【再構成のため停止】レィル・クローターと魔法生物 作:antique
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着替えが終わった丁度にホグズミード駅に到着した。荷物はそのままにしていけとの事だったので、レィルはフォウだけを連れていき鍵掛け呪文を施してトランクを置いていった。
駅のホームには見たことも無い大男が立っていた。普通ならここでびっくりするだろうが、レィルは巨人と面識があったのでそこまで驚かなかった。フィリップも知識として巨人の大きさを知っているからかそこまでびっくりすることは無かった。
「あの男...魔力が全身を覆っている?ハーフなのか?」
「それは巨人との、っていう意味か?フィリップ」
「あぁ」
フィリップがそういうからにはそうなんだろうということでレィルはそれほど気にはしなかった。
誘導された後、4人乗りのボートに乗ることになったのでレィル、フィリップ、アリシア、メズールで乗った。
蔦のカーテンを潜り、暗いトンネルを奥まで行った先の船着き場に到着し、大きな扉の前まで連れていかれた。
扉を3回ノックし、扉が開くとエメラルド色のローブに身に包んだ老教師、ミネルバ・マクゴナガルが待っていた。
「マクゴナガル先生、
「ご苦労さまハグリッド。ここからは私が預かります」
マクゴナガルに誘導され、扉の中へと入っていく。
「ホグワーツへの入学、おめでとうございます。新入生の歓迎会がまもなく始まりますが、大広間の席に着く前に皆さんの寮を決めなくてはなりません。寮は全部で四つ。グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、そしてスリザリン。何れの寮も輝かしい歴史があり、そして偉大な魔法使いを輩出してきました」
移動しながらマクゴナガルは得点、減点の説明、寮杯の説明があったが、レィルやフィリップ、メズール、アリシアは聞き流していた。別にそんなものに興味なんて湧かないからである。
レィルは魔法生物の飼育時間、フィリップは調べ物の時間、メズールはお菓子を食べる時間、アリシアは皆と仲を深める時間が削られなければ減点されても良いと考えていた。
「組み分けは帽子をかぶるだけらしい。先輩に聞いた」
「先輩?誰だ?」
「セドリック・ディゴリーという人で、引っ越す前まで家が近かくてね。まぁ僕は恐らくレイブンクローに行くだろうから、ハッフルパフに行ったらよろしく伝えておいてくれ、メズール」
「りょー...え、待って。なんで私がハッフルパフって確定してるの?」
一瞬間延びがなくなったメズールに、誰もが納得していた。お前は確実にハッフルパフだ、と。
待っている間にゴーストが出てきてマグル出身者のいくつかは悲鳴をあげていたが、これくらいで悲鳴をあげるのはメンタルが弱過ぎないかとレィルは思った。ともかくそれ以外には特に何も無く時間は過ぎていった。フィリップは城に施されて魔法を記憶しているようだった。
しばらくした後にマクゴナガルに呼ばれ、新入生一同は大広間へと連れていかれる。
大広間は何千という蝋燭が宙に浮かび部屋を照らしていて、中央には大きなテーブルが四つ置かれ、新入生を上級生が見ながら座っている。上は本物の空のように星が煌めいていた。
「綺麗ー!すごーいー!」
「やっぱり、この規模の魔法となると現実からかけはなれてくるわね」
「マグルからすれば僕らも十分現実からかけ離れてるけどね」
新入生達が魔法に魅入られながら待っていると、マクゴナガルが椅子をおき、その上にボロボロのとんがり帽子を置いた。何が始まるんだ、という時に、帽子が急に歌い出した。
『わたしはきれいじゃないけれど
人は見かけによらぬもの
私を凌ぐ賢い帽子
あるなら私は身を引こう
山高帽子は真っ黒だ
シルクハットはスラリと長い
私はホグワーツ組み分け帽子
私は彼らの上をいく
君の頭に隠れたものを
組み分け帽子はお見通し
かぶれば君に教えよう
君が行くべき寮の名を
グリフィンドールに行くならば
勇気ある者が住まう寮
勇猛果敢な騎士道で
他とは違うグリフィンドール
ハッフルパフに行くならば
君は正しく忠実で
忍耐強く真実で
苦労を苦労と思わない
古き賢きレイブンクロー
君に意欲があるならば
機知と学びの友人を
ここで必ず得るだろう
スリザリンではもしかして
君はまことの友を得る
どんな手段を使っても
目標遂げる狡猾さ
かぶってごらん!恐れずに!
興奮せずに、お任せを!
君を私の手に委ね(私は手なんかないけれど)
だって私は考える帽子!』
一通り歌い終わった帽子はまた唯の古帽子に戻り、在校生と教師から拍手を送られた。新入生達は組み分けの仕方が帽子をかぶるだけと分かり安堵しているようだった。
「アルファベットの順で名前を呼びます。帽子をかぶって椅子に座り、組み分けを受けてください」
「アボット・ハンナ!」
金髪のお下げの子が帽子へと向かい、被って座った。数分すると帽子から反応があった。
「ハッフルパフ!」
彼女はそのままハッフルパフへと向かった。レィルの苗字はCから始まるので、割と直ぐに呼ばれた。
「クローター、レィル!」
「行ってくる」
「行ってらっしゃい」
アリシアからの返事を受けたレィルは組み分け帽子の方へと歩いていった。在校生の方で、クローターという苗字に既視感を覚えた者がいた。
「クローター?どっかで聞いたような...」
「俺知ってるぞ、幻の生物とその生息地でニュート・スキャマンダーがベタ褒めしてたんだ」
「苗字が同じってことは、彼は末裔なのかしら?」
「あたし、彼の論文見た事あるよ。なんか脱狼薬の改良をしてるって」
結構ひそひそ声で話していたためレィルには届かなかった。レィルは組み分け帽子を被って椅子に座り、その上にフォウがちょこんと鎮座する形になった。
(これはこれは...かのクローター嬢の末裔様とは、運命は数奇なものだ)
(え、なに、有名すぎじゃないか?僕のご先祖様は)
(如何にも。彼女が作り上げてきた功績はホグワーツにも及んでおる。上にいるプライミッツ・マーダーを発見したのも彼女だ。私もクローター嬢を組み分けし、グリフィンドールへと入れた)
(なるほどなぁ...で、組み分けは?)
(おお、そうであった。狡猾さも、優しさもある。だがそれは人には振るわれん。故にスリザリンやハッフルパフではない。勇気もある、グリフィンドールでも良いが...ここは)
「レイブンクローッ!」
拍手と歓声に包まれる。その多くはレイブンクローであった。フォウと共にお辞儀をして、レイブンクローの席へと向かう。
「良く来てくれた。レイブンクローの監督生のユーリ・フェニコバスだ。君が勉学に励み、偉大な魔法使いになることを期待してるよ」
「ありがとうございます、フェニコバス先輩」
「フェニス、ないしはユーリでいい」
レィルの頭を撫でたユーリはレィルを席につかせた。しばらくした後、Dの番になった時、レィルは驚きで吹きかけた。
「ディマイント、ヘルミオネ!」
少女が出てきた時点で、広場は静まり返った。数秒後にスリザリンの誰かが漏らしたお陰でざわめき声が酷くなった。
「ディマイントって...魔法省のお目付け役!?」
「嘘っ!?てことは彼女、凄いご令嬢じゃない!」
レィルが吹きかけたことに隣の女性上級生が心配してくれたが、レィルはそんなことよりも気になることがあった。
「レイブンクロー!」
とくに表情も変えずにレイブンクローの席まで来たヘルミオネはユーリの歓迎を受けた後、真っ直ぐにレィルのところまで来た。
レィルは横に座ったヘルミオネを横目で見る。どう見てもトランクにいるはずのヘルミオネがここにいた。
「どうやって抜け出したんだ?ヘルミオネ」
「姿現し」
さも平然と答えるヘルミオネ。その顔には悪意はなかった。それから彼女がホグワーツに呼ばれた経緯を聞き出したところ、どうやらレィルの手紙と同封されていたらしい。
「グレンジャー、ハーマイオニー!」
コンパートメントでであったハーマイオニーが呼ばれ、彼女も帽子をかぶった。彼女の組み分けはゆうに五分ほど費やした。
「レイブン…いや、グリフィンドールッ!」
高らかに宣言され、彼女はグリフィンドールの席へと向かう。確かにコンパートメントでもかなり知識欲が高かったのでレイブンクローでもおかしくはない。
「キラグリード、メズール!」
「ハッフルパフ!」
メズールは帽子をかぶった四秒後にハッフルパフへ行かされた。ユーリの話では過去に帽子に被らずに組み分けされた人がいるらしい。
「レッカ、フィリップ・ハワード!」
「レイブンクロー!」
当たり前、と言うようにフィリップは悠々とレイブンクローの席に着いた。フィリップはレィルの右に座った。左はヘルミオネが座っている。
「同じ寮になったね。よろしく頼むよ、クローター」
「こちらこそ、フィリップ」
軽く握手をし、今後のことについて色々と話をした。フィリップは休み時間の合間を縫って図書室の本を脳内にインプットする作業をするらしい。因みにレィルはネズミたちに手伝ってもらって校内地図を作るつもりだ。
「ポッター、ハリー!」
かの生き残った英雄の名が呼ばれた瞬間、シン、と場が静まり返った。彼がどの寮に所属するかを誰もが注目して見ていた。
「グリフィンドールッ!」
英雄の行き先となったグリフィンドールの席から爆発的な歓声が上がった。グリフィンドールの双子が騒いでいるが、レィルはそんなのを気にせずにフォウを撫ぜていて、フィリップも帽子の魔法式の解読に一生懸命であった。ヘルミオネもレィルをじっと見てハリーなど眼中に無いようだった。
それから次々といいテンポで生徒達が各寮に運ばれている時、ある女生徒の名前が上がった瞬間にもう一度場が静まり返った。
「ティファール、アリシア!」
「ティファール…だと!?」
「聖二十八一族総督家のあの!?」
「今年はどんだけビッグネームが入学するんだよ!?」
魔法使いなれば誰もが一度は耳にするビッグネームに大広間が一斉にざわついた。レィルは正直だからどうした的な感じで受け止めていたが、フィリップだけは舌打ちをしていた。
「ハワード?」
「ん、あぁ、気にするなよディマイント嬢。こういう反応をアリスは最も嫌う。今頃この会場を全て破壊できる存在を思い浮かべているだろうな」
アリシアの組み分けはハーマイオニーよりも数分長かった。恐らくレイブンクローかスリザリンかで迷っていたらしいのだが、帽子の出した判決は。
「……スリザリンッ!」
スリザリンだった。当のスリザリンは純血一族の最高峰であるティファール家の一人娘を手にしたので大歓声に包まれた。
最後の一人が終わった後、ダンブルドアからの簡単な挨拶があり、テーブルの上には多種多様な料理が広げられていた。生徒達はそれらを自由に食べ始めた。
レィルの周りにはレィルを知っている人やクローターを知っている人が集まっていた。それでも隣はフィリップとヘルミオネだったが。
流石はレイブンクローと言えるのか、以前レィルが出した守護霊薬や脱狼薬の論文は結構知れ渡っていた。やがてレィルへの質問攻めからどの研究を真っ先にすべきかという議論へと話題がシフトして行った。
「大変だな、研究者サマは」
「そんな柄じゃないし、君の方が知ってるだろうフィリップ」
「僕は知ってる訳じゃない、調べられるだけさ」
フィリップの茶化しに愚痴をひとつ零せば、ヘラヘラとした笑い方でこちらのペースを上手く揺さぶる。恐らく人付き合いは上手いが面倒くさいタイプだとレィルは確信した。
壁に体重を預け、軽く仰いだ時、ヘルミオネがレィルの様子を心配して左手を両手で取った。
「レィル、大丈夫?」
「あぁ、そんなに大丈夫じゃない」
「後でココアを入れておく、ね」
フッと微笑んだヘルミオネの顔は、皆に見せる仏頂面よりも何倍も可愛く見えた。しかしレィルが彼女に欲情することは万に1つもない。
デザートを食べ終わり、各々が食事に満足してきた時にダンブルドアが立ち上がった。
「ふむ、全員良く食べ、良く飲んだことじゃろうから、二言、三言ほどこれから新学期を迎えるにあたってお知らせがある。一年生に注意をしておくが、校内の禁じられた森には決して立ち入らぬように。上級生も同じように特に注意しておこう。そこのウィーズリーツインズなどにの。フィルチ先生から授業の合間に廊下で魔法を使わないようにと注意がありました。今学期の二週目にクディッチの選抜会があるので、寮のチームに参加したい者はマダム・フーチに連絡するように。あぁそれと、禁じられた森じゃが儂が発行する特別許可証があれば条件付きで入ることを許そう。引率には森番のハグリッドが付く。危険じゃが森には神秘的な生物がおる。許可証が欲しいものは各寮の先生に相談しておくれ」
一息で言いたいことをあらかた言ったダンブルドア。レィルはそのうちの一つにしか耳が傾いてなかった。禁じられた森への特別許可証である。
「最後に……」
と、ダンブルドアが先程までの緩い雰囲気を壊すように真剣な目付きで
「とても痛い死に方をしたくない者は、今年いっぱい四階の右側の廊下には入らぬように」
この注意には誰もが疑問を感じた。だが有無を言わさぬように、ダンブルドアが杖から黄色いリボンをだしてそこに歌詞を浮かばせ校歌を歌った。但し誰一人として統率は取れてないものとする。
最後にウィーズリーツインズと呼ばれた双子が葬送行進曲のリズムで歌い終え、ダンブルドアの最後の締めくくりでそれぞれが寮へと帰って行った。
レィルはヘルミオネとフィリップと共に寮へとついて行こうとしたが、寮監督のフリットウィックと副校長のマクゴナガルに止められた。
「ミスター・クローター、少々お時間を頂戴していいですか?校長先生がお呼びになってます」
入学早々に老耄が何の用だ、と不思議に思いつつ、マクゴナガルが有無を言わさぬ感じだったのでフィリップとヘルミオネに先を行ってもらい、レィルは二人について行くことにした。
ども、最近寝不足のantiqueです。というかそもそも過眠症です。
フィリップはアリシア達と知り合うまでディゴリー家の近所でした。今でも文通を続けています。
因みにフィリップは相手から「そう呼べ」と言われない限り苗字読みを辞めません。アリス、メズールと呼んでいるのは単に子供の時の癖です。
クローターの既視感。これは外伝で触れます。お楽しみに。
レィルのレイブンクロー入り。原作解離させる時点でグリフィンドール入りは排除してました。
構想段階ではハッフルパフと悩んでましたが、研究者よりの性格となったためにレイブンクローになりました。お辞儀するフォウくん可愛い。
オリ主勢のオリキャラ、ヘルミオネ・ディマイント。彼女は中々訳あり、これも外伝にて触れます。
ヘルミオネの名前は小惑星帯に位置するC型小惑星、メインベルト外縁部キュベレー族の仲間でそこから取りました、な ん で す が、綴りを見ればHermione、つまりハーマイオニーと同じなんですよね。ヤラカシタワー()。
ヘルミオネは人間ではありません。正体は次回晒しますが、ヒントは苗字が単数形であることです。
ユーリ・フェニコバス。この話でしか登場しません。ワンチャン終業式で出るかも?
ハーミーはやはりグリフィンドール。各寮二枠開けてます。空いているのはハッフルパフとスリザリン、グリフィンドールです。
フィリップはレイブンクロー、メズールはハッフルパフへ。この辺りは予定調和。
で、問題のアリス。「聖二十八一族総督家」というなんとも仰々しい呼び名。
つまりはゴドリック、ロウェナ、ヘルガ、サラザールの後にある聖二十八一族をまとめあげるために勝手出た家です。一応ナンバリング的には0番目に当たります。
それ故に他の聖二十八一族からは皇族的待遇をされます。アリス的にはそれが鬱陶しいのなんの。理解してくれるのは幼馴染だけ。
ロンの描写はなし。フォイの描写もなし。ハリーもちょびっとだけ。やはり報われない。
フォイの優遇はあとあとです。具体的にいえば終章、細かく行けば全部ぐらいに。
では、次の話で会いましょう、サラダバー