少女終末旅行 ワンドロ集   作:チビサイファー

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暴力体操着

 

 体育の時のユーリは飛んでもなく目に毒だ。

 

 なぜかって? あんな凹凸の激しいヒマラヤ山脈のような体で飛んだり跳ねたりしたらそりゃそうだえろう。

 

 胸元のゼッケンを破る勢いの豊満なバスト、そのせいでお腹の部分の密着が少ない服。故に、動けば時折引き締まったお腹とおへそがちらりと見えて、思わずよだれを飲みこんでしまう。

 

 そして、この21世紀においてどう考えても校長の趣味としか思えない指定衣服、ブルマ。まぁ、よくアニメとかにある極端なハイレグとまでは行かないけど、正直恥ずかしいとは思う。

 

 そうだ、その通りだ。そんなブルマをユーリが着たらどうなるかって? 決まっている、暴力だ。圧倒的、暴力。

 

 ぴっちりと密着したお尻周り。ちょっと準備体操で屈もうものなら、その密着具合はがっつり強調される。それに、最近また肉付きがよくなったのか時折お肉がはみ出ているから目のやり場に困るのが現状だ。

 

「あー、体育めんどいなー」

 

 そう言いながらユーリはとぼとぼと校庭に向かって歩く。本日は体力テストの日、インドア派の私には憂鬱でしかないイベントだ。

 

「お前はまだ運動ができるからましだろ。私にしてみれば拷問に等しいよ」

「お互い辛いねぇー」

「他人事だと思いやがって

 うへへへ、とふんにゃりとした笑みを浮かべながら、ユーはさり気無くブルマの布を指でひっかける。どうやら体の成長をストップした私の貧相な体と打って変わり、ユーの体は暴力具合をさらに増していくようで、服がノックアウト寸前にまで追い詰められている様だった。もうちょいで下着見えるぞ、新しいの買ったらどうだ。

 

「そだねー。さすがにそろそろ下着が見えそうな気がするし、お母さんにお願いしようかな」

「今日中にでも買いに行けよ。じゃないとお前ずっと買わないから。そのうちパンツ一枚で体育受けることになるぞ」

「すさまじい羞恥プレイだね」

「全くだ」

 

 正直、私からしてみるとブルマは厄介者で嫌いな方である。まぁ、この時代になんで一部特殊性癖の補助者たちが欲求を満たすための衣類を着なければならないのか、と言うのが一番だ。

 

 しかし。こればかりは自分勝手を言わせてもらおう。ユーリが着る、ということに対してはブルマの存在に100%拍手を送りたい。最高だ、たまらない。やや窮屈になったブルマに締め付けられるユーのお尻の姿が、たまらなくエロい。許されるのなら、今すぐにでも体育倉庫に誘って存分に撫でまわしたい。

 

 あ、できることなら買い替えてもそのブルマは残しておいてくれ。いつかむっちりした状態で履かせたい。なにかしらの罰ゲーム的な何かでぜひ着てもらおう。

 

 そんなことを考えていると、体力テストが始まり、次々と女子たちが呼ばれていく。え、私? ハンドボール投げマイナス2メートルだけど、文句あるか?

 

 今は棒高跳びの時間。笛の音を合図に、にユーリが走る。なんだかんだ面倒とか言っているけど、やるときはしっかりやるので全力疾走だ。まぁ、手を抜いたら先生に怒られるっていうのが一番だろうけど。

 

 いや、でもそれはどうでもいい。見てみろ、全力疾走で揺れる胸、たくましく軋む太ももの筋肉。地面を蹴り上げるたびに浮き出るふくらはぎの筋。美しいフォームでの大ジャンプ。まるで水面を跳ねる魚のような曲線美。

 

 ツンと上を向いたユーリの二つのふくらみ。風をまとい、揺れる体操服。その隙間から、きゅっと引き締まった腰回りとへそ。へそ!

 

 ぼふんとクッションに着地する。棒は落ちておらず、ユーは子の高さを飛べた唯一の女子となった。

 

 湧く女子たちの歓声、にへへと笑うユーリ。ああ、お前最高だ。何が最高かって、まあ最高だから最高だ。

 

「いやー、なんかめっちゃ注目されて疲れた」

 

 そう言いながらユーリと私は教室に歩みを進める。体のありとあらゆる筋肉を使う体力テストはようやく終わったが、その代償に私の普段使わない筋肉がシャレにならないレベルで悲鳴を上げていて、正直歩くのも辛い。

 対してユーのこの余裕は何だ。スキップまでしてるし。いや、こいつの体力お化けは今に始まったことじゃないんだけど、こういう場面ではいつも関心と呆れが入り交じる。

 

 けどまぁ。汗を流すユーリも最高だから、何とかなるんだけどね。

 

 ユーと私は、人気の少ないちょっと遠いところの水道までやってきた。ここならあまり人は来ないから、存分に、たっぷりと水を浴びることができる。

 

「うひー、冷てー」

 

 ざばざばと水道水を浴びるユーリ。体操着は汗でぐっしょりと湿っていて、ブルマも汗を吸い込んで少しだけ色が濃くなっている。

 そして、太もも周りに滴る、水と混じったユーリの汗。たぶん、近くで嗅いだらちょっと酸っぱいユーの匂いがするんだろうなと思う。

 

「ふー、気持ちい」

 

 ざばぁ、とユーリは水を纏いながら体を起こす。キラキラと水滴が飛び散って、思わずドキリとする。

 

「ん、なぁにちーちゃん」

 

 タオルで髪の毛を吹きながら、ユーリが私を見る。ああ、ヤバイ、ヤバイ、やばいやばい。水も滴るいい女。こんな変態チックな考えをしているのに気づいていないであろう素朴な瞳。汗を吸い込み、水を派手に被ってすっかり透けてしまっている体操服。その中に見える、淡い水色をしたユーリの下着。

 

 神よ。私の理性を破壊するのは勘弁してください。

 

「……ゆ、ゆー」

「どしたの?」

 

 ごくりと唾を飲みこむ。ああ、見ちゃダメ。今私をみちゃ、ダメなんだ。

 

 許して、ごめんなさい。私、今ユーリを見て最高にムラムラしてる。誰か、私を止めて。

 

「ちーちゃん? どしたの、息荒いよ。熱中症?」

 

 ずい、とユーが私の顔を覗き込む。ああそうだよ、お前に熱中症だよ、責任取れよ、どうすんだよ、そんな目で見るなよ、襲いたくなるだろうが。

 

 高鳴る心臓、全速力で体を駆け巡る血液と酸素。その供給がギリギリ追いつかなくなりそうで、私の欲求は理性を乱暴に破壊していく。

 

 全部、全部お前が悪いんだぞユーリ。そんなそそるような、暴力的な格好をしているお前が、悪いんだぞ!

 

「ちーちゃん?」

 

 チャイムの音が鳴る。けど、私にそれは聞こえない。乾く喉、震える唇、汗ばむ背中。

 

 ああ、かみさま。

 

 どうか どうか けものになるわたしを おゆるしください。

 

 

 

 

 了

 

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