【再構成のため停止】レィル・クローターと魔法生物   作:antique

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聖二十八一族

 

 

 

 

 

手紙をもらったきっちり一週間後の週末。そう、聖二十八一族との懇親会である。

一応手紙に住所を同封いるので間違えることはない、と思われる。とはいえ場所がマグル側なので純血主義には堪えるかもしれない、というのがレィルの懸念材料だった。

もう一通、手紙が送り返されてきたのだが、場所が場所であるので普通に迎えに行くらしい。しかし、レィルは馬鹿親から聞かされていることがある。

 

「まー、これはマグルにもおける認識なんだけどさ。一般人と貴族みたいな所謂カーストみたいなもんだけど、差がありすぎた場合、自分の常識が相手に伝わるとは思わないほうがいいよ。まえに神秘部に来た新人さん、それなりの貴族だったらしいんだけど、甘やかされてたらしくて、暴虐的な感じでソッコーで解雇だったよ」

 

と、あっけらかんと語る彼女の片手にはやはりバーボンがあった。ともあれそんな話を聞いていたお陰でどうくるのかが分からないのだ。

とはいっても学校でのアリシアは割りと普通だった。そこまでぶっとんだ行動はしなかった。

そこに望みをかけるばかりである。

一応公式に新聞社も来るらしいので二人は着飾っているが、この年でドレスローブを着ることになるとは思わなかったレィルは急遽普通より物価が高いモナコでドレスローブを買うはめになってしまった。ヘルミオネの方は手紙に「こちらで用意する」とあったのでいつも通りのホグワーツのローブに身を包んでいる。

 

そうしたまま十数分後。遂に別荘の呼び鈴が鳴らされた。表面上は冷静を取り繕い玄関に向かう。

 

「どちら様ですか?」

「僕だ。ドラコだ」

「ドラコ?」

 

扉を開いてみれば、そこには見慣れた銀髪の少年が立っていた。言うまでもなくドラコ・マルフォイである。

 

「迎えは君だったのか」

「知らない人が来れば警戒するだろう?君は。そんなことを見越して僕らがいってくれとアリシア様が頭をお下げなさったのだ。会場の人はこれを知れば大騒ぎだろうな」

「まぁ、一令嬢がこんな一般人に頭を下げたと知れば……僕ら?」

 

今見えているのはドラコ一人のはずなのに、なぜか複数形である「僕ら」といった。疑問に思っていると、ドラコが体を半身にした。

奥に見えたのは、白銀、というよりもメタルホワイトカラーの髪の男性。またそばにたっているのはブロンド髪の貴婦人。

 

「父上と母上だ。話は皆のまえで、と心待にしている。できれば早く来て欲しい、だとさ」

「わかった。準備はできてるから、行こう」

 

いつの間にか─いることは気づいていたが─そばに来ていたヘルミオネの手を繋ぎながら、ドアの鍵を閉めて階段を降りていく。

 

「君らが、レィル・クローター、そしてヘルミオネ・ディマイントだな。ドラコから話は聞いている。私はルシウス・マルフォイ、マルフォイ家現当主だ。隣は」

「ドラコの母のナルシッサです。以後、見知りおきを」

 

ルシウスは手袋を取って握手を求め、ナルシッサは帽子をとって綺麗に一礼した。レィルはルシウスと握手を交わした。

時間もないので、ということで付き添い姿くらましをすることになった。ヘルミオネも出来るが、正確な場所がわからないので今回は付き添う方になる。

レィルとドラコがルシウスに、ヘルミオネがナルシッサに手を繋ぎ、バチン、という音と共に視界が暗転した。

 

次に気が付いた時には、そこは豪邸の前だった。一応ヘルミオネも大きい家の娘であるが、この大きさの家はなかなか見ない。

おそらくここがパーティー会場、即ちアリシアの家なのだろう。流石聖二十八一族総督家とでも言えるのだろうか、かなり資金を保持しているらしい。

 

「さて、行こうか。奥でアリシア様がお待ちだからな」

「言葉遣いはどうすればいい?」

「......一応、はじめはしっかりしておいてくれ。お許しがあれば普段通りに戻しても大丈夫だろう」

 

案内するからついてきて来てくれ、とレィルを呼ぶ声に、レィルは素直に従った。そんな息子の様子を見て、ナルシッサは優雅の微笑んだ。

ヘルミオネはそれを見て首を傾げた。ナルシッサは「いえね」と一泊置き、訳を話した。

 

「知っての通り、マルフォイは聖二十八一族。それ相応の態度で人に接しなさい、とは言っていたのだけれど、そこにティファール様がご入学なさって。誰が護衛を務めるか、っていう話になったの」

「自分の首を絞めるように立候補してな。見ての通りティファール様一筋だろう?友人ができるか不安だったのだ」

 

なるほど、とヘルミオネは納得する。学校でのトロール侵入事件でも真っ先にアリシアが自分たちの部屋にいることに反応していた。

アリシアに対し盲目的ともいえる彼が友人を作る可能性を切るのは、ある種当たり前だったろう。

なんだかんだ言いつつ、やはりドラコも人の子で、二人も彼の親なのだ。自分の子の行く末が気になるのだろう。

 

「帰ってきて、あなたたちの話が出てきたときは素直にうれしかったわ」

「この際血の話は置いておく。君たちには、ドラコの良き友人になってほしくてな」

「大丈夫」

 

息子の友人関係を危惧した二人に、ヘルミオネは即答する。自分の愛する人が、少なからず懇意にしている人を見放すことはない。

それが言外に言ったことがルシウスに伝わったのか、彼はうなずいて、ヘルミオネを会場へと連れて行った。

 

先にドラコに連れていかれたレィルは、聖二十八一族の時代投手が集まる部屋へと招待されていた。そこには学校で見たスリザリン生をはじめ、十五人の子供がいた。

ドラコ曰く、ほかの十五の一族たちは連絡がつかない、子供がいない、子供が参加拒否したなどの理由で、ここにいるのは親の命令できている者か、次代を継ぐ意思がある者、強制参加ではないけれど聖二十八一族である者の集まりだ。

 

「あら、レィル。来たの?」

 

レィルが呼ばれたほうを見てみれば、チープメイクをしドレスに身を包んだダフネがグラスを持っていた。ドラコの分として持っていたのか、グラスは両手に収めれられている。

 

「ドラコ用に持っていたのだけれど、あなたに渡すわ。いいわよね?」

「…まあ、いいだろう。僕は自分のを取りに行ってくる」

 

ドラコはどこか納得いかないながら、酔狂といえるほど慕う人が直々に呼んだ人がグラスの一つも持っていないのは流石にいただけないだろう、と理解してグラスを取りに来た。ドラコがいなくなった瞬間に背中をたたかれた。

 

「よう!秀才様!」

「何でここにいるんだ?」

 

背中をたたいたのはいわゆるフレッジョだった。片側がフレッド・ウィーズリー、もう片方がジョージ。ウィーズリーだ。

確かに彼らは聖二十八一族であるウィーズリーの者だが、彼らには兄がいたはずだ。そちらが出席するべきだはないのだろうか、と疑問を持ったレィルだったが、次期当主として定められている家の兄弟姉妹は任意で参加が可能であることを思い出した。

 

「彼とヘルミオネはアリシア様から直々のご招待を受けられています。一番の来賓にあまりちょっかいをかけないでいただきたいのですが、ウィーズリー・ツインズ」

「ほー、それはそれは」

 

外用の言動で適当にあしらおうとしたしたダフネだったが、逆効果だったらしく、二人の興味の対象となってしまった。二人はダフネの前から一瞬でレィルの両端に移動した。

 

「聞かせてくれよ秀才様」

「お前さんあのお嬢様とどんな関係なわけ?」

「ちなみに俺がフレッドで」

「僕がジョージな」

 

これが阿吽の呼吸とも言うべきか、互いの言葉の切れ目がわかっているかのように二人はレィルに対し問うた。それに少し驚きながら、レィルはしっかりと答えた。

 

「別にそれといった関係は何も。気の合う学友、というのが一番しっくりきますが」

「本当にそれだけか?」

「お前さんとディマイントのご令嬢との仲を疑うつもりはないが、薬指を絡め合う関係だったりしない?」

 

それでもなお門答を繰り返そうとする二人組にダフネが嫌気が刺してきた頃、妙に周りが静かなことに気づいた。気になって見回してみると、一組の少年少女がレィルの方へと近づいているのを確認した。

いうまでもなく、自分のグラスを取りに行ったドラコと、パーティーの主催者であるアリシア、そしてアリシア側で用意されたであろうドレスに身を包んでいるヘルミオネである。

 

「こんにちわ、レィル。ダフネも今日は会うのは初めてよね」

「はい、アリシア様。本日もお美しい限りで」

「お世辞なんて要らないわ。いつも通りでいいのよ。なんだったら昔みたいに『アリスちゃん』でもいいのよ?」

「私のようなものまで平等に扱ってくださることに感謝いたします。ですが今、あなた様は聖二十八一族総督家当主(・・)の身。ご自分の立場をご理解ください」

「もう……固くならなくていいのに。ごめんなさい、レィル。公の場ではいつもこうなの」

「いえ、構いませんよ、お嬢様」

「…ミオ、どうしようかしら。レィルが他人行儀なの」

「大丈夫。いつもより多目に吸う(・・)から」

「…ごめんって」

 

いつのまに渾名で呼ぶような仲に進展したのか、少しふざけただけなのに、と少しだけ後悔したレィルは改めてヘルミオネを見た。ウエディングドレスのごとく純白のドレスを着て、自らの象徴とも言えるローブもドレスに合うように白く、差し色代わりの浅葱色のショールを腰に巻いて、以前レィルからプレゼントしたバレッタで長い髪を留めている。

チープメイクでありながらきれいなそれは、まるでオーダーメイドの人形のようで。故にレィルがアリシアの微笑ましい物を見るような目線に気がつかないのも仕方がなかった。

 

「……レィル、どう?」

「──あ、えっと、うん。綺麗だよ。傷つけたくないほどに」

「……あり、がと」

 

レィルのど直球な褒め言葉に、ヘルミオネは顔を俯かせた。無論、それが照れ隠しであることは誰の目にも明らかだった。

 

「さて、頃合いだし、本会場へいきましょうか」

 

ブラックコーヒー上等な空間を作り上げそうな雰囲気を壊してくれたのはアリシアだった。レィルは頷き、ヘルミオネもワンテンポ遅れて首肯した。

 

場所を移動し、大人も入る本会場に入った子供達はすぐさま当主のところへと向かった。だが、レィルとヘルミオネだけはアリシアのそばにいた。

主催者であるアリシアはカンペも読まずにつらつらと言葉を並べ、三分ほど語った後にレィル達と乾杯した。乾杯したあとは参加者が挨拶に来ていた。

そばでその様子を見ていたレィルだが、アリシアのその総督としての雰囲気を保ったまま、挨拶に来た参加者に述べる挨拶が何一つとして同じものがないことに驚愕した。おそらく、自分ではこういうこともできないだろうことも。

十数人挨拶に来て、気づけばウィーズリー夫妻と長男のビル、ツインズに赤毛の少女も来ていた。夫妻はアリシアの方にいっていたが、子供達は全員レィルの方に来ていた。

 

「ビル、こいつが」

「こいつこそが!」

「我らグリフィンドールの憎き好敵手スリザリンから」

「寮杯をかっさらっていったレイブンクローの若き天才!」

「「クローター夫妻さ!!」」

「結婚してないんですがそれは」

 

ノリノリでレィル達をあろうことか「夫妻」として紹介しやがったツインズにレィルは条件反射で突っ込んだ。レィルの妻と呼ばれたヘルミオネは耳を少しだけ染めて俯いた。

 

「あまり彼らを弄るんじゃないよ二人とも。一応初めましてだね、ウィーズリー家の長男、ビル・ウィーズリーだ。で、こっちが──」

「末っ子のジネブラ・ウィーズリーです。あの……」

 

ビルとジネブラと握手したのもつかの間、マイナーではあるが有名人なレィルを前にして一つ質問があるようで。しかしやはりツインズが邪魔をする。

 

「うちらの末っ子はレイブンクローの秀才様に興味があるようで」

「ああお前さんは違うぞレィル。黒髪黒目の方だよ」

「…フィリップのこと?」

 

ジネブラはそれがお目当てなのか、ぱぁっと顔を明るくさせる。ヘルミオネは女性体であることからジネブラのその表情に納得する。

 

「ウィーズリーは元来グリフィンドール…頑張って。ジネブラ」

「あ、はい!私のことはジニーとお呼びください!」

 

どうやらわかり会える者(恋心を持つ女の子)同士の友情があるのか、ヘルミオネとジネブラは先ほどレィルたちがやっていたような事務的なものではなく好意的な握手をしていた。それを身ながらお兄ちゃん達(ビルら三人)はうんうんと頷いていた。

そんなことを話している隙に当主の方も世間話が終わったのかウィーズリー家はもとの場に戻っていった。それと入れ替わるようにダフネが来た。

 

「楽しめてない?」

「ボチボチ、かな」

「ひと、多い」

「それは予想より、って話ならアリシアさまの人徳のお陰ね」

 

ダフネはそういいながら両親が話し相手になっているアリシアを見た。その瞳はどこか悲しみと喜び、とかくそういった複雑な心境が映されていた。

 

「ティファール家前当主、オーロック・ティファール様は元々病弱で、次へと託せないかもって言われてて。奥さまのラズーリ様はアリシア様を産んだ一週間後にお亡くなりになって…その時はオーロック様もなにも出来ないからって近所のメズールのところに預けて……」

「で、ダフネが側近に選ばれて、フィリップが来たのか」

「大まかにはね」

 

少し、想像してみる。自分も父親がいない身だが、甘えの象徴とも言える母親がおらず、そのうえ父親が使い物にならないとなれば。

恐らく、自分では耐えられるものではない。レィルは自覚しているが、そこまでメンタルが強い訳ではない。

それが壊れずに済んだのはゼノやステファニー、そして何より(・・・)ヘルミオネという存在がいたからであって、そういった類いもしも(IF)は……とても耐えられそうではない、とレィルは思う。

 

「けど、アリシア様は自分の前で無理をしてまで仮面をかぶり続けているオーロック(父親)様を見ていたお陰で、仮面の被りかたを熟知していた。してしまっていた。だから、少なくも私はアリシア様が弱音をはいたところを見た記憶がない」

 

年数にして、実に十二年間。ハリー・ポッター(生き残った男の子)がのんびりと暮らしている間、彼女はずっと自分をひた隠しにしていた。

それは、とても一人の子供にできるようなことではなく。そうなれば、いつか内側から壊れていくのは必然で。

 

「私では、癒せなかった。アリシア様の傷を。ドラコも、メズールも、フィリップでさえ」

 

だからこそ、ダフネは願う。いつかあの人が、あの人の傷が癒えたならば、と。

 

 

「だから、あの人のそばに居続けるの」

 

・・・・・

 

懇親会も終わり、レィル達は一度アリシアの部屋にいた。所謂お嬢様らしい部屋を体現した部屋で、ベッドも大きく、椅子とテーブルまでおいてあった。

 

「御免なさいね、今日は突然。こんなことに呼んじゃって」

「いや、割りと楽しめたから大丈夫だよ」

「よそ者を弾き出さないのは、少し驚いたけど」

 

そう。レィル達はパーティーの参加者達から何も言われなかったのだ。妬みが混じるような目線もなく、寧ろ感謝の意すら込めていたのだ。

 

「それ、割と答え簡単よ?キーワードは、『ハグリッド』」

 

グラスにある度数の低いお酒──当主という立場上、特定条件下で酒を飲まなくてはならなくなる故に──を飲み干し苦笑いするアリシアにレィルもなるほど、と頷いた。要は彼らはレィル達に恩があるのである。

前年度のドラゴン騒動で、事件の立役者は魔法省ではなくレィルであるとマスコミが上げたため、必然的にそれが彼らの目に留まり、恩を感じているのだ。今回のパーティーでも初めましてと自己紹介の後には感謝の言葉が述べられていた。

 

「それに、言ってしまえばアレだけどミオの血筋も関係してるの」

「まぁ、相手がディマイントだからな」

 

ディマイント家を敵に回すとは、自分の家を絶命させる事と同義である、とは過去の規律を何よりも重んじる魔法界であるからこそ暗黙の了解となっている。なによりホグワーツ創始者達にが残した文献に書かれているのだから、信憑性はまず間違いないだろう。

アリシアは「それに」と付け加え、綺麗にウィンクをしながら、

 

「貴方達は、私が守るわ。今は余計なお節介でも、直ぐに隣に立ってみせる」

 

と言った。不覚にも、レィルもミオも見とれてしまった。

 

その後、十数分の談笑を終え、レィル達は帰って行った。

次会うときはホグワーツ。傍に居られるように、と更なる努力をすることをアリシアは決意し、夜は更けていく。

 

 

 




新学年と眠気とモンスターのantiqueです。現実で任意コードを実行したい。

オリジナル回は多分この章ではこんだけ。次から本編に戻るよー。

シシーの口調覚えてないから捏造ー。原作ブレイカーと読んでくれたまへ。
お父さんもあの雰囲気と死喰い人であることを除けばいいお父さんのはずなのにね。救済するかどうかは私の指次第。

一番書きやすいフレッジョ登場。やっぱいいわこの2人。
自分がリアルでふざけるノリで書いてればこの二人が出るからいやー、楽々。因みに二番目に描きやすいのはダフネとフィーとメズールの絡み。

とりあえずまぁ、二人は甘味を作る空間を作っている、として。

済まないハリー×ジニー派よ。私は修羅の道を行く。
ということでジニー登場。彼女はフィーに靡きました。
艦これの時雨とか当てはめてくれ。皆の想像するジニーじゃないからこの子。
ビルも後で出てくるけど……といっても、出てくるところは普通にわかるか。

割と思いアリスの過去話。メンタルよく出来てるよこの子()
オーロックもラズーリも今後出ません。この話限りです。さて、この後どうからませて行こうかなぁ……

では、サラダバー




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