゼノは振り返りながら、頭を下げる魔法法執行部部長であるアメリア・スーザン・ボーンズに問うた。アメリアは頭を上げて、しっかりとした態度で答えた。

 

「はい。確かに私も十八年でもいいと思いましたが、暴行に関しては未遂なので。もし暴行を行えば十八、いえ、十九年にしていたでしょう」

「うむ、公正な判断感謝するぞ。儂がやれば二十年と言わずに永久投獄するかもしれんのでな。ついでにあの老害をコキュートスに落とすか」

「私もそうしたいところですが、世間が許しはしないでしょう。せめてコキュートス三年がいいところかと」

「じゃろうな。では儂は愛しき孫と孫に等しき少年へ報告に行ってくる。あとは任せたぞ」

「お任せ下さい」

 

 

 

 

 

 




知人はいる。けど友人はいらないantiqueです。恋人?サァナンノハナシデスカネー()

ドラコ強化フラグ。ハーミーにもフラグが立ってます。
逆にロンとハリーは弱体化フラグかな?タグはりたいけどこれ以上は無理なんだよなぁ……

そしてハーミー、保身に走る。まぁこの辺はフィーとかに常識叩き込まれたんで倫理観はそんじょそこらのグリフィンドールよりもあります。

オリキャラ、フロー・ベアリングとメーラン・エルリック。名前の付け方は勘ですね。
役職名長すぎんだよ。魔法省魔法生物規制管理部ドラゴンの研究及び制御室って。

そして、ゼノ・ディマイント。フルネームはゼノ・ジーヴァ・ディマイントですが、本名は違います。
愛しい孫とその想い人の為ならば世界だって滅ぼせるお方。お辞儀やダンブルドアは逆立ちしても勝てません。
自然の体現者、というのはまた後々。

で、ハグリッドの投獄。これは初めから決めていました。
ノーベルタの刷り込み云々はオリジナルです。可愛らしい姿しながら擦り寄ってする小さいドラゴンってなんか、萌えません?()
ハリーはもっと噛みつかせようとしましたが、ミオに現実的なことを言われたのであの辺でやめました。

で、ダンブルドアいじめ。いかがで(正直すまんかった。
ゼノさんの声は関智一さんをイメージしていただければ。だって我と書いてオレと読むなんてまんまAUO。
ゼノは自分の名前を呼んでいいと許した者だけ呼べます。ダンブルドアやお辞儀は絶対許しません。

では、次の話でお会いしましょう、サラダバー





▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。