oregairu SS -第2世代奉仕部レポート- 作:なんとなくNT
「橋本、呼ばれたわけが分かるか?」
職員室にてプリントを片手に平塚先生はそう聞いてきた。
時は6月某日、入学して2ヶ月と少しが経ち色々と落ち着いてくる時期である。ちなみに、この二カ月で俺は身長が3mmほど縮んだ。
「...分かりません」
「ハァ...」
ため息を大きくつき持っていたプリントをデスクに置くとある欄に指をさした。そこは【進学希望先】と書いてある。
「そこには私立文系四大と書いた気が...」
「あぁ確かにそれは書いてある」
「ならどうして——」
「それ以外書いていないことを言っているんだ」
「.......!」
一瞬何のことか分からず、そして思い出す。そういえば、他の欄埋めてなかった。
「いや...それはぁ....特にまだ決めていなくてですね.....」
「別に決めていない事を言っているんじゃないだ、何も書いていない事を言っているんだ」
「それは同じじゃ...」
「今の君の年齢で将来が分からないのは当然だ。だからこそ、今その瞬間だけでいいから何か思いを残しておくのは非常に重要なんだ」
「はあ...」
「君が本当に将来で困った時があればこの事がヒントになるかもしれないからな」
確かに、言われてみればそうかもしれない。なんか納得した。
「それに、これはあくまで恒例行事のようなものだ。そこまで真面目に書かなくてもあまり問題無い」
「今の一言で何か大事なものを失いかけました」
「だが、先に言ったことも本当の事だよ。だからこれが再提出だ」
「えぇ...」
「そんなに難しい事じゃないだろう?そこまで悩まなくていいと言ったじゃないか」
「そう言われましても...」
「そうだ、なら何か趣味はないのかね?」
「ぬぅ...これといって特には」
「そうか...確か部活にも入っていなかったな」
「そうですね」
「なら放課後は何をしているんだ?」
「動画観てるか寝てるか、あれば宿題に手をつけてるか」
「つまり何もしていないんだな...」
「そうとも言いますね」
「ちなみにだが...大学のさらに先の事はどう考えているんだ?」
「大学のさらに先、ぬぅ...大学にもよりますけど何処かに就職すると思いますね」
「就職願望はあると?」
「そうなりますね」
「....専業主夫じゃないだけマシだな(小声)」
「なんですか?」
「いや此方の話だ。....よしっ」
そう言うと、先生は徐ろに立ち上がった。
「ちょっとついてきたまえ」
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先生に連れて来られたのは人気の少ない棟のある教室だった。えっ、何か不穏な空気しかしないのだけれど大丈夫?
「失礼するよ」
先生はその教室のドアをノックせずに開ける。
「あっ!平塚先生!」
中から元気な女性の声が聞こえる。
「おう比企谷居たのか、ちょうど良かった」
「どうしたんですか?」
「少し時間いいか?」
「どうぞどうぞ! 是非是非!」
「橋本、入りたまえ」
俺は催促されるままに教室に入る。中には女子生徒が一人だけいた。
「あっどうも...」
「先生、そちらの生徒さんは?」
「紹介しよう私の組の生徒の橋本だ」
「ってことは1年生...!」
「あぁそうだ、新入部員を連れてきたぞ」
「ふぁ?」
唐突な謎の宣言に間の抜けた声が出る。てかここ部室だったの。
「新..入部....員?」
「そうだ、奉仕部の新入部員として君には頑張ってもらう」
「奉仕部...」
名前だけは聞いたことある。何でも、生徒のお願いを依頼として引き受け解決してしまうとか。あとは、なんか学校を裏で糸引いてるとか変な噂も聞いたことあるぞ。
「えっ...いやでも....」
「先生ぇ、また無理矢理連れてきたんですか?」
「無理矢理とは人聞きが悪いな。私はついてこいと言っただけだぞ」
先生はそのまま女子生徒と話し始めてしまう。
「.........」
「というわけだ、部長の意向を聞いて一応橋本の希望も聞こう」
「一応なんすね...」
何故か半ば諦めてる俺がいる。
「そんな無理して入らなくても平気だよ? 結構大変な部活だし」
女子生徒からは少し心配気な声をかけられた。
「しかしなぁ...橋本が入らないとなるとこの部活は廃部になるかもなぁ」
「えっ、そうなんですか?」
「彼女の他にもう一人男子部員がいるんだが、今は2人だけで活動しているんだ」
「なんでまた」
「去年までは3年生が居たんだが卒業したからな。今は1学期だからなんとか保っているが、最低3人は部員数いないと2学期にはどうなっているのか....」
「ぬぅ...」
「平塚先生ぇー...1年生に変な事言わないで下さいよ」
「しかしだな.....」
「しかしも何もありませんよ!あれじゃ只の脅しじゃないですか!」
「あの——!」
「ん?」
俺は女子生徒に聞いた。
「廃部っていうのは本当なんですか?」
「ん〜...それはこのままだとそうなるかも」
「えっ...」
「あっ!だからといって入れって言ってる訳じゃ無いからね!」
少し考える。この部活に関して言えば俺は何も関係が無い。むしろただひたすらに巻き込まれるてる感すらある。だけど———
「...俺で良ければ入りますよ」
——だけど、このまま終わらせてしまうには何か勿体ない気がした。
「えぇ!? そんな無理しなくていいんだよ!!」
「いや...無理はしてないですよ。自分暇なんで、特に何ができるとかではないんですが。俺含めて3人いればいいんですよね?」
「そうだけど...本当に大丈夫?」
「そちらが嫌なら辞めますけど...」
「いやいやいや!そんな事全然ないよ‼︎ ....そっか、じゃあよろしくね!」
握手を求めるように右手を差し出してきた。
「いえ、こちらこそ」
まあ、これも既に奉仕活動なのかな。などと思いつつ、差し出された手を握り返す。
こうしてその日の内に入部届けを提出し、奉仕部へと正式加入したのだった。
しかし、まさかこの後あんな事になるなんてこの時の俺は知る由もなかった...。
と言っておけば雰囲気は出るのではないかと思ったが、特に俺の中の気持ちは変わらなかった。
pixivで元々書いていてそれの第1話転載です。
コメント下さい。多分成長します
それではみなさん
パイナポォ(「・ω・)「