気がついたらわたモテの世界に転生していた   作:イチゴとメロン

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わたモテの二次小説もっと増えて……




第一話

原宿教育学園幕張秀英高等学校……今日から僕が通う高校の名前だ。

 

(今日から、ここに通うことになるのか……)

 

眼の前に映る校舎を目て、僕は気合を入れる。

周りを見渡すと、僕と同じ新入生がたくさんいた。

 

学校生活が楽しいかどうかなんて、自分の行動次第で結構変わるものだ。楽しい学校生活を送りたいなら、それなりに努力しなきゃだめだろう。

 

知らない人にも積極的に話しかけて、友達を作る。学校行事にも積極的に参加して最大限、楽しむ努力をしなければ!

 

自分で言うのもなんだが、昔からコミュ力はあるし、ポジティブ思考だ。だからこそ友達が多かったと思う。転生前…何故か彼女だけは出来なかったが……解せぬ……

 

まぁ、とりあえず教室に向かおう。

 

僕は玄関口に張り出されたクラス分け表を見て自分のクラスへと向かった。

 

(やっぱりちょっと緊張するな)

 

二回目の高校生活……どんな人達とクラスメイトになるのか、楽しみでもあるが少し不安でもある。

 

(イジメとかするような、悪い人がいなきゃいいけど…)

 

自分の教室に着くと、クラスメイトの半数ぐらいがすでに来ていた。

 

同級生達は自分の席に着いて、大人しく座っていた。

おしゃべりしてる人達もいるが、ほとんどの人は静かにして自分の席に座っている。

高校初日特有のそわそわと落ち着かない雰囲気がクラスに充満している。

 

僕はこういう雰囲気は嫌いではない。逆になんだかワクワクしてくる。

今はまだクラスメイト達とお互いのことをよく知らない。

でも、これから仲良くなってワイワイ楽しくできるんじゃないか、と思うとワクワクする。

 

僕は楽観的とよく言われるのだが、僕は自分の楽観的な性格を気に入っている。

楽観しすぎて失敗することもあるが、人生前向きに考えるほうが楽しいはずである。

 

教室の前に張り出された、席順が書いてある紙をみて自分の席を確認した。

 

(出席番号順か…)

 

自分の席に向かうと僕の周りの席は、僕より早く到着した同級生達がもうすでに座っていた。

僕は席に座る前に、周囲の同級生に笑顔で挨拶をした。

 

「これからよろしくね」

 

僕は転生前の両親から挨拶は大切だと教えられた。そして"笑顔"も大切だと。

笑う門には福来たる…その教えを僕は今でもちゃんと守ってる。

 

僕が笑顔で挨拶すると周りの同級生たちも返事してくれた。

 

「う、うん。これからよろしく」

 

「よろしく」

 

「おう! 仲良くやろうぜ!」

 

席に着いた僕は周りの同級生達と自己紹介を初めた。担任の先生が来るまで暇である。

同級生たちとおしゃべりしてた方が楽しいだろう。

 

「私は岡田 茜。よろしくね」

 

その名前を聞いて僕は既視感を感じた。

 

(岡田…茜? どこかで聞いたような……?)

 

僕は転生後の人生で、既視感を感じることがよくあった。

二度目の人生だからだろうか? 転生前に知らなかったことを転生後に知っても、何故か前から知ってるような気がする…ということがよくあった。

 

この学校の制服も初めて見た時、何故か前から知ってるような既視感を覚えた。

まぁ…制服なんて似たようなのが多いから、特に気にしなかったけど。

それに既視感を感じても、転生前に普通に知ってたのに、ただ僕が忘れていただけどいうことも多かった。だから既視感を感じても特に実害はないので気にしなかった。

 

(だけど……僕はこの子を…どこかで見た気がする。この子のことを知ってるような……)

 

彼女のことを思い出そうとするが……思い出せない。彼女も僕のことを知らないようなので、おそらく初対面のはずだ。だが、今までよりかなり強い既視感を感じた。もしかして、彼女とは転生前の知り合いなのだろうか?

でも僕は転生前にこの学校に通ってもいないし、知り合いもいないはずだが……

 

でもやっぱり彼女のことを知ってる気がする……転生後に会ってたりしてたかな?

どうしても気になってきたので彼女に直接、聞いてみることにした。

 

「ねぇ、岡田さん。僕たちどこかで会ったことある?」

 

「えっ!? い、いや…ないと思うけど……」

 

やっぱり会ったことはないらしい。やはりただの既視感? そう考えてると…

 

「おいおい 高校初日にナンパかよ~」

 

と笑いながら後の男子から茶化された。

 

「えっ!? いやいや違うって! ほんとに会ったような気がしたから……」

 

茶化してきた男子は清田君。さっき自己紹介を済ませたばかりのクラスメイトである。

明るくてノリが良さそうだし、仲良くなれそうだ。

だが……彼のことも知ってるような気がする……これもただの気のせいか?

 

僕はまた既視感を感じたが気にしないようにした。そんなことを気にするよりも同級生達と仲を深めたほうがいいだろう。

担任の先生がくるまで同級生たちとのおしゃべりに興じた。

 

 

 

 

 

それからしばらくすると、担任の教師がやって来た。少し話をした後、僕ら新入生は入学式をするため体育館へと移動した。

 

入学式の新入生代表挨拶は僕がやった。なんでも、入試の成績が一番良かった人がやるらしい。めちゃくちゃ緊張したし、やりたくもなかったが……しょうがない。ちゃんと出来たかどうか不安だ……

 

式が終わるとまた教室に戻ってきた。ロングホームルームが始まり、生徒たちの自己紹介が始まった。

 

 

 

「神埼 拓弥です。中学ではテニスをやっていました。楽しい高校生活を送れるように友達をたくさん作りたいと思ってます。どうか皆さんよろしくお願いします!」

 

学校での自己紹介は何回もやってきたけど、やっぱりちょっと緊張する。

入学式の代表挨拶よりは、全然マシだが……

 

自分の自己紹介が終わったので、他のクラスメイト達の自己紹介を見ていると……一人の女子が目に入った。

 

(んっ!? あの子……)

 

その女子は小柄で長い髪をしていた。前髪も片目が隠れるくらい長く、目に隈もありどこか暗そうな子だった。

自己紹介を控えて緊張しているのか落ち着かない様子でソワソワしている。

 

彼女を見た瞬間、今までにない強い既視感を感じた。

 

(……彼女のこと知ってる! 絶対見たことある!)

 

だが、どうしても彼女のことを思い出せない。転生前も含めて出会った女子を全て思い出そうとしてみたが…彼女のことは思い出せなかった。

だけど絶対に知ってる気がする。名前を聞けば思い出すかもしれない。

そう思った僕は彼女の自己紹介が始まるまで待った。

 

そして彼女の自己紹介が始まったが……何故か紙を持っていた。

 

(んっ? 自己紹介の内容をわざわざ紙に書いてきたのか?……変わった子だな)

 

彼女は折り畳まれた紙を開き、自己紹介を初めた。

 

「黒木智子 趣味 読書です 以上」

 

シーンとした空気が教室に広がった。誰もが無反応だった。

そんな長い紙を用意して自己紹介それだけかよ!…とツッコミをいれるものは誰おらず…

ただ…静寂が教室を支配していた。

 

クラスメイト全員…彼女の自己紹介に無反応だったが…僕は違った。

 

彼女の名前を聞いた瞬間、凄まじい衝撃が僕を襲った。

 

 

 

 

 

 

 

(黒木智子……って…………わたモテの主人公じゃん!!!!!!!!!!!!!!)

 

 

 

 

 

 

声に出して叫んでないのが不思議なくらい、僕は心の中で叫んでいた。

 

"私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! "

 

それは僕が転生前…好きだった漫画である。転生前に読んだっきりで、かれこれ十五年くらい見てない。好きな作品だったが、転生後は漫画をあまり読まなくなったので、今までその漫画のことを忘れていた。

 

だが黒木智子という名前を聞いた瞬間、その存在を思い出した。

 

(あっ!? あぁぁぁぁっ!?)

 

(うわっ!? 本当にわたモテの主人公にそっくりだっ!?)

 

(なんか見たことあるなと思って、今まで出会ったことのある"人間"で思い出そうとしてたけど……漫画のキャラじゃんっ!?!?!?!?!?)

 

(そ、それに!? この学校の制服もどっかで見たことあるなと思ったら…わたモテの学校の制服じゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!)

 

(と、ということは……この世界は漫画の世界ってこと!?!?!?!?)

 

(いやいや、そんなばかなっ!?!?!?!?)

 

 

僕は黒木智子と自己紹介した女子をじっくりと観察する。

 

(見れば見るほど、わたモテの主人公にそっくりだけど……そんなことがあるのか!?)

 

彼女をまじまじと見つめていると……目があった。

 

まだ彼女は自己紹介して立ったままだったが、僕と目があった瞬間、うつむいて座ってしまった。

 

(ああ……やばい……落ち着かないと……)

 

たぶん僕は凄い顔で彼女を見ていたと思う。そんな僕の姿を彼女は見た。

怖がらせたのか、引かせたのかわからないが……僕から目をそむけるように座ったのだ。

 

(と、とにかく落ち着こう!)

 

さっきから心臓がバクバクいってる。まずは落ち着いて考えるべきだろう。

黒木智子と名乗った彼女は……本当にわたモテの黒木智子なのか?

 

(いや……黒木智子って、けっこう普通の名前だし……ただの同姓同名かもしれない……)

 

(もこっちにそっくりな姿だけど……)

 

(それは彼女もわたモテ好きで……主人公の真似ををしているだけかも……)

 

 

そうだ! ここがわたモテの世界だというのなら他にもわたモテのキャラがいるはずだ。

え~っと……わたモテってどんなキャラいたっけ?

 

わたモテを最後に見たのは十五年も前である。しかも転生して色々あったせいか、わたモテの内容があまり思い出せない。

主人公である黒木智子……もこっちはちゃんと覚えている。だが他のキャラは……

 

(え~っと……一年の時…もこっちと一緒のクラスのキャラは……たしか……ね…ね、ネモだっ!)

 

(ネモってキャラがいたはず……)

 

教室を見渡し、ネモを探してみると…………いた。

 

漫画で見たことがある、漫画のキャラそっくりのネモがいたのだ。

しかも、ちょうど自己紹介してる最中で根元陽菜と名乗っていた。

 

(そうだ……名前は忘れていたけど……そうだよ! 根元陽菜って名前だった!)

 

根本さんを見ていると先程、仲良くなった岡田さんを思い出した。

 

(あ、あぁぁぁぁ~~~~~!?!?!?!?)

 

(そ、そういえば……ネモと仲の良かったキャラに岡田さんにそっくりキャラがいた気がするっ!?)

 

(わ、わたモテのキャラにそっくりな人間が何人もいる……これはただの偶然か?)

 

(もしかして本当に……この世界はわたモテの世界なのか……?)

 

 

 

 

僕は学校が終わると、すぐにスマホで"わたモテ"について調べてみた。

だが……ネットで検索しても何も出てこない。

 

速攻で家に帰り、家のパソコンからも調べてみたが同じである。

わたモテが連載されていたサイトにも見に行ったが、何故かわたモテだけが連載されていなかった。

 

それから僕は転生前に知っていた、わたモテ以外の漫画を片っ端から調べてみると……全て普通に存在していた。

わたモテだけがこの世界にはなかった。一応、本屋にも見に行って確認したが……わたモテの漫画だけがない。

 

そう……信じられないことだが……この僕が転生した世界はわたモテの世界だったのだ。

 

この世界に転生してから十五年……初めて気づく衝撃の事実だった。

今の今までまったく気づかず、十五年間…この世界で普通に暮らしていた。

でもそれはしょうがないだろう……わたモテが存在しない以外は、転生前の世界とまったく一緒だったのだから。

 

この世界が漫画の世界だと思うと、何だか異常なほど興奮してきた!

こんなに興奮しているのは、転生前も含めて生まれて初めてである。

今日の朝……なんだが転生後の人生はちょっと退屈だな~と思っていたのが嘘みたいだ!

 

どうせならドラゴン○ールとかの世界に生まれ変わって、かめはめ波や舞空術を習って空を飛んでみたい! とか思ったりもするが……

 

(でも……ああいうバトル漫画の世界だと、主人公達と敵の戦いに巻き込まれて死んじゃったりしそうだしな……)

 

ごく普通の一般人である僕は、敵の攻撃に巻き込まれて簡単に死んでしまう……という自分の姿が簡単に想像できた。

 

(こういう普通のほうが危険もなくて安心できるし、よかったのかもしれない)

 

(しかし、漫画の世界に転生していたなんて……今まで夢にも思わなかったぞ)

 

(この世界は転生前と同じ、ごく普通の世界だと思ってたのに……)

 

(今日……僕はわたモテの登場人物達と話したのか……)

 

漫画好きなら誰しも、一度は漫画の世界に行ってみたいと思うことはあるだろう。

そして漫画のキャラと話したり、交流できたらどんなにいいか……

 

そして僕はその漫画の世界にいるのだ……そう思うとなんだか凄く楽しくなってきた。

こんなにも心が踊るような気持ちになったのは転生後で初めてだった。

 

(今日はちょっと混乱して、黒木さんとはまったく話せなかったからなぁ……)

 

(明日は黒木さんと話してみよう♪)

 

(あぁ~やばい! 明日の学校が凄く楽しみになってきた!)

 

二度目の高校生活はとても楽しくなりそうだと、僕の胸は高鳴っていた。




次回はもこっち視点…
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