八雲紫会議   作:王者スライム

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それなりに早く投稿できた……筈。


八雲紫会議 その7

「では、今日も会議を始めるわよ。議題は……地底についてね」

 

地底……あの、厄介な妖怪しかいないところね。あそこに行っても、だいたいは変な鬼に絡まれるだけだし、そもそも行く理由もさとりに力を借りたい時ぐらいしか行かないのよね。そのさとりも性格難アリだから近づきたくはないのだけど、他はどうなのかしらね。

 

「地底……ああ、あの能力のせいで性格を拗らせた人たちが多いところね!」

「ちょ、ゆかりん!?」

 

絶対地底の奴らに聞かせたらぶん殴られる言葉じゃない……いや、まあ完全に間違ってるとは言いがたいし、ある程度的は得ていると思うのだけど……あんまり堂々と言えるような言葉ではないわよね。

 

「……地底について話し合うとしてもあまり地底には行かなくないかしら?」

「そんなことは無いわよ?よく、遊びに行くわ」

「正直言うと、あまり第八紫の世界は参考にならないわね」

「そんなことは無いでしょうに……ただ、私は知り合った相手に恩を売って名前を覚えて、仲良くしてるだけよ?」

「それが異常なのよ。人里の人間全員の名前を覚えてるの絶対あなただけよ」

 

ええ……第八紫、第一紫とは違う方面でヤバいわね。て言うか、なんでそんな異常なことを普通みたいに言えるのかしらね……。

 

「地底は最近全く行ってないわね……一番最初に霊夢に支配されたところだし」

「……改めて第九世界の霊夢が恐ろしく強い存在だと思い知らされたわね」

「そうなのよね……助けてくれないかしら?」

「絶対にいやよ」

 

……他世界への干渉を拒否してるというか、触らぬ神に祟りなしって感じよね。まあ、私も第九紫から頼まれたら絶対断るけど。

 

「地て……い?」

「第十紫のところにはないのかしら?」

「なんか文献で読んだような気はするのだけど……多分場所は知らないわね」 

「そうなの?厄介な妖怪ばっかりいるから、一度は行ってどんなやつらか把握しておいた方が良いわよ?」

 

だいたいは酒を飲んでる酔っぱらった鬼達なのだけどね。下手に力を持った酔っぱらいだから厄介なのだけど。 

 

「地底なんて恐れるに足らずよ……霊夢にかかればすぐに金儲けの場所に変わるわ」

「第三紫の霊夢、金儲けに対して活発的過ぎないかしら」

「幻想郷一の金持ちだもの……この前は金儲けの仕方講座みたいなのをやってたわね。金をとって」

「なんとなく聞いてみたい気がするわ、それ」

 

金儲けね……そんなにお金には困ってないから重要視するほどではないわね。確かに幻想郷一で稼いでる霊夢の話は聞いてみたい気もするけど……絶対お金を取られるわよね。

 

「地底は結構強い騎手が多いわよ。あまり大会には出てくることはないけど、腕が衰えているようには見えないから、多分地底は地底で大会を開いてるんじゃないかしら」

「地底も馬を使って移動してるのね……」

「確か月も馬が移動手段だったわよ」

「根っこから違うって分かっているけど違和感がでくるわね……」

 

ある程度似ている世界だから出てくる違和感よね……全部違ってたらそれは普通な違う世界なんだなぁですむけど、人物が一緒だから根っこから変わるのがおかしく感じてしまうのよね……いまだに慣れないわ……。

 

「地底は厄介なところよ。よく、地上に攻めてくるもの」

「第六紫が珍しく発言したと思ってたら、とんでもない恐ろしい事を口走ったのだけど……」

「血が騒いでるのかどうかは分からないけど、1ヶ月に一回は確実に攻めてくるわね。私一人で抑えるの大変なのよ?」

「……地底から出てくる妖怪ってどんなのが多いのかしら?」

「ほとんどは鬼よ。あとはまばらまばらに能力が厄介なだけの妖怪達かしらね」

 

……多分、攻めるって言うくらいだから百人以上鬼はいると見ていいわよね……それを一人だけで制圧するってどういうことなの?他にも妖怪が攻めこんでるみたいなのに……本当にどういうことなの?

 

「最近、神社に温泉が沸いたと思ったら悪霊が出てきて出てきて……それの原因が地底にあったのよね。地底は会うだけでもアウトな妖怪が多いから霊夢が心配だったのだけど……出会い頭にぶっとばしていくのを見て、そう言えば妖怪になってた事を思い出したわ」

「……いや、まあ霊夢ってことは元から強かったんでしょうしそれが妖怪化したわけだから確実に強いのは分かるのだけど、そんな地底の妖怪をぶっとばしていく程に強くなるものなの?」

「なってるものは仕方ないでしょう?」

 

突っ込みたい……そもそもなんで博麗巫女を妖怪なんかにしてるのよと突っ込みたい……。

 

「殺伐したところが多いわねぇ……まあ、私のところは地底とも仲良くやってるのたけど」

「貴女が馬鹿にならない限り、貴女の世界で争いが起きる訳無いでしょうに」

「いやいや、私の気分だけで世界が救われる訳無いでしょう?」

「普通ならそうでしょうね。普通なら」

「……?私は普通よ?」

「どの口が言ってるのよ!どの口が!」

 

またケンカが……とは言ってもこのケンカも慣れてると言えば慣れてるのよね。本当にヤバいと思ってたのは最初辺りの紫会議だし……そもそも最初辺りはこのケンカもなかったのよね。第一紫の秘密を誰も知ってなかったから。

 

全員が知ってしまった今はもう、ケンカだらけな訳だけど……まあ、第一紫が自分達と同じ八雲紫と思いたくないものね。仕方ないわ。

 

自分と同じ姿をした人物同士がケンカするのを見ながら、そう思った。

 

 

 

 

「さて……八雲紫会議を始めさせてもらうわ。今日の議題は人里よ。」

 

人里……たまにつけあがった妖怪が利用しようと企むところよねぇ……まあ、基本的にだいたいは人里を舐めているやつらがそんな事を考えるから、余裕で人里の優秀な人材に泡を吹かせられるのが大半なのよね。

 

知能がない妖怪は人を求めて人里をたまに襲いに行き、逆にちょっとだけ知性がある妖怪は人里を利用しようとする。そして普通に知性がある妖怪は人里と接しないか、友好的に接するのどちらか。

 

一番争いで無くなりそうな場所に見えて、一番安全と言える場所なのよね。妖怪は人間の畏れから存在してるから当たり前と言えば当たり前なのだけど。

 

「人里は良いところよ。よく、魚とか肉とかおまけしてくれるもの」

「第八紫のその交流力を見習いたいわね……完全に真似しようとは思わないし、できないのだけど」

「恩は誰が相手であろうと売っておくべきよ。もしかしたら、いざというところで使えるもの」

「その理論があるから人里の子供にも恩を売れるのね……」

 

人里の子供にも恩を売るのは流石に見境無さすぎじゃないかしらね?交流とかならまだありそうなものなのだけれど……子供に恩というのは……ねぇ。

 

「案外、子供は昔の事を覚えているものなのよ?たかが一回だけじゃあ記憶に残らないかもだけど、私みたいに何度も交流しておけば覚えて貰えるでしょうね。だから人には子供の頃に恩を売っておくものなのよ」

「そもそも普通はそんな出会い頭に恩は売らないものなのだけど……」

 

……もしかしてどこの八雲紫もどこかが狂ってたりするのかしらね。こんなに世界があるのだからどれが常識かどうかなんて分からないのだけどね。

 

「人里は子供への教育に良いものよ。馬を選べて、難しくても寺子屋の先生が教えるし……ああいうところが人間の強いところなのでしょうね」

「一つに纏まれるというのは一つの強みよね」

「そうよね……天狗たちも人里の人間を見習って欲しいものだわ。やっぱり一人一人の個体が下手に優れているせいであんな性格になるのでしょうね」

「上の存在に成る程さらにめんどくさい性格なのよね……逆に下っ端の方は素直で可愛い性格が多いのわね」

 

天狗はねえ……嫌な性格してるわよね。自分より弱い相手にはイきる癖に自分より強い存在には、頭を下げるのだもの。頭を下げても忠誠を誓った訳じゃないというのがさらに嫌な性格だと思わせてくるわね。

 

「人里と言えば美味しいスイーツよね。饅頭に団子に……時には外から本が手に入って、情報を得て新しいスイーツができるのも素晴らしいわ」

「確かに、食に精通してる場所でもあるわね。向上心が高いと言うのかしら。美味しいのを食べたら、さらに美味しいのを作りたいという気持ちがあるのでしょうね」

「それを思うのは店の店員という人里の人間の一部とはいえ、店同士だからこそ対抗心とかも出るのでしょうね」

 

美味しい食べ物ってほとんどは人間が作ったものだものね……人間に負けてたまるかと頑張ってる妖怪も探したら見つかるかもしれないわね。もしかしたらの話だけど。

 

「人里……ああ、霊夢のカモがたくさんいるところね」

「そのカモって金儲けの犠牲者ってことよね?」

「その通りなのだけど……霊夢がいたらこう言うでしょうね。『向こうも満足してるのだから問題ないわよ』って」

「悪役が言いそうなセリフよね、それ」

 

なんか第三紫のところの霊夢って金儲けに命をかけてそうよね。お金が十分あるのに、金儲けをし続ける理由は全く分からないけど。

 

「人里?あの霊夢と交渉して、霊夢の下についた裏切り者共がいる場所のことでしょう!」

「そもそも貴女の味方ではなかっただけじゃあないかしら?」

「止めて!私に現実を見せないで!」

 

そういいながら耳を塞ぎまるまる第九紫。可哀想だとは思うけど……同時に哀れと思ってしまうわね。もう第九紫も霊夢の下についた方がいいんじゃあないかしら。

 

「人里は幻想郷を構成している要素の一つだし……まあ、どこも平和よね。」

「そうよねぇ……私のところも平和な訳だし」

「何勝手に会話に入って来てるのよ、第一紫」

「いいじゃない、別に。ここは八雲紫会議する場所よ?私にも会議する義務があるわ」

「そもそも貴女が本当に八雲紫なのかは怪しいところなのだけどね」

 

……本当に息をするかのようにケンカが始まるわね。片方はズバズバ言って、片方は適当にあしらう。このケンカ構成が更なるケンカを生む理由なんじゃあないかしらね。

 

というか、だいたいケンカをするのは第一紫となのよね。まあ、第一紫が気持ち悪いから仕方ないのだけど。嫌いじゃないけど近づいて来てほしくないわ。

 

聞こえてくるケンカの声を適当に流しながらそう思った。




第八紫……幻想郷のみんなの名前を覚えており、そのみんなと仲良い八雲紫。だが、どの人物にも恩を売る目的で近づいている。

恩を売る理由はいつか役にたつかもしれないから。第八紫はどの人物とも仲が良いがどの人物にも心を許してはいない。
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