「乾杯!」
「にしても、あんたのおかげで楽できて良かったわ」
「そう?まぁ、今回はいろいろ危なかったからねぇ」
「…ただ、宴会がここで開かれるのには納得いかないけど」
「いいじゃん、桜綺麗なんだし」
「片づけるのが面倒なのよ……」
それは確かに面倒くさいなぁ。前回の宴会の片づけしてくれた咲夜ちゃんには感謝しておかないとね。
「それはそうと、あんたのお酒、…ウィスキー?だったからしら、美味しいわねこれ」
「気に入ってもらえてよかったよ。まだまだあるから欲しかったら言ってね」
呪い酒用にストックしてあったからね。まぁ、もう呪い酒とか必要ないんだけど……。
「あんたの食べてるそれ、何?」
「フライドポテト。食べる?いい感じの塩味がお酒に合うよ?」
「もらうわ。……これ美味しいわね」
「でしょ!ただ、これはあんまり予備がないからいっぱいはあげられないけどね」
こんなことならアクリ・テオラでもっと買っておくべきだったかな。
……霊夢ちゃん、ただの乞食かと思ったけど宴会でお金使ってたのか。
次からも賽銭?してあげるかな……。
「ユキー!ちょっと来てー!」
紫ちゃん?どうかしたのかな。
「ごめんね、ちょっと呼ばれたから行ってくる」
「行ってらっしゃい」
*****
「紫ちゃん、どうかしたの?」
「ちょっとね。ほら、幽々子、ユキと話したいことがあったんでしょ」
「えぇ……。ごめんなさいね、あなたのこと殺そうとして」
あぁ、なんだそんなことか。
「いいよいいよ。死に慣れてるしね。こっちこそ、妖夢ちゃんのこと殺してごめんね?次からは殺さないように気を付けるよ」
「別にいいわ。ちゃんと生き返らせてくれたから。でも、そうね。次からは殺さないで欲しいわね」
「善処するよ」
うっかり殺しちゃった場合は許してね?ちゃんと生き返らせるからさ。ペット用に復活のストックはいっぱいあるんだ。
「ところで、さっきから静かだけど、どうかしたの?妖夢ちゃん」
もしかして怖がらせちゃった?んー、死ぬことに慣れてない人の相手は初めてだからなぁ。
「………ユキさん、私を弟子にしていただけないでしょうか?」
「弟子?」
「…妖夢?」
「あなたの剣の腕に見惚れました。どうか、私を鍛えていただけないでしょうか」
「……私としても、妖夢ちゃんのことは鍛えたいなぁとは思ってたけど、幽々子ちゃんはいいの?」
「幽々子様……」
「いいわよ? 妖忌が居なくなってからあなたの師と呼べる人はいなかったものね。…この機会に腕を磨いてきなさい」
「ありがとうございます!」
「あ、ただ、私の食事は作って欲しいわね」
「…幽々子様らしいですね」
「だって、私料理できないもの。それに、妖夢の料理は美味しいからね」
「分かりました」
話は終わったかな?
「さて、具体的な特訓方法だけど。今から言う選択肢の中から一つ選んでね。
”死ぬまで私に斬られ続ける”
”3食ハーブのみ生活”
”閉鎖空間の中でドラゴン退治”
どれがいい?」
「……え、剣の腕を磨いていただけるのでは」
「うん、そうだよ?ただ、それだけだと弱いままだから、ほかの能力も鍛えようと思ってね」
「というかユキ、あなた閉鎖空間なんて作れたんですの?」
「うん。紫ちゃんのムーンゲートとは違うけど、作れるよ」
「ムーンゲート?……あ、あぁ、すきまのことね」
なるほど、ムーンゲートはすきまって名前なのね。…あ、だからみんなスキマ妖怪って言ってたのか。
「……一つずつ説明してもらってもいいですか?」
「一つ目のは、サンドバッグっていう一時的に不死身になれるアイテムを使って、ひたすら私に斬られ続けるの。耐久力とか上がるよ?」
「すみません、さすがにそれは……。えっと二つ目は」
「二つ目はそのまんま、食事の時間にハーブしか食べちゃダメ。健康上全く問題ないし、筋力とか色々な能力を上げることができるよ。
……ただ、ハーブ自体が物凄く不味いけどね」
「そんなに不味いのですか?」
「食べてみる?はい、キュラリア」
キュラリア
食べるだけで全ての主能力に特大の経験値が入るハーブ
「頂きます。……おえっ、…っんぷ」
「吐いてもいいよ?」
「……っん、何ですか…これ…。物凄く苦いです……」
「だよねー。大丈夫、私も数年間食べ続けてきたけど、そのうち何も感じなくなるから。ほら、口直しにこれでも食べな」
リンゴのクレープ
「頂きます。…んっ、あむっ、お…、美味しい…。ぐすっ……、物凄く、美味しいです」
「泣くほど?! …まぁ、ハーブの後じゃしょうがないか。幽々子ちゃんと紫ちゃんも食べる?」
「い、いえ…、遠慮しておくわ」
「…頂いてもいいかしら」
「どうぞ?」
「あむっ……、…っん゛、おえっ……」
あ、逃げた。すきまで逃げた。吐きに行ったのかな?
いかがでしたでしょうか?
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