【再構成のため停止】レィル・クローターと魔法生物   作:antique

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これは酷い

 

 

始業式が終わり、これから初めての授業になる。なるの……だが。

それよりも先に、組み分けの結果だけを伝えるとなると……ジネブラは血が争えず、もれなくグリフィンドールへと向かってしまった。その様子たるや、まさしく亡霊とも言え、あたり一帯がお通夜ムードとなるほどに落ち込んでいてツインズが珍しく兄らしく慰めていた。

とはいえども別に会えない訳では無い。大体は部屋にこもりっきりというフィリップでも日光浴も散歩もするし、暇があればレィルの部屋に行く。更には今年も勉強会を開催する予定なので、会う機会がゼロでは無いことをツインズがジネブラに伝えると、目を輝かせて喜んでいた。

 

朝食を取ろうとレィルとヘルミオネが大広間へと行くと、何やらちょうどフクロウが手紙やら何やらを届けに来るタイミングだったのか、窓から一斉にフクロウがやってきた。レィルは以前も見た事があるが、やはりこの光景はいつ見ても壮観だ。

 

「おはようレィル」

「おはようフィリップ」

「どっちの親も薄情なもんだな。君の方は放任主義で、こっちは自由主義ときた」

 

挨拶を交わしつつ、新学年初とも言える皮肉を言ったフィリップの手元にはひとつの手紙。その内容は……まぁ、少しばかりあどけない文字ということは弟妹なのだろうが、内容が本当にはっちゃけているので、ここでは記さないこととする。

フィリップの隣にレィルが座り、その隣にヘルミオネが座ると共に、何やら一匹のフクロウがコーンスターチに顔面ダイブをかましたようで、グリフィンドールの机が散らかっていた。フクロウは赤い便箋をその場において、覚束無い飛行でどこかへ行ってしまった。

 

 

「……吠えメールか」

「どうするの?」

「無論、止めるさ」

 

そういったフィリップは杖を取り出した。どうならあちらもちょうど開けたところのようで、食欲不振になるほど馬鹿みたいに大きな声で吠え出した。

何偽りなし、だがどうならウィーズリーの母親は周りの影響を考えないようである。フィリップが無言呼び寄せ呪文で手紙を呼び寄せ、「目」でどこを潰せば静かに止まるかを見て粉々呪文で粉砕してしまった。

 

「今の時間にはいないだろうけど、本当にウィーズリーは周りを見ないのだな。食事を静かにする主義の人間だっているだろうに」

 

それだけ言って寮へと戻っていくフィリップに、皆から盛大な拍手が送られた。ロナルドはまたアイツか、と呪詛を送らんとフィリップを睨みつけていた。

 

約一名にとって最悪な始まり方をしたが、授業は別に滞りなく進んでいく。スネイプの助手になり、フリットウィックと共に魔法を教え、マクゴナガルとコツを教える。

と、考えてみれば割と教師側にたっているな、と思いつつ、闇の魔術に対する防衛術の教室に入る。クィレルがいた頃ニンニク臭かったようなものではなく、一応は清潔にしているようだ。

 

今年の闇の魔術に対する防衛術の教師は、クィレルが──言葉通りになるなら──殉職してしまったため変更、代役としてギルデロイ・ロックハートなる者が充てられた。

先に授業を受けたドラコ曰く──

 

「あぁ、酷いってもんじゃない。今すぐにでも辞めさせるべきだね」

 

また、同じく授業を受けたハーマイオニー曰く──

 

「一応ほかの女子たちがソワソワしてるからできる人なのかなって期待してたのだけれど……割と真面目にサボタージュを考えるわ」

 

と、辛口評価……といえば聞こえがいいが、単に言えば悪評しかないのである。一応世間からはなにやらチヤホヤされているらしいが、教師の才はないらしく、ビンズやあのクィレルの方がマシだと言う。

どんな間違いを起こせばそんなことになるのか、少しだけ気になったが、そんなに酷ければサボタージュでもしようかとレィルは考えた。といっても、別に酷いだろうことは教材の時点で察せていた。

ギルデロイ・ロックハート著作小説のオンパレードだったのだ。初めは彼のシンパかとレィルも思っていたが、まさか御本人だとはとても思わなかった。

一応、レィルも論文という体で文字をなぞったことはあるが、それにそこまで執着し、教え子までにも広めようとは思わない。せいぜい「そんなことも書いたな」ぐらいの認識である。

だというのに、彼は教材全てを自らの小説にしてしまったのだから、なんという自意識過剰か。一応女子生徒からの人気はあるものの、新任紹介の時の男子達の目は冷ややかだった。

普通な目をしているのはハーマイオニー(恋する乙女その1)ジネブラ(恋する乙女その2)アリシアやメズール、ダフネ(興味の欠けらも無い方々)そして、ヘルミオネ(レィルの奥様)ぐらいで、あとは既にそういう相手がいるぐらいの女子。恋は盲目と言うが、今回ばかりはその盲目さが一役買った言うのはある種の皮肉だろうかと考えてしまう。

因みにフィリップは──割といやいやに──小説を読んだ際、

 

「小説とは実際にあったことを書き写したノンフィクション、またはただの空想なフィクションの二極化を指す言葉だ。こんなあったようでないこと(・・・・・・・・・・)を書かれても響くわけがない。これで心を奪われているのはただ文字をなぞるしか脳がないヒトゲノムだろうさ」

 

と、辛辣的な評価を下していた。彼がこうも誰かの物語を卑下することは珍しく、一番評価していたのが人魚姫の原作版(・・・・・・・)であることからそも好みの問題であることが思われるが、正当な評価であることは誰の目にも明らかであるので、普通に見ればあれは駄作、ということだろう。

 

席につき、数分すると、教室の上の部屋のドアをわざとらしく大きな音を立てながらギルデロイが登場した。一部を除き、女子生徒は蠱毒にでもかかったように頬を赤らめた。

 

「私だ。ギルデロイ・ロックハート。勲三等マーリン勲章、闇の力に対する防衛術連盟名誉会員、『週刊魔女』五回連続『チャーミング・スマイル賞』受賞。」

 

下手な芝居を打つように……ではなく、割と道に入ったような感じでその後も嘘か本当かわかりづらい自己紹介をしていくギルデロイ。その後、殺意に目覚めたレイブンクロー生徒の目線から逃げるように、ひとつテストをすると言った。

が、その内容は──どこまでもナルシシズムを突き通しているようで、ギルデロイ・ロックハートの好きな色はなにか、といった自己愛性人格障害といっても、差し支えないほどの自分に対する質問ばかりであり、一貫として闇の魔術に対する防衛術には関係ない。優等生のハーマイオニーがサボタージュを考えるわけである。

とりあえずレィルもヘルミオネもフィリップもメズールも全員が白紙で出した。フィリップは裏技(地球の本棚)を使ってもよかったのだが、こんなつまらないことに本棚を使いたくはなかった。

何やらギルデロイはテストの結果にご不満のようだが、何故これで満点者が出ると思っているのかが不思議でならないレィル達であった。そんな四人を他所に、ギルデロイは鳥籠のようなものを布をかぶせた状態でどん、と置いた。

 

「気をつけなさい……魔法界で最も穢れたもの達との戦い方を教える……それが私の使命なのです!」

 

どこまでも三文芝居を続ける気なのか、彼をどうでもいいと思っている人間からは確実に演技だと見抜けるような言葉を綴りながら、勢いよく布を放った。中には青い体躯に大きな耳、そして額から生えたふたつの触覚が特徴の小人が大量に詰め込まれていた。

 

「こいつらは「レィルー!これなにー?」」

 

ギルデロイが説明しようとしていた時にパドマからの横槍が入った。レィルはひとつ頷いて、割と単純に説明した。

 

「コーンウォールのピクシー。性格は狡猾でいたずら好き。魔力反応のあるものを壊すことを生業にしているところが少しあるから、杖とかは折られないように守った方がいいかな」

「よっ!モンスターマスター!」

「補足しなくていいのか?大図書館!」

「それをもし僕のことを言っているのなら、別にこれといったことはないよ。強いていえば、硬直呪文でも唱えてやれば何が何だかわからなくなって固まるからその隙に集めてしまえばいい」

 

いつの間にそんなあだ名がついていたのか、と少しだけ驚くふたりだが、外面的にはいつも通りである。説明を取られたギルデロイは左目を痙攣させながら、それでも笑顔を絶やさず「ありがとう」と言った。

 

「では……今ので彼らのことを知った君たちの、お手並み拝見といこう!」

 

合図もなしに鳥籠を開けた結果、一応杖を構えていた生徒達もびっくりしてしまい、杖や教科書などを何人か奪われてしまった。フィリップとレィルは溜息をつきつつ、メズールは飴玉を舐めながら、ヘルミオネはレィルに寄り添うように立ち上がった。

 

「「「「イモビラス(動くな)」」」」

 

四人の杖が同時に光ると共に、硬直呪文を実に四回分くらったピクシーはその場で完全に止まってしまった。呼び寄せ呪文でピクシーに奪われた杖などを取り返し、ギルデロイの方へと向き直った。

 

「あー、っと……うん!素晴らしい!私ほどでないが、素晴らしい技量の持ち主たちだ!皆、ヒーロー達に拍手を!」

 

何とか、といった表情で馬鹿なことをしてくれた、という目線を逸らすために、不本意ながらという内心を抑えつつギルデロイはレィル達を称えた。一応それにならってか、生徒達もレィル達に感謝を述べた。

と、ここでヘルミオネがひとつの箱を取り出した。なんだなんだ、と野次馬根性なのか、ざわつく生徒を他所目に、ヘルミオネは箱を開けた。

 

「ふぅ……いかんのう、ロックハートとやら。確かに嘘と八百長と責任転換は人間の特権じゃが、それで悪事を働けば無問題で罪なのだと、教わらなかったのだな」

「なっ!?……誰です?貴方は」

 

箱から黒い煙を吐き出しながらローブを身にまとった老人が呆れながら出てきた。それに全員が驚きながら、真っ先に平静を取り戻したギルデロイが問うた。

しかし、彼の顔を知らずとも、名前だけを知っているだろう者は「こんなことが出来る人は限られる」ことを知っている。そこから、ヘルミオネやレィルと関連付けた時に誰かが呟いた。

 

「──ゼノ・ディマイント……」

 

世界の見張り役の登場に、教室内はざわついた。ゼノは何も言わず、レィル達以外に忘却呪文を無言で施し、速攻でギルデロイを回収。本来出来ないとされる姿晦ましをしてどこかへと消えた。

一瞬にしてレィル達4人以外に忘却呪文を施したにも関わらず、しっかりとギルデロイが来てからゼノとともにどこかへ行くまでが調整されて消えているあたり、ダンブルドア最強説を唱えているダンブルドアのシンパはこれを見れば自ずと彼が最強であることは認めざるを得ないだろう。いつまで経ってもギルデロイが来ないこと、レィル達が立っていることに疑問を持ちつつ、生徒達が再びざわめき始めた。

 

「あー……」

「対策、ないよ?」

「ディマイント嬢、箱を開けろとしか言われていなかったのか?」

「うん」

「……まずいねー。どうしようこの空気ー」

 

どうやらゼノはなんの対策も考えないままギルデロイを捕まえただけで、この微妙な空気までは予測できていなかったそうだ。その時バタン!と大きな音を立てながら一人の女性が飛び込んできた。

全員見覚えのない人であり、約一名だけ、怪訝な顔をしながら杖を取り出した。女性は杖を取り出すと、積み上げられていたギルデロイ著作の小説を浮かび上がらせ、あとかたもなく消した。

それにより女子生徒たちからはブーイングが起こるが、レィルが杖を振り失神呪文を飛ばすと女性は見向きもせずにそれを防護呪文で霧散させた。それによりレイブンクロー生は、彼女がいかに有能かを理解すると共に、なぜレィルが攻撃を仕掛けたのが分からなかった。

当のレイルはというと杖を女性に向けたままワナワナと震えていた。女性はパン、と手を打ち鳴らすと共に深呼吸し、笑顔でこんなことを抜かした。

 

「ゴメンなさい!ロックハートはちょっと来れなくてね。新任紹介の時にいなかったけど、私が補助で来てたんだ。準備に手間取っちゃって、あとホグワーツの中で迷ったからさぁ……だから時間ないけど自己紹介をば……」

 

女性は杖で空中に筆記体で文字を描き、くるっと反転させて生徒へと見えるようにする。だがそれはレィルにより爆散してしまい、見えなくなってしまった。

我慢の効かなくなったレィルは杖を下ろしたが、鬱憤とともにこう叫んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで……いるんだ!母さん(・・・)!」

 

「皆が知るだろうレィル・クローターの母親、ヘルミオネ・ディマイントのお義母さん──ステファニー・クローターです。よろしくね、みんな!」

 




ステファニー「待ちきれなくなってさ!ごめんネ!」

どーも、キャラを独りで歩かさせてしまった文才のない学生、antiqueです。やってしまったが後悔はない。

いや、弁明しませんよ、しませんけど。ロックハートどーやって捕まえっかなー、とか思いながら筆走らせてたらいつの間にかゼノに連行されてしまったんだ。何を言っているか(ry
どーすっかなーとか思いながら筆を進めたらいつの間にかステフが来たんですよ。いやマジで、その場のノリって凄いですね。

一応プロットは若干狂いましたけど、ストーリー的に支障はないのでこのまま通そうと思います。
因みにステフの容姿ですが、ノゲノラのステフとコロン、Fateのアイリスフィールを足して3で割ってください。性格はイリヤとクロエを足して2で割り、エッセンスにネロを加えてください。

では、次の話で会いましょう、サラダバー。
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