【再構成のため停止】レィル・クローターと魔法生物 作:antique
ギルデロイ・ロックハート、失墜
デジャヴのような気がするが、そんな見出しがデカデカと書かれた預言者新聞は、瞬く間にイギリス中に広まり、そして一部例外はいるものの、ありとあらゆる女性を恐怖のドン底へとたたき落とした。小説家にして勲三等マーリン勲章を授かるに値すると言われた魔法使い、ギルデロイ・ロックハートが魔法界史上最大の詐欺師であると多少尾
なお、吹聴した人物はゼノであるが、その全ての責任を「捕まえるためだけにホグワーツに就任させたダンブルドア」
もちろん預言者新聞はホグワーツにも来るので、女生徒がこのことを知らないわけはない。故に大広間はまさに阿鼻叫喚となっていた。想い人がいる女性生徒は多少同情し、男子生徒にとっては「まるで意味がわからんぞ」とも言える光景だった。
全員のヘイトを持っているダンブルドアだが、実は諸事情でいまホグワーツにいない。さすがにこんな状況で世間に身を晒すのは良くないと判断したのだろう。
よって、本来校長席となる場所は空席となっている。ダンブルドアに恨みを持つ者達からすれば不完全燃焼もいい所だろう。
ギルデロイがいなくなったことにより、闇の魔術に対する防衛術の教師がいなくなった訳だが、それに関しては一部の生徒しか知らないわけであり、その事についてマクゴナガルから連絡があるようで、今日の大広間には生徒全員がいた。悲しみに明け暮れるものが多すぎるが、何とか平静を保ったまま、マクゴナガルが正面にたった。
「皆さんご存知の通り、前闇の魔術に対する防衛術教諭のギルデロイ・ロックハートの功績は全て偽りのものでした。彼が執筆した物語の元となる人物の元に赴き、記憶を抜き取り、忘却術をかけていたようなのです。その執筆能力と忘却術だけは天才的でした。今は昨年ハグリッドが連行されたアズカバンの裁判所にいるはずです。ちなみに校長先生は諸事情によりホグワーツを開けています。少しすればまた帰ってきますから」
真実を再度突き付けられた故か、理想像を壊されてしまったためか、すすり泣く者、号泣する者、果ては気絶する者、と中々のカオスとなっていた。気絶者はマダム・ポンフリーによって運ばれて行った。
あたりを見回せば、レィルの部屋に入り浸るメンバーも友人の慰めに手一杯だった。アリシアとダフネは頭を撫でたり背中を摩ったり、メズールは抱きしめてあげたり、ハーマイオニーやジネブラも手を握ってあげたりと、対応に困っていた。
皆がみな恐慌となっている時に、裾口から一人の女性がでてきた。レィルはそれを確認するなり杖を持って魔法を放とうとするが、ヘルミオネに宥められて渋々杖を下ろした。
突然現れた女性に戸惑う生徒達が落ち着くのを待って、マクゴナガルは一度頷いてから、彼女を横に立たせ、言葉を発した。
「さて、当然のことですが、闇の魔術に対する防衛術の教師がいなくなったので補填しなければなりません。そこで私は個人的にも交友があり、尚且つ優秀な魔法使いということで、彼女を推薦しました。名を、ステファニー・クローター。皆が知る、ホグワーツでも十本指に入るほど優秀な生徒、レィル・クローターの実母に当たります」
レィルの母親と聞いて、再びざわついてしまい、今度は収集がギリギリつくかどうかと言うぐらいになってしまった。無理もないだろう、上級生ですら数人実力を認めているレィルの生みの親であるからには、彼女もまたトンデモ性能なのかと疑ってしまう。
マクゴナガルはその後の流れを全部投げ捨て、ステファニーの紹介にあてた。ステファニーは微笑みながら、教師席の前に立った。
「あー……レィル?レィルー!ちょっと出てきてー?」
いきなりのご指名にイラッときながら、渋々レィルは杖を持って大広間の通りに出た。ざわつきが収まらぬ中、ステファニーも杖を出しながらレィルの前に立つ。
「……形式は」
「
「時間は」
「50秒ほどでいいわ」
なんだなんだ、と騒がしくなっているが、今のステファニーの単語二つで理解できるのは数人だろう。マグルの知識に富んでいる者、あるいは……世界の全ての知識を持つ者。
ステファニーは
「今からちょっとしたデモンストレーションを行います。私がずっとここにいるかはわかりませんが、もし今の一年生を卒業まで見届けることになるのなら、君たちにはいずれここまで来てもらいます。こんなことが見れるのは少ないだろうから、目に焼き付けるように!」
喉から杖をどけたステファニーはレィルの方に向き合う。レィルも杖を握りしめ、そしてステファニーと同時に空へと飛んだ。
急な事だったので、全員が唖然としてしまった。いや、レィルが飛んだのは前年度で見た覚えがあるものはそこまでの衝撃はなかったのだが、問題はそちらではない。
ステファニーも空を飛翔していることと、そのあとを追うように付随する白い煙のような何か。
それに反応しているのは、教員席のスネイプただ一人であるが、今はそれに関して何も言うまい。本当に気にすべきことは、先ほどから繰り返される赤い閃光の応酬だ。
「結局、見つかったのか?母さん」
「ええ、お陰さまでね。今年が終わり次第回収しに行くわよ」
「どこにいるの?」
「伝承どおりの場所に」
そんな世間話もしつつ、しかしやることは互いに本気。ぐるぐると円を描きつつその場をずっと回りながら、合間合間に武装解除呪文を放ったり、それを上下に避けたり、防護呪文でさばいたり。
ことの結末は、どちらも杖を奪えずに引き分けという形になった。思わぬデモンストレーションと、箒が使えなくても空を飛べる魔法があることに夢を抱いた少年少女には大ウケのようで、生徒達からは盛大な拍手を送られていた。
地面に降り立ったレィルはそのままステファニーの方に見向きもせずに、ヘルミオネのもとへと向かった。ステファニーはそれを少しだけ物憂げに見ながら、しかし数秒後にはそんな表情を隠すように微笑みながら、広間の自分の席へと戻っていった。
翌日からはステファニーの授業が始まるのだが、これがとても大好評となった。わかりやすく、丁寧で、しかしユーモアもあり、目線は自分達と同じというとても心身になって教えてくれるとてもいい先生という評価をステファニーは生徒達からもらった。
先生からの評判も良く、特に用務員のフィルチから信頼を勝ち取ったことが功績だろう。流石モンスターマスターの母親というべきか、ミセスノリスとも仲良くなっている。
そんな一方で、やはり完璧に誰からもすかれる人間はいないのか、一部の生徒から反感を買っている。それはやはりいつも通りのスリザリン生複数名と、あいつの母親なのだからろくなこともないだろうと勝手な言いがかりをつけているロナルド、そして、一番以外とも言えるのが───
「ねぇレィル、ちょっと部屋行ってもいいかな」
「却下」
「……」
「ねぇレィル、お茶しない?いい茶葉が「要らない」……」
「レィル、少し話を「暇じゃない」……」
何を隠そう、実子であるはずのレィルだったのだ。これには多くの生徒が難色を示し、なんならセッティングしようかと心優しき生徒が協力をしようと躍起になるのだが「いいの」といって疲れたような笑みを浮かべながらステファニーは断るのだ。まあ、それもそのはずである。
彼女はレィルが生まれて、食料が母乳であるとき以外の全ての子育ての行程をディマイント家に任せていたのだ。アホらしくなるほどに、故に自分のことを放っておいたままどこかへと姿をくらましている母親に心身になれるか、と問われると、大体の人が首を傾げるだろう。
レィルが彼女を毛嫌いする理由はこれだけではないのだが、これ以上書き記していくと割と面倒なことになるので割愛する。
とはいえそのような家庭事情を持っているゆえに、レィルはステファニーをどうでもいいものとして扱うこととなっている。ハリーのような心温まるかもしれない何かを持っているならば、会えなかった分しっかりと甘えるのも吝かではないのだが、残念ながら彼女がレィルを放置した理由は「息子よりも未知」を取ったからであり、ならばとレィルは反面教師からわざと教わり、「
インガオーホー、結論的に、神秘部とかいう変人共の巣窟を現場にするだけあって、それは子育てにおいてもそうらしく、ここまで完全な放任主義も今日日見ないだろう。それを知った生徒達は、皆口を揃えて
「あんたが悪い」
と言うので、この件はステファニーの力だけで解決しなくてはいけなくなった。それでも彼女を応援しつつ手助けしないのは、親を嫌っているレィルへのささやかな謝罪と有り余るほどの同情があるのだろう。
そしてこれはバカバカしい噂だがが、とある男教師が女教師に呑みに付き合わされているらしい。その酒は決まってバーボンだそうだ。
「ねぇ先輩、なんでこんなにうちの息子は反抗的なんですかね?」
「私に聞くな」
「連れないこと言わないでくださいよ……同卒の
「知らん」
エターナルフォースブリザード、どうもantiqueです。相手は死ぬ。
こんかい四千文字前と短めになりました。バジリスクの弊害ってすごい。
ギルデロイの失墜によりデジャヴってますが、私は新聞記事が書けないものですから……。それでも見たいという人は、まぁ、物好きですね。
それに伴い全ヘイトを稼ぐことになったダンブルドアですが、ここまで虐められてるのもあんまり見ないですね。ここでは彼ら「原作英雄組」をガンガン精神的に壊してきます。
本格的にステファニーが参戦。マクゴナガルの言っていた「個人的な友好」とはもちろん神秘部絡みです。
デモンストレーションで実力を見せ、授業で心身になって教え込む。彼女も彼女で実力者ですので、生徒からの人気も出ました。
ただ、息子からは嫌われてる様子。まぁ、仕方ないよネ。
さて、最後の男教師ですが、まぁ、分かるでしょ?
では、次の話で会いましょう。サラダバー。