※今話の時空は1.5部時空です。
※under the same sky によって福井に来ています。
「来たわよ、マスター、マシュ。そう、東尋坊へ」
ある時、私達は東尋坊へ来ていた。
はるばる来たマスターの生まれた国のとある地方。マシュにとっては初めての日本。ふふふ、驚いているようね。
なにせマスターやマシュの許可を得ずに突然来たのだから、驚いて貰わなければ困る。
「あの、虞さん。ここまで来た状況を把握できないのですが、私達をどうやってここに……?」
するとマシュが私に対して恐る恐ると言うように聞いて来た。マスターとマシュは先程まで気絶……もとい、寝ていたので、どうやって寝かせたかを知りたいようだ。仕方ない、先輩として特別に教えよう。
まずはロビンのマントによって気配を完全に遮断。その後神祖にしてローマ最高神とやらによってマスター達にローマ属性を付与。ブーディカにローマ特攻を私達に付けてもらって特攻状態。その後
ふふ、実に鮮やかな手口でしょ。指揮をした私を敬っても――え、作戦立案者は誰ですかって? ナポレオンよ。犯罪界の方の。
待ちなさい、なんで納得するの。マシュまでなんで納得するの。目を逸らすな。
……まさかとは思うけれど、私に立案できるはずはないとか思っていないでしょうね。思っていたらこの場で
「ともかく、今私達が居るのは東尋坊。フクドンケン、サカイイチ、サンゴクマチにある東尋坊よ」
私が地名を言うと、マスターとマシュが驚いたような表情になる。
ふ、私だっていつまでも解説だけされる側では無いの。人間が付けた地名なんてどうでも良いけど、いつもいつも「そんな事も知らないのか……」みたいな表情をされる訳には――え、
「ちなみに、この東尋坊は……自殺の名所ではあるけれど、飛び降りる人間も多いそうだけど、海流によって流れ着く死体も多いらしいわ。それも相まって言われるようになったみたいね」
私が解説をすると、先程までとは違う表情でマスターとマシュが驚く。
何故知っているのかと問われ、調べたのかと聞かれたが、別に調べた訳では無い。ただ実体験で知っているだけである。
――とある所に、こことは違う場所で追われて海に身を投げ、ここに死ぬ事無く流れ着いた女が居た。それだけの話。
「そういえば今日は何日だったかしら、マシュ」
「ええと、五月の二十五日ですね」
「そう、じゃあ遅かったみたいね」
「遅かった、ですか?」
この地では確か数日前に祭が行なわれていたはずだ。
もしもその日であれば、マシュを連れて行くことも出来ただろう。……まぁ別に良いけれどね。マシュが祭に憧れていたから連れて行けばなにか思ったかもしれない、というのは特に関係無い。
その事を言うと、マスターが不思議そうに何故祭の存在を知っているのかと問われ、調べたのかと聞かれたが、別に調べた訳では無い。ただ実体験で知っているだけである。
――とある所に、
と、それは関係ない。私がわざわざダヴィンチのやつに無理に許可を取ってここに来た目的を失念する所であった。マスターが居ないと外に行く許可を出せないからと言われてこうしているのに、ここに居たのではなんのために来たかが分からない。
マスターが切り替えて観光をしようとマシュとわいわいと話しているが、私の目的は果たさなければ。
「虞さん、この後の予定はあるのでしょうか!」
「このあと? 鯖江にいくわ。項羽様とペアメガネよ」
マシュが楽しそうに私に聞いて来たので、私は今回の目的の場所を告げた。……しかし、マシュも感情が大分出すようになったわね。
いや、それよりもこの後私は鯖江に行かなくては。ダヴィンチに言われ、マスターとマシュの為に観光スポットとやらには着たけれど、目的を達成できないのは困る。
そう、項羽様とのペアメガネを作るのだ。
なんでも鯖江とやらはメガネで世界一の技術力を誇るそうではないか。まさに項羽様に相応しき地である。
ああ、項羽様、お待ちください。世界一の誇るペアメガネをかけましょう!
「あの……」
私が項羽様への思いを馳せていると、マスターが私に声をかけてくる。
なによマスター。さっきまでマシュと楽しそうだったのに、なんでそんな怖がっているの。え、私に伝えたい事がある?
「虞さん。うちのカルデアに項羽様は居ませんよ……」
マスターは、恐る恐るといった様子で私に告げた。
……知っている、そのくらい。
「でもいつか来るんだから、今の内にペアメガネを用意するのはそんなにおかしい!?」
「いいえおかしく無いです!」
「大体項羽様を呼べないマスターが悪いんじゃない! いい加減項羽様呼びなさいよ!」
「無茶言わないでください!」
まさかの虞美人さんの登場に驚きを隠せず書いたものになります。
細かい設定は気にしないでください。