【再構成のため停止】レィル・クローターと魔法生物   作:antique

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畏怖の象徴

 

 

 

アリシア、フィリップ、メズール、ハーマイオニーがレィル達の部屋に着くと、ヘルミオネが土曜日の勉強会ののための部屋を製作していた。奥に扉をつけ新たな部屋を作り、そこの隣を寝室とするようにしたのだ。

 

「ヘルミオネー、来たよー?」

「うん。待ってた」

 

メズールが無限飴玉を口に含めながら挨拶すると、無表情に答えた。しかし、肝心のレィルが見当たらない。

どこに居るのか探そうとした時、机の横にあったトランクが独りでに開かれた。中からはレィルが顔を覗かせていた。

 

「来たんだ。ヘルミオネ、皆を中に入れて」

 

レィルはそれだけ言ってトランクの中に戻って行った。トランクを閉じたヘルミオネはゆっくりと三人に近づいて行った。

 

「付き添い姿くらましをするから捕まって」

「了解」

「分かったわ」

「れっつごー!」

「行きましょ」

 

ちょうど一周するように、ヘルミオネ、フィリップ、アリシア、メズール、ハーマイオニーの順に円で並び、ヘルミオネは姿くらましをした。

次の瞬間にはトランクの中に入っていた。四人はある違和感を感じた。一番初めに気がついたのはハーマイオニーだった。

 

「今のって姿くらましよね。慣れてないと吐き気がするって聞いたけど……」

「未熟者だけ。ちゃんと使えば弊害はない」

 

ヘルミオネは七つの肉塊を浮遊呪文で浮かせた。何をするのか疑問の中、ヘルミオネは四人を手招きした。

ちょうどいい位置に浮かべたヘルミオネは説明もなしに地面に座った。それを見てアリシア達も座るが、フィリップだけは立っていた。

 

「ところでヘルミオネ、レィルはどこなの?」

「あの辺」

 

アリシアが問うたレィルの位置は、ヘルミオネが指さした雲の上らしい。数秒凝視してると、そこから八本の飛行機雲らしきものが飛び出した。その先頭には箒に股がったレィルがいた。

その後ろをつくのはどれもドラゴンだった。中には希少価値の高いものまでいた。

 

「ちょっ、あれ大丈夫なの!?」

「大丈夫。妨害禁止レースだから」

「ドラゴンに妨害禁止を命令できる...クローターの才能は凄まじいな」

 

マグルのモータースポーツで例えれば、彼らは今バックストレッチに差し掛かったところである。レィルが先頭を走っているが、彼からはスリップストリームは得られないだろう。

数秒後、レィルが正面を突っ切って行ったと同時に七体のドラゴンが肉塊を掴んみレィルを追うようにして飛んだ。そのレィルは上へ向かってバレルロールをして、最後はヘルミオネの元へと降り立った。

 

「判定は?」

「一着から順にレィル、エラクレス、フレアーズ」

 

レィルは小さくガッツポーズ、エラクレスと呼ばれたドラゴンは高々と吼え、フレアーズという赤いドラゴンは悔しそうに脚を地面に叩きつけた。

そこでアリシア達が気づく。これらのドラゴンの名称を。

 

「これ...ハンガリー・ホーンテール!?しかも右のはチャイニーズ・ファイアボールじゃない!?」

「後ろのはスウェーデン・ショートスナウト、緑色のはウェールズ・グリーンか」

「その後ろはノルウェー・リッジバックにー、アイルランド・マリジョールだねー」

「最後に飛んできたの、ウクライナ・アイアンベリー!?どういうこと!?」

 

どれも有名なドラゴンな上に、ドラゴン最強と呼ばれるハンガリー・ホーンテールを飼い慣らしている。普通はこんな光景は見れないだろう。

ドラゴン達は肉塊を持って空へと帰って行った。レィルは箒を立てかけて、本題に入るために小屋へと入った。

客席用の椅子に四人を座らせ、ヘルミオネはベッドに、レィルは作業用の椅子に腰掛けた。数年前に作成したものだが、中々の出来で気に入ってるのだ。

 

「で、話すって言われてたけど、何を話してくれるの?」

「ヘルミオネが僕と一緒に居なきゃ行けない理由」

 

レィルがそう言った瞬間、ヘルミオネが震えた。だがそれは微々たるものであったし、事実レィル以外は見えなかった。

レィルはヘルミオネの横に座り、震えを抑えるためにその右手を取った。大丈夫、と、暗に語りかけるように。

 

「今からヘルミオネの本当の姿を見せるけど、絶対に杖を抜かないで欲しいんだ」

「杖を…って言われても」

「本来ならば人に危害を加えるけど、ヘルミオネは何もしないから。頼む」

「レィル……」

 

しっかりと、頭が膝に着くまで腰を折ってレィルは頭を下げる。ヘルミオネもレィルに続いて未だ震える体を押さえつけて頭を下げる。

ハーマイオニーは突然の懇願に頭を混乱させ、メズールは何が何だかわかってなかった。事の重大さを理解しているアリシアはフィリップに目線を送った。

もしヘルミオネの本当の姿が人外であるならば、フィリップの目に何かが映っているはずと思ったのだ。フィリップからの反応は、アタリ。

未だに頭を下げ続ける二人の手を取り、顔を上げさせる。

 

「コンパートメントでも言ったでしょ?そんなに心配しなくても大丈夫よ。仮に私たちが貴方の言う邪な考えを持っているならもう既にトランクをパクってるわよ」

「こちらとしてはトランクの隅から隅まで全部調べ尽くしたい、君は情報秘匿できる。Win-winと言うやつさ」

「そうでなくてもー、私はヘルミオネを守るぞー!個人的に仲良くしたいですしー」

「え、ちょ、三人とも、いいの?」

 

二人の言いたいことを理解したメズールは二人に合わせた。唯一わかっていなかったーマイオニーが戸惑うが、アリシアの「大丈夫よ」という声に、何も言えなくなった。

アリシアがヘルミオネの左手を両手で包むと、目線を合わせた。

 

「あなたの正体は正直気になる。けど、大丈夫って気がするのよ。会って一日も経ってないけどね。それに結構いい噂が立っているレィルのお墨付きよ?なら何も心配はないわ」

 

フィリップとメズールが頷いて同意を示した。彼らは茶化しに来ただけなのだろうが、この雰囲気に乗じてそれっぽくしているだけだった。それでも先程メズールが言った「個人的に仲良くしたい」というのは本当であった。

 

「だから、貴女に危険が及べば私たちが守るし、貴女に仇なす者は私達が排除するわ」

「……あり、がと」

 

ティファール家のカリスマか、基本的に感謝を述べることの無いヘルミオネがアリシアに頬を赤らめながら感謝の言葉を口にした。アリシアはヘルミオネの頭を撫ぜて、ベッドから立たせた。

 

「じゃぁ見せてくれ、ディマイント嬢。君の本当の姿を」

「大丈夫だよー。もしフィリップが何かしようとしたら必要以上に縛るからー」

「それ、あんまり大丈夫じゃないと思うのだけれど……」

 

自信満々に言うメズールにツッコミを入れるハーマイオニー。しかし本気でやりかねないのがフィリップなのだ。

ヘルミオネは息を整え、内側から黒いローブのようなものを出し自らに纏わせる。みるみるうちにその姿を人間から忌々しい(───の)姿へと変えていく。

 

「……なるほど、これは杖を抜くなと警告するわけだ」

「なんか、体感温度が下がったんだけど。気の所為?」

「いえ、部屋の温度の方が下がってるわ」

「本でしか読んだことがないけど、これが、───……」

 

まさかの怪物の登場に四人は目を見開いた。ハーマイオニーなんかは冷気の濃さで動けなくなっている。

アリシアはどことなくヘルミオネが泣いているような気がした。人間体でもこの体でもなく、彼女の心が泣いている気がしたのだ。

アリシアは両の手をヘルミオネに伸ばし、その体をゆっくりと抱き締めた。なにかされないか心配になったハーマイオニーが杖を抜こうとしたが、それをフィリップが止めていた。しっかりと杖を抜かず、腕だけで。

 

「なんで止めるの?」

「君はディマイント嬢の決意を無駄にする気か?」

 

今朝の自分の言葉が今ブーメランとして帰ってきたが、でなければハーマイオニーはヘルミオネに向かってあらゆる使える呪文を試すだろう。だがそんなことをすればハーマイオニーはヘルミオネの決意を無為に振る事となる。フィリップはそれだけは避けたかったのだ。

ヘルミオネはアリシアに抱きしめられたまま、その姿を人間に戻した。その顔はアリシアによって隠されてるが、肩は先ほどより震えていた。

 

「大丈夫よヘルミオネ。ここには貴女を傷付けるものは居ないわ」

「……」

 

ヘルミオネは黙っていた。だが僅かに頷いたのか、アリシアがその微笑みを深めて更に抱き締めた。

ヘルミオネは落ち着いたのか、レィルの胸に頭を埋めていた。そこでハーマイオニーが何かを思い出したように「あ」と呟いた。

 

「どうした?グレンジャー嬢」

「いや、ハリーとロンよ!あの二人、マルフォイの罠にかかってるかもしれないの!」

「どういうことー?」

 

ハーマイオニーによれば、金曜日から始まった箒の訓練の際、ネビルの思い出し玉がドラコに取られ、それに怒ったハリーとロナルドが喧嘩を売ったらしい。どう見ても罠だと感じるものを忠告も聞きもせずに受けて立つと言ったらしいのだ。

 

「止めに行かないと!」

「残念だけどー、遅いんじゃないー?」

「そうだね。君が今ポッターとウィーズリーの所に行ったところで管理人のフィルチに捕まって減点されるだけだ。報告は寮監に行くだろうから、マクゴナガル教授なら一人五十点は引くだろう」

 

だから行かない方がいいよ、とフィリップは諭した。ハーマイオニーは落ち着いたが、それでも自分の寮の大幅減点には軽く絶望していた。

 

「そんな...寮杯が遠ざかっちゃうじゃない」

「あぁ、減点に関しては僕らも危険性はある。何せここは寮の外だからね」

「それは大丈夫でしょー。レィルがここに泊めてくれればー」

「泊めるよ。ベッドも用意してあるし」

 

レィルが天井を開けると、そこには蜘蛛の糸のハンモックが吊り下げられていた。

 

「ありがと、ミネマ」

「これくらいは御安い御用だ」

 

天井から顔を覗かせたアクロマンチュラは鼻を鳴らして戻って行った。ミネマは喋ることが出来るアクロマンチュラだった。

 

「非粘性の糸だからそのままかけてもらっていいよ。僕とヘルミオネは外で寝るから」

 

「僕とヘルミオネは」という言葉に、フィリップとメズールが反応した。加速魔法(ヘイスト)を使ったかのような速度で小屋を上がろうとしたレィルの腕を掴んだ。

 

「何?」

「待ちなよー。まだ噂の確認ができてないんだからさー」

「どれの事?」

「君とディマイント嬢が出来てる、って話だよ」

 

思い出したらしいレィルはブリキのように重い首を二人の方に向けた。そこには清々しい笑顔が二つほど張り付いていた。アリシアもハーマイオニーも呆れてはいたが、興味が無いわけではなかった。

レィルが言葉を探していると、ヘルミオネ突然に

 

 

「…………レィルは私の知人で、友人で、親友で、幼馴染で、家族で……大切な人」

 

 

とだけ残してさっさと外へと出ていった。今の言葉を言及するようにレィルを捕まえたままだった。

 

「と、言っていますがー?」

「本当のところはどうなんだ?クローター」

 

「……まぁ、ヘルミオネが言った通り、かな。もういいでしょ、離して」

 

肯定されるとは思わなかった二人は一瞬力を緩めた。その隙を見逃さず手を振り払うとトランクの外に出て行った。

 

そのあとはなし崩しに全員が寝ることとなった。ヘルミオネも寝たが、レィルだけは徹夜で起きていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そりゃ、ね。ヘルミオネは、僕の知人で、友人で、親友で、幼馴染で、家族で……大切な人だよ」

 

 

 

 

 

 




ども、Audio-Technicaさんのヘッドホンで「栄の活躍」聞いてるantiqueです。サマーウォーズには名曲が多い。

やはり飴を舐めているメズール。ストックは無限大です。しかし今回の無限飴玉を購入したせいでそれが全ていらない子に。飲み込めば普通に消化されます、胃の中で増殖はしません。

プロローグのドラゴン七人衆登場です。ほんと自分で書いててもレィルすげぇ、ってなるわ。

ヘルミオネの正体を皆に明かしましたが、(読者)には明かしません。まぁ大半の人が予想ついてるでしょうけど。
まぁヒントは文中のものと、この話のサブタイですかね。感想の方でバレバレになるのかなぁ()

アリシア、母性本能解放。というか基本的に彼女は人を甘えさせるのが上手です。
因みに胸囲は将来有望株。あんなこと()やこんなこと()も出来ます。

ハーミーがこちらにいるせいでハリー達は漏れなくフィルチに捕まり罰則を受けました。減点と禁じられた森ですね。その辺は原作通りですが、三頭犬の存在はバレてないし少しズレています。
因みにネビルももれなくハリー達を追いかけて減点されてます。罰則を免れてますけど。
というかハーミーがこちらにいる時点で色々とフラグが折れています。その折れた1本は次回に。

因みにレィルとヘルミオネですが、恋仲ではありません。ただの共依存です。
メンヘラ思考があるらしい私からすればメンヘラの共依存はヤンデレであればあるほどいいです。だれも理解しないだろうけど。ヤンデレヒャッホイ()

では、次の話で会いましょう、サラダバー




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