【再構成のため停止】レィル・クローターと魔法生物 作:antique
そして数分後、ボロボロになり既にターバンを外しているクィレルが転がり込んできた。息は絶え絶え、どこか遠くを睨みつけるが覇気もない。
急に痙攣したクィレルはゆっくりと立ち上がると後ろを向いた。
「まさかこの俺様がここまで苦しめられるとはな。それにこの体ももう限界だ。捨てるのが一番いいだろう」
そう吐き捨てたクィレルのもう一つの顔は次第に黒い靄に包まれてその形をなくし、宙に同じ蛇顔を形成した。
レィルはメッサーにトランクに戻ってもらった。
「気分はどうです?ヴォルデモート卿?」
「最悪の一言に尽きるな。こんな体では杖も持てん」
「でしょうね。それに賢者の石は鏡の中、その上あのご老体も丁度到着したようです」
「口惜しいが、負けを認めるしかあるまい。ダンブルドアにではなく、貴様にだがな」
レィルは目を合わせられると同時にほんの少しだけ恐怖した。だがホグワーツに来る前に味わった恐怖の方がこれの何倍も恐ろしかった。
「貴様、名をなんという。名乗らせるにはまず自分からとは言うが、俺様の名はもう知っているだろう?」
「当然ながら存じ上げておりますよヴォルデモート卿。では名乗らせていただきましょう、レィル・クローターと申します」
「ふむ、いい名だな。レィル、次はしっかりと体を取り戻した時に話し合おうか」
ヴォルデモートはそれだけ言って壁をすり抜けてどこかへ行ってしまった。ダンブルドアからは賢者の石の防衛のみを命じられていたので捕えなくてもいいかと開き直った。
あとはトランクからクロエを呼んで自室に戻った。集中が切れて倒れるように眠った。
当然、睡眠中にヘルミオネに生気を吸われた。
レィルがクロエによって自室へ運ばれた数秒後、ハリーとロナルドが部屋に現れた。そこにあるのはボロボロのクィレルだけであり、何が何だか分からなくなってしまった。
結局後から来たダンブルドアによってクィレルは回収された。二人は胸のもやもやが晴れないまま自寮へと帰った。
防衛から数日明けた。
レィルは手紙で事の本末をダンブルドアに伝えた。口頭の方がいいとは思ったが、その場にいなかった上に自分にも手紙でその場にいろ、と伝えたのだから意趣返しである。
クィレルが行方不明、ということで様々な推測がホグワーツを飛び交ったが、勘のいい物は大体察していた。
ダンブルドアからはクィレルは闇の帝王からの使者であり賢者の石を狙っていたが守りによって死亡したことを告げた。その際に優秀な者の手を借りたと名こそ明かさずともレィルであることは一目瞭然だった。
そのレィルはというと、賢者の石を使ってあるものを作っていた。賢者の石の制作法や理論なんかは以前にニコラス・フラメルの所に遊びに行った時に教えて貰っていたので使い方はバッチリだった。
凡そ二年近くかけて作られるこれは、もちろんヘルミオネの手を借りながら制作される。それを夫婦の共同作業と囃し立てるものもいたが、そんなものに目もくれずにほとんど自室に篭っていた。
そして、学年末パーティー。
大広間は青と銅に飾り付けられ、レイブンクローのシンボルである鷲が描かれた横断幕が目立っていた。スリザリンの七年連続寮杯獲得が阻止されたのだ。
今年はレィル、ヘルミオネ、アリシア、メズール、フィリップ、ハーマイオニーなどの秀才によって触発されかなりの得点が稼がれたが、やはりトップ三人組が全てレイブンクローにいるというのが決定打となった。身内贔屓がすぎるとされたスネイプから点を多く取ったのも大きい。
「また、1年が過ぎた」
ダンブルドアは演説台の上に乗って話を始めた。
「宴を始める前に、寮杯の点数の発表といこうかの。四位、グリフィンドール485点。三位、ハッフルパフ521点。二位、スリザリン669点。一位、レイブンクロー……753点」
レイブンクローの点数が告げられると同時にレイブンクローの席から爆発するかのように一瞬にして歓声が上げられた。レィルは普通に小さく拍手をする。
ハッフルパフもグリフィンドールもスリザリンの連勝記録が止まったために惜しみない拍手を送った。スリザリンも悔しいは悔しいが、それでも皆頑張ったと自分たちに拍手をした。
パーティーが始まり、生徒達は思うようにものをかき集めて食べていた。ウィーズリーツインズは食べ物で普通に遊んでいた。
レィルもこの時間はトランクの住人達の睡眠時間なので心ゆくままに料理を楽しんでいた。するとヘルミオネとフィリップと共に監督生であるユーリに呼ばれた。
「まずは、感謝を。最後の年に寮杯を獲得出来て嬉しいよ」
「いえ、これは皆の努力の賜物です。僕らだけが感謝を受け取る訳には」
「確かにそうだ。けれど切っ掛けを与えてくれたのは君達だ。君達がこの寮に入ってくれなければ、きっとスリザリンの手に渡っていただろうからね」
ユーリはレィルのゆっくり食事をしたい、という思いをくんでくれたのか、周りには人があまりいなかった。胴上げをしたかったらしいが、監督生権限で止めたらしい。
ユーリはどこか語るように、諭すようにレィル達を見た。勉強一筋なレイブンクローとは思えない、ハッフルパフと言われても遜色のない柔らかい笑顔だった。
「次は君たちは後輩であり、先輩だ。導く者もいることを忘れないでくれ。君達の明日に、導きの青い星が輝かんことを」
導きの青い星とは、ユーリの故郷にある謳い文句らしい。ユーリはレィル達を1人ずつしっかりと抱きしめた。
フィリップ、ヘルミオネ、レィルの順で抱きしめ、最後は全員を一思いに抱いた。だが上級生だとしても、体格的に全員の背中に手を回すことは出来なかった。
「今後とも、このレイブンクローをよろしく頼む」
「「「はい」」」
「うん、いい返事だ。来てくれてありがとう。あとは友人達と自由に食べてくれ」
その後、パーティーはつつがなく幕を閉じた。レイブンクローの談話室で寮内パーティーを開き、最後にユーリを胴上げして終わった。
レィルもヘルミオネも寮杯パーティーに参加した。逆に他の人から参加してくれという声が多すぎたのだ。
最終日。キングス・クロス駅に向かうホグワーツ特急に乗り込もうとした時、レィルの元にフクロウが飛んできた。
「このコノハミミズク、母さんのだ」
レィルの母親を知らない人々はどんな文章を書くのかが気になり群がった。しかし速攻で四人用コンパートメントに逃げ込んだために中身を見れるのはレィル、アリシア、メズール、フィリップだけである。ヘルミオネは既にトランクの中に入っている。
アリシア達はワクワクしながら、レィルは中身の予想をつけ呆れながら手紙を開けた。開けられた瞬間、こんな文面から始まる手紙があっていいのか、とアリシア達は硬直した。
「やあ (´・ω・`)
ようこそ、バーボンハウスへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、この文面を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、この手紙を送ったんだ。
じゃあ、本文を述べようか。
クリードとコインヘンを追って数年、魚の鱗を大海で探すような感覚に陥っている。だがピースはある。大事なのは額縁だ。
まともに母らしいことも何も出来ていないが、今年もだ。またゼノのところでお世話になってくれ。
もちろん紹介状は既に送っているが届くのは今日だ。だからほぼほぼアポ無しと言っていい
こんな馬鹿な親でも、君を愛している。
ステファニー・クローターより」
レィルは全てを読み終わると同時に丸めて宙に放り投げて完全粉々呪文で手紙を粉砕した。これはレィルがいつもやっている事だ。
「……お茶目、なのかしら?」
「いや、お茶目でクリードとコインヘンを探せるか」
「なんか、レィルが
さもありなん。同時にレィルに結構同情してしまう三人であった。
レィルは杖をしまい、ため息を吐いた。手元には手紙を開いた時に突然出てきたテキーラがある。
当然ながらレィルは未成年であり、イギリスの飲酒可能年齢は18。飲めるはずがない。
ゼノへの手土産と思えばまだマシだが、こんな手紙は何回も続いている。その度にバーボンが送られてくるのだからいい加減飽きてくる。
(組み分け、防衛、初授業……詰め込まれすぎた一年だなぁ)
レィルはこの一年を回想する。アリシア達は既に疲れたのか眠っている。
「来年は、どんな年になるかな」
ドーモ、ドクシャ=サン。antiqueデス。アイエエエ……
これ本来二話構成だったんですがあまりにも短かったんで一話に繋げました。
新聞の記事をもう少し詳しく書けば文字数稼げたかもしれませんが、そんなこと私には出来ませんので……。仮に作ったとしてもリータもビックリなへんな記事しかできません。
試験のおかげで勉強会は大盛況、試験が終わったあとは普通のサイズに戻してます。流石にあのサイズを常時展開するのはレィルの体力が切れます。
テストですが、満点超えはハーミーより上、ダフネも満点を取っています。ドラコは頑張りました()。
防衛戦後日談。つまらんと思った人は即刻回れ右。
ミオはレィルを殺されるかもしれないという不安感でいつもより多めに生気を吸い取りました。結婚しろよ。
ハリーとロンですが、ダンブルドアがゴブレットに仕掛けた年齢線と同じような方法でみぞの鏡がある部屋までワープさせました。ダンブルドアって危機管理がなってないってすごく思う。
点数はご覧のようになっています。もう少しスリザリンが多くてもよかったかなとは思いましたが、この辺りで妥協しました。
組み分けで出てきたユーリ・フェニコバス再登場!もしかしたらもう一度出演のチャンスがあるやも…
彼の生まれ故郷は、うん。まぁ言わなくていいか。導きの青い星が輝かんことを。
そして母親、名前だけ登場ステファニー・クローター。自由人すぎる神秘部所属です。
絡んでくるのは三章からです。お楽しみに。
まずは第一章が終了しました。授業終りや真夜中、朝に書いていたので深夜テンションで書いていたので語彙力もお察しな出来になってしまいました。本当にごめんなさい。
学生の身なのでなかなか時間が取れず、それでも何とか更新ペースは保つつもりです。感想も出来るだけ返させていただきます。
では、次の話で会いましょう、サラダバー。