ハイスクールD×D 一つの器に   作:Nation

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プロローグ『さあ、戦いを始めよう。』

 周囲が熱気に包まれている。

 

 体が燃えるように熱い。

 

 このまま燃え尽きてしまいそうだ。

 

 だが尽きるわけには行かない。

 

 目的を果たすまでは引き返すなんてことはしない。

 

 目の前に居るのは屈強な男。

 

 打倒すべき敵だ。

 

 俺はこの男を倒さないといけない。

 

 この男を倒し目的を果たさなくてはいけない。

 

 だが、この男は幾千の戦場を駆けた英傑。

 

 若者である自分と比べるのもおこがましいほどの存在だ。

 

 それでも、この戦いに勝利しないといけない。

 

 そのためにも何度も立ち上がろう。

 

 幾度打ち払われても、立ち向かおう。

 

 さあ、戦いを始めよう。

 

 お互いに武器を構え、相手を見据え―――

 

 

 

 

 

 

 ―――――キャベツを賭けた、仁義なき値切り交渉(戦い)が始まった。

 

 

 ◇◆◇

 

 

「すみません。この作品のジャンルは?」

「ん?ほのぼの日常系だが?」

 

 

 ◇◆◇

 

 

 学校の昼休み。クラスメイトで友人の支取(しとり)蒼那(そうな)が俺の書いた小説を読みながら聞いてくる。

「どこがほのぼのなんですか?出だしから殴り合いが始まりそうな雰囲気なんですが」

「よくある値切り交渉だ。ほのぼのしてるだろ」

「熱気に包まれているのはなぜですか?」

「夏の設定だからな。暑いだろ」

「相手の男は誰なんですか?」

「八百屋の店主だ。趣味は筋トレ」

「主人公の目的とは?」

「野菜を安く買う事。いいものを安く買いたいよな」

「そもそもどういう話なんですかこれは?」

「立派な主夫を目指す一人暮らしの高校生の物語だ」

 ソーナの質問に一つ一つ返す。その辺りの説明は続きに書いてあるんだが読者の問いにちゃんと返してこそ立派な作者だと考えている。持論だが。

「立派な主夫ってなんですか。そこは勇者とかにしましょうよ」

「いまどき、勇者や魔王が就職するんだ。なら最初っから主夫目指したっていいだろ」

「魔王が就職・・・どこに向かうんでしょうか」

「シリウスあたりじゃないか?」

「せめて地球の中でお願いします」

 ・・・魔王が宇宙開発の企業に就職して銀河の果てを目指す。書いてみるか・・・

「書かなくていいです」

 むぅ。思考が読まれたか。

「どうしてそう、明後日の方向のものを書きたがるのかしら。この前の『Hurt Full Rough Story』は名前こそあれですが純愛ものでよかったというのに」

「あぁ、あれね。お前に言われた通り名前変えたぞ?『HFRS』と言う名前だ」

「単語の頭文字をとっただけじゃないですか」

 だってあれ俺の作品じゃないしぃ。

「まぁ、名ばかりですが文芸部員ですし、全部読ませていただきます」

「おう、頼むわ」

 ソーナは印刷した束を鞄へとしまう。

「部員の方はいいんですか?このままだと来年度は部員0で廃部ですよ」

「まぁ、部員は今年度で卒業だしな。無理して残そうとは思わんよ」

 部室にある著書も図書室行になるだけだ。過去の部員が残した腐った作品と共に。

 というか、腐った奴は消えてないのにどうして文芸部に居ないんだろうか。漫研か個人活動をしているのだろうか。男として来てほしいわけじゃないが、一応部長として部員は欲しくもある。

「それでは私は生徒会の方に行きます」

「昼休みも仕事か?大変だな」

「新入生も入りましたから。後一週間もすれば落ち着きます」

「男手が欲しかったら言ってくれー。手伝うからー」

「その時はこき使うのでよろしくお願いします」

「・・・やっぱ無しで」

「却下です」

 却下された。言わなきゃよかった。

「それでは行ってきます。刹那(せつな)

「いってらっしゃーい」

 そうして教室を出て行った。

 

 これが俺の学園生活。

 

 

 ◇◆◇

 

 

 パタン。

「ふぅ。言い回しは面白かったけどキャラクターがいまいち。というか迷走してたなぁ」

 私は部室にある本を読み終えた。

 時間は放課後、立派な帰宅部はほとんど帰り、それ以外の部の人間が頑張っている頃。

 私も、文芸部員として活動をこなしたが、思っていたより文量が少なかったから速く読み終えてしまった。

 下校時刻にはまだ早く、でも次の本を読むには足りないくらいだ。

 ・・・帰ろう。どうせ、部室には私しかいないんだ。切り上げるタイミングも私が決めていい。

 鞄を持って部屋を出る。鍵を閉めて職員室に持っていく。

 鍵を返して、校門に向かうと見知った人物を見つけた。

「ソーナ」

 支取蒼那。クラスメイトで友達が、一人ベンチで座っていた。

「もう帰るのですか?」

「うん。思いのほか早く読み終えて。時間も中途半端だし帰ろうと。ソーナは生徒会の仕事?」

「はい。少し休憩中ですが、見回りを」

「不審者でも居たの?」

「いえ、変な方向に高校デビューを果たした生徒や、無理な部活の勧誘をしていないかとかですね」

「大学じゃないんだし大丈夫だと思うよ」

 ここは元お嬢様学校でもあるし、変な生徒は集まらないと思う。

「二年に前例がいますから」

「あぁ・・・」

 なんか、納得。

 さっきソーナが言った例に当てはまるわけじゃないがダメな3人組が居たっけ。

「それにまだ、見回り以外にも仕事がありますし」

「そういえば、お昼に言ってたね」

「聞いていたのですか?」

「うん。でも、生徒会の仕事ってそこまで多いモノなの?他の学校がどうか知らないから何とも言えないけど」

「私も他を知らないので何とも言えません。でも、やりがいがありますし、将来のためになります」

「真面目だねぇ」

 もうちょっとお気楽にやってもいい気がする。

「アナタたちはもう少し真面目にやってもいいと思います。部員集めとか」

 それを言われると痛いなぁ。

「どうせ、今年度で卒業だし、無理に残す必要がなかなぁっと」

「ならどうして去年、人数合わせで私を入れたんですか」

「部室とこれの確保」

 右手の親指と人差し指で丸を作る。

「・・・生徒会の権限で削りましょうか・・・」

「もう予算として上にとおってるから無理じゃない?」

「あの時に気付いていれば・・・!」

「ちゃんと本を買うために使うんだからそこまで言わなくてもいいじゃない」

 別に横領してるわけじゃないんだし。本はちゃんと部の備品になってるし。

「まぁ、代わりじゃないけど、言ってくれたら生徒会の仕事、手伝うからさ」

「では、今から見回りをお願いします。この学園は広いので人手は多い方がいいですから」

「・・・やっぱり無しで」

「却下です」

 却下された。言わなきゃよかったよ。

「わかりました、会長。鞄どうしよう?」

「生徒会に置いて構いません。ではよろしくお願いします。久遠(くおん)

「了解しました」

 そうして生徒会室に向かった。

 

 これが私の学園生活。




息抜きに書いている物なので更新は不定期になると思います。

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