「じゃあ今回も会議を始めるわよ……議題は危険な人物ね」
「「「「「「「「第一紫」」」」」」」」
「……否定はしないけど自分の所の幻想郷の人物でお願いするわ」
否定はしないのね……言葉にして言った私が思うことでも無いかもしれないけど。議題は危険な人物らしいけど……誰を言うべきかしら?別に危険って訳じゃないけど厄介な人物はかなり居るのよね。
「私のところの危険な人物と言ったら……鬼人正邪かしらね。幻想郷を支配しようとしてるし、そのくせ私と同じくらいの妖力があるから厄介なのよね」
「第二紫と同じくらいの妖力……それ厄介で済ませて良いのかしら?」
「まだ使いこなせては無いみたいだから大丈夫でしょうけどまだまだ油断はできないわね。彼女と馬のコンビネーションは私も見習うところがあるもの」
……どうして第二紫のところって無駄に強い人物が多いのかしらね。私が第二紫の幻想郷の賢者なら胃がやられる自信があるわ。て言うか、鬼人正邪って誰なのかしら。
「あの正ちゃんが危険人物……こっちじゃあかなり優しい人物よ」
「たしかに正邪が問題起こすとか考えにくいわ……」
「えっ?あの正邪よ?塩を送ったら送ってきた人物の傷口に塗ってくるようなやつよ?」
「私も第三紫に賛成ね。指名手配すらされてるあいつが優しいとかあり得ないわね」
「……そもそも鬼人正邪って誰よ」
知らない人物が出てきてよく分からない話が続く中、第十紫が私の聞きたかった事を聞いてくれる。良くやったわ!第十紫!
「鬼人正邪は天邪鬼の妖怪よ。能力は何でもひっくり返す程度の能力で、性格はまさに天邪鬼って感じで人を喜ばせば自己嫌悪に陥り、嫌われれば喜ぶような感じで、素晴らしい私の相棒よ」
「霊夢から幻想郷を取り戻す為の仲間?」
「まだ支配されきって無いから!人里と妖怪の山と迷いの竹林しか支配されてないから!」
「……もはや支配されてないかしらそれ」
第九紫に関してはもう支配されてるわね……ってそれより鬼人正邪の事よ。多分みんなところに居るのだから私のところにも居るのでしょうけど……とてもいい人には聞こえないわね。いい人って言ってるのもゆかりんと第八紫と比較的平和だから私のところじゃあ充てにならないし……どんな見た目か知らないけど警戒して置くことに越した事は無いわね。
「一応議題は鬼人正邪じゃなくて危険な人物なのだけど?」
「ああ、そういえばそうだったわね。私のところの危険人物は風見幽香かしら。放って置けば何にも問題無いのだけど……たまに向こうからやってくるのよね……」
「こっちの危険な人物……幽々子ね。あの大食いが更に食べるようになったら幻想郷食料がなくなるかもしれないわ」
「危険ってそう言う……私のところは間違いなく霊夢よ」
「でしょうね」
そりゃあ、第九紫のところは霊夢が危険人物でしょうね……て言うか話に聞くたびに支配されてる範囲が広くなってる気がするのだけど……気のせいかしらね。
「そもそも鬼人正邪の話に持っていったのは誰なのよ」
「私よ」
「貴女だったのね」
「暇を持て余した」
「八雲紫の」
「「遊び」」
「ほらそこ!ショートコントをしない!」
……私達八雲紫ってかなりノリが良いのよね。スキマ妖怪はそういう感じになるものなのかしら?とは言ってもスキマ妖怪は私達しかいないわけだけど。
「危険な人物……外の人間が危険みたいなそんな感じかしら」
「そんな怖い話の落ちじゃあ無いんだから……とは言っても危険な人物と言われてもあまり思い付かないわね……自分?」
「この八雲紫……自分を危険だと思ってるわ」
「危険からは逃げられないってことね」
こうして聞いてみると案外、危険な人物って案外思い付かないものなのね。私自身も思い付かないし……警戒の意味も込めて鬼人正邪を危険な人物として言っておこうかしら。
「あまり危険な人物と言われても思い付かないから、その鬼人正邪って人物を警戒の意味を込めて危険な人物にするわ」
「第七紫……それいいわね。私もそうするわ」
今回は第十紫となんか通じ会えた気がするわ……仲間が居るって結構安心できるわね。実は私のところと第十紫の所は似てたりするのかしらね。
「鬼人正邪は優しいのに……私のところは危険な人物は居ないわね」
「私のところもよ」
「ああ、今回は二人も仲間が居るじゃない。私のところも危険な人物なんて居ないわね」
「そりゃあ、自分しかいないのに危険な人物が居るわけがないでしょ」
「ん?私のところにも霊夢などの他の人物は居るわよ?」
「……もう手遅れでしょうね。最初から分かってたけど」
……本当に第一紫のなかじゃあ、あれが常識なんでしょうね。第一紫ほど理解できない恐怖を体現している存在はなかなか居ないと思うわ。
「一体何が手遅れなのか、良く分からないわね?」
「この前も言ったでしょうけど自分の世界と他の人の世界を見比べてきなさい。それで分からないようならそれまでよ」
「世界はそれぞれで違うのは当たり前ではなくて?」
「はぁ……根本的なところの話をしているのよ」
……また長くなりそうね。ちょっとだけ、仮眠でも取ろうかしら……よし取ろう。
私は思考を止め目を閉じた。
「えっと今回の議題は……大変な事ね」
大変な事……いっぱいあるからどれを話せば良いのかしら。一番大きな事を言えばいいんでしょうけど、どちらかというと小さな大変な事が積み重なっているような感じなのよね……。
「私のところ大変な事と言えば……やっぱり霊夢が幻想郷を支配しようとしてるところね」
「貴女のところはそうでしょうね」
「むしろそれ以外に何があるのよ」
第九紫のところの大変な事は予想通りね。て言うか、それが大きすぎて他に大変な事が起きても霞んで気にしなくてもいいぐらいになってそう……。
「私は愛馬の手入れかしらね。けど、ある程度は楽しさを持ってやれてはいるわ」
「第二紫のところは馬との絆が深い人物が多いわよね」
「むしろそんな人物しか居ないわ」
幻想郷の住民全員が馬を大切に育てている……別に馬限定じゃなくてもいいのだけど全員が一つを大切にしているっていうのは憧れるわね。
「大変な事ね……結界の管理とかかしら」
「あ~あ、それは分かるわね。ある程度は霊夢に任せてるとはいえ、私もやらないといけないもの。案外あれ、疲れるのよね」
良く考えればどこの幻想郷にも結界はあるわけで、それを管理しているのは幻想郷を作った私達なのよね……もうちょい信頼できる人物が増えれば結界管理とかも任せる事ができるのに。
「大変な事といえば、晩御飯を毎日考える事かしら」
「……賢者だったらもうちょい大変な事とか無いかしら?」
「て言うか、藍に任せず自分で作ってるところもあるのね。私は賢者の仕事で忙しいから家事とかは藍に任せてるわね」
「冬眠しているときは藍に仕事も任せっきりだものね……何かしてあげた方がいいんでしょうけど」
確かに冬眠しているときは藍にかなりお世話になってるわね……ありがとうの感謝の気持ちを込めて今日の晩御飯は私が作ろうかしら。
「冬眠……?」
「なんで冬に寝る必要があるのよ」
「……逆に貴女たちは寝ないのかしら?冬は寒いわよ?」
冬は寒いし、冬までである程度力を使ったりしてるのだから寒い冬に休憩して力を取り戻した方が効率いいでしょうに……。
「冬って良い季節じゃない。寒いのも一興よ。その間に何かあったらどうするのよ」
「その時はちゃんと起きるわよ……完全に眠ってる訳じゃないんだもの。例えば……結界とかが緩んだらさすがに起きるわね」
「私は冬眠はしてないけど、冬には南の島に行ってるわね。暖かくていい場所よ」
「だいたいの八雲紫は冬には何かしらの方法で休んでいると思ってたのだけど……違うのかしら?」
「ええ、私は冬でも活動するわよ。冬は冬なりの宴会が楽しめるもの。それにチルやレティとも会いやすくなるものね」
……第八紫ってどんな人物とも仲良いわよね。全員をあだ名で呼んでいるのかしら。
「ハイハイ、また議題がズレてるわよ」
「あっ、本当ね……私の大変な事は何かしらね?」
「知らないわよ。自分の事は自分で考えてちょうだいな」
「そうよね……あっ、あれよ。人里でスリが多くなってるわ」
「……なんかしょうもなく感じるわね」
それ、人里の大変な事だから八雲紫の大変な事では無いんじやないかしら……まあ、人里も管理しているならそれが大変な事なんでしょうけど。
「私はあなた達をまとめるのが大変ね」
「……言ってくれるわね第六紫。第二紫やってしまいなさい!」
「この前私が第六紫に手も足も出なかった事を忘れたのかしら?」
「あっ……」
「槍はあんなに出してたのにね」
「手も足も出てないのに槍は出た……?はっ!閃いっ」
第三紫がそう言った瞬間に第三紫がスキマの中へと消えていく。そして、微かだが悲鳴がスキマの中から聞こえてきた……すぐ聞こえなくなってしまったが。
「本当に、まとめるのが大変ね」
「……第六紫。第三紫はどこに?」
「さあ?いきなりスキマに入って行くのだから突然見過ごせない用事でもできたのではないかしら?」
「けど、悲鳴が聞こえたわよ」
「私は聞こえなかったわね?幻聴ではなくて?」
第六紫に恐れる事なく次々に質問していく第十紫。私なら途中で怖くなってやめてしまうでしょうけど……第十紫はすごいわね。他の紫も動けてないと言うのに。
「いえ、微かだったけど聞こえたわ。あのスキマができたところからね」
「……もしかしたらまた幻聴が聞こえるかも知れないわね。第十紫以外のゆか──」
「ごめんなさい、ただの幻聴だったわ」
「……なら、それでいいのよ」
撤退するの速すぎない?いやまあ、自分もあれをされたくないのも分かるには分かるんだけど……なんか凄いと思った私が恥ずかしいわ。
「じゃあ、一人減ったけど会議を続けましょうか……ね?」
「賛成。いつまで重い空気で居るつもりよ」
第六紫に続いて第一紫がそういう……いつもならみんながいろいろ言ってたんでしょうけど向こうには第六紫が居るものね。みんな大人しくしておくしかないと思ってるんでしょう。私もそうだけど
一応、会議は続いたけどいつもの雰囲気にはならなかったわ。
第四紫……気づいたら自分のところの巫女が妖怪化していた紫。まあ、巫女としての仕事は果たしてるから別に問題無いと思っている。第七紫とほぼ同じように見えるが異変の時系列が違ったりキャラがそれぞれ違ったりしている。