oregairu SS -第2世代奉仕部レポート-   作:なんとなくNT

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多分成長します、植木の如く




#2-3 Case1-依頼人:菊名 薙-

 

—比企谷家:夜

 

「お兄ちゃーん? 起きてる?」

 

「ん? おー、なんだ小町?」

 

「うわっ...なんで相変わらずそんな腐って濁りきった目でアニメなんか観てるの...?」

 

「別に俺の目は腐って無いし、濁ってない、むしろ純真さまであるぞ。俺の目がそう見えてるのは俺の目に映っているこの世界がきっと—」

 

「ハイハイ、まあごみいちゃんだから仕方ないかぁ...」

 

「えっ、何、その結論に達するの早くない? てかその結論酷くない?」

 

「そんな事はどうでも良いの! ねぇお兄ちゃん、雪乃さんと今連絡取れる?」

 

「雪ノ下? 多分取れるとは思うが、どうした?」

 

「ん〜、ちょっと部活の事で相談したいことがあってね」

 

「なら雪ノ下じゃなくて俺に相談でいいじゃないか」

 

「え〜やだよ、お兄ちゃんのやり方ってどうせ碌なの無いんだもん」

 

「えぇ...それ割と傷つくんだけど」

 

「ほらっ早く連絡して!」

 

「てかお前が直接連絡すれば—」

 

「私のは充電切れてるの! ほら早く早く!」

 

「えぇ...」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「...もしもし雪ノ下か? 悪いなこんな遅くに....」

 

『...........』

 

「いや、俺じゃなくて小町がお前に相談したい事があるらしくてな....」

 

『...........』

 

「えっ来週? えーっと、確かその日は体調が悪くて....」

 

『...........』

 

「....あぁ、分かった、分かりました。行きますよ」

 

『...........』

 

「それじゃあ小町に変わるわ。ほれ小町」

 

「うん、ありがと」

 

「来週か...いきなりすぎるんだよなぁ...」

 

「もしもし!雪乃さん、お久しぶりです!」

 

『えぇ、お久しぶり小町さん。それで相談というのは?』

 

「部活の事で少しお話させていただきたいんですが—」

 

 

=========================

 

翌日、俺の中では特に意見はまとまらなかったが部室に向かう事にした。

 

「うーっす」

 

「あっ有麻くん、やっはろー!」

 

「やあ、橋本くん」

 

部室には既に2人とも揃っていた。しかしこの人たちいつも早いな。

 

「じゃあ有麻くんも来たし、始めよっか」

 

部長の合図で机を囲むように座る。

 

「それで、昨日雪乃さんに相談に乗ってもらったんだけどね...」

 

=========================

 

「—ということなんですよぉ...」

 

『そう...それは確かに難しい依頼ね。残念だけど、おそらく私では力になれそうに無いわ...』

 

「そんなぁっ! 雪乃さんだけが今は頼りなのにぃ....」

 

『きっと小町さんの言う通りその男子生徒は相手の話を聞く事はしないと思うから...会話が出来ない相手を対処するのは私でもかなり難しい事なの』

 

「うーん....ですよねぇ」

 

『それに—』

 

「?」

 

『それに頼りになるのは「私」だけでは無いわ』

 

「え? 他に誰がいるんですか??」

 

『そういう相手はむしろ私より比企谷くんの方が得意じゃないかしら?』

 

「えぇ!? それはどうですかねぇ...お兄ちゃんのことだから、人の気持ちとか逆撫でしそうな事言いそうですし....」

 

『それはどうかしら? 本心が分からない相手なんてそれぐらいしないと気持ちなんて見えないものよ』

 

「それはお兄ちゃんのことを言ってますか?」

 

『! ...ゴホンっ、それよりも比企谷くんに早く相談してみたらどうかしら?もう夜も遅いことですし』

 

「あっ、そうですね。夜遅くにすみませんでした」

 

『いえ、こちらこそ余りお役に立てずにごめんなさい』

 

「そんなことは無いですよ!むしろ色々と助言していただいてありがとうございます!!」

 

『そう? なら良かったのだけど...じゃあ小町さん、おやすみなさい』

 

「あ、あの雪乃さん!」

 

『? 何かしら?』

 

「その、これからも...兄のことをよろしくお願いします」

 

『...ふふっ、こちらこそよろしくお願いしますね』

 

「はいっ! それでは雪乃さんおやすみなさい!」

 

『ええ、おやすみなさい』

 

=========================

 

「それでお兄ちゃんにも相談したんだけど、やっぱり雪乃さんと同じ感じで...」

 

なんだろう、最終的に変な惚気...なのか?そんな事を聞かされた気がするぞ。しかも、その対象が部長じゃなく部長のお兄さん。てか兄弟いたんだ。

 

「ま、まあ自分たちで考えようって事だね」

 

ほらシャイニングボーイの大志くんもなんか気不味そうだし。いや、輝いてはないか。

 

「うーん...困ったなぁ」

 

先輩たちは頭を抱え考える。それにしても、会話が出来ない相手に説得矛盾を達成させるのか。まるで無から有を作ろうとしてみたいだな。普通に考えればそれは無理だよな。俺も普段だったらそんな事はしたくない。しかし、今回は仕事だからやらなくてはいけないわけで—

 

「....あっ」

 

「? 有麻くん何か思いついたの?」

 

昔誰かが言ってた気がする。「逆に考えるんだ、『あげちゃってもいいさ』と考えるんだ」と。そうだよ、わざわざ説得なんて面倒なことしなくていいんだよ。

 

「...そうだ...それでいいじゃないか......」

 

「おーい? 有麻くん?」

 

「部長」

 

「うわっ、びっくりした。で、どうしたの?」

 

「今回の依頼は最終的にはその生徒を依頼人まで連れて行けばいいですよね?」

 

「えっ、まあそうだけど」

 

「ならこの依頼俺に任せてもらっていいですか?」

 

「! 有麻くん何か思いついたの?」

 

「ある程度は。だけど、この方法は万人に通じるやり方ではないので成功するか分かりませんが...」

 

「そっか、でもやるだけやってみようか! 大志くんもそれで大丈夫?」

 

「そうだね、このまま考えるよりは行動した方がいいかもしれない」

 

「よしっじゃあ善は急げ!早速片倉くんを探そう!」

 

「まあ善かどうか分かりませんけどね...」

 

そう誰にも聞こえない様に俺は小さく呟いた。

 




次回、#2のラストです

最後まで楽しんでください、楽しんでほしい

それではみなさん
パイナポォ(「・ω・)「
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