oregairu SS -第2世代奉仕部レポート- 作:なんとなくNT
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植木が如く‼︎
—翌日
そんなこんなで、あの後片倉という生徒を探すことになったのだが結局見つかることはなかった。そして、今日は放課後になってすぐに捜索を開始した奉仕部3人。菊名先輩が教えてくれた場所がそれぞれ距離があるので手分けをして探すことにし、見つけ次第連絡を入れるということにしたのだった。
「しかし、本当に大変だな...」
依頼が来て3日しか経っていないのだが、既にそれなりの疲労感を感じれている。これは何度も思ったことだが依頼というのを解決するのは忙しくて大変なんだな。
「ここは...いないな」
俺が割り当てられた箇所の殆どを確認したが、それらしい姿の人物はいなかった。
「......あっ」
ここで更なる事実に気づく。
「俺、片倉って人知らんじゃん....」
俺は今まで何をしていたんだ。姿形が分からない人の筈なのに2日間も何を求めて探していたんだ。
「....やっちまったなぁ」
途方にくれそうになったとき、携帯が鳴った。
『もしもし有麻くん! 片倉くん見つけたから急いで来て!場所はメールで送るから!』
そこに神がいた。
ともかく、指定された場所まで急いで行くことになった。
× × ×
「あっ来た来た、おーい!」
「比企谷さん声大きいよ...」
「すみません、お待たせしました」
指定された場所に行くと既に2人とも揃っていた。
「で、どの人が片倉って何ですか?」
「ほら、あの人」
部長が指差す先にはベンチに座っている総武高の制服を着た男が一人いた。
「....なんかデカくないっすか?」
ぱっと見て190cm以上はありそうな体格。しかも茶髪でオールバック、制服もだらしなく着崩し、ネックレスやピアス(イヤリング?)の装飾品を身につけいかにもな風貌をしておる。
「片倉くんってイギリス人と日本人のハーフらしくて、あの髪も地毛らしいよ」
「あぁ...だからジョージなんですね...」
何と安直な! にしても、彼の格好はあまりにも露骨な格好しすぎて逆に違和感がすごいするんだよな。
「ふぅ〜ん...なんとなく分かったわ」
「え? 何が分かったの?」
「ちょっと待ってて下さい、5分で戻ります」
そう言い残し、俺は急いでコンビニに向かった。
× × ×
結局5分ではなく15分かかってしまったが2人の元へ戻る。
「すみません、今戻りました」
「おかえりー、どこ行って—うえぇっ!?」
「橋本くんどうしたのその格好....」
普段はおろしてる髪を上げてワックスで固め、制服はシャツの胸元を開けてズボンは腰パンに。そう、いわゆる「いかにも」な格好である。
「まあ、「餅は餅屋」というか「毒を以て毒を制す」というか...とにかく行ってきますね」
「えっ、あっちょっと有麻くん!」
「はい?」
「あんまり危ないことはしないでね...」
その部長の言葉にはこれからしようとしている事が分かっている様だった。
「....はい、大丈夫ですよ!」
俺はそれに笑顔で答える。別に危なくなる事はしようとはしていないから。
× × ×
「あんたがD組の片倉か?」
その男の前に立ちとりあえず声をかけてみる。
「あ? なんだお前?」
「質問に質問で返すなと先生に習わなかったのか? もう一度聞くぞ、あんたが片倉 条慈か?」
「だったらなんだ? てかそもそもお前なんだよ?」
「なんだよって...そうだな....奉仕部、といえば分かるな? あんたも総武高生なら一度は名前くらい聞いたことあんだろ」
「奉仕部?....あぁあのパシリ野郎共か」
「パシリか...ははっ、強ち間違っちゃいねーな」
「んで? そのパシリが俺になんの用だ?」
「あっ、ちょっと待って」
「あ?」
俺はポケットから風船を取り出すとそれを膨らました。
「...要らないと思うけど風船いる?」
「は?」
「.....いや、何でもない」
風船から手を離すと、空気が抜けると同時にその推進力でどこかへ飛んで行った。....冗談の通じない奴だ。
「さっきからお前なんなんだよ?ナメてんのか?」
「いや悪い悪い、話を戻そう。俺はある人から依頼を受けててね」
「ある人からの依頼? なんだ俺を殺してこいとか言われてきたのか?」
「俺にはあんたがそんな大物には見えんがな」
「なんだと?」
「まあ、依頼内容は至って簡単だ。あんたを依頼人の元へと連れて行くことだ」
「依頼人の元へだと? 誰だよそいつ」
「....ま、今回は守秘義務は無さそうだしな。確か、依頼人の名前は菊名...さんだっけな」
「...薙が?」
「確か幼馴染なんだっけか...はあ、そんな歳になっても誰かに心配されてる様じゃダメだな」
「あぁ?」
「なんだ、分からんか?あんたにはその世界は向かないって言ってんだよ」
「......」
「だいたいあんたは何もかもが中途半端なんだよ。アウトローぶってるくせに制服着てるしよ」
「........」
「そんで制服着てるくせに学校にも来やしねぇ、とんだ「構ってちゃん」だな」
「..........テメェが....」
「形から入るのは構わねーけどよ、もっと世間ってものを知れってんだよ。しかも—」
「テメェが俺の何を知ってるんだってんだよ!!」
ここで片倉に一発殴られた。
「....イッテェ....まあ人を殴ることだけはできるんだな」
「ハァ...ハァ....あぁ?」
「だがそれだけだな。やっぱりあんたはその世界には向いてない」
「ウルセェっ!!」
さらにもう一発殴りかかってきたが、それを避けてその腕を固定する。
「一つだけ教えておいてやる。仮にそれでもその世界に進もうと思うなら—」
その瞬間、片倉の腹部に膝をぶち込む。
「—相手の力量くらい量れるようになれ」
「ぐぅっ....」
膝蹴りされその場に膝をつく片倉。
「あんたさ、さっき「俺の何を知ってるんだ」とか言ってたけどそれを言わなかったのはあんただろ?」
「.....チクショウ.....」
こいつ意外とまだまだ元気だな。
「まあ俺は興味ないけどさ、聞いてくれる人がいるんだ。だから、精一杯聞いてもらうんだ....な!」
まだ膝をついていた片倉に対し、その場でジョン・ウーを繰り出した。
「ぶっはぁっ!」
そのまま1mほど飛び片倉は動かなくなった。
「ふーぅ...おーい!大志くーん!!」
俺は自身に決めた役割を終え、待機していた大志くんを呼ぶ。
「有麻くん大丈夫だった!?」
大志くんと一緒に来た部長に先に声をかけられた。その間に大志くんは倒れている片倉を肩で担いで来た。
「まあ一発殴られたけど大丈夫ですよ。これくらい大したことじゃないので」
「なら良かったぁ。....でも—」
一瞬にして部長の雰囲気が変わるのを感じた。
「—でも、危ないことしないでって言ったよね?」
部長のことは知り合って間もないが、その目は確かに怒りが籠っているのは分かる。
「えっ...いや、これは成り行きでああなって.....」
「嘘、絶対嘘。こうなるって分かってた、いやこうなるようにやっていたんでしょ」
「.......」
何も言えなかった。この人は本当にどこまで分かっていたのかは分からない。ただ、この人には全て見通されてる気がした。
同年代の人にここまで本気で怒られるのも、ここまで本気で反省する気になるのも初めてだった。
「はぁ...今回は私たちの確認不足や思考不足もあったからこれ以上は言わないけど—もう、二度としないで」
まっすぐ目を見て言われる。俺にはその目から逸らす事が出来なかった。
「....はい」
「ならよろしい。....じゃあとりあえず帰ろっか!」
そしていつもの部長に戻る。この瞬間から俺はこの人には敵わないと実感した。
「橋本くん...そろそろもう片方支えてくれないか...彼結構重いんだ」
「あっ....ああすみません」
大志くんと2人で両肩を支えて3人(片倉含め4人)で学校に戻っていった。
× × ×
その後、保健室まで運んでベッドに転がして先生に事情話して菊名先輩を呼んでと色々やったが、あの2人は話す事が出来たらしい。まあ、2人しか居ない空間で片倉はそこまで動けないから話すしか無かったのだろう。てか、それが目的だったし。
そして初の依頼を終えた俺たちは—
「大志くぅ〜ん...何か一発芸やってよぉ」
「無茶振りがすごいな....」
また暇な時間を過ごしていた。ここが奉仕部の良いところでもあり、悪いところでもある。
「ぬぅ...何かやる事...やる事.....!」
俺はある事を思い出した。
「そうだ、アレ作ろうよ」
「アレ?」
「大志くんなんか使ってないノートとか無いっすか?」
「ん〜、教室にだったら新品が数冊あるけど...」
「じゃあちょっと取ってきますね!」
「えっ、ちょ、ちょっと!」
俺は部室を飛び出した。そして—
「大志くんのロッカーってどれですか?」
また戻ってきた。
「はあ、だから言おうとしたのに...俺のロッカーは—」
そして、大志くんから新品のノートを一冊貰いある物を作ることにした。
「やっはろー!」
ここで部長も丁度やってきた。
「ん? 有麻くん何書いてるの?」
「『活動レポート』ですよ。以前聞いたときに無いと言われたので」
「あぁー! それいいね!」
こうして、改めて俺たち奉仕部の活動が始まっていくのを感じた。
以前言った通り今回で一時お休みします
とか言ってどうせすぐ復活するでしょうけど
希望があればキャラの説明くらいは書きます
それではみなさん
パイナポォ(「・ω・)「