海未色ダイアリー   作:にゃん太班長@元アクセンティア

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話考えるのが難しい





μ‘sと映画とラブアローシュート

土曜日

『From:高坂さん

今日はお饅頭が2割引き!!』

『From:東條さん

今日の運勢は大吉!!ラッキーアイテムは黄色いハンカチ』

「………なんで、メルマガみたいになってるんだろ」

電車に揺られながら、俺は苦笑いを浮かべていた。

スマホに表示されているのは、今をときめくμ‘sからのメールだ。

一昔前のメールマガジンのような内容のだが、恐ろしいことに俺個人にあてたメールである。

μ‘sの一員である園田とひょんなことから仲良くなった俺だが、彼女のアイドル宣言でμ‘sのメンバーと親交を深めることとなった。

いや、勘違いしないでほしい。俺が「アイドル紹介してくれよ、グヘへ」といったわけではないことはわかってほしい……誰に言ってんだろ。

そんな疑問は心の片隅に置いといて、かかわってきたのは俺ではなく、あちらのほうだった。

「ここのケーキうまいな。持ち帰りも買おうかな」

「ふふ、そうですか。そう言ってもらえると探したかいもあるものです。」

「………ありがとな、園田」

「大輔が喜んでくれるのなら、なんてことはありません。もしありがたいと感じるならお返しをいただけると……」

「今度のお茶会までにおいしいケーキ探しとく。」

「はい、ありがとうございます。」

周りから見たら砂糖を吐きそうな空気の中二人でお茶をしていると、

「あ、いたいた!

「ん?この声は?」

「穂乃果……?なっ!?」

「お邪魔するよー」

「ご、ごめんね。海未ちゃん……」

喫茶店にμ‘sのメンバーがぞろぞろとやってきた。その光景に俺が呆気に取られていると

「こちらが最近海未ちゃんと仲がいい大輔君です!!」

「へー、彼がそうなの……」

「ふーん……」

μ‘sの面々が一斉に俺に視線を向けた。

その光景に園田は声を荒げた。

「これはどういうことですか。ことり、穂乃果!!」

南さんは申し訳なさそうに、穂乃果さんは頭を掻きながら事情を説明し始めた。

「ご、ごめんね海未ちゃん。海未ちゃんが最近うきうきしてるからきになるみんなが言って……」

「わ、私が口を滑らせました。」

「体つきはしっかりしてるわね」

「海未の好みはもっと細身かと思ったけど……」

「俺、品定めされてる……」

「ち、違います。大輔はみんなが思っているような関係では……」

「違うの?」

「………違います。」

「答え、言っているようなものじゃない。」

「大丈夫よ、とったりしないから」

「だから違います。そ、それ以上言うなら怒りますよ!!」

「まあまあ、海未ちゃん。落ち着いて。せっかくの機会やからお茶しよ。君もええかな?」

「いいんですかね。俺μ‘sのファンに殺されないですかね?」

「大丈夫、その時は海未が看病してくれるから」

「なるほど、帰りたい!」

「残ってください、大輔!あなたが帰ってしまったら私はどうすればいいんですか!!」

「頑張ってくれ。」

「そこは助けてくださいよ!!」

「完全に黒ね」

「ベタ惚れじゃない」

なんてことがありつつ、普段知ることのできない園田のことも聞けてとても楽しいお茶会だった。

……園田は拗ねてたけど。

今日はその埋め合わせもかねて、一緒に映画に行くことになっている。……そろそろかな

電車を降り、改札を抜け、目的地であるショッピングモールへと歩を進める。待ち合わせ場所に視線を向けると園田が立っていた。

「おはよう、待ったか?」

「いえ、まだ待ち合わせの時間まで三十分ありますので大丈夫です。」

「じゃあ、ちょっと早いけどもう行こうか?」

「そうですね……」

「ん?、どうした園田」

「いえ……今日はこの前のお詫びも兼ねたデートですよね。」

「いや、デートでは「デートですよね」はい……」

「なら、私のお願いも聞いてくれますよね?」

「お、俺にできることなら…」

すると、園田は俺に手を差し出した。俺はその意味が分からずにぼーっと眺めていると

「もう、ほんとに鈍感ですね…こういうことですよ!!」

園田はそういうと俺の手を握ってきた。俺は突然のことで驚いて園田の顔を見つめた。園田はいたずらに微笑んで。

「ふふ、びっくりしましたか?」

「はい……」

「それはよかったです。」

「園田、こういうことはあまりするなよ…心臓に悪い…」

「大丈夫です。大輔にしかこんなことしません」

そういって園田は柔らかく微笑んだ。……小悪魔園田だ

「さあ、行きましょう。大輔!」

「お、おう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「面白かったですね」

「おお、CMで超大作って言ってただけあるな!」

「私、初めてパンフレット買ってしまいました。」

園田はそう言って、右手に持っていたハンドバッグを幸せそうな顔で抱きしめた。

「そんなにうれしかったか?なら、今度も映画に行くか?」

「いえ、もちろん映画も楽しかったですが……大輔との”デート“だからですよ。」

園田はそういうと幸せそうに微笑んだ。その微笑みを見て、園田はアイドルなんだなと改めて実感した。

「あの……大輔。少しこちらを向いてください。」

「ん?どうし……」

問いかけようとした俺の眼前、園田はそっと爪先立ちをして

「――――――」

一瞬。

ほんの一瞬、園田は俺に触れ、そして離れた。

「そ、園田……」

状況が呑み込めない俺に、園田は照れ臭そうに微笑んで。

「ラブアローシュート、です。」

そんなことを言ってのけた。

「……………」

俺はあまりの可憐さに無言になる。

参った。

俺の思い人はあまりにも可愛すぎる。

「ハート、撃ち抜かれましたか?」

「………うっす」

「それならばよかったです。次は大輔からしてくださいね」

では、失礼します。と一礼して去っていった。

「やべえな……」

その場に残された俺は、自然とラブアローシュートを受けた唇を撫でていた。

 




少し駆け足過ぎたかも、次の話はもう少し内容を濃くします……
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